内蔵HDDのおすすめ10選｜自作PCにおすすめの内蔵ハードディスクを紹介

SSDがどれほど高速で、小型化が進もうとも価格面ではHDDに勝てません。単純なデータドライブとしてはHDDの方が優秀です。自作PCを組む方でも、システムドライブはSSD、データドライブはHDDとハイブリッド構成をされる方も少なくありません。

少量のデータなら読み込み速度の差はそこまで出ないですし、OSはHDDの苦手なランダムアクセスが多いのでSSDに任せるのが都合がいいです。「HDDは技術的な進歩が止まった」と思われがちですが、大容量化・低価格化は未だに留まるところを知りません。速度も少しずつではありますが上がってきています。

この記事では、HDDのゲームや動画編集など目的に適した容量の解説と、メーカーや価格別のおすすめHDDを紹介します。内蔵ハードディスクに関心のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

HDD（ハードディスクドライブ）とSSD（ソリッドステートドライブ）の違いを、速度・容量・価格面で比較していきます。

HDDはSSDに比べて速度では大きく劣る反面、容量はHDDの方が上です。SSDの容量は240GB~500GBが主流なのに対し、HDDは500GB~1TBが主流です。1TBとは、16GBのスマートフォンで換算すると約62台分の容量となります。HDD製品によっては1TB以上のものもあり、容量が非常に大きいのもHDDの魅力です。

価格面では、HDDは高価なメモリーチップを使用していないため、SSDに比べると容量あたりの単価が安くなります。そのため、同じ容量でもHDDはSSDの半分程度の価格で購入可能です。最近は容量の大きなSSD製品も増えてきましたが、大容量の製品を安価で購入できる点が、HDDの最大の特徴です。

HDDを使いたい場面として、次の例があげられます。

• データ保存用
• バックアップ用
• 大容量のデータを扱うとき

基本的にHDDはSSDに比べ内蔵ストレージの容量に余裕があるため、大容量のデータの保存に向いています。多くのデータを保存するときやパソコンのバックアップをとるときは、データの容量が非常に大きくなるためHDDを使います。ほかにも、写真や動画など大容量のデータを扱うときも、HDDであれば容量を気にせず保存できます。

また、HDDは容量が1TBを超える製品でも安価に購入できます。ゲームやOSなど、速度によって作業の快適性が左右される場合以外は、HDDでも問題はありません。容量単価が安い、保存できる容量が大きい特徴を活かし、大きな容量のデータを保存・バックアップするときが、HDDの主な使用場面となります。

自作PCには、3.5インチHDD・2.5インチHDDの使用が可能です。デスクトップパソコンの場合2.5インチにするメリットはほとんどないので、一般的に3.5インチHDDが用いられています。

フォームファクタとは、パソコンやパソコン部品のサイズと形状を示す規格です。データドライブ用には3.5インチタイプと2.5インチタイプの2種類があるので、使用用途に応じてどちらかを選びましょう。

デスクトップPCを選ぶ際には、3.5インチタイプの内蔵HDDを選びましょう。2.5インチタイプに比べ、3.5インチタイプの方が高性能で大容量です。

デスクトップPCでは、ノートPCより操作や処理の幅が広がる分、たくさんの容量が必要になります。3.5インチであれば2.5インチよりも大容量で、最大で4TBもの容量を誇るため、安心して作業ができます。HDDとしての最高性能を引き出せるので、デスクトップPCを選ぶときは3.5インチの内蔵HDDを選びましょう。

ノートPCや小型PCなど、スペースが限られていると3.5インチタイプのHDDは搭載できないため、2.5インチタイプが搭載されています。2.5インチタイプはノートPCに合わせた作りなので、性能は控えめです。それでも最大容量は2TBと、ネットサーフィン・文章作成・写真の保存などは問題なく作業できます。

また、低発熱なのも2.5インチタイプの特徴です。PCは発熱量が多くなると、動作に不具合が生じ、寿命が縮んでしまいます。2.5インチタイプは3.5インチタイプに比べ大容量のデータを扱わないため、低発熱となります。

HDDを選ぶとき、用途次第で必要な容量が変わってくるため、HDDの容量を確認しておくのはとても重要です。基本的に容量は「大は小を兼ねる」といった感じですが、使用用途に合った容量の内蔵HDDを選びましょう。

たとえば、以下のような場合は大容量が必要なので、1TB以上の内蔵HDDを選びましょう。

• ゲーム
• 動画の録画
• 動画編集
• データのバックアップ

1TBの容量があれば、動画だと125時間分の録画が可能です。これは、ドラマに例えると10シリーズ分になります。ゲームも1本50GBと地味に容量を圧迫してくるので、ゲームをよくダウンロードする方は大容量の内蔵HDDをおすすめします。

一方、写真は1TBで10万枚まで保存できるので、写真の保存がメインの方は、512GB程度の容量の内蔵HDDで十分です。動画にも写真にも使わず、文章作成やネットサーフィンに使う程度であれば、さらに低容量の256GBでも問題ありません。

「容量が多いほど高速…？」と勘違いしやすいですが、動作スピードに関係するのは次に紹介する「回転数」です。容量はあくまで「データを記憶する領域」ですので、覚えておいてください。

回転数とは「rpm」の単位で表され、1分間にHDD内の円盤がどれだけ回転するかを意味します。HDDには7200rpmと5400rpmがあり、回転数の高い7200rpmの方が動作は早いです。しかし、体感上はそこまで明確な差はないので、回転数はあまり気にしなくても問題ありません。

5400rpmの方が低消費電力で、2.5インチによく用いられているため、ノートPCを購入される場合は回転数は5400rpmの製品が多くなります。ただし、どうしても動作スピードが気になる方は、回転数の高い7200rpmを選びましょう。

キャッシュとは、同じサイトにアクセスしやすくするために、1度アクセスしたサイトのデータをメモリで一時的に保管する、速度の高速化を目的とした機能です。キャッシュ容量は決められており、容量が最大まで達すると古いキャッシュから順番に削除されます。

また、キャッシュの容量が大きいほど動作速度は速くなります。特に、キャッシュが切れるまでの速度は容量によって大きく変わり、容量が大きいほど、長くキャッシュが保存され、その分動作も早くなります。

基本的にキャッシュはHDDの容量に比例するため、容量の大きいHDDを購入すればキャッシュ容量も大きいため、動作スピードに問題はありません。ですが、念のため確認しておきましょう。

故障が心配な方は、メーカーで選ぶのも1つの方法です。基本的に国産のHDDは信頼性の高い壊れにくいものが多く、またサポートも充実しているため、安心して購入・使用できます。仮に故障しても、国産メーカーであるため問い合わせ対応や修理がスムーズです。

一方で、海外メーカーでも、最近では信頼性の高いメーカーがあります。イギリスのマーシャルはリファービッシュ品ブランドが有名ですし、アメリカのシーゲートが不評なのは昔の話です。海外のメーカーでも安心して使用できるHDDもあるので、通販サイトのレビューなどを見て検討するのをおすすめします。

いくら国内の信頼できるメーカーのHDDでも、故障はつきものです。そのため、購入前には一度、故障率を確認しておきましょう。backblazeが、社内で使ったHDDの故障率を公表しているので、購入前にbackblazeの公表データを確認して、故障率の低い製品を選ぶと安心できます。

PCには、SATAとIDEの2種類の接続規格があります。ここ数年のPCであればSATA規格が採用されているので、基本的に接続タイプは考慮する必要はありません。しかし、2000年頃まで使用されていたPCではIDE方式が主流だったため、かなり古いPCだとIDEの可能性があります。SATAとIDEに互換性はないため、忘れずに確認しましょう。

SATAは1.2.3の3種類の規格があり、それぞれデータの転送速度が異なります。SATAは3種類すべてに互換性がありますが、速度は遅いほうに準拠するため、たとえばPCがSATA3でHDDがSATA2の場合、接続規格はSATA2です。

基本的に接続規格にはSATAが使用されていますが、IDEの規格もあると頭の片隅に留めておきましょう。

仮に中古のHDDを買う場合、次の3つのポイントを確認しましょう。

• 動作時間を確認
• 性能と耐久性には期待しない
• 保障のある製品だと〇

中古製品を選ぶ場合、動作確認が確実にされているため、中古PCの専門店から購入しましょう。ただし、性能と耐久性には期待しないでください。いくら専門店が取り扱っているとはいえ、使い古された製品ですので、いつ故障してもおかしくありません。

また、保証が付いている製品は少ないですが、保証が付いていれば少しは安心です。いずれにしても、中古製品は長く使えないため、新品を買うまでのつなぎとして考えてください。

内蔵でHDDを増設する際は、自分のPCに空いているベイがあるか確認が必要です。空きがない場合は外付けで増設する方法になります。作業をする際は、必ずパソコンの電源を切って行ってください。また、データのバックアップは事前に取っておきましょう。

簡単な手順は以下の通りです。

1. アダプター・バッテリーを外す
2. HDDをネジ穴に合わせて設置する
3. インチネジで取り付け、反対側からもネジで固定する
4. HDDにSATAの電源・SATAケーブルを接続
5. HDDにつながるSATAケーブルを、マザーボードの空いているSATAポートに接続
6. PCを起動し、スタートメニューの管理ツールから確認

HDDの寿命は、一般的に内蔵タイプは4年・外付けタイプは3年程度とされています。内蔵タイプの場合は起動時に最も負荷がかかるので、駆動時間よりも起動回数が重要だと考えられています。臭いや音に変化があったり、動作が遅くなってくるのも、寿命を見分けるポイントです。

一方、外付けタイプは内蔵タイプより短く、駆動時間に換算すると約10,000時間程度です。使用時の室温・湿度などによっても左右されるので、過酷な環境下での使用を続けるのは避けましょう。

HDDは大容量で低価格なストレージです。購入の際は使用目的に応じて容量やデータ処理能力を考慮して選びましょう。また、信頼のおけるメーカーで選ぶなど、使用中のサポート体制も重要です。自分に合った内蔵HDDを手に入れて、PCライフをより快適にしましょう。