炊飯器の掃除方法を解説｜底の焦げの落とし方やクエン酸や重曹を使った掃除方法も

日本人にとって炊飯器は、毎日の食生活に欠かせない必要不可欠な料理家電です。そんな使用頻度の高い炊飯器ですが、掃除をしないと雑菌が発生しておいしいお米が炊けなくなったり、故障のリスクが高まったりするため、きちんと掃除をする必要があります。

しかし、こびりつき汚れの落とし方や焦げ臭いにおいの取り方がわからず、気になっていてもそのまま放置してしまっている方は多いと思います。また内釜か外釜かによっても、お手入れの方法は異なります。そこで今回は、炊飯器の掃除の仕方についてパーツ別に詳しくわかりやすく解説していきます。

また、臭いが気になる時に有効なクエン酸・底の焦げ落としに有効な重曹を使う掃除方法や掃除する際の注意点、炊飯器の寿命・正しい捨て方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

お米を炊飯器で炊くとお米に含まれる「デンプン質」が蒸気と混じり、上蓋や通気口に付着します。炊飯器の掃除をしないでそのまま放置しておくと、でんぷん質により雑菌が繁殖し、嫌なニオイの原因につながります。

また、もう1つ気を付けなければならないのが水蒸気です。炊飯の際に発生する水蒸気は炊飯器の中から外へ排出されますが、汚れが含まれている場合は炊飯器全体に広がるリスクがあります。加熱したからといってすべての菌が死ぬわけではないので、こまめにお掃除するのが大切なポイントです。

内窯や内蓋は炊飯をするたびに掃除しても、その他の箇所についてはつい後回しにしがちです。以下に箇所別の掃除頻度を参考までにまとめたので、必ずチェックして現状の掃除状況を見直すきっかけにしてください。

掃除に必要なグッズは、掃除をする箇所や汚れによって異なります。炊飯器掃除で使用する掃除グッズの例を挙げたので、掃除方法を確認する前にチェックしてください。

• やわらかいスポンジ
• 食器用洗剤(中性洗剤)
• ふきん
• 綿棒
• 消毒用エタノール　など

意外と掃除で見落としがちな炊飯器の外側ですが、ほこりがたまると故障の原因にもなるので必ず定期的な掃除が必要です。外側は炊飯器が冷めてからやわらかいふきんで軽く水拭きしましょう。

差し込みプラグと電源コードは、乾いた布で拭いてください。また、炊飯器の裏側のファン通気口にホコリが溜まっている場合には、綿棒などを使ってほこりを取り除いてください。

最近では蒸気キャップがないモデルも増えていますが、ある場合にはしっかりと掃除しましょう。蒸気キャップは汚れの原因となるでんぷん質が付着するため、雑菌が繁殖しやすい場所です。取り外して水洗いをしましょう。汚れがひどい場合には、消毒用エタノールにつけた綿棒でしっかり拭き取ってください。

炊飯器の内側は汚れにくいので、あまり頻繁には掃除しない場所です。しかし、内側(つゆ受け)にも水分が残ってしまうケースがあります。水分があると炊飯器の故障の原因になるので、つゆ受けの水気はふきんなどで乾拭きしましょう。また、ごはんのカスもそのときに取り除いてください。

外釜は炊飯をすると水気が発生します。水がそのままになっていると故障のリスクが高まるので、乾拭きで汚れを取りましょう。焦げが気になる場合については、「底の焦げは中性洗剤や重曹を使って優しくみがく」の項で掃除方法を説明しているので、あわせてチェックしてください。

内釜は使用後毎回洗う必要がありますが、その際は必ず食器用洗剤(中性洗剤)をつけたやわらかいスポンジで洗ってください。硬いスポンジでこすってしまうと、表面のコーティングがはがれてしまうリスクがあります。汚れがひどい場合には、お湯にしばらくつけておくと落ちやすくなるので試してください。

内蓋は水蒸気が発生するので、デンプンによる細菌が繁殖しやすく汚れが目立つ箇所です。内窯と同様、食器用洗剤(中性洗剤)をつけたやわらかいスポンジで洗いましょう。その後、乾いたふきんやキッチンペーパーでしっかり乾拭きして、水分を残さないようにしてください。

上記の方法でも臭いが落ちない時は、セスキやクエン酸を使った掃除方法がおすすめです。クエン酸は酸性の洗剤で除菌・消臭効果があるうえに、食品添加物なので安心して使えます。以下に必要なものと手順をまとめたのでぜひ参考にしてください。また、クエン酸使用がOKかどうかは、取扱説明書で必ずご確認ください。

＜掃除に必要なもの＞

• クエン酸
• 水またはお湯
• 食器を洗うやわらかいスポンジ

＜クエン酸を使用した掃除方法＞

1. 内鍋にクエン酸を約20gを入れ、水またはお湯を7～8分目まで注ぐ
2. 白米メニューもしくは洗浄メニューを選択して炊飯する
3. 炊飯完了したら保温を切る
4. 冷めたら各パーツを取り外して洗う
5. 乾かしたら戻して掃除完了

炊飯器の火力によって、底や内窯に焦げがついてしまうことがあります。焦げが取れないときはどうしたらいいのか、以下にて詳しく方法を解説するので参考にしてください。

底の焦げは中性洗剤や重曹を使って優しく磨くのがおすすめです。汚れの具合によっては、以下の方法も試してください。しかし、方法を間違えると傷や故障のリスクがあるので「力を入れすぎない」「水に浸らないようにする」といった注意が必要です。

内釜の焦げがとれない場合には、お湯につけてから洗うのが最も効果的です。冷たい水では剥がれにくい焦げも、お湯であれば浮き上がる場合があります。内窯にお湯を入れてしばらく放置したあと、やわらかいスポンジやタオルを使用してやさしくお手入れしてください。

最後に、炊飯器を掃除するときの注意点について説明します。間違った方法で掃除をすると故障や変形のリスクがあるので、以下3点は必ず一度目を通してください。

• 変形や故障の原因になるので、熱湯は使わない
• ナイロンたわしや漂白剤など内釜が傷つく恐れのあるものは使わない
• 製品によっては重曹・クエン酸が使えない商品もある

掃除をすればきれいな状態になりますが、普段からちょっとしたことに気をつければより清潔な状態に保てます。まずは、炊いたお米を炊飯器に入れたままにしないようにしましょう。でんぷん質によりカビが繁殖しやすくなるため、残ったご飯は別の容器に移して保管してください。

また、日頃からこまめにお手入れをして汚れを溜めないことも重要です。内釜や内蓋は使うたびに洗うと思いますが、それと同時に内側の水分は毎回きれいに拭き取りましょう。それだけで雑菌の繁殖を防げます。

前述のとおり、炊飯器を長くきれいに保つためには「汚れてしまう前に定期的に掃除する」といった意識が重要です。しかし、忙しくてなかなか掃除の時間が取れない人には、洗いやすい炊飯器やお手入れ箇所が少ない炊飯器がおすすめです。以下の記事ではお手入れが簡単な炊飯器について詳しく解説しているので、気になる方はぜひチェックしてください。

パナソニックでは、「お手入れ機能(クリーニング機能)」を備えた炊飯器を販売しています。内釜に水を入れて加熱することで、においや汚れを取れやすくする機能です。焦げ臭いにおいが取れなかったり、蓋や蒸気口の汚れが落ちにくいと感じたときに使用すると、簡単にお掃除できます。

炊飯器の寿命の目安として、メーカーが定めている補修用の部品保有期間があります。炊飯器の場合は製造中止から6年ですが、メーカーによって異なるためよく確認してください。部品保有期間を過ぎていると修理代が高くつく場合があるため、買い替えも検討しましょう。

炊飯器の主な不具合は、電源が入らない・異臭がする・内釜コーティングの剥がれ・異音がするなどです。そのような症状が見られる場合、メーカーに相談して必要に応じ修理したり、パーツのみ交換したりしましょう。その際、修理よりも買い替える方が安くつく場合もあるので、事前に確認するのがおすすめです。

炊飯器を買い換えた際、古い炊飯器の処分方法に悩む方も多いです。炊飯器は家電リサイクル法の対象外であるため、「不燃ゴミ」「粗大ゴミ」「小型家電リサイクル法の対象」のいずれかに当たります。自治体によって異なるため、お住まいの地域の正しい処分方法をよく確認してください。

また、炊飯器を購入した家電量販店などに無料で下取りしてもらう方法もあるので、依頼できるか聞いてみましょう。そのほかに、リサイクルショップやフリマアプリで売却する手もあります。新品同様や新しいモデルなどの条件付きですが、該当する場合にはおすすめの手段です。

炊飯器の掃除方法や注意点について詳しくご紹介しました。炊飯器を洗わないで放置していると、異臭や故障の原因になります。定期的に掃除をしてきれいな状態を保つことで、炊飯器は長く使用できます。正しい方法でしっかり掃除をして、毎日美味しいごはんを炊きましょう。