洗濯機の柔軟剤投入口の仕組み・使い方｜掃除の仕方も解説！取り外せないタイプは？

昭和時代に普及した「三種の神器」の1つである洗濯機。時代が変わっても各家庭では未だに必須のアイテムですが、必ず設置されている柔軟剤の投入口の役割について、今まで考えたことはありますか？

柔軟剤は最後のすすぎの時に使われることで最も効果が発揮されるため、その適切なタイミングを逃さないように投入口が設置されています。それを理解して使えば、洗濯の効果を高め、快適に使えます。しかし、洗剤の投入口と入れ間違えた場合は効果が低減したり、投入口をリセットしたりする必要があります。

本記事では、柔軟剤投入口の仕組みや柔軟剤の正しい投入方法・普段の掃除についても解説します。取り外せない場合のお手入れ方法についても必見です。今後の洗濯を快適にするためにも、ぜひ参考にしてください。

全自動洗濯機なら柔軟剤投入口に柔軟剤を入れておくと、最後のすすぎの注水時に柔軟剤を溶かしながら洗濯槽に自動投入してくれます。もし投入口が無ければ、自分で最後のすすぎの注水時に投入しなければいけません。

その他にも洗濯槽の回転による遠心力を利用した投入ケース方式、柔軟剤の投入口にある給水弁から水を流して柔軟剤を溶かしていく注水方式もあります。種類によって投入される仕組みはさまざまです。

習慣的に行っている洗濯機を回す作業。改めて洗濯機のどこに柔軟剤投入口が設置されているのか、洗濯機のタイプ別に確認していきましょう。

縦型洗濯機の場合、多くは内側の引き出しになっている部分に設置されています。引き出しがない場合は洗濯槽の縁の部分に設置されている場合があります。表記は「柔軟剤」や「ソフト剤」などさまざまですが、洗剤や漂白剤とは別で柔軟剤の投入口があるので確認してください。

ドラム式洗濯機は縦型洗濯機とは異なり、外側に引き出しのあるタイプが多いことが特徴です。縦型洗濯機と同様に洗剤と柔軟剤を入れる場所が分かれているため、間違わないようにしっかり確認しましょう。

機種によっては、自動投入口と手動投入口で分かれているタイプもあります。いくつかの投入口があった場合でも、洗剤と柔軟剤で表記があるはずなので、慌てずに確認してください。もし、迷った場合は取扱説明書を確認しましょう。

柔軟剤を適量より多く投入しても香りやふわふわ感の効果は変わらず、むしろ吸水性が低下したり、肌触りが悪くなったりして、衣類へのダメージに繋がります。手動で柔軟剤を投入する場合は、商品ラベルに表記のある適切な量を入れるようにしましょう。

衣類の上から直接柔軟剤をかけると、特定の部分だけが柔軟剤を吸い込んでしまい、衣類全体に効果が行き渡らなくなります。また、衣類をコーティングしてしまい、洗剤の洗浄効果も得ることができなくなります。柔軟剤はすすぎの際に水に溶けて使用されるため、すでに説明したとおり、柔軟剤の投入口に適切な量を入れるようにしましょう。

すすぎ回数が1回の場合は、洗剤の成分が衣類と残り水に付着している可能性が高いです。この場合、洗浄成分と柔軟成分がそれぞれの効能を打ち消し合い、十分な効果が期待できません。最近の洗濯機は節水効果が高いため、自動運転にするとすすぎが1回に設定されていることがあります。

柔軟剤の効果を最大限に高めるためにも、すすぎは2回に設定して試してみましょう。

脱水時間を長くとると、柔軟剤の成分が衣類の外へ排出されて効果が薄くなることがあります。また、脱水をし過ぎると、衣類同士がこすれあって傷んでしまう可能性も高くなります。柔軟剤の成分をなるべく衣類に残すために、脱水は1回までにしましょう。

洗濯物を一気に詰め込んでしまうと、柔軟剤の成分が全体に行き渡りにくくなり、仕上がりにムラができてしまいます。さらに、洗浄成分にも同じようにムラができ、汚れが落ちにくくなります。洗濯物は詰め込み過ぎず、適量を入れるようにしましょう。

柔軟剤は最後のすすぎのタイミングで自動投入されて柔軟成分の効能を発揮します。洗剤の投入口に入れた場合は、洗いのタイミングで使われることになり、当然ながら柔軟剤の効果が得られません。

洗剤も一緒に入れているのであれば洗浄効果は得られているため、最初から洗い直す必要はありません。柔軟剤だけ正しい投入口に入れてからすすぎ直しましょう。もし、気になる場合は最初からやり直してもいいでしょう。

次に、柔軟剤の投入口に洗剤を入れ間違えた場合の対処法を解説します。結論から言うとすすぎが不十分になってしまいます。理由は、すすぎのタイミングで洗剤が投入されることになり、洗剤が残ったまま洗濯が終わってしまうからです。

• 【洗濯機を回す前に気づいた場合】洗濯物を全部出して洗濯槽を空の状態にします。次に、柔軟剤の投入口にぬるま湯を5～10回ほど入れて投入口を洗い流します。最後に2回ほど洗濯機を空のまま回しましょう。

• 【洗濯機を回した後に気づいた場合】洗濯を中断して柔軟剤の投入口にぬるま湯を5～10回ほど注ぎましょう。次に、洗濯物が入ったまますすぎを2〜3回行い、洗剤の泡が出なくなったことを確認してから最後に脱水をして洗濯を終えましょう。

洗剤と柔軟剤を入れ間違えた場合は、次の洗濯の前に投入口をリセットしましょう。約40℃のお湯を100mlほどを投入口に注ぎ、5〜10分ほど放置して通常の洗濯コースで回すことにより、リセットできます。

また、投入口付近に洗剤や柔軟剤が付着している場合は、歯ブラシや綿棒などを使いきれいにしておくことが大切です。気づいたときに対処しておくと、日々の掃除も楽になります。

洗濯物を回し終わった後に、柔軟剤を入れ忘れたことに気づいた場合でも、慌てずに対処しましょう。最近の全自動洗濯機であれば、すすぎだけのコースも選べるようになっています。柔軟剤を投入口に入れてすすぎだけやり直すことで、柔軟剤の効果を十分に得ることができます。

また、「先に手洗いしたものやつけおき洗いしたものを、柔軟仕上げだけ洗濯機でしたい」という場合にもこの方法が使えます。ただし、 すすぎから開始すると、多くの洗濯機は排水・脱水から始まってしまうことには留意しましょう。

投入口に水が溜まっていることを見かけて、心配になったことはありませんか？構造上どうしても多少の水は溜まってしまうので、見かけた場合は拭き取ってから使用すれば問題ありません。

溜まっている水の量が多いと感じる場合は、投入口のケースを取り外し、キャップの汚れや、ケースが奥までしっかりと取り付けられているかを確認してみてください。

柔軟剤は粘度が高いものが多く、使い続けているうちに投入口に固まったまま付着して残る場合があります。そのまま放置しておくと、柔軟剤の固まりが蓄積していき、詰まりの原因になります。本来柔軟剤は、すすぎのタイミングで水に溶けて洗濯槽内に投入されるもの。しかし、投入口が詰まっていると柔軟剤が十分に投入されないかもしれません。

柔軟剤のカスが投入口で固まり付着してしまうと、投入口が詰まる原因になります。その結果、柔軟剤を入れる際に投入口から漏れることがあります。規定量を入れているのに、柔軟剤が投入口から漏れている場合は、まずは投入口の詰まりを確認しましょう。

柔軟剤の漏れはほかにも、ケース内の規定量を超えて入れたり、勢いよく柔軟剤を入れたりした場合に起こることがあります。また、洗濯機が水平に設置されているか確認も大切です。投入口に詰まりがない場合は、上記のことを確認してください。

カビの繁殖に最適な環境は、温度20℃〜30℃で湿度80%以上といわれています。洗濯機内は常に湿度が高いため、カビにとっては居心地がよく繁殖しやすい環境です。特に掃除が行き届かない投入口はカビも発生しやすくなります。

投入口付近や奥の方にカビがある場合、洗濯槽全体にまでカビが広がっている可能性も高くなります。カビを発見した場合は、市販のカビ取り剤などを使ってしっかりと掃除をしましょう。

【取り外せないタイプの投入口】

1. 約40℃のお湯を100ml用意し、柔軟剤投入口に注ぎ5〜10分ほど放置します。
2. 脱水のみ運転を2回行いましょう。脱水運転を2回行うことで、柔軟剤投入口内部の汚れが洗濯・脱水槽に排出されます。脱水時間の設定が可能な場合は、脱水時間を3分に設定し、洗い・すすぎのボタンは押さずにスタートさせましょう。
3. 水で濡らしよく絞った柔らかい布で柔軟剤投入口と洗濯・脱水槽内の汚れを拭き取りましょう。柔軟剤投入口の汚れを放置すると汚れが乾燥して固まり、落ちにくくなるので気をつけてください。

【取り外せるタイプの投入口】

1. 投入口を手前に引き出して外す
2. 投入口を水洗いする
3. きれいな布やタオルで水を拭き取る

柔軟剤投入口をいつでも清潔に保っておくには、いくつかのポイントがあります。

• 柔軟剤投入口が汚れたら、すぐに拭き取る
• 柔軟剤及び洗剤は規定量を入れる
• 柔軟剤投入口と洗濯槽の掃除を習慣づける

洗濯槽に残った柔軟剤や衣類から出たホコリなどは、カビの発生源となります。見つけたらすぐに水拭きしましょう。柔軟剤が固まってしまっている場合は、お湯で溶かしてから拭きます。柔軟剤・洗剤は決められた適量を入れます。月に1度は、洗濯槽と柔軟剤投入口から内部の掃除をしましょう。

洗濯機の種類によっては柔軟剤の投入口が付いていないタイプなどもあります。そのため、柔軟剤をどこから入れたらいいのか分からない方もいますよね。投入口が付いていない洗濯機に柔軟剤を入れる方法を紹介します。

柔軟剤の投入口が付いていない場合は、洗濯機のなかに直接入れて構いません。その際には、洗剤と別々のタイミングで投入しましょう。同じタイミングで入れてしまうと、柔軟剤の効果が弱まってしまいます。

二層式洗濯機の場合、すすぎの種類によって柔軟剤を入れるタイミングが異なります。溜めすすぎの時は、2回目以降の最後のすすぎのタイミングで投入しましょう。注水すすぎであれば、水の濁りがなくなったタイミングですすぎを止めて投入するのがベストです。

柔軟剤は洗濯した衣類に香りを付けてふんわり柔らかい仕上がりにするためのものです。そのため、通常の洗剤のような洗浄成分は含まれていません。柔軟剤だけ投入しても洗濯物の汚れは落ちないため、洗剤も一緒に使用してください。

洗濯機の投入口は、洗剤や柔軟剤の効果を十分に発揮させるために重要な役割として設置されています。メンテナンスを怠ったまま使い続けると、不具合の原因に繋がるだけでなく、洗濯の質そのものが落ちてしまいます。投入口の役割を正しく理解して、清潔で快適な洗濯を心がけましょう。