【家庭用ミシン】押さえの種類と使い方｜サテン押さえやテフロン押さえの違いも

押さえとはミシンで縫い物をする際の必須アイテムです。押さえ金とも呼ばれ、ミシンを使う時に布が針と一緒に持ち上がらないように布を押さえたり、布をスムーズに送ったりして、安定して縫えるようにします。多くのミシンにはあらかじめついている付属品です。

押さえには「ブラザーミシン」など有名メーカーから出ているものや「サテン押さえ」や「テフロン押さえ」など目的に応じてたくさんの種類があります。生地によって適しているものや、縫う箇所によって適しているものなどさまざまです。どの押さえをどんな時に使えばいいのか、その使い分けは非常に難しいです。「知っているけど使い方のわからない押さえ」もありますよね。

そこでこの記事では家庭用ミシン向け押さえの種類と用途や押さえを選ぶ際の注意点について詳しく解説します。それぞれの違いを知り、目的に応じて押さえを使いこなせれば、今までよりももっとミシンを使いやすく、きれいに仕上がるので作品の幅も広がります。押さえ選びに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

ミシンには家庭用・職業用・工業用などの種類があり、それぞれ取り付けられる押さえが異なります。他の種類のミシンの押さえを買っても使用できないので、必ず自分の持っているミシンの種類に合わせて押さえを選びましょう。

お使いのミシンと異なるメーカーの押さえを使う場合は、自分のミシンに対応しているかを確認してください。異なるメーカーでも対応していれば使用できますが、中には互換性のない物もあります。

また、ミシンに合わない押さえをつけて縫おうとすると、針先が押さえに当たり針が折れる恐れもあり大変危険です。汎用品タイプを買う際にも、必ずお持ちのミシンの種類・メーカーを確認しましょう。

基本押さえは名前の通り最も基本的な押さえです。薄地から厚地まで一般的な布を直線・カーブで縫う場合はこの押さえを使います。基本押さえは縫製時に布が針と一緒に持ち上がらないように押さえ、布をスムーズに送って縫い目をきれいにします。

ジグザグ押さえは直線縫い・ジグザグ縫いをする時に使います。針が落ちる穴が横に長くなっており、直線縫いにもジグザグ縫いにも使えます。職業ミシンはジグザグ縫いができないので、ジグザグ押さえは基本的に家庭用ミシン専用の押さえです。

テフロン押さえはスムース押さえ・レザー押さえとも呼ばれています。レザーやビニールコーティング素材などの滑りにくい生地をきれいに縫うための押さえです。生地が張り付きやすい金属部分がフッ素樹脂加工されているので、滑りにくい生地もスムーズに送ります。

上送り押さえは押さえについている歯がミシンの送り歯と連動して動いて、滑りやすい素材やズレやすい素材をスムーズに送る押さえです。テフロン押さえを使ってもうまく縫えない厚めの生地でも、上送り押さえを使えばきれいに縫えます。

ベルベット押さえはベルベットやベロアーなどの毛足がある生地の縫いずれを起こりにくくするための押さえです。毛足の長い生地は基本押さえで縫ってしまうと、縫いずれが起きやすいのが特徴です。縫いずれが起きて縫いにくいと感じる生地でも、ベルベット押さえを使えば縫いずれを防いできれいな仕上がりの作品が作れます。

片押さえはファスナーのムシが邪魔にならないように、縫っていてもムシに当たらない形になっています。ファスナーを縫い付ける時には片押さえを使えばファスナーのきわをきれいに縫えます。また、押さえの位置を縫う向きに合わせて左右どちらにもセットできるのが特徴です。

2mm押さえはきわめて細い2mm巾の作りになっており、布面がみやすくファスナーもつけやすくなっています。その他にもポケットの内縫いや端縫いがきれいに縫えます

コンシールファスナーを縫う時に使う押さえです。コンシールファスナーのムシを起こしながら縫うため、ムシのきわをきれいに縫えます。コンシールファスナーは完成時に金属部分が見えないように仕上げなければいけないので、このコンシールファスナー押さえは必須アイテムです。

裁ち目かがり押さえは裁ち目のかがり縫いをする時に使う押さえです。裁ち目かがりは布端がほつれないようにするための縫い方で、布端をガイドの内側に当てるだけで簡単に布端の処理ができます。また、押さえのツメ部分で生地端を押さえながら作業できるので、生地がよれたりつれたりせずに仕上がります。

サイドカッターは、裁ち目かがりをする際に布端を切りながら縫うのが特徴です。本来のハサミで切ってからミシンで縁をかがる手間が省け、より簡単に作品を作れます。また、サイドカッターを使えば普通のミシンをロックミシンのようにも使えます。

裾を三つ折りで縫いたい時に使うのがこちらの三つ巻き押さえです。アイロンで少しずつ三つ折りにしていくのは手間がかかる上に、幅の狭い三つ折りだと火傷する可能性もあります。三つ巻き押さえを使えば、セットして縫うだけでどんどん裾が三つ折りで縫いあがっていくので作業を大幅に時短できます。

「ボタン付けは手縫いでやるもの」と思っている方も多いですよね。ボタン付け押さえを使えば、ミシンを使ってボタンをつけられます。ボタン付け押さえがボタンを固定して、そのままミシンでジグザグにボタンを縫いとめる仕組みです。手縫いではボタン付けが面倒だと感じている方におすすめです。

ボタン穴かがり押さえはボタンホールを開けるための押さえです。ボタン穴かがり押さえのボタン受けの部分にボタンをセットすれば、ボタンの大きさにあったボタンホールをきれいに開けられます。手でボタンホールを開けるよりもきれいに簡単に仕上がるのがポイントです。

押さえ付け方・外し方の手順は以下の通りです。また、取り外しを行う際は怪我をしないように必ず電源を落としてください。

1. 針を上げた状態で押さえを上げる。
2. 押さえだけを交換するタイプのミシンは、ホルダーの後ろのボタンを押すと押さえが取れる。
3. 押さえを付ける時には、交換する押さえのピンの部分がホルダーの溝に合うようにしてゆっくりとレバーを下げる。

押さえホルダーを取り外すタイプのミシンなら、押さえを外した状態でドライバーを使ってネジを緩めてホルダーを外します。付ける時には押さえをさらに上げた状態で交換する押さえをはめ込み、ネジを閉めてしっかりと固定しましょう。

ミシンに必要な道具は意外と多く、初めは低価格のもので揃えたいと思う人も多いですよね。ミシン糸やミシン針などの多くは100均でも揃いますが、押さえに関しては現在のところ100均で販売している情報は見られません。

ただ、押さえの種類は多く、ミシンのメーカーや種類によって適切な使い分けをしないと針が折れる恐れもあります。コストを抑えたい方は他のアイテムを100均で揃え、少々値段が高くてもお持ちのミシンに合った押さえを選ぶようにしましょう。

押さえを使いこなせばミシンでの作品制作がもっと快適になります。今回紹介した押さえはもちろん、自分と作品に合った押さえを使って、裁縫をいまよりもっと楽しみましょう。