ドイツワインおすすめ15選｜最高峰の貴腐ワインを味わってみませんか？

ドイツのお酒と言えばビールが有名ですが、意外とワインの生産も盛んに行われています。特に甘口の白ワインは世界的に評価されています。デザートとして飲まれるほど甘口なので、ワインが苦手な方や女性からも人気です。

最近では辛口ワインや農薬を使わずに栽培したぶどうを使ったビオワインなども発売されています。フランスやイタリアほど有名ではないので、ドイツワインをプレゼントとして贈ると珍しいと喜ばれますよ。

この記事では、ドイツワインの特徴や選び方を解説します。また、おすすめのワインも15種類紹介していますので、参考にしてください。

ドイツではワイン生産国の中でも珍しく、白ワインが生産の60％を占めています。特に輸出される大半のワインが甘口です。ワインの生産量は世界ランキング10位で、1985年までは日本に輸入されるワインのトップシェアでした。

世界的に辛口ワインや赤ワインが流行し始めたのに合わせ、ドイツでも甘口白ワインの製造から多種多様なワインの製造へと移り変わっています。地球温暖化の影響で、ぶどう栽培が難しかった土地でも栽培可能になったことも後押ししました。

ドイツは他のワイン生産国と比べ冷涼な気候で、ぶどうの果実がゆっくりと成熟し酸もゆっくりと分解されるので、ワインには独特の果実酸が残ります。フルーティーで酸と甘みのバランスが絶妙と評価され人気です。

ドイツでは冷涼な気候のため、ぶどうを完熟させるまで栽培するのが難しい土地でした。そのため、ワインの甘みが強いほど評価が高いという格付けがあります。その結果、糖度の高い甘口ワインが増えたと言われています。

最近では辛口ワインの生産も活発になり、辛口ワインが生産量の60％を占めるほどになりました。しかしほとんどドイツ国内で消費されているため、日本でドイツワインの辛口を見かけることは稀です。

ドイツワインを選ぶ際のポイントを3つ紹介します。ワインを選ぶときはぶどうの品種や産地が注目されますが、ドイツワインの場合はさらに格付け方法が特殊です。お好みのワインを選ぶ参考にしてください。

甘口と辛口を分類するのは、ワイン内に残っている糖分（残糖）の量です。EUでは、1リットルあたり4グラム以下しか残糖がないワインを「辛口」、それ以上の残糖を含むものを「甘口」としています。

甘口ワインはぶどう自体の糖度を上げたり、発酵を途中で止めたり甘み成分を後から足したりして作られます。ドイツの甘口ワインとして有名な貴腐ワインは、貴腐菌というカビをぶどうに付け、水分が抜けることによって甘みを引き立てる手法で作られているようです。とても高価なものが多いので、デザートワインとして食後に飲むことをおすすめします。

甘口の生産が多いドイツですが、食事に合うワインとして辛口の生産が近年増加しています。ほとんどはドイツ国内で消費されてしまうため、あまり輸出されることはありません。ドイツ語で辛口を「トロッケン（Trocken）」と言います。

ドイツはぶどうが生育できる北限に位置しています。そのため、寒冷な気候でも育ちやすいように品種改良されてきたという歴史があります。ドイツでは様々な品種のぶどうが栽培されていますが、ブレンドすることなく単一品種によって作られるワインが多いという特徴があります。では、その品種を見ていきましょう。

ドイツワインの中でも代表的な品種であるリースリングは、世界最大の栽培面積を誇ります。ドイツ国内のぶどう栽培の23％を占めます。ぶどうの完熟が10月以降と成長が遅く、ゆっくりとバランスの良い味わいになります。

豊かな酸があり、長期熟成にも向いているのが特徴です。リースリングは冷涼な環境かつ痩せた土地で育つため、地中深くまで根を伸ばし豊富なミネラルを含みます。

最高糖度の甘口から辛口のワインまで多種多様なワインの生産に使われますが、リースリングで作られたワインは、りんごのような香りとすっきりとした酸味を味わうことが可能です。

ミュラー・トゥルガウは1882年にドイツの研究所で開発された白ワイン用の品種です。リースリングとは対照的に9月にはぶどうが完熟します。気候や土壌に左右されず栽培でき、ぶどうには向いていない平地でも育成可能。日本では北海道でも栽培されています。

ミュラー・トゥルガウで作られたワインは緑みがかった色味になり、青りんごやマスカットのようなフルーティーな香りです。熟成には向いていないので、若いうちに飲まれるハウスワインなどに使用されます。

シルバーナーは収穫量が比較的多い品種ですが、病気や寒さに弱いため限られた土地でしたか育てることができません。栽培された土壌によって味が大きく変化し、石灰質のミネラル豊富な土壌では、粘り強く心地よい酸とほろ苦さを感じることができます。

シルバーナーは、青りんごや洋ナシなどのさわやかな果実に、ハーブなどの清涼感が加わりキリっとした酸味の飲みやすい白ワインです。凍らせたぶどうを使って製造されるアイスワインにも使われます。

ぶどうは寒すぎると栽培できないため、ドイツの南部地方でワインが生産されています。特に、ライン川沿いはぶどう畑やワイナリーが集中しています。

ドイツ最大のワインの産地であるラインヘッセンでは、以前は「リープフラウミルヒ」という甘口ワインを中心に生産していました。最近は若い農家によって、辛口ワインの生産も活発になっています。オーガニック農法で栽培する農家も多いため、ビオワインも作られています。

ファルツはドイツで2位の栽培面積で、ドイツ内で最も温暖な地域です。黒ぶどうの栽培も盛んで、赤ワインの生産は1位となっています。

モーゼルはローマ人からワイン製造が伝わったドイツ最古のワインの生産地です。急斜面に石垣を築いて造ったテラッセンモーゼルと称されるテラス状のブドウ畑が有名です。リースリングの栽培が盛んで、最高峰の貴腐ワインの産地として世界から評価を受けています。

ラインガウはその名の通りライン川に面した地域で、年間を通して比較的温暖な気候です。モーゼルと同じくリースリングの栽培が盛んですが、辛口の生産をメインとしています。若手醸造家を育成するガイゼンハイム大学が位置しており、恵まれた環境と高い技術力を備えています。

ドイツワインはEUの中でも特に細かくランク分けされています。テーブルワイン・地酒・上質ワイン(QbA)・最上級ワインの4段階に分けられています。

最上級ワインはさらに細かく分けられていて、糖度の低い順に以下の通りです。

• カビネット
• シュペトレーゼ
• アウスレーゼ
• ベーレンアウスレーゼ
• アイスヴァイン
• トロッケンベーレンアウスレーゼ

最上級ワインはぶどうをより発酵させるための補糖を行うことができないので、自然な甘みを楽しむことができます。2番目に高糖度のアイスヴァインは、凍った状態のぶどうを収穫して作られます。

ドイツワインは世界的にも甘口の白ワインで高評価を受けています。最近では、辛口ワインや有機栽培のぶどうで作られたビオワインなど新しい試みも取り組まれています。また、糖度や産地によって細かく格付けが決まっていますので、お好みのワインを選ぶ基準にしてください。