エアコンのサーミスタとは？｜故障するとどうなる？位置は？【自分で交換できる？】

暑い夏や寒い冬を快適に過ごすために、今やエアコンは欠かせない家電製品です。夏や冬だけでなく、1年を通して使用しているご家庭も少なくありません。電気代が安くなると話を聞き、つけぱっなしにしているご家庭もあるかもしれません。

しかし、ある日突然「エアコンが故障で動かない」「温度調整がおかしい」といった不具合が起こる場合があります。その不具合は「サーミスタ」という温度センサーに原因があるかもしれません。サーミスタとは、エアコンがスムーズに稼働するために欠かせない部品です。

この記事ではエアコンのサーミスタ・サーミスタ異常について詳しく解説します。サーミスタの種類・サーミスタが故障すると起きる不具合・サーミスタに寿命が来た際の対処法・自分で交換する方法なども解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

サーミスタは、エアコンの温度センサーの名前です。金属酸化物を焼成しセラミックに加工したものを使用しています。そのため、わずかな温度変化でも検知して、電気抵抗で変化する仕組みです。

サーミスタに適当な電圧を掛けると電気抵抗との作用で温度に合わせた電流を流します。その性質を利用してエアコンの制御システムが周囲の温度を検知しています。エアコンでは、サーミスタに流れる電流を増幅器に入力し、指数関数の特性を補正した上で電圧に変換します。

また、サーミスタは抵抗値が存在しており、温度が上昇すると一定値で減少していきます。この抵抗値を計測して温度を検知し、設定温度に近づけます。サーミスタはエアコンにおいて重要な役割を担っているのです。

室温サーミスタは、その名の通り室温機に取り付けられているタイプです。室温を検知して温度調節をする役割を担っています。このサーミスタからの温度情報が、リモコンで設定された温度になるようにエアコンの制御システムが働きます。

配管サーミスタは、室温機と室外機のどちらにも取り付けられています。エアコンは、ガスを圧縮し膨張させて熱を運びます。そのガスが適切な温度で移送されているかを検知します。室温機と室外機共に取り付けられているのは配管サーミスタのみです。

外気温サーミスタは、室外機の吸い込み口に取り付けられており、外気温を検知します。室温サーミスタと連携してコンプレッサーの動きを制御する役割を担っています。コンプレッサーとは、空気や気体に気圧をかけて圧縮する装置です。

エアコンは、「ヒートポンプ」と呼ばれる仕組みを使用しています。熱を部屋の内外で移動させて冷房や暖房を行なっています。そしてその熱は、室外機にある熱交換機で外気とやりとりしているため、外気の温度はエアコンの冷暖房能力に深く関係しています。

オーバーヒートサーミスタは、室外機のコンプレッサーに取り付けられています。コンプレッサーがオーバーヒートした際に検知する役割があります。オーバーヒートサーミスタが故障するとコンプレッサーが働きすぎたり、逆に停止したりするので故障した際は迅速な対応が必要です。

室外機の外気温サーミスタが故障するとファンが不具合を起こしたり、その影響で動作が不安定になったりする可能性があります。ファンモーターの不具合やファンに異物が挟まっている可能性もありますが、不具合が発生した際は室外機の基盤を確認し異常がないか確かめましょう。

使用中のエアコンが突然停止する不具合です。こちらもサーミスタの故障でコンプレッサー誤作動が原因になります。サーミスタが故障し、異常に高いあるいは低い温度を情報として送っていると、制御システムが警報モードになり停止する可能性があります。

エアコンの動作が停止して動かなくなった際はサーミスタの状態を確認しましょう。また、コンプレッサー自体が故障した場合やモーターなどのエアコン内部のパーツを制御するマイコンが故障している可能性もあるので、同時に確かめてください。確認する際は事故が起きないよう電源を落としましょう。

温度異常が現れた場合は、オーバーヒートサーミスタに異常が発生している可能性があります。紹介した通り、オーバーヒートサーミスタはコンプレッサーをコントロールしている部品です。正常に機能しないと設定通りの室温にならない原因となります。

また、室温サーミスタに異常がある場合も設定通りの温度になりません。その他、冷媒（室内機と室外機の間を循環しているガス）が不足していると冷暖房の効果が出ないトラブルが起きます。温度が高すぎたり低すぎたりする不具合が発生したら、オーバーヒートサーミスタの状態を確認しましょう。

使用しているエアコンのメーカーから交換したいサーミスタを取り寄せられます。価格も1,000円程度とお財布に優しい点がメリット。しかし、故障したサーミスタのタイプによって価格に差が出る場合もあります。

また、外気温サーミスタは比較的簡単に修理可能です。一方、室内サーミスタの交換は難易度が高く素人には難しい場合もあります。数千〜1万円程度の作業代がかかる可能性がありますが、無理はせずに業者に依頼しましょう。

前述の通りサーミスタは自分で修理もできます。サーミスタ交換自体は比較的簡単ですが、素人では判断が難しい状況もあります。プロに任せるか、自分で直す場合はメーカーのサポートを利用しましょう。

メーカーに電話する時間が取れない方や、業者が混んでいてなかなか修理できない場合もあります。そんなときは通販で購入できるサーミスタを探しましょう。下記にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

エアコンの修理費用は、故障個所や壊れ方によって変わります。大体の相場を見てみると、故障状況を見てもらう出張費で約3,500円～5,000円かかります。エアコン基盤の故障では約20,000円～30,000円、圧縮機が故障した場合は50,000円以上とかなり高額です。

サーミスタの交換自体の難易度は高くありませんが、サーミスタが異常を起こしているかどうかは素人目線では判断しにくいです。エアコンを使っていて不具合が発生したり、違和感を感じたら、ひとまず業者に相談だけするのもおすすめです。

カーエアコンの不調もサーミスタが原因の場合があります。サーミスタが故障すると、温度が正しく測れなくなってしまい、カーエアコンの効きが悪くなるのです。サーミスタは劣化が原因の場合がほとんどですので、修理ではなく交換が一般的です。

部品はカー用品店などで2,000円ほどで販売していますが、カーエアコンは精密機器ですので修理はプロへ依頼しましょう。ディーラーや整備工場などに点検を頼むのがおすすめです。その場合の費用は約10,000円です。

サーミスタは、室内機と室外機どちらにも取り付けられています。さらに、エアコンの原因はサーミスタの故障だけでなく、コンプレッサーや基盤等さまざまな原因が考えられます。サーミスタを自分で直す際は自己責任になるので十分注意した上で行うか、無理せず業者に依頼しましょう。