ヘッドホンのエージングの失敗しないやり方｜イヤホンエージングややり方も

集中して音楽を聞く上で便利なヘッドホン。今では高性能なモデルがたくさんあり、迫力のある低音やはっきりとした高音を楽しむのが可能です。しかし、ヘッドホンの性能を最大まで発揮するにはエージングが必要な場合があるのです。

今回は、ヘッドホンのエージングについて解説します。ヘッドホンのエージングとは何なのか、エージングで得られる効果などさまざまな角度からご紹介します。エージングに必要な音源や方法もぜひ参考にしてください。

また、実際にエージングする際に失敗しないための注意点も徹底解説します。1時間でエージングが完了するおすすめサイト「Chord&Major」もご紹介するので、この記事を読んでヘッドフォンのエージングについてしっかりマスターしましょう。

エージングとは、簡単に言えばヘッドホンの慣らし運転を指します。音を長時間流してヘッドホンの振動板を動かし、音質を安定させるのがエージングの原理です。また、一定の音域を抑えたり、はっきりとした音を出したりする目的のエージングもあります。

ヘッドホン以外に、イヤホンやスピーカーなどの機器にもエージングは有効です。基本的にエージングはしなくてもいい作業ですが、イヤホンエージングはメーカーによっては推奨している場合もあります。

エージングを施すと、以下のようなメリット・デメリットがあります。

【エージングのメリット】

• ヘッドホンのドライバーが振動に慣れ、本来の音質を実現できる
• 特定の音域が強すぎるヘッドホンの場合、低音・中音・高音のバランスがよくなる場合も

音質がいいモデルのはずなのに音がイマイチ、低音や高音の主張が強すぎるといった場合は、エージングすると改善されるかもしれません。また、〇〇時間のエージングが必要と明記した上でヘッドホンを販売しているメーカーもあります。

【エージングのデメリット】

• エージングに時間がかかる
• 製品によっては効果がない場合もある
• メーカーによっては非推奨とされている

ヘッドホンによってエージング効果の表れ方に差があり、明確に音が変わるモデルもあれば、まったく音が変わらないモデルがあるのも事実です。また、エージングで音質が変わるのは自体は科学的に証明されていない点には注意が必要です。

スピーカーのように大きな振動幅を持っているものは効果を感じやすい傾向にありますが、振動幅の小さなヘッドホンやイヤホンはそれほど明確な差がわからない場合が多いです。大幅な音質の変化は求めず、ヘッドホンに想定された音質に近づける認識で行いましょう。

また、エージングはドライバ部分に振動を一定期間与え内部の電子機器を程よく劣化させ、音質と音のバランスを調整する作業を指すため、必ずしもいい方向に調整されるとは限らない点も考慮して行ってください。

安いヘッドフォンの場合は、効果が感じられない可能性が高いです。その理由は、安いヘッドフォンはもともとの作りや性能が低いため、エージングしても納得のいく音質にならないからです。

ヘッドホンにエージングに採用する音源は、普段から聞いている曲でも問題ありません。しかし、どんな曲を流すかによってエージングの効果が変わる場合があります。

念のため、低音に慣れさせたいならEDMなどの重低音の曲、高音に慣れさせたいならクラシックなどがおすすめです。低音曲だけ・高音曲だけでエージングして、その音域専用のヘッドホンにして使い分けも可能です。

また、低音・中音・高音のすべてに慣れさせたいなら、ジャンルが違う音楽をランダム再生するのもおすすめします。

ヘッドホンのエージング音源として定番なのが、ホワイトノイズ・ピンクノイズです。ホワイトノイズは、一定の周波数で構成されたノイズを指します。ラジオのノイズのような「サー」といった音が鳴ります。一方で、ピンクノイズは、1オクターブごとの周波数が一定のノイズです。テレビの砂嵐のような音が鳴り、それぞれ以下の効果が期待できるのがポイントです。

これらのノイズはYouTubeなどの動画サイトにアップされているので、気になる方はチェックしましょう。また、エージング用に作られたホワイトノイズ・ピンクノイズのスマホアプリもあります。

エージングするときは、いつもよく聴いている音楽を使えば変化に気づきやすいですが、エージング用のCDもおすすめです。エージング用のCDには、自然音に特殊加工した音など遭遇する機会の少ない周波数や、普通に生活していると聞かない音が入っています。そのため変化や違いが分かりやすくなります。

大音量で音源を流せば早くエージングが済むように思えますが、実際はそうではありません。むしろ、大音量だとヘッドホン内部にダメージが加わり、故障や不具合を起こす可能性があります。

そのため、適切な音量でエージングするのがベストです。ヘッドホンで曲を聞いていて、うるさくない程度の音量でエージングしましょう。

1日中曲を流すエージング方法は効率的に見えますが、ヘッドホンに負担が掛かるので推奨できません。1日に1～3時間までに留めましょう。それを30時間分繰り返すと、エージングが完了します。

もし、エージングの効果が実感できない場合は、プラス30時間エージングを延長しましょう。それでも効果が出ない場合は、ヘッドホンがエージングに向いていないモデルの可能性があります。

音を最大音量で流す・長時間流す行為は、ヘッドホンに負担を与えます。素早くエージングを済ませるために無理に実行すると、イヤホンの音を生み出す振動板の、ダイヤフラムといったパーツが傷みやすくなります。

エージングをしすぎると一定の音域の聞こえが悪くなったり音が出なくなったりするので気をつけましょう。適切な音量で短時間エージングし、ゆっくりとヘッドホンを育てるのがコツです。

エージングは効果が現れるまでに30時間ほど掛かります。モデルによってはそれ以上の時間を要する場合もあるので、正直面倒に感じる場合もあります。

その場合は、「Chord & Major」がおすすめです。こちらはイヤホン販売メーカーが立ち上げた、エージングを1時間で完了させるサイトです。

【使い方】

1. スマホやPCにエージングしたいヘッドホンを接続する
2. サイトにアクセスし、右上の◎を押す
3. STARTボタンを押して完了を待つ

サイトではデバイスの音量を100%にするように指示されますが、ヘッドホンの故障が心配な方は50%程度で大丈夫です。

スマホ用にヘッドホンを買ったのであれば、スマホでエージングをしたいところです。実は、スマホ用のエージングアプリも存在します。気になる方は、Apple storeやGoogle Playなどでエージングと調べ、アプリをインストールしてください。

ただ、エージングアプリはさまざまなものがあり、アプリによってエージングのクオリティに差があるのも確かです。アプリのレビューや評価を確認し、自分に合ったものを使いましょう。

また、エージングアプリは、ホワイトノイズやピンクノイズを用いたものがほとんどとなっています。特にiPhoneでは「オーディオエージング」Androidのスマホでは「Burn-In Audio」がおすすめです。

スピーカーもエージングが有効なアイテムです。スピーカーは大きい振動板を搭載しているので、高いエージング効果が期待できます。エージングのやり方はヘッドホンと同じで、音をある程度の時間再生するだけでできます。

Bluetoothスピーカーであればスマホと接続し、アプリでエージングするのもおすすめです。スピーカーの音をよくしたい方は、ぜひ実践してください。

エージングをしても満足のいく音を味わえない場合はヘッドホン本体の買い替えを検討することをおすすめします。ヘッドホンは種類はもちろん、メーカーによって得意な音域に違いがあるので、よく聴く音楽などによってヘッドホンを選ぶと、より音楽に満足することができます。

たとえば、SONYは低音から高音まで幅広くカバーしています。フラットなヘッドホンのため、標準モデルともいえます。自分好みの音域を把握するためにも、フラットなSONYのヘッドホンから始めるのもおすすめです。

ヘッドホンをエージングすれば、本来の音質を実現したり音のバランスがよくなったりするなどのメリットが生まれます。しかし、エージングのやり方を間違えると逆効果なので注意が必要です。この記事を参考に、適切なエージングを行ってください。