【徹底解説】コーヒーメーカーの仕組み｜デロンギやセブンイレブンの仕組みも

挽きたて・淹れたてのコーヒーを手軽に楽しめるコーヒーメーカーは、コーヒー好きには欠かせないアイテムです。しかし、お湯がどのように流れて抽出に至るのか、詳しい仕組みを知っている人は少ないかもしれません。

サイフォン式・カプセルマシンなど、コーヒーメーカーの種類によって仕組みは異なります。そういった知識を深めると、日頃何気なく飲んでいるコーヒーをもっと楽しめます。

そこでこの記事では、コーヒーメーカーの仕組みについて種類別に解説します。また、デロンギやシロカなどおすすめのコーヒーメーカーもピッアップしています。セブンイレブンなどのコンビニで使われている、業務用コーヒーメーカーについてもご紹介しますので、参考にしてください。

コーヒーメーカーはわずかな時間で水をお湯に変えるので、忙しい朝でも手軽にコーヒーを淹れられます。しかし、なぜコーヒーメーカーのお湯は逆流せず次々と落ちてくるのか、不思議に思いますよね。

その理由は、コーヒーメーカー内部に逆流弁が付いているからです。詳しくは次の見出しで解説します。

一般的なコーヒーメーカーは、主に以下4つで構成されています。

• 水タンク
• ヒーター
• 給水管
• 吐出口

また、コーヒーが抽出されるまでの基本的な流れは以下の通りです。

1. スイッチを入れると、重力によって水タンク内の水が給水管を通り、ヒーターへ流れる
2. ヒーターで水を加熱すると給水管内の圧力が上がり、お湯がコーヒーメーカー上部の吐出口に流れる
3. 圧力が上がり逃げ場をなくしたお湯は上へ押し上げられ、吐出口からシャワー状に排出され、コーヒーを抽出する

コーヒーメーカーは圧力を利用してお湯を引き上げるため、水タンク内の水圧がより高くなるように設定されています。また、逆流を防ぐ逆止弁が取り付けられているので、お湯が沸騰したあとで水タンクへ逆流はしません。

ミルなしタイプは最もスタンダードなコーヒーメーカーで、ボタン1つでお湯を自動で注ぎます。またフィルターにコーヒー粉を入れて抽出しますが、豆から挽きたい時はミルを別途購入する必要があります。

シンプルな機能で手入れもしやすいため、淹れたてのコーヒーを手軽に味わいたい方におすすめです。また、低価格で購入できる点も魅力です。

ミル付きタイプもミルなしと同じように、コーヒー粉をフィルターに入れて抽出します。ミルを使って豆を挽く手間がかかりますが、比較的リーズナブルな価格で購入できコンパクトな機種が多いです。

また、大容量のミル付きタイプもあります。そのためできる限り低価格で購入したい方や、普段コーヒーを淹れる量が多い方にもおすすめです。

全自動式は、豆を挽いてコーヒーを抽出するところまで、ボタン1つで自動的に行います。手間をかけずに挽きたてのコーヒーを堪能できるため、手軽に本格派のコーヒーを楽しみたい方におすすめです。

機種によっては豆の挽き方を選べたり、セット可能な豆の量が異なったりするため、全自動式はメーカーによって特徴に差が出やすいタイプです。

サイフォン式は、コーヒー液をろ過させて抽出します。コーヒー粉とお湯を混ぜて抽出するので、ドリップ式よりも濃厚な味わいと豆本来の風味を味わえます。また、フラスコやアルコールランプを使うため、レトロ感が漂う見た目も魅力です。

サイフォン式は正しい抽出時間を守れば味を安定させやすいので、初心者の方でも使い方さえ覚えれば味がブレません。コーヒー好きな方であれば一度は試したい抽出方法です。

あまりなじみのないプレス式ですが、抽出方法はコーヒー粉とお湯を混ぜ上からプレスするだけとシンプルです。筒状の容器に粉をプレスする金属フィルターが付いており、日本では紅茶を淹れる時によく使われる方法です。

自宅でも手軽にコーヒーを淹れられ、味のアレンジもしやすいので、自分好みの味を探したい方におすすめです。

エスプレッソタイプは、細挽きのコーヒー豆に高圧力を加えて抽出します。濃厚でコクがあり、表面にはきめ細やかな泡の層(クレマ)が浮かび上がります。抽出までの時間が短いため、雑味が少ないのが特徴です。

仕上がったエスプレッソからカフェラテやカプチーノも作れて、ミルクスチーマーが付いた機種であればラテアートも楽しめます。自宅でカフェのようなコーヒーメニューを味わいたい方におすすめです。

カプセルマシンは、コーヒー粉が入ったカプセルをセットしボタンを押すだけで、本格的なコーヒーを楽しめます。カプセルにはコーヒー粉が真空状態で保管されているため、風味を落とさず新鮮なまま味わえます。

カプセル式コーヒーメーカーのメリットは、好みの味を選べる点です。スタンダードなコーヒー以外にカプチーノや抹茶など種類が豊富なので、好きな味のドリンクを楽しめます。

それぞれのカプセルには1杯分ずつコーヒー粉が入っており、飲み終わったあとの手入れはカプセル1つを捨てるだけで済みます。そのため手間をかけずおいしいコーヒーを飲みたい方におすすめです。

ドリップ式は、まずミルでコーヒー豆を挽いて粉状にし、ペーパーフィルターにセットして熱湯を注ぎます。するとコーヒー液が抽出されるので、コーヒー液をペーパーフィルターでろ過しコーヒーが出来上がります。

ペーパーでろ過するためすっきりとした味わいになり、使用後の片付けはペーパーを捨てるだけなので、洗い物の手間が省けます。さらにドリップ式は、1人～数人分のコーヒーを一度に抽出しても、安定した味わいに仕上がりやすいです。

サイフォン式は蒸気圧の差を利用してお湯を移動させ、コーヒーを抽出させる方式です。まずコーヒーメーカーの上部(ロート側)に布フィルターを設置します。そしてフラスコ内の水をアルコールランプで沸騰させると蒸気が発生します。

これによりフラスコ内で蒸気圧による加圧が発生し、お湯を上部へ押し上げます。するとロート部分にセットしたコーヒー粉とお湯がミックスされ、コーヒー液が作られます。

最後にアルコールランプを外し、フラスコ内の水蒸気を冷やし収縮させると、コーヒーと粉が分離されコーヒーを抽出します。

プレス式とはその名の通り、プレスして圧力をかけてコーヒーを抽出させる方式です。まずコーヒー豆をミルで挽いて、粉状にしたものを容器に入れます。次に熱いお湯を注ぎ、上からプレスしてコーヒーを抽出します。

コーヒー豆には油分が含まれていますが、プレス式で圧力をかけてこの油分(コーヒーオイル)まで抽出します。そのため豆本来の味わいを手軽に抽出するので、風味が豊かです。

エスプレッソタイプには「電気式」と「直火式」の2種類があります。それぞれの仕組みを解説します。

• 電気式

中にポンプがあり、電力でポンプを動かして高い圧力を発生させ、コーヒーを抽出します。コーヒーショップやドリンクバーなどに多いタイプです。また、蒸気を利用したタイプもあり、比較的低価格で購入できますが、圧力ではポンプ式に劣ります。

• 直火式

直火式は直接火にかけてお湯を沸かし、蒸気圧の力で抽出します。圧力によってお湯がバスケットを通り、上部ポットへ押し上げられます。電気式ほどの圧力ではありませんが、抽出力は高いです。

カプセルマシンは、コーヒー粉が入った専用カプセルをセットしてスイッチを入れるだけでコーヒーを抽出します。コーヒー粉は劣化しやすいので、通常であれば十分に注意して保存する必要があります。

しかしカプセルマシンの専用カプセルは、コーヒー粉が密閉された状態で入っています。そのため、極端な温度変化や直射日光といった度を越えた環境でさえなければ、保存に気を遣う必要がありません。

業務用と家庭用とでは基本的な仕組みや構造に違いはないものの、性能は大きく異なります。業務用は家庭用より大容量で、スチーミングが安定しているのでコーヒーを連続で何杯も抽出可能です。

業務用マシンは価格帯の幅も広く、10万円程度のものから300万円ほどのタイプなどさまざまです。目安としては20～30席ほどの喫茶店であれば30～100万円程度のマシン、都市部などの繁盛店であれば150～250万円程度のマシンが導入されています。

さらに250万円を超えるマシンになると、抽出杯数の多さや耐久性・保温性の高さ以外にも、抽出圧を細かく設定できるといった追加機能が充実しています。

ここでは大手のコンビニ5社で使用されているコーヒーメーカーをご紹介します。

• セブンイレブン

「セブンカフェ」を展開しているセブンイレブンでは、手動と全自動の2種類があります。全自動は押し間違いを防ぐ自動認識機能が搭載されています。

• ローソン

ローソンでは、セルフタイプと店員が入れるタイプの2種類があります。操作しやすいタッチパネルが搭載され、ホットコーヒーを約25秒、カフェラテを約20秒で抽出できます。

• ファミリーマート

ファミリーマートでは、濃厚ながらすっきりとした味わいのカフェラテが特徴です。きめ細やかなフォームドミルクにより、非常に滑らかな口当たりを可能にしています。

• ミニストップ

ミニストップでは快適にマシンを使用できるよう、抽出機構にこだわった設計となっています。ドリップ式により淹れたての味わいや香りを楽しめます。

• デイリーヤマザキ

デイリーヤマザキでは、専用のコーヒー豆を使用し独自のおいしさを追求しています。また店舗の規模によって、2種類の異なるマシンを導入しています。

コンビニによってマシンの特徴はさまざまですが、ぜひお気に入りのコーヒーを探してください。

挽きたての香りを逃さないよう、豆を均等に挽けるコーン式グラインダーを搭載した、全自動式のコーヒーメーカーです。ミルクフロッサーのスチーム機能を使えば、喫茶店のようにきめ細やかなミルクを作れます。

他にもエスプレッソの芳醇な香りとドリップの旨味を1杯に凝縮できる、カフェ・ジャポーネ機能も付いています。さらにはシンプル操作のコントロールパネルで、抽出温度や味の濃厚さを手軽にカスタマイズできます。

2杯同時に淹れられ、カップのサイズに合わせた高さ調節もできます。溜まったコーヒーのかすを捨てやすいので、手入れの手間を省きたい方にもおすすめです。

プロが淹れたように味わい深く仕上げられる、全自動ドリップ式のコーヒーメーカーです。コーヒー豆の挽き分けができ、さらにリッチ・マイルドコースとの組み合わせにより、4通りの味を楽しめます。カフェインを控えたい時は、デカフェ豆からコクを抽出してしっかり味わえます。

他の製品にはない特徴として、浄水機能があります。お湯を沸騰させてカルキを90%以上取り除くので、コーヒーの香りがいっそう豊かです。ミルの洗浄は全自動で、使うたびに手で洗う必要がありません。

また、飲み頃の温度をちょうどよくコントロールする「煮詰まり軽減保温機能」により、稼働から30分たつと自動的に適温へと調整します。

ネスカフェ製インスタントコーヒー専用のコーヒーメーカーです。上部に専用詰め替えパックをセットするタンクがあり、押し込めば簡単に詰め替えられます。ネスプレッソも有名です。ブラックコーヒーやカフェラテなど、それぞれのボタンを押して好きなメニューを選べます。

カフェで味わえるようなコーヒーを手軽に楽しめ、またバリスタで作るコーヒーのコストは1杯約13円と、圧倒的なコスパのよさが魅力です。そのため、家族みんなで毎日コーヒーを飲みたい方に最適です。

さらに給水タンクや抽出部分は取り外しが簡単で、慣れれば10分程度で掃除が完了します。

シロカの全自動コーヒーメーカーは、ミルが内蔵されたコーヒーメーカーです。コーヒー豆を準備すればドリップまですべて自動で行えるほか、コーヒーの粉からドリップも可能です。豆本来のおいしさを引き出すようにプログラムされた蒸らし機能や適温をキープできる保温機能が搭載されています。

また、メッシュフィルターは洗えば繰り返し使えるため経済的です。内蔵されているミル付きバスケットは取り外して丸洗いできます。手間がかからず、場所も取らないコンパクトなコーヒーメーカーです。

コーヒーメーカーを使い始めた時は、本体や各パーツに使われているプラスチック素材の臭いを感じる場合があります。そのため、最初に使用する時はコーヒー粉などを入れず、水だけを使って1～2回抽出を行いましょう。

使い続けていくうちに臭いはなくなりますが、それでも臭いが気になる場合は、クエン酸を使った洗浄をおすすめします。

淹れたコーヒーが薄かったり濃かったりした時は、コーヒー粉の量や挽き方が適切かどうか確認しましょう。コーヒー粉用の計量スプーンはブランドによって容量が異なるため、違うブランドのものを使った場合、正しく量ったつもりでも適量でない可能性があります。

挽き方次第でも味の濃さは変わってくるので、ミル付きタイプで微調整が可能なら試してみてください。他にも、コーヒーメーカーの蒸気口や抽出口が詰まっていると抽出がスムーズにいかない場合があるため、一度手入れをしてください。

コーヒー抽出スピードが遅い場合やコーヒーが落ちてこないときは、お湯の出口が詰まっている恐れがあります。コーヒー粉や水垢が出口に詰まっているかもしれませんので、その場合は取り除きましょう。

汚れがひどい状態ですぐに取り除けない場合は、クエン酸での洗浄を試してください。

コーヒー豆を挽くためのミルが動かない時は、ミル内部にコーヒー粉が詰まっていたり、フタがしっかりと閉まっていない状態で電源を入れていたりする可能性があります。

コーヒー粉が詰まっていたらブラシで手入れを行い、フタを閉めてミルを再稼働させてください。ミルの洗浄が簡単にできるタイプであればより安心です。

「コーヒーが出ない」「そもそもお湯が出ない」といったトラブルはカプセルマシンタイプのコーヒーメーカーによく見られる症状です。コーヒーもお湯も出ない原因としてホースの乾燥が挙げられます。長期間水のタンクを空にして放置をしていると起こる症状です。

水をタンクに満タンにして付けたり外したりを繰り返し、半日程度放置すると改善される場合があります。しかし、故障の可能性もあるので、動かなければメーカーのサポートセンターに問い合わせてください。

「お湯だけしか出ない」のは、梅雨や夏場の湿気が多い時期に起こる症状です。コーヒー粉が湿気で固まってしまい、お湯しか出なくなってしまいます。この場合は、コーヒータンクを取り外してきれいに掃除をしてください。使用しているコーヒーメーカーの取扱説明書を参考にしましょう。

コーヒーメーカーはレンタルするのもおすすめです。初期費用がいらず1日単位でもレンタルできるため購入よりも気軽で、最新機種をお得に試せます。レンタルで有名なのはユニマットですが、こちらはオフィス向けです。

有名ブランドのデロンギやネスレは、個人でも利用可能なレンタルサービスを行っています。また、ゲオ・レンティオといったレンタル会社でも、さまざまなタイプや大きさの機種をレンタル可能です。

新しいコーヒーメーカーを手に入れたら「今すぐ使いたい！」と思うところです。しかしその前に、試し抽出を忘れずに行いましょう。一度試し抽出をしておくと機械のニオイが取り除かれ、香り豊かなコーヒーを楽しめます。

コーヒーメーカーにこだわるのはもちろん、コーヒー豆の焙煎度合いにも注目して選ぶと好みのコーヒーに出会えます。焙煎度合いとはどのくらいコーヒー豆を焙煎したかを指します。焙煎時間が短いコーヒーは、酸味が強く色が薄いのが特徴です。反対に焙煎時間が長いコーヒーは、苦味が強く色も濃いのが特徴です。

コーヒー豆を購入できるお店によっては、焙煎度合いを指定できます。よりコーヒーを楽しむために焙煎にも注目してコーヒー豆を選んでください。

リーズナブルなコーヒーメーカーは機能がシンプルですが、機能が充実するほど内部の仕組みも複雑化します。コーヒーメーカーは種類によって用途や趣向も異なるため、仕組みを理解して考えながら抽出を行えば、いつもよりおいしいコーヒーを楽しめます。ぜひ好みにあったコーヒーメーカーを見つけてください。