顕微鏡の値段はどのくらい？プレゼントにもぴったりの顕微鏡を紹介！

肉眼では見えない小さなものの構造を詳しく見ることのできる道具といえば、顕微鏡ですよね。プロの研究者として日常的に使用している方もいますが、小学生時代に理科の授業で習ったきり…そんな方も多いのではないでしょうか。

そもそも、顕微鏡は研究機関や学校などで使われることの多い高価な道具。個人的に購入する機会はあまりないと思われがちです。しかし、何10万円もするハイスペックな機種がある一方、シンプルでリーズナブルな機種もたくさん販売されています。

この記事では、価格帯別のおすすめ顕微鏡や顕微鏡の選び方について詳しくご紹介。おうちで身近なものを観察してみたいという小学生のお子さんから社会人の方まで、ぴったりの1台がきっと見つかるはず！ぜひ最後までお付き合いください。

理科の授業で初めて顕微鏡に触ったという方はたくさんいるはず。小学校の教材として使用されているのは、「生物顕微鏡」というタイプの顕微鏡です。ここでは、顕微鏡の種類と価格帯について解説していきます。

顕微鏡には、大きく分けて2つのタイプがあります。「小さなものを拡大して見る」という目的は同じですが、それぞれ「見えるもの」や特徴が違います。

実体顕微鏡は植物や昆虫などの対象をそのまま拡大・細部を観察することができる顕微鏡です。花の雄しべやトンボの複眼などを観察したい場合は実体顕微鏡がおすすめ。対象を観察しながら解剖などの作業をするのにも使われます。

対象を変形させたり傷つけたりすることなく観察できるのが1番のメリット。実体のまま観察するのが目的のため、立体感のある像を得るために両目で覗きこむ構造になっているのが特徴です。

生物顕微鏡は対象を薄くスライスしたものなどをプレパラートに乗せて観察することができる顕微鏡です。実体顕微鏡より倍率が高く、細胞の様子などを詳細に知ることができます。学校の理科室などに置かれているおなじみの顕微鏡です。

機種によっては倍率1000倍以上の性能を持ち、染色体や最近、微生物など肉眼ではまったく見ることのできないものを観察することができます。また、備えている倍率が高くなるほど顕微鏡の本体も高額になる傾向があります。

顕微鏡は実体・生物ともに機種による価格の幅が広く、数1000円程度のものから100万円以上するものまでさまざまな製品が販売されています。また、顕微鏡の種類では実体顕微鏡よりも生物顕微鏡の方が一般的に高額です。

価格の目安としては、フィールドワークにも使えるハンディタイプの実体顕微鏡で数1000円程度、置き型の実体顕微鏡なら1～3万円ほど。生物顕微鏡なら5万円程度の機種を選べば、十分なスペックが確保できるでしょう(学校で教材として使われている顕微鏡は1～2万円ほどです)。

顕微鏡には、購入の際にチェックしたいポイントがいくつかあります。ここでは、項目別に注目したい点をまとめてみました。お気に入りの1台を見つけやすくするためにも、必ず確認するようにしましょう。

顕微鏡には必ず「倍率」が設定されています。同じものを観察していても倍率によって見えるものが異なってくるため、どのレベルまで観察したいのかによって選ぶべき顕微鏡も変わります。中には、低倍率から高倍率まで用途に応じて変えられる機種もあります。

目安として、40倍程度でトンボなど昆虫の複眼、100倍程度でミジンコやプランクトン、400倍程度で細胞の形状などが観察できます。また、同程度の倍率でも実体顕微鏡と生物顕微鏡では見え方や使用方法が異なります。

1000倍まで拡大できるハイスペックな機種ならば、染色体や細胞内の構造などより専門的な観察も可能です。しかし、お子さんの学習用や自由研究、趣味の範囲で使用するという場合は、100～400倍程度のものが価格も手ごろでおすすめです。

顕微鏡を覗きこむ際に「眼」に「接」する接眼レンズ。片目で覗く単眼タイプと両目で覗く双眼タイプがあります。立体感が重視される実体顕微鏡では双眼タイプ、平面で細胞の内部構造などを観察する生物顕微鏡では単眼タイプが主流です。

単眼タイプは双眼タイプに比べてリーズナブルな価格設定なのが魅力。一方、双眼タイプは両目を使えるため長時間の観察でも疲れにくいというメリットがあり、最近では生物顕微鏡にも双眼タイプのものが増えてきています。

学校に置かれている顕微鏡は、観察対象を対物レンズで拡大して観察する「光学顕微鏡」が主流。しかし中には、対物レンズの代わりにカメラが取り付けられ、モニターなどに映像として表示することができる「デジタル顕微鏡」もあります。

デジタル化によって、モニターで複数人が同時に観察できる・スマートホンに画像を送れるなど、従来の顕微鏡にはできなかった作業も可能。研究結果をプレゼンテーションや発表に使いたいという方には特におすすめです。

多くの企業が開発を手掛けている顕微鏡。優れた性能によって多くの人に愛用される製品を生み出し続けるメーカーはたくさんあります。ここでは、顕微鏡の開発において特に有名なメーカーをいくつかご紹介します。

株式会社ニコンは、日本の光学機器メーカーです。カメラや双眼鏡、望遠鏡、眼鏡などを幅広く製造・販売しています。ニコンが開発しているのは、使いやすさへのこだわりがデザインに現われた顕微鏡。柔らかな曲線で持ちやすい骨格パーツ・収納場所を取らない微動ハンドルなど、随所に細かな工夫が施されています。

オリンパスは、ニコンと同じく日本の1大光学機器メーカー。オリンパスが初めて顕微鏡を製造したのは、なんと1920(大正9)年のこと。それから約100年、学習用から医療・生命科学の現場で用いられる業務用の機種まで、幅広い顕微鏡を生み出し続けています。

カール・ツァイス社は、19世紀半ばにドイツで生まれた光学機器メーカーです。創業当時から妥協を許さない徹底した品質管理で知られています。レンズの製造技術は「暗室で浮かび上がってくる画像を見ただけで、ツァイスレンズで撮影したかどうかが分かる」と言われていたほど。優れたレンズを使用したハイスペックな顕微鏡を多数販売しています。

Leica(ライカ)はドイツの「ライツ社」を起源とするメーカーで、カメラを趣味としている方なら誰もが知っている「ライカカメラ」を製造している会社です。現代でも手作業工程を組み込んだ少量生産にこだわり、高品質・高価格なのが特徴。顕微鏡分野でも医療現場やライフサイエンスなどの業務用機種をおもに手掛けています。

部品がたくさんあって、難しそう…顕微鏡を手にしたものの、そんなふうに戸惑ってしまう方もいるはず。ここでは、一般的な顕微鏡の使い方を簡単にご紹介します。

1. 接眼レンズを取り付けます。顕微鏡は明るく水平な場所に置きましょう。
2. 対物レンズを取り付けます。
3. 反射鏡で明るさを調整します。暗い場合は角度を変えてみましょう。
4. プレパラートをセットします。対象を乗せるステージと対物レンズを近づけるときは、レンズがプレパラートに当たらないように注意しましょう。
5. 接眼レンズを覗きながらプレパラートと対物レンズを少しずつ遠ざけ、ピントを合わせます。
6. 対物レンズの倍率を上げてピントを合わせます。

価格帯別の顕微鏡特集、いかがでしたか？約400年前にオランダで誕生して以来、顕微鏡は人類にとって重要な発見に貢献し続けてきました。自宅で過ごす時間が増えている今、顕微鏡でおうちにあるものを調べてみませんか？身近なところから思いもよらない大発見があるかもしれませんよ！