
HDDと比べて高速なSSDですが、そのSSDにも高速タイプや超高速タイプが続々と登場しています。超高速タイプのSSDは標準タイプの10倍以上の速度のものも。超高速タイプは価格が高い傾向にありますが、その分パソコンの作業時間の短縮が可能です。
しかし、パソコンの作業を快適にするSSDは、設定や利用の仕方によっては本来の性能が発揮できていないこともあります。また、SSDの種類は複数あるのでどのSSDが高速なのか目安がわからない方も多いです。
そこで、この記事では、SSDの種類や特徴、書き込み速度・読み込み速度・転送速度が遅い時の対処法を解説します。さらに、記事後半では、おすすめ商品6選も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

SSDのデータ読み書き速度はHDDを大きく上回ります。比較的遅いSATAタイプのSSDでも、HDDと比べて連続データの読み書きでは3~5倍、ランダムデータの読み書きでは数十倍以上の速さです。
HDDはデータ記録用の磁気ディスクが高速回転し、磁気ヘッドでデータの読み書きを行う機械的な仕組みです。一方、SSDは電子の動きによってデータの読み書きをする半導体メモリを使用しているため高速に動作します。
種類 | メリット | デメリット |
SSD |
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HDD |
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SSDやHDDのデータの読み書き速度を測定するCrystalDiskMarkというソフトがあります。このソフトを利用するとSSDのストレージの読み書き速度を詳細に知れます。

CrystalDiskMarkのソフトをWindows PCにインストールして起動します。計測対象のSSDを選択して左上の「ALL」ボタンを押すだけで速度測定が可能です。
Readの列に読み込み速度、Writeの列に書き込み速度の結果が表示されます。「SEQ」の行がシーケンシャルデータ(連続データ)、「RND」の行はランダムデータの読み書き速度です。デフォルトの単位は「MB/s」で、1秒間に転送されるデータ量が表示されます。
SSDは種類によってデータ転送速度が異なります。ただし、同じ形状のものでもインターフェース規格の違いによって速度が異なります。以下でSSDの種類別に速度の目安を見てみましょう。
【目次】
2.5インチSSDはSATAというインターフェースを使用しています。SATA3という規格のデータ転送測度は最大6GbpsなのでSSDの読み書き速度は6Gbpsを上回ることはありません。2.5インチSSDはシーケンシャルデータ(連続データ)の読み込みと書き込みが500MB/s前後のモデルが多いです。
M.2のSSDのインターフェースにはSATAとPCI Expressの2種類があります。SATAとPCI ExpressのSSDの見た目はほとんど同じですが、速度には大きな差があります。SATA接続のM.2 SSDは2.5インチSSDと同じくらいの速度です。一方、PCI Express/NVMeというタイプで最速のものはSATAタイプの約10倍以上の速度です。連続データの読み込み速度が6000MB/sというモデルもあります。
mSATAはM.2の前の世代のタイプです。mSATAの連続データの読み込み速度は500MB/s前後、インターフェースの規格は2.5インチSSDと同じ最大転送速度が6GbpsのSATAなので、2.5インチSSDと同じくらいの速度です。

HDDと比べて高速に動作するSSDですが、使い方や設定の仕方によっては本来のスピードが出ていない場合もあります。ここでは、SSDのスピードが遅い場合に考えられる原因と回復法を紹介します。
【目次】

SSDは空き容量が少なくなると速度が低下するだけでなく寿命も短くなります。SSDのデータの書き込みは、上書きする場合も空き領域に新たにデータを書き込む仕組みです。空き領域がなくなると不要なデータを消去する処理が増えるためSSDの速度は低下します。
Trim機能を有効にしておくと不要なデータが自動的に消去されて空き領域が確保されるので速度低下を防げます。なお、空き容量自体がないと空き領域を確保できません。SSDを導入する場合はあらかじめ容量に余裕をみておくことをおすすめします。
2.5インチタイプのSSDの場合、SATAケーブルをマザーボードのSATA2のポートに繋いでいるとSSD本来のスピードが出ません。マザーボードのSATAポートの種類を確認してSATA3のポートに繋ぎましょう。もし、マザーボードにSATA2までのポートしかない場合はSATA拡張ボードを増設するかマザーボードを交換する必要があります。

SSDのパーティション(分割した領域)の設定位置がずれている場合、データの読み書きの処理量が増えて速度が低下します。HDDからクローンを作成したり、SSDのパーティションの変更を行ったりした場合にパーティションの位置がずれることがあります。
パーティションの位置を調整できるツールで対策が可能ですが、パーティションの変更操作でデータが失われるリスクもあるので、パーティションアライメントの調整はSSDのバックアップを行ってから実行しましょう。
SATA接続のSSDの場合、読み書きをコントロールする仕組みが正しく設定されていないため動作が遅くなっている可能性があります。スタートメニューを右クリックしてデバイスマネージャーを起動し、「IDE ATA/ATAPIコントローラー」を確認しましょう。IDEモードになっているとSSDの性能を引き出せません。レジストリとBIOSの設定をAHCIモードに変更する必要があります。
SSDはパソコンだけでなく、ゲーム機の高速な外付けストレージとしても活用できます。通常版のPS4の内蔵インターフェースはSATA2という古い規格です。外付けSSDのほうが内蔵HDDをSSDに換装した場合よりも速いことがあります。ここでは、外付けSSDの接続方式による違いを解説します。
【目次】
外付けSSDで最も高速なのが、サンダーボルト 3の端子に接続するタイプです。連続データの読み込み速度は2000MB/s以上で、2.5インチの内蔵SSDの4~5倍の速度です。なお、サンダーボルト3というインターフェースは40Gbpsの転送速度に対応している高速なタイプ。サンダーボルト3の端子を搭載しているパソコンでないと使用できません。
USB3.2 Gen2対応の外付けSSDにはSATA3タイプの内蔵SSDよりも約2倍速いモデルがあります。連続データの読み込み速度は1000MB/s程です。USB3.2 Gen2というインターフェース規格は最大転送速度が10Gbpsに対応していて、SATA規格よりも速いです。パソコンのUSB3.0のポートに繋いで使います。
NAS(LAN接続のストレージ)は複数のパソコンから同時に使用できるので便利です。10Gbpsの転送速度に対応し、複数のSSDに分散してデータ処理ができるよう設定(RAID 0など)されたNASの速度は、パソコン内蔵の2.5インチSSDを上回ります。なお、10GbpsのLAN環境を整備するにはパソコンのLANポートの対応が必要なほか、スイッチングハブやLANケーブルなどの費用もかかります。
PCIe 4.0 NVMe SSD 980 PRO MZ-V8P1T0B/EC
連続データ読み込み7GB/sの超高速モデル
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
PCIe 4.0/NVMe接続のM.2タイプのSSD。新しいモデルなので対応するマザーボードなどが必要です。連続データの読み込み速度は7000MB/s、書き込み速度が5000MB/sという超高速モデル。読み込み速度はPCIe 3.0のNVMe SSDの2倍、SATA接続の2.5インチ内蔵タイプの10倍以上のスピードです。
- メーカー
- Samsung(サムスン)
- 商品名
- PCIe 4.0 NVMe SSD 980 PRO MZ-V8P1T0B/EC
- インターフェイス
- PCI-Express Gen4
- タイプ
- 内蔵
- 容量
- 1TB
- 読込速度
- 7000 MB/s
- 書込速度
- 5000 MB/s
- TBW(総書き込みバイト数)
- 600 TB
P2 1TB PCIe M.2 2280SS SSD
高速なM.2タイプのSSD
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
PCIe/NVMe接続のM.2タイプのSSDです。連続データの読み込み速度は2400 MB/s、書き込み速度が1800 MB/sの高速なモデル。SATA接続の2.5インチ内蔵タイプの読み込み速度の4倍以上のスピードでパソコンが快適になります。
- メーカー
- Crucial(クルーシャル)
- 商品名
- P2 1TB PCIe M.2 2280SS SSD
- インターフェイス
- PCI-Express Gen3
- タイプ
- 内蔵
- 容量
- 1TB
- 読込速度
- 2400 MB/s
- 書込速度
- 1800 MB/s
- TBW(総書き込みバイト数)
- 300 TB
WD Blue SN550 NVMe SSD WDS100T2B0C-EC
高速で高耐久なM.2 SSD
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
PCIe/NVMe接続のM.2タイプのSSD。連続データの読み込み速度は2400MB/s、書き込み速度が1950MB/sの高速なモデルです。起動ディスクのクローン作成用としてAcronis True Image for Western Digitalソフトウェアをダウンロードして利用できます。TBW(総書き込み容量)は1TBモデルでは600TBで長期間使用可能です。
- メーカー
- Western Digital
- 商品名
- WD Blue SN550 NVMe SSD WDS100T2B0C-EC
- インターフェイス
- PCI-Express Gen3
- タイプ
- 内蔵
- 容量
- 1TB
- 読込速度
- 2400 MB/s
- 書込速度
- 1950 MB/s
- TBW(総書き込みバイト数)
- 600 TB
870 EVO 1TB SSD MZ-77E1T0B/EC
耐久性が高いSATAタイプのSSD
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
SATA3接続の2.5インチSSDです。耐久性の指標であるTBW(総書き込み容量)が1TBモデルでは600TBで信頼性の高いモデル。起動ディスクのクローン作成用として、データ移行ソフトウェア Samsung Data Migrationをダウンロードして利用できます。
- メーカー
- Samsung(サムスン)
- 商品名
- 870 EVO 1TB SSD MZ-77E1T0B/EC
- インターフェイス
- Serial ATA 6Gb/s
- タイプ
- 内蔵
- 容量
- 1TB
- 読込速度
- 560 MB/s
- 書込速度
- 530 MB/s
- TBW(総書き込みバイト数)
- 600 TB
ポータブルSSD SSPF-USC 1T
USB 3.2 Gen 2対応の高速モデル
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
USB 3.2 Gen 2対応の高速なポータブルSSD。連続データの読み込み速度、書き込み速度ともに約1000MB/sで、ポータブルHDDの約8倍の速さです。USBバスパワーで動作し、約41×113×10mmのコンパクトサイズで手軽に持ち運びできます。USB AとType-Cの2本のケーブルが付属しています。
- メーカー
- アイ・オー・データ機器(I-O DATA)
- 商品名
- ポータブルSSD SSPF-USC 1T
- インターフェイス
- USB 3.2
- タイプ
- ポータブル
- 容量
- 1TB
- 書込速度
- 1000 MB/s
- 読込速度
- 1000 MB/s
- TBW(総書き込みバイト数)
- -
Portable SSD X5 MU-PB1T0B/IT
Thunderbolt接続の超高速外付けタイプ
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
Thunderbolt/NVMe接続の超高速な外付けSSD。Thunderbolt 3という最大40Gbsの高速インターフェース搭載のパソコンが必要です。連続データの読み込みは2800MB/s・書き込みは2300MB/sで、SATA接続の内蔵SSDの約5倍の速さです。
- メーカー
- Samsung(サムスン)
- 商品名
- Portable SSD X5 MU-PB1T0B/IT
- インターフェイス
- Thunderbolt 3 (40 Gbps)
- タイプ
- ポータブル
- 容量
- 1TB
- 読込速度
- 2800 MB/s
- 書込速度
- 2300 MB/s
- TBW(総書き込みバイト数)
- -
転送速度で選ぶ!おすすめのSSD比較一覧表
商品画像 | ||||||
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メーカー |
Samsung(サムスン)
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Crucial(クルーシャル)
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Western Digital
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Samsung(サムスン)
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アイ・オー・データ機器(I-O DATA)
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Samsung(サムスン)
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商品名 |
PCIe 4.0 NVMe SSD 980 PRO MZ-V8P1T0B/EC
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P2 1TB PCIe M.2 2280SS SSD
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WD Blue SN550 NVMe SSD WDS100T2B0C-EC
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870 EVO 1TB SSD MZ-77E1T0B/EC
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ポータブルSSD SSPF-USC 1T
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Portable SSD X5 MU-PB1T0B/IT
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説明 |
連続データ読み込み7GB/sの超高速モデル
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高速なM.2タイプのSSD
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高速で高耐久なM.2 SSD
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耐久性が高いSATAタイプのSSD
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USB 3.2 Gen 2対応の高速モデル
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Thunderbolt接続の超高速外付けタイプ
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価格 | 25,232円 (税込) | 11,998円 (税込) | 12,800円 (税込) | 11,490円 (税込) | 22,172円 (税込) | 57,999円 (税込) |
リンク | ||||||
メーカー |
Samsung(サムスン)
|
Crucial(クルーシャル)
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Western Digital
|
Samsung(サムスン)
|
アイ・オー・データ機器(I-O DATA)
|
Samsung(サムスン)
|
商品名 |
PCIe 4.0 NVMe SSD 980 PRO MZ-V8P1T0B/EC
|
P2 1TB PCIe M.2 2280SS SSD
|
WD Blue SN550 NVMe SSD WDS100T2B0C-EC
|
870 EVO 1TB SSD MZ-77E1T0B/EC
|
ポータブルSSD SSPF-USC 1T
|
Portable SSD X5 MU-PB1T0B/IT
|
インターフェイス |
PCI-Express Gen4
|
PCI-Express Gen3
|
PCI-Express Gen3
|
Serial ATA 6Gb/s
|
USB 3.2
|
Thunderbolt 3 (40 Gbps)
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タイプ |
内蔵
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内蔵
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内蔵
|
内蔵
|
ポータブル
|
ポータブル
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容量 |
1TB
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1TB
|
1TB
|
1TB
|
1TB
|
1TB
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読込速度 |
7000 MB/s
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2400 MB/s
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2400 MB/s
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560 MB/s
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1000 MB/s
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2800 MB/s
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書込速度 |
5000 MB/s
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1800 MB/s
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1950 MB/s
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530 MB/s
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1000 MB/s
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2300 MB/s
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TBW(総書き込みバイト数) |
600 TB
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300 TB
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600 TB
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600 TB
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ソニーのPS5には新しい技術が多く使用されていますが、その1つが高速な「カスタムSSD」です。ゲームアプリやデータファイルも大容量のものが増えていますが、PCIe 4.0接続とカスタムコントローラによってSSDが高速に動作。ゲームアプリやデータの読み込み時間が短くなり、より快適にゲームを楽しめます。
最近のパソコンはSSD搭載が標準になっています。SSDも進化を続けていて、より高速なタイプのSSDが使用可能です。高速タイプのSSDを活用して、パソコンの作業効率を高めましょう。