UPSおすすめ11選｜業務用・家庭用の無停電源装置【ゲーミングPCにも】

パソコンやサーバーは突然の電源の切断で、内部データが破損したり起動しなくなったりする危険性があります。そのため、安全に電源を切断する方法としてシャットダウンが存在します。

しかし、自分では気を付けていても防げない電源の遮断は、どうしようもないと諦める方が多いです。落雷による過電流も電源のロストと同様にパソコンを破壊する原因となるため、できるならば対策したいですよね。

そんなときに業務用・家庭用として用いられるのがUPS（無停電電源装置）です。UPSは大事なパソコンやデータを守るための装置です。この記事では、UPSの仕組みや寿命などを詳しく解説します。USPの選び方やおすすめ商品についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

UPSは、突然の停電からパソコンなど重要な機器を保護するのに役立つ装置ですが、そもそもUPSって何？と疑問を持っている方もいると思います。UPSの概要と仕組みを、以下で解説します。

UPSとは「Uninterruptible Power Systems」の略で、「無停電電源装置」といいます。突然の停電などで電力の供給が止まった場合に、代わりに電力を供給するのがUPSの役目です。UPSを接続すれば、停電時にも安定した電力を供給できます。

UPSは急に電力がなくなり停止してしまうと問題がある機器に接続して使います。特に、コンピューターのオンラインシステムやビジネス用のデータサーバーなどは、急な電力喪失があると大事に至るのでUPSは必須アイテムです。

UPSはサービス停止やデータ消失がNGな企業用・業務用の大規模なサーバー用によく使われますが、一般家庭でも活躍する場面があるため、最近ではUPSを導入する方が増えています。

UPSは電気回路とバッテリーで構成されます。電源トラブルの影響をコントロールしつつ、電力供給が可能です。特に、大規模な企業で使用されるUPSは「定電圧・定周波数」の供給が必須です。

通常のバッテリーは接続している間は常に電力が供給されますが、UPSの場合は、通常時は接続していても待機状態で電力は供給されません。停電などで突然電源が停止した場合にのみ、UPS内のバイパス回路によって内蔵バッテリーに切り替わり、バッテリーから電力が供給される仕組みです。

つまり、UPSは電源が停止した場合のみ機能する予備バッテリーです。

常時商用給電方式は、通常時は交流電源をそのままスルーして出力しますが、電力がなくなったり過電圧を感知したりした瞬間、電源を内蔵のバッテリーからの給電に切り替える方式です。

構造がシンプルなのでUPSのサイズがコンパクトで価格も安い点、通常時の電源がスルー出力のため電力ロスが少ない点がメリットです。

デメリットとしては、停電した際の電源の切り替え時に一瞬電力がなくなる点と、設定範囲内であれば電力変動があっても補正しない点が挙げられます。

常時インバータ方式は電源の交流入力を一度直流に変換し、常にバッテリーを充電しながらインバータによって安定した交流電源に再度変換して電力を供給する方式です。

定電圧定周波出力を常時安定して供給できるので、常に正弦波の電源を継続して供給します。また、その構造からノイズがサージを吸収する効果が高く、停電時の切替時でも電力がなくなる瞬間がありません。

しかし、構造上の問題からUPSのサイズが大型になってしまい、価格も高くなります。また、常に一定の電力ロスが発生する点がデメリットです。

ラインインタラクティブ方式は通常時は電源をスルー出力し、一定の範囲内の電圧変動にはトランスのタップ切り替えで対応します。停電時や一定以上の電圧変動に対しては、インバータ給電に切り替える方式です。

構造が比較的シンプルなので価格が安く、通常時はスルー出力なので電力ロスが少ない点、電圧調整機能がある点がメリットです。

デメリットとしては、停電時の電源切り替えの際に電力がなくなる瞬間がある点、電圧変動が多くなるとバッテリーの消耗が早くなる点が挙げられます。

UPSの電力の出力波形には、正弦波出力と矩形波出力があります。

正弦波出力では通常の交流電源は正弦波のため、安定性と対応性が高くどんな機器でも問題なく接続できます。ただし、バッテリーは直流で正弦波にする必要があるため、その分UPS自体の価格が高くなります。

矩形波出力は正弦波出力がきれいな波状なのに対して、出力波形が矩形です。正弦波出力は電圧と電流の方向が少しずつ変化しますが、矩形波の場合は電圧と電流が急激に変化します。

矩形波出力の場合は安定性に欠けるため、UPSに接続できる対応製品の数が限られます。しかし、仕組みがシンプルなため価格が安いのが特徴です。

接続する機器の個数や消費電力に対して、十分な供給ができるバッテリー定格出力容量のUPSを選ぶのも重要です。

たとえば、ゲーミングPCのように高性能なグラフィックカードを搭載している機器であれば、500〜700W程度のバッテリー定格出力容量が必要なものもあります。具体的な数値はそれぞれの機器で異なるため、確認しましょう。

複数の機器を使用している場合は、それに応じた定格出力容量が必要です。使用機器に対して定格出力容量が不足していた場合、UPSが十分に機能しません。また、長期使用しているUPSはバッテリー機能が低下していないか定期的に確認し、肝心なときに機能しない事態が起こらないようにしましょう。

UPSを選ぶ際には、内蔵バッテリーの容量も重要になります。停電時には内蔵のバッテリーで電力供給をするので、バッテリー容量が小さいとすぐに電力供給が止まってしまいます。

家庭用などの消費電力が小さい場合はそこまで大容量のバッテリーにする必要はありませんが、オフィスなどで消費電力の大きい機器や多くの機器を接続する場合は、大容量のバッテリーが必要になります。

どの程度のバッテリー容量が必要かについては、PCなどの接続する機器の消費電力の合計とUPSの給電量から計算して決めましょう。

一般的にUPSは定格出力容量に比例して、サイズが大きくなる場合が多いですが、常時商用給電方式のUPSには小型のものが多いです。小型UPSは場所を選ばずに設置でき、壁に取り付けられるようにデザインされたものもあります。

オフィス向けの製品が多いラインインタラクティブ方式のUPSは、大きめサイズの商品が多いです。このタイプを選ぶ場合は、事前に設置場所を確認しましょう。

常時インバータ方式のUPSは横幅が大きめで、設置場所の確保が難しい場合があります。そんなときは、縦置きも横置きもできるものを選ぶと設置しやすいです。それぞれ使用する環境に合ったサイズのUPSを選びましょう。

複数の電子機器を同時に接続するなら、コンセントの数が複数あるものを選びましょう。定格出力容量が大きくても、コンセントの数が少ないと接続できる機器が制限されます。自分が接続したい機器の数を踏まえて、コンセントの数は必ずチェックしましょう。

ただし、コンセントの数が足りていても、必要な定格出力容量が不足していてはUPSが十分に機能しないため、UPSに接続したい個々の電子機器の消費電力は事前に確認が必要です。

OMRON（オムロン）は、ヘルケアや電子部品の開発における大手メーカーです。高品質の機器を提供するブランドとして、世界的にも人気が高いです。

オムロンからはさまざまな種類のUPSが販売されているので、その豊富なラインナップの中から自分の使用環境に適したUPSを見つけられます。また、公式サイトに使用環境や容量に合ったUPSを選びを助ける選定ツールを設けているので、ぜひ利用してください。

1983年よりUPSの開発・販売を開始したユタカ電機製作所は、電源装置や電子部品の積極的な開発を続けるメーカーです。

UPS分野においては、特に小型UPSのパイオニアとしてコンパクトなモデルのUPSの開発を続けています。公式サイトにUPS選定ツールも用意されているので、ラインナップの中から自分に合ったモデルを簡単に見つけられます。

APC（シュナイダーエレクトリック）は、家庭用パソコンや周辺機器からネットワーク機器まで幅広く開発を手がけている有名なメーカーです。特に、UPS業界では多数のシェアを誇っています。高性能なタイプからシンプルなタイプまで幅広いラインナップを展開しており、価格帯もさまざまです。

有名メーカーならでの充実した商品保証やサポート体制で、初心者からベテラン勢まで幅広いユーザーから厚い信頼を得ています。

Cyber Power(サイバーパワー)は、1992年に設立された歴史あるUPSメーカーです。本社は台湾ですが、世界150ヶ国以上で製品を展開しており、日本国内でも高い人気があります。価格を抑えた良質な製品を多く取り揃え、UPSによっては1万円以下で購入できるものもあります。

コスパに優れるほか、商品保証などサポート体制もしっかり整っているため、初めて購入する方・初心者の方にもおすすめです。

UPSですが、バッテリーを内蔵しているため、製品としての寿命があります。UPSの寿命はだいたい2〜6年程度です。ただし、これはUPSの使用状況や接続している機器などによって異なります。また、古い型のほうが耐用年数が短い傾向にあります。また、メーカー規定の年数も参考にしましょう。

寿命がきているUPSを使っていると、故障の原因になるだけでなく、停電などの緊急時にトラブルが発生する場合もあり、UPSの本来の目的である電源の安定性も確保できません。

バッテリーの寿命がきていて正常に動作しないと、緊急時にUPSとしての本来の機能が働かないため、定期的にUPSが機能しているかチェックする必要があります。特に、バッテリーの性能が低下していないかは重要なので、バッテリーが劣化している場合は買い替えを検討しましょう。

ここまで、UPSの種類や特徴、選び方のポイントとおすすめの製品について紹介しました。UPSは普段は機能しないため特に意識しませんが、緊急時に役立つ機器です。もしもの時に故障しては困る機器などには、導入を検討しましょう。