モニターアームの使い方を紹介｜設置例や取り付け位置・使い方も紹介

モニターアームはデスク上のスペースをすっきりさせる優れものです。設置位置を変えられるものも多く、用途・目的に応じてつける場所を微調整したい方にもおすすめ。仕事・ゲームなど、場面に合わせて使い分けたい方にぴったりです。

モニターに付属するスタンドで高さや角度が調整できるものもありますが、モニターアームを使った方が、スタンドよりも高さ・角度・位置を広い範囲で調整できるものが多く、使用中や使用後の自由度が高いです。

本記事では、モニターアームの使い方について詳しく解説します。つける位置・取り付け方なども紹介しますので、どこにつけるかお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。

モニターアームとは、パソコンのモニターの位置を上下左右自在に動かせるようにするアイテムです。狭いデスク周りで空間を有効活用できて、自分に適した作業環境を作れるのがメリットです。

壁面・デスクに取り付けるタイプが多く、複数のモニターを取り付けられる商品もあって自分が求める稼働性の商品を選べます。

最も主流で種類も多いのがクランプ式です。机に挟み込むようにして取り付けるので、使い方も簡単なのが特徴です。ただし、ガラス製や割れやすい机には使えないため注意しましょう。

クランプ式はモニターアームをデスクに挟み込んでネジを締めて固定します。挟んでネジを締めるだけなので誰でも取り付けがしやすく、クランプが挟める場所であればどこでも付けられるのがメリットです。

ただし、机の形状や素材によっては付けられない可能性もあります。また、締め付けすぎると天板を傷めてしまうことがあるので注意してください。

クランプを取り付ける部分にデスクの補強材などがあると取り付けることはできませんが、補強材と同じくらいの厚さの板を付けて挟み込むという裏技もあります。モニターアームを購入したはいいものの、取り付けできないデスクだったという時は試してみてください。

天板に穴を開けてボルトで固定するのがグロメット式です。重いものでもしっかりと固定することができますが、穴をあける必要があることと、1度設置したら場所を変えにくいのがデメリットになります。

グロメット式は仕様上、デスクにボルトが通るくらいの穴が空いていることが条件になります。天板に配線を通す穴が空いているものは流用できることもありますが、基本的には穴を空けなければいけないと思っていた方がいいでしょう。

取り付け方は天板の穴を利用して上下をボルトで締めるだけなので、取り付け自体は難しくありません。ただし、ドリルなどを使って穴を開けたり、穴位置を決めたりするなど手間がかかります。

グロメット式の取り付け方にコツはほとんどありませんが、穴を空ける際は本当にその場所でいいのかをしっかりと見極めましょう。付けてみて思っていたのと違うとなると、また別の場所に穴をあける必要があり、手間がかかります。何度も穴を開けると見た目が悪くなるだけでなく、デスクの耐久性にも支障が出るので位置決めが重要です。

壁に直接ネジ止めし、壁掛けテレビのような使い方ができるのが壁面固定タイプです。クランプやグロメットと違い、完全に宙に浮いた状態になるのでデスク周りがスッキリします。賃貸物件や壁の素材によっては付けられません。

壁面式はグロメット式と同じように穴を開けてモニターアームを取り付けますが、デスク上ではなく壁面に固定します。デスク上にモニターアームの足がつかないので、その分広く使えるのがメリットです。

ただし、グロメット式と同じく穴を空ける必要があるため、手間がかかるのと1度設置したら場所を変えづらいのがデメリットになります。また、壁の素材によっては取り付けができないため注意が必要です。

グロメット式と同じで穴を空けなければ使えないので、最初の位置決めが重要になります。モニターアームの可動域などを把握した上で、どの位置に取り付けるかを決めましょう。失敗すると穴を空ける手間と壁の穴が増えてしまうので注意してください。

メタルラックなどの支柱に挟んで使うのがクリップ式です。クリップ式はポール固定式と呼ばれることもあります。クリップ式は穴を空ける必要がないので手間がかからず、天板上にスペースを取られないのでデスクを広く使えるのがメリットです。

クリップ式はメタルラックや支柱となるものがあれば、それに挟み込んで取り付けるタイプです。天板や壁に穴を開けたくない時などによく利用されています。

商品によっては支柱となるものの径と合わないものや、丸形・角型のどちらかだけに対応しているものなど種類があります。持っているモニターアームと支柱とするものの形状・サイズをしっかりと把握しておきましょう。

クリップ式のモニターアームは、支柱となるものをクリップで挟み込んでネジを締めるだけなので、特に難しいことはありません。長く使っているとネジが緩んでアームがズレたり、モニターが落ちて破損したりすることがあるので、定期的にネジの締まりをチェックしておきましょう。

モニターアームは、本体と液晶モニターの重量を支えるので、設置する机によっては割れてしまうことがあります。天板が薄い場合や割れやすい素材の場合は、補強プレートや当て木をして強度を上げましょう。補強プレートはお店や通販で買うことができ、当て木はホームセンターなどで購入できます。

当て木をする場合は設置する部分だけでなく、少し長めのものを用意すると負荷が分散されるため安定感が増します。

フレーム付きの机は天板の下にあるフレームが邪魔をしてクランプ式のモニターアームを使うことができません。中にはモニターアームに対応したフレーム付きの机もありますが、数は少ないです。グロメット式やクリップ式に買い換える・机を変えるという方法もありますが、フレームと同じ高さの当て木をして無理矢理取り付けることもできます。

現在の机をクランプ式で使いたいという人はぜひ試してください。

モニターアームは付属のスタンドよりも奥行きが必要な場合が多く、奥行きにゆとりがない場所では取り付けるのがやや難しくなります。

机の配置換えまたはモニターアームの買い替えがベストですが、補助板を使って物理的に設置スペースを作ることで取り付けることも可能です。ただ、机よりはみ出したところで固定することになるので、作りが甘いと落下することがあるので注意してください。

モニターアームはモニターを支えたり動かしたりすることができますが、複数のモニターを並べるマルチモニター環境を作る際にも役立ちます。1つの画面で複数のソフトを同時に使うのは不便ですが、マルチモニターなら他のモニターに分けて表示できるのでとても便利です。

通常の場合、スタンドの関係上横並びにするしかありませんが、モニターアームを使えば縦に並べることも可能です。モニターを複数枚使うことで配線がややこしくなる点にだけ目を瞑れば、モニターアームを使ったマルチモニター環境はメリットが多いです。

スタンドからモニターアームに付け替えても配線問題は解決しません。せっかくデスク上からスタンド部分がなくなったのに配線だけがだらしなく残っていると、汚く見えてしまいます。

モニターアームの中には、ケーブルを隠せる収納スペースを設けたものがあります。そちらに通すことでモニターから出ている配線を隠せるので、よりスッキリさせることが可能です。

商品によってはモニターアームの台座部分にUSBポートが付いているものがあります。このUSBポートは一般的なUSBとして使うのではなく、モニターアームに付属しているケーブルをPCに挿してPCのUSBの延長として使用します。

ガススプリング式は、機器の内部に充填されたガスの圧力を調節する要領でアームの動きを制御する方式です。オフィスチェアの昇降機能と同じ原理で、わずかな力でも簡単に操作できるメリットがあります。使用開始の際には調節ネジを回し、ガス圧を調節する手順が必要です。

メカニカルスプリング式は機械式のバネでアームを調整する方式です。ガススプリング式よりも価格が安く長持ちするため、初心者に適しています。ただしガススプリング式と比べてモニターを支える力が強くないほか、微調整しにくいです。

VESA規格対応商品であるかどうかもチェックしましょう。VESA規格とはモニター背面にある縦×横のネジ穴の間隔を統一した国際基準で、VESA規格適合モニターアームの多くは「75x75mm」もしくは「100x100mm」に対応しています。

VESA規格対応のモニターアーム・モニターは、異なるメーカーの機器同士であっても取り付けできる点でおすすめです。

ディスプレイのサイズ・耐荷重も大事なポイントです。画面サイズの大きいディスプレイほど重量も大きいため、モニターアームのサイズ・耐荷重にも相応のスペックが求められます。画面サイズ・モニターアーム耐荷重の目安は以下のとおりです。

• 15～24型・・・耐荷重6kg程度
• 25～27型・・・耐荷重8kg程度
• 28～32型・・・耐荷重10kg程度

1982年に創業したアメリカに本社を置くエルゴトロン。人間工学に基づいた製品づくりを心がけており、モニターアーム業界ではトップクラスの安定感・信頼感があります。

高品質で高耐久な製品が多いので、モニターアームを使うならエルゴトロンがイチオシのメーカーです。ただ、品質や信頼感に比例して価格が高いため、費用を抑えたい方にはおすすめできません。

パソコン事業・スマホ・オーディオなどさまざまな事業を展開しているグリーンハウス。グリーンハウスのモニターアームは手頃な価格の物が多くラインナップされているので、手が出しやすいのが魅力です。

価格が安いからといって使いにくいかと言われるとそうでもなく、しっかりと使えるので愛用者も多くいます。初めてのモニターアームにおすすめのメーカーです。

PC周辺機器・デスク・ラックなどさまざまな商品を販売しているサンワサプライ。家電量販店で目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。モニターアームは1画面・2画面・4画面用のものが販売されています。

価格はやや高めの物が多いですが、その分作りはしっかりしているので、品質のいいモニターアームを探している人におすすめのメーカーです。

モニターアームを買って設置してみたけど、思っていたのと違う、使いにくかったという場合は思い切って自作してみてはいかがでしょうか。メーカー品のような便利な機能を持ったものを作るのは難しいですが、スタンドを使わず固定するアームなら自作でも十分作れます。

インターネット上には、いろいろな方がモニターアームの自作方法を公開しているので、市販品では満足できない人はDIYで作ってみるのもおすすめです。

モニターアームを使えば、デスク周りを機能的に使える他、見た目もスッキリします。しかし、スタンドに比べて便利な機能が豊富な分、取り付ける手間や危険はスタンドよりも多くなります。取扱説明書をしっかり読んで正しい使い方をし、デスク周りを有効的に活用してくださいね。