【徹底解説】プロジェクターの仕組み|映画館はどんなのを使ってる?

映像をスクリーンに大きく映すために必要なプロジェクター。しかしどのような仕組みで映像を大きく映すことができるのか理解していない方は多いでしょう。この記事ではプロジェクターの仕組みと投影方式別のメリットデメリット、光源の種類などについて解説します。

2021/07/23 更新

自宅で動画や映画を大画面を楽しめるプロジェクターですが、なぜ小さい画面のものを大きく映すことができるのか、その仕組みについて知る人は多くありません。

 

プロジェクターは投影法式や光源によって違いがあります。また、プロジェクターを選ぶ際に確認すべきスペックは、DVDやブルーレイとは違います。簡単に優劣をつけることができないというのも特徴です。

 

仕組みを知らずともプロジェクターは選べますが、仕組みや方式の種類を知ることでより自分に合ったプロジェクターをみつけられます。その結果、今まで以上に映像を楽しめるようになるでしょう。この記事ではプロジェクターの基本的な仕組みを解説すると共に、購入・買い替えの際に確認したいスペックについて解説します。

プロジェクターは、光の焦点距離の違いをコントロールし、レンズを通して対象を壁に大きく映しています。楕円形を描く凸レンズを通して見ると像が大きく見えたり左右上下が反転して見えます。

 

絵にライトを当てて鏡を反射させると左右が反転し、さらに左右反転する凸レンズを通すことで正しい向きにすることができます。そこから焦点距離を遠ざけると画面は大きくなっていきます。

 

しかし、そのままだとはっきりと絵が映し出されないので、プロジェクターを前後させることでピントを合わせます。このような仕組みで大画面にしつつ、絵をはっきりと描写することができます。投影法式によって多少の違いはありますが、基本はこのような仕組みです。

プロジェクターの構造は大きく分けるとLCD方式、DLP方式、LCoS方式の3つに分けられます。どれもメリットとデメリットがあるので、この方式がベストという物はありません。この項ではそれぞれの構造の仕組みとメリットとデメリットについて解説します。

 

CRT方式(ブラウン管)

CRT方式はブラウン管を用いた投影方式です。プロジェクターの元祖と言うべき方式で、マニアの方に人気があります。

 

構造・仕組みについて

CRT方式は赤色・緑色・青色のレンズが取り付けられたブラウン管を用いて、スクリーン面に重ねて投影することでカラー映像を完成させる仕組みです。3本のブラウン管それぞれで赤色・緑色・青色の映像を出力して投影するため、三管式と呼ばれます。

 

カラーのレンズが連なった見た目は信号機のようなレトロ感があります。また最近のプロジェクターと比較するとかなり重量があり、100kg台の製品が多いのが特徴的です。

メリットとデメリット

ブラウン管ならではのメリットは以下の通りです。

 

<メリット>

  • 透明感のある色合い
  • 残像感が少ないクリアな画質

 

しかし、新製品は販売されていないためマニアの方が収集するアイテムとなっています。

 

またデメリットは以下の通りです。

 

<デメリット>

  • 最近の製品と比較すると輝度が低く映像が暗く感じる
  • 画面サイズや映像を投影する位置が固定される
  • 設置場所の自由度が低い

 

重量がある製品なので、位置の微調整がしづらく初心者の方には扱いづらい点に注意が必要となります。

LCD方式

Liquid Crystal Displayの頭文字を取ってLCD方式と呼ばれている投影法式です。シンプルな透過型液晶方式のプロジェクターですので、価格がお手頃という特徴があります。

 

構造・仕組みについて

LCD方式は光を3原色に分解して、3方向から光を集中させる方式です。基本的な光の照射を3回行っているようなイメージです。赤系統のみを反射させる鏡、緑系統のみを反射させる鏡、青系統のみを反射させる鏡を用意してそれぞれに光を当てます。

 

3方向に分かれた光を最終的に1ヵ所に集めて、投影レンズを通すことで実像を作ります。こうすることで細かい色の描写をすることができるのです。3方向から光を集中させて実像を作るので、3LCD方式と呼ばれることもあります。

メリットとデメリット

LCD方式のメリットは以下の通りです。

 

<メリット>

  • 商品選択の幅が広いため予算に合わせて選択できる
  • 色の要素を3つに分けて描写しているという特性上、カラーの表現が得意

 

ベーシックモデルからハイエンドモデルまで幅広く取り扱われているので、手に取りやすいのが強みとなります。明るさを確保しながらも鮮やかな発色が欲しいという方におすすめです。

 

またデメリットは以下のようになっています。

 

<デメリット>

  • ドットがやや粗い
  • コントラストが高くできない
  • 年月が経つと液晶にムラができやすい

 

液晶に光を透過させるので、どうしても黒浮きが出てしまうのと、画面を構成する点と点の間に影ができやすい点に注意が必要です。

CWEUG

LCDプロジェクター ‎JP2-X88+AB-01F

価格:44,830円 (税込)

\ファッションセール!最大80%OFF!/ Amazonで詳細を見る
楽天で詳細を見る Yahoo!で詳細を見る

※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。

 

メーカー CWEUG 商品名 ‎JP2-X88+AB-01F
用途 ホーム(家庭用) パネルタイプ LCD方式
最大輝度 5000ルーメン コントラスト比 6500:1
解像度とアスペクト比 16:9/4:3 パネル画素数/台形補正 1280 x 800/±15°の垂直キーストーン補正
4K/HDR対応 - 短焦点 -
Bluetooth/Wi-Fi Bluetooth4.0/Wi-Fi付き バッテリー -
ゲームモード/3D対応 - サイズ/重量 340x265x125mm/3.3kg

DLP方式

Digital Micromirror Deviceの頭文字を取ってDLP方式と呼ばれる投影法式です。鏡を使って光を反射させるシンプルな投影法式ですが、メリットが多いので近年になって普及し始めています。

 

構造・仕組みについて

DMDという半導体の上に小さい鏡を形成したデバイスを用いて、光の方向を変えながら実像を作り出すのが基本的なDLPの仕組みです。しかし、そのまま実像を移したのではモノトーンになってしまうので、色を付ける必要があります。

 

光が通る途中で3~6色に分割したカラーホイールという物を高速で重ね合わせることでカラー映像に見せています。基本的には1枚だけで行う単板式が主流ですが、中には合計3つのDMDを使用する高価なプロジェクターもあります。

メリットとデメリット

DLP方式は構造がシンプルなので部品を少なくできるという特徴があり、以下のメリットがあります。

 

<メリット>

  • 小型・軽量化された製品が多い
  • デジタル処理なので経年劣化しづらい
  • 画素間の隙間が小さくドットがきめ細やか

 

小型のプロジェクターのほとんどはこのDLP方式を採用していて、液晶方式と比べてコントラストを高くできるのが魅力です。滑らかで明るい映像を映すことができて、残像を少なくできます。

 

デメリットは以下の2つです。

 

<デメリット>

  • DMDが家庭用と業務用で数が違う
  • 家庭用ではDMDが少ないので、人によっては残像が見えてしまうことも

 

家庭用ではDMDが1つなのに対して業務用は3つあります。コンシューマ用は非常に価格が高い分キレイな映像ですが、家庭用は映像に粗さを感じることがあるのがポイントです。

Go Crosstour

プロジェクター S100

価格:14,999円 (税込)

\ファッションセール!最大80%OFF!/ Amazonで詳細を見る
楽天で詳細を見る Yahoo!で詳細を見る

※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。

 

メーカー Go Cross tour 商品名 S100
用途 - パネルタイプ DLP方式
最大輝度 100 ANSIルーメン コントラスト比 2000:1
解像度とアスペクト比 - パネル画素数/台形補正 最大解像度:1080P/×
4K/HDR対応 - 短焦点 -
Bluetooth/Wi-Fi - バッテリー 3000 mAh
ゲームモード/3D対応 - サイズ/重量 ‎12 x 10.8 x 9.6 cm/380 g

LCoS方式

3つの方式の中では最も高性能な投影法式です。Liquid Crystal On Siliconの略称で直訳するとシリコンに乗った液晶という意味になります。とにかく映像がきれいなので、高画質ですみずみまで映像を楽しみたい方向けです。

 

構造・仕組みについて

LCoS方式はLCD方式の応用とも言える投影法式です。色を赤、青、緑の3色に分解するのですが、LCDと違う点は赤系以外の色を一度まとめて反射させており、そこから青と緑に分解してから色を構築しています。

 

それを鏡のように反射するシリコンに集めて投影レンズを通して実像を作り出します。3つの中で最も大掛かりなので、本体サイズが大きくてコストがかかりやすいのが特徴ですが、きれいな映像が楽しめます。

メリットとデメリット

LCoS方式のメリットは3つ挙げられます。

 

<メリット>

  • 解像度、コントラスト共に性能が高く細部まできれいに描写できる
  • 他の方式と違い近づいて観察しても格子状の影がほぼ見えない
  • 4K対応モデルや色ムラの自動補正などの機能を備えている物が多くある

 

高性能プロジェクターが多いのがポイントです一方、デメリットは2つ挙げられます。

 

<デメリット>

  • 複雑な構成になるので機体が大きくなる
  • ハイエンド機種が多いので高額

 

プロジェクターを置くためのスペースが必要になりますし、持ち運びも保管が大変です。ハイエンドユーザーに向けたプロジェクターに多い投影法式となっています。

ソニー

VPL-VW255-B

価格:465,800円 (税込)

\ファッションセール!最大80%OFF!/ Amazonで詳細を見る
楽天で詳細を見る Yahoo!で詳細を見る

※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。

 

メーカー ソニー 商品名 VPL-VW255
用途 ホーム(家庭用) パネルタイプ LCOS(反射型3LCD)
最大輝度 1500 ルーメン コントラスト比 -
解像度とアスペクト比 ~4K/- パネル画素数/台形補正 4096x2160/-
4K/HDR対応 短焦点 -
Bluetooth/Wi-Fi - バッテリー -
ゲームモード/3D対応 - サイズ/重量 49.56×20.53×46.36cm/約14kg

投影方式の一覧表は、以下の通りです。メリット・デメリットを比較しているのでぜひ参考にしてみてください。

 

投影方式

メリット

デメリット

CRT方式
  • 透明感のある色合い
  • 残像感が少ないクリアな画質
  • 最近の製品と比較すると輝度が低く映像が暗く感じる
  • 画面サイズや映像を投影する位置が固定される
  • 設置場所の自由度が低い
LCD方式
  • 商品選択の幅が広いため予算に合わせて選択できる
  • 色の要素を3つに分けて描写しているという特性上、カラーの表現が得意
  • ドットがやや粗い
  • コントラストが高くできない
  • 年月が経つと液晶にムラができやすい
DLP方式
  • 小型・軽量化された製品が多い
  • デジタル処理なので経年劣化しづらい
  • 画素間の隙間が小さくドットがきめ細やか
  • DMDが家庭用と業務用で数が違う
  • 家庭用ではDMDが少ないので、人によっては残像が見えてしまうことも
LCoS方式
  • 解像度、コントラスト共に性能が高く細部まできれいに描写できる
  • 他の方式と違い近づいて観察しても格子状の影がほぼ見えない
  • 4K対応モデルや色ムラの自動補正などの機能を備えている物が多くある
  • 複雑な構成になるので機体が大きくなる
  • ハイエンド機種が多いので高額

プロジェクターの絵を映す基本となる物は光源です。どんな光でも同じと思いがちですが、実は高圧水銀灯方式、LED方式、レーザー方式の3つがあります。それぞれの光源について解説します。

 

高圧水銀灯方式

プロジェクターの光源の中で最も使われているのが高圧水銀方式です。メリットは以下の2つが挙げられます。

 

<メリット>

  • 高輝度化が可能で、技術的に安定している
  • 後述する他の光源方式と比べて費用を安く抑えられる

 

初心者の方にも使いやすい方式なのが利点です。また、デメリットとしては以下の2つが挙げられます。

 

<デメリット>

  • 電源をONにしてから映像が出るまで時間がかかる
  • 2,000~3,000時間ほどでランプの寿命を迎えるので定期的な交換が必要

 

熱しにくく冷めにくいので、使用前と後片づけに時間がかかる点に注意が必要です。

LED方式

光源にLEDを用いたタイプで、以下の3つがメリットとなります。

 

<メリット>

  • 本体サイズがコンパクトで消費電力が低く、すぐに起動する
  • コンパクトなので持ち運びがしやすく発熱で火傷しにくい
  • ランプの交換が不要

 

メンテナンスの手間を省けるのが魅力です。また、デメリットは2つ挙げられます。

 

<デメリット>

  • 水銀方式と比べると価格が高い
  • 明るさがやや不足する

 

新しい技術なので価格が全体的に高めで、LEDの仕組みの関係上明るさが不足しがちです。以下の記事ではLEDプロジェクターについて紹介しているのでぜひ参考にしてください。

レーザー方式

レーザーを光源にしたタイプで主にハイエンドプロジェクターに搭載されています。以下の2つがメリットです。

 

<メリット>

  • 高輝度化・コンパクト化された製品が多い
  • 消費電力が低く低発熱でランプの交換も不要

 

高圧水銀灯方式とLED方式のメリットを併せ持った投影方式となっています。

 

<デメリット>

  • 価格が高い

 

デメリットは価格の高さという一点です。新しく、難しい技術になるのでどうしても価格が高めになります。しかし、今後の技術水準が進めば価格は抑えられるかもしれません。そうなれば一般的なプロジェクターにも搭載されるようになるでしょう。

光源の方式の一覧表は以下の通りです。メリット・デメリットを比較したい方はぜひチェックしてみてください。

 

光源の方式 メリット デメリット
高圧水銀灯方式
  • 高輝度化が可能で、技術的に安定している
  • 後述する他の光源方式と比べて費用を安く抑えられる
  • 電源をONにしてから映像が出るまで時間がかかる
  • 2,000~3,000時間ほどでランプの寿命を迎えるので定期的な交換が必要
LED方式
  • 本体サイズがコンパクトで消費電力が低く、すぐに起動する
  • コンパクトなので持ち運びがしやすく発熱で火傷しにくい
  • ランプの交換が不要
  • 水銀方式と比べると価格が高い
  • 明るさがやや不足する
レーザー方式
  • 高輝度化・コンパクト化された製品が多い
  • 消費電力が低く低発熱でランプの交換も不要
  • 価格がかなり高め

プロジェクターを購入しようと思った場合に必ず確認するのがスペックです。しかし、プロジェクターのスペックはどこを確認するのかわからないという方もいるでしょう。ここでは確認すべきプロジェクターのスペックについて解説します。

 

解像度

解像度とは映像を表現するドット数を表した数値のことです。基本的には数値が大きければ大きいほど細やかできれいな映像になります。しかし、プロジェクターが高価なほど、必ずしもきれいな映像が出せるというわけではありません。

 

実は映像を保存しているパソコンやレコーダーの解像度が少なければプロジェクターの解像度が優れていても最大限まで活かすことができません。使っているパソコンやレコーダーで出せる解像度を確認しながら選ぶといいでしょう。

明るさ(輝度)

プロジェクターの明かるさは重要な要素の1つです。十分でないと映像をしっかりと見ることができません。この明るさの単位をルーメン(lm)と呼び、購入の際はルーメンを必ず確認しましょう。必要となる明るさは使用環境によって異なります。

 

ホームシアターとして使用するのであれば3,200lmあれば十分です。ビジネスのために大きな会場で、大きなスクリーンに映すのであれば5,000lmを超えるプロジェクターをおすすめします。以下の記事では、ルーメンについて詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

台形補正や焦点距離

どんなにきれいな映像美のプロジェクターでも希望のサイズに映像を映せなければ意味がありません。そこで大事になるのが台形補正と焦点距離です。台形補正はスクリーンに映し出した時に縦横のズレを補正する機能です。

 

安価なモデルでは省略されているか手動なのに対し、高価なモデルは自動補正してくれます。また、焦点距離はプロジェクターの写せる距離です。投写距離とも表示されていて、プロジェクターによって映し出せる距離が違うので、確認しておきましょう。

プロジェクターを使う最大の場所といえば映画館が挙げられます。あれだけ巨大なスクリーンにきれいな映すのだからなにか特別な方式のものを使っているだろうか、と気になっている人も多いでしょう。実は映画館のプロジェクターの多くはDLP方式を用いています。

 

1日に何度も使用するという特性上、経年劣化がなく、きめ細やかな映像を楽しめるDLP方式はぴったりです。DLP方式をベースとして4K対応したプロジェクターを使用しています。

プロジェクターの仕組みについて解説しました。プロジェクターには3つの仕組みがあり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。自分の予算やプロジェクターを使う環境に合わせて、最適なプロジェクターを選ぶようにしましょう。