キーボードのグリスおすすめ4選｜グリスの塗り方【キーボードを分解しない場合も】

パソコンを使っていると、キーボードのボタンを何度も押さないと反応してくれなかったり、押しにくかったりする経験がありませんか。キーボードの中は、食べカス・人間の手垢・汗や脂などの分泌汚れ・糸くず・ホコリなどが詰まり汚れています。

そのため、キーボードが反応しにくくなる・引っかかる・固い場合は掃除をしましょう。また、さらにキーボードの反応をよくしたいなら、掃除後にグリスを使うのがおすすめです。グリスを塗れば、キーボードの感触向上につながる上に、静音効果も期待できます。

ただし、分解しない場合もする場合もグリスの塗り方には注意が必要です。この記事では、グリスの扱い方や使い方を解説します。また、ルブやシリコンスプレー（潤滑スプレー）などのおすすめのグリス4選もご紹介するので、キーボードの掃除の際にぜひ参考にしてください。

パソコンのキーボードを円滑にするなら、スプレー式のオイルでもいいのではと思う人もいますよね。しかし、パソコンにはパソコン用のグリスを使うのをおすすめします。ここでは、油とグリスの違いを解説します。

潤滑油は、摩擦を軽減するために用いられるものです。一般的には、歯車や自転車などに使用されます。一方、グリスは液体の潤滑油に増ちょう剤を加えて作られています。そのため、粘度が高く、流動性が低い常温では半固体または半流動体です。よって、潤滑油とグリスは増ちょう剤が加えられているかどうかの違いがあります。

キースイッチが固くて押しにくかったり、反応しにくかったりして困っている方も多いのではないですか。固いままキーボードを使用していると、キースイッチの音もカチカチと大きくなります。

そこにグリスの塗布によって、固くなったキースイッチの感触の向上だけでなく、静音性を高めるのも可能です。また、スタンドがついているものなら、スタビライザーにも使用できます。固くなって使いにくい場合は、ぜひスタビライザーにもグリスを使用してください。

グリスの主流はスプレータイプと液体タイプです。グリスは無害とは言われていますが、手がかぶれる恐れもあります。スプレータイプのものは手袋・マスク・メガネなどを使用してください。液体タイプのものは素手ではなく手袋が必要です。テーブルや床で作業する場合は、ブルーシートや新聞紙などを使いましょう。

メカニカルキーボードには「ルブ」がおすすめです。ルブは非常に粘度が高い優れものですが、スイッチを分解してから塗る必要があります。そのため、キースイッチが独立しているものにしか使えません。キースイッチを傷つけず分解するにはキースイッチオープナーが便利です。おすすめはKrytoxで、比較的粘度の高いKrytox 205g0・粘度が低く塗りやすいKrytox 205g00・オイルタイプのKrytox 105などさまざまなタイプがあります。

• 洗剤（洗浄力は弱いものでいい）
• エアダスター
• 綿棒　
• 酸素系漂白剤
• ビニール（複数枚）
• キースイッチオープナー
• ルブグリス

今回は解体できるメカニカルキーボードにルブを使用する方法を説明します。また、他に用意するものは100均で購入できるので、1セット常備しておくとすぐに掃除でき便利です。分解したキーボードを元に戻しやすいように、キースイッチを分解する前にスマホなどで写真を撮っておきましょう。

1. キーの配置をスマホで撮る
2. キースイッチを外す（ここでキースイッチの分解を行いましょう）
3. 水で薄めた洗剤の入ったビニール袋に入れる
4. エアダスターでホコリを飛ばす
5. 1.5倍に薄めた漂白剤をつけた綿棒できれいにする
6. 水拭き後は完全に乾かす

キーの配置を写真に残したら、キースイッチの分解をしましょう。ハウジングは左右に2ヵ所ずつ固定されています。片方の2つにピンセットを差し込み爪を外すと、ハウジング上部・ステム・スプリング・ハウジング下部に分解できます。

ルブを塗るときのポイントは、薄くのばすように塗っていく点です。塗っていく部分は次のような箇所です。

• キースイッチの裏側
• 軸部分
• レールとスライダー
• ハウジング上部の内側とステムの外周側面
• ハウジング下部の金属端子の左右の突起とそれに接触するシステム箇所

細かい作業ですが、コツコツとやっていくしか方法はありません。

ルブを塗ってから、キースイッチに戻すの繰り返しです。粘度の高いものはなるべく薄く塗りましょう。キースイッチを組み立てる時は慎重に行ってください。キースイッチの分解時に撮った写真を参考にするとわかりやすいです。

また、元に戻す時にうまく入らないからといって力を入れすぎると破損の恐れがるので注意してください。

キーボードが分解できないのでグリスを塗れない場合はありません。分解できないキーボードには、シリコングリスを使います。作業する場合は、念のためバックアップを取っておきましょう。

• ティッシュか機械用ウエットティッシュ
• 綿棒
• エアダスター
• シリコングリス

パソコンは精密機器なので、ちょっとした静電気でも回路に大きなダメージを与える場合もあります。慎重に作業を行いましょう。

まずはエアダスターや綿棒でキーボードの隙間のゴミを取り除きましょう。その後機械用ウェットティッシュできれいに拭き取ります。ゴミが残った状態でグリスをつけないように注意してください。

MacBookやDellなどのノートパソコンは、キーボードが取り外せないようになっています。そのため、あとは可動部分の動きが悪いキーの隙間にスプレー型シリコングリスを少量シュッと吹きかけるだけの簡単な方法で終わりです。

チューブのシリコーングリスは、細部までは分解できないけれどキートップのみ取り外せるタイプのキーボードに使いましょう。

まずはキートップの位置を画像に残し、キートップを外します。スプレー型シリコーングリスと同様にキーボードをきれいに掃除してください。その後、ノズルを使って、軸部分にグリス部分にサッと少量塗布するだけで完了です。

シリコーングリスは、分厚く塗ると固くなってしまうので注意しましょう。潤滑にするためのグリスなので、少量塗るだけでも静音性やキーボードのタイピングの違いはすぐに分かります。

塗る際は、綿棒やノズルの先などを使って薄く塗るのを意識してください。分厚く塗ると故障の原因になります。

メカニカル式では、青軸や赤軸など軸の種類によって静音性が変わります。そのため、グリス以外に静音性の高い軸に変える選択肢を検討するのもありです。ただし、交換できないタイプもあるため、あらかじめよく確認しておきましょう。また、以下の記事では、おすすめの静音設計のゲーミングキーボードをご紹介しています。実際に購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

パソコンやキーボード掃除は定期的に行うのがおすすめです。掃除をしないまま放置しておくと不具合の原因にもなるので、グリスに汚れがつく前に掃除をするようにしてください。