【2023年最新】スペインワインおすすめ15選｜赤・白ワインも紹介

情熱の国スペインは、イタリア・フランスに次いで世界3位のワインの生産量を誇ります。さらにぶどうの栽培面積は世界1位で、ワインの輸出大国です。スペインは全体的に温暖な気候ですが、地中海沿岸は特にワインの生産に適しています。

しかし、「自分好みのワインをどのように選べばいいのかわからない」と疑問に思う方も多いです。この記事ではそんな疑問を持つ方に向けて、スペインワインの魅力・特徴や選び方を詳しく解説します。

国からぶどうの栽培地域によって格付けされるなど、ワインの分類方法も厳格に決められています。また、記事後半ではおすすめのワインの銘柄15選もご紹介。スペインワインに興味があるという方はぜひ参考にしてください。

スペインは国土全体が温暖な気候なので、ぶどう作りに適しています。地方ごとに特徴のあるワインが生産されており、ヨーロッパの中でも比較的安価でおいしいワインがあるのがスペインです。

スペインワインはフランスやイタリアと比べ、大量生産されているので比較的安価です。さらに、2019年から日欧EPAが発効され、ワインにかかる関税が撤廃されより購入しやすくなりました。ワイン1本あたりにかかる税金約100円分価格が下がるので、高級ワインだとそこまでお得には感じませんが1,000円前後のリーズナブルなワインだと、大きな値引きに感じられます。

また、スペインワインの赤ワインはタンニンがしっかりとしている味わいが魅力です。夏の暑い時期に氷を入れて飲んでも薄くならないほど濃厚です。

スペインで生産されているワインは大きく分けて4種類になります。一般的な赤ワイン・白ワインの他にスパークリングワインの生産も盛んです。また、アルコール度数が高いお酒が必要とされた歴史的背景からシェリーも生み出されました。

スペインの赤ワインの特徴は、タンニンが強く果実味がしっかりしていることです。タンニンとはポリフェノールの総称で、渋みのことを示します。スペインの夏は暑くなるため、赤ワインに氷を入れたりソーダで割ったりして飲む「ティント・デ・ベラーノ」という文化があるほどです。「ティント」はスペイン語で赤を意味します。

スペインの白ワインは口当たりのいいフルーティーな香りを楽しむことができます。スペイン語で白は「ブランコ」です。土着品種のぶどうで製造されることが多かった白ワインですが、最近はシャルドネを始めとする国際品種で作られることも増えてます。

通常のワインのアルコール度数が11～14度に対して、酒精強化ワインは15～22度あります。酒精強化ワインの1種として「シェリー」が有名です。ポルトガルのポートワイン・マデイラワインと合わせて世界3大酒精強化ワインとされています。

16世紀ごろからスペインはアジアやアメリカへ航海することが増えました。船の中は暑いうえ揺れるため、腐ってしまう普通のワインの代わりに酒精強化ワインが開発されたとされています。

「CAVA（カヴァ）」とは、フランスのシャンパンと同じ製法で作られているスペインのスパークリングワインです。スペイン語でカヴァとは洞窟という意味で、気温や湿度が一定の洞窟でワインを保管していた冷気的背景から名付けられました。

一次発酵からブレンドを施し瓶詰めし、さらに9ヶ月以上の熟成をさせ瓶内二次発酵で造られています。味や香りともにシャンパンと遜色ないですが、低価格で楽しむことができます。

スペインは国土全域でワイン作りが盛んで、その地方によって個性豊かなワインがあります。ぶどうの品種、産地だけでなくスペインワインならではの熟成期間など選び方について紹介します。

ワインは熟成期間が長いほど樽や瓶の中で発酵が進むため、複雑な香りと風味を楽しむことができます。スペインのワイン法では、熟成期間や樽での熟成の有無によってそれぞれ表記方法が決まっているので、下の表をご覧ください。

赤ワイン、白ワイン・ロゼ、カヴァの順に必要熟成期間が長くなります。樽は330L以下のオーク樽という指定があります。

スペインでは多くの固有品種があり、それぞれの地方で栽培されてきました。近年は国際品種の栽培も盛んになっています。ここからはワインごとの品種について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

スペインの固有品種である「テンプラリーリョ」は、赤ぶどうの生産の約40％を占めています。栽培地域によってセンシベル種、ティント・フィノ種など呼び方が異なるのが特徴。ベリー系果実の華やかな香りに繊細な味わいが特徴で、樽で熟成されることも多いです。

その他に、糖度やアルコール度数が上がりやすいアンゴラ州原産の「ガルナッチャ」や、1970年以降から盛んに栽培されるようになった国際品種の「カベルネ・ソーヴィニヨン」があり、赤ワインの原料となっています。

スペインで最も栽培量が多い「アイレン」で作られた白ワインは、やや強めの酸を持ったフレッシュな味わいに。白ぶどう品種として世界で最も生産されるほどメジャーな品種です。その他に、カヴァの原料として栽培されることが多い「マカベオ」や、海に面した場所で栽培される「アルバリーリョ」などが白ワインの原料としてあげられます。

シェリーを始めとした酒精強化ワインの原料である「パロミノ」は、乾燥した地域で栽培されています。柔らかな緑色から成熟するにつれて金色に変化していくのが特徴です。酸味や甘みが弱いため、酒精強化ワインや蒸留酒以外のお酒には使われることはほとんどありません。

スペイン全土でぶどうの栽培が盛んで、地域ごとに個性的なワインが生産されています。その中でも有名な産地を3つ紹介しますので、ぜひご覧ください。

スペイン北部にある「リオハ」は、初めて特選原産地呼称（D.O.Ca）に認められたワインの産地です。南北に走る山脈によって大西洋の湿気や内陸部の過剰な乾燥から守られているため、ぶどうの栽培に適しています。作られるワインは92％が赤ワインで、テンプラリーリョを主体に他の黒ぶどうがブレンドされたものが多いです。

「ペネデス」を含むカタルーニャ地方ではカヴァのほとんどを生産しています。カヴァの世界的人気に応えるため、醸造所の近代化や技術革新、畑への投資を他の産地に先駆けて行いました。同じカタルーニャ地方の「プリオラート」は、リオハと共にD.O.Caとして認められている赤ワインの産地です。山脈沿いの土地なので、傾斜がきつく標高700mを超える場所にもぶどう畑があります。

イベリア半島の最南端にある「アンダルシア」は、大航海時代から重宝されているシェリーの生産で有名な場所です。「アンバリサ土壌」と呼ばれる石灰質の土地で、雨季に水分を蓄え乾季になるとぶどうの根によって水分が吸い上げられます。

異なる収穫年や樽のシェリーを混ぜ合わせて作る「ソレラシステム」という特殊製法で毎年安定したシェリーを製造しているので、安心して同じ味を楽しむことが可能です。

スペインワインはワイン法によって6段階に格付けされます。格付けが高い順に以下の通りです。

• ヴィノ・デ・パゴ（VP）
• デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ(D.O.Ca)
• デノミナシオン・デ・オリヘン（D.O）
• ヴィノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ(VCIG)
• ヴィノ・デ・ラ・ティエラ
• ヴィノ・デ・メサ

地域の格付けとして1番高いのは2番目に紹介した「デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ(D.O.Ca)」となり、産地でいうとリオハとプリオラートの2か所のみです。1番上の格付け「ヴィノ・デ・パゴ（VP）」は畑の格付けで、「○○さんのこの畑」といった指定をされています。

世界第3位のワイン生産を誇るスペインでは、多種多様なワインが製造されています。特にスペインならではのカヴァは気軽にスパークリングワインを楽しみたいとき、シェリーは少し度数が強いけれど飲み慣れた味わいがいいときに購入してはいかがでしょうか。スペインは比較的安価なワインが多いですが味は洗練されているため、コスパ重視でワインを選びたい方におすすめです。