IHクッキングヒーターの寿命は？｜20年使える？寿命のサインと買い替えの基準も

リーズナブルな価格で購入できるIHクッキングヒーター・IHコンロですが、家電なのでもちろん寿命があります。20年など長い期間使い続けると温度が上がりにくくなる・異音がするなどのさまざまな不具合が発生し、このまま使い続けていいのか迷う方も多いです。

しかし、買い替えたり修理したりするのはコストがかかるため、できる限り寿命を迎えるまで使い続けたいですよね。長く使い続けるためには、IHクッキングヒーターの寿命や故障の原因をしっかり理解し、正しく使用するのが大切です。

本記事では、IHクッキングヒーターの一般的な耐用年数・寿命のサインや長持ちさせるためのポイントを解説します。また、お手入方法・処分方法なども紹介するので、ぜひ参考にしてIHクッキングヒーターを長く愛用しましょう。

IHクッキングヒーターは、ヒーター部分とグリル部分で耐用年数が異なります。

• ヒーター部分・・・10～15年
• グリル部分・・・7～10年

グリルの方が耐用年数が短い理由は、魚を焼くための調味料や油により劣化が進みやすいためです。しかし、この耐用年数はあくまでも目安で、使用頻度や使い方によって機器の寿命は変わります。早い段階で使えなくなるケースもあれば、20年近く使い続けているケースもありさまざまです。

電源を入れても温度が低かったり上がらなかったりする場合は、寿命が近づいている可能性が高いです。IHクッキングヒーターに内蔵されているヒーターは経年劣化で徐々に性能が落ちます。寿命を迎える頃にはお湯が沸かない・食材に熱が通らないなどの不具合が発生しやすいです。

温度調節のボタンが反応しないなど、温度の調節ができなくなった場合は、内部の基盤やボタンの故障などが考えられます。そのため、故障部分を交換して、修理する必要があります。

ボタンやパネル部分の交換にかかる費用は、部品にもよりますが、1~3万程度が相場です。修理費用だけでなく、出張費用なども請求される場合もあるため、買い換えた方が安くなるケースもあります。

電源が入らない・機能の一部が使用できない場合も寿命の可能性が高いです。電源や機能の不具合は使い方に原因があります。吹きこぼれや油はねなどを繰り返すと、基盤に汚れが溜まって故障につながりやすい要因です。

また、経年劣化すると漏電が発生するため、ブレーカーが頻繁に落ちるようになったときも寿命の可能性が高いです。ブレーカーが落ちると不便で、けがや事故の恐れもあるため早めに買い替えましょう。

ホットプレートは丁寧に使っていても、鍋やフライパンとの摩擦でトッププレートが傷つきます。トッププレートが損傷すると内部に水分が入って非常に危険なので、トッププレートが破損したら早めに買い替えましょう。また、異音がする場合も寿命の可能性が高いです。

IHクッキングヒーターの修理には、もちろん修理代がかかります。故障の内容や機種によって差はありますが、主要なメーカーの製品の修理費用はおおよそ以下の通りです。

• パナソニック：20,000～40,000円
• 三菱電機：13,000～56,000円
• アイリスオーヤマ：5,000～14,000円

正確な修理費用を知りたいときは、見積もりの依頼をおすすめします。ただし、見積もり診断だけで費用が発生する場合もあるので、見積もり費用についても問い合わせましょう。

手元にある製品を修理せず、新しいものを買った方がいい場合もあります。修理した方が安いからといって安易に修理を選択しないようにしましょう。以下に当てはまる場合は、買い替えた方がいいです。

• 10年以上使用している
• 修理費の見積もり額が40,000円を超える
• 1年の間に3回以上故障している
• 現在のIHクッキングヒーターに不満がある

長期間使っている場合や頻繁に故障している場合は、修理を行ってもすぐに新たな不具合が出る可能性があります。また、使用しているものが自分に合わない場合も買い替えがおすすめです。

IHクッキングヒーターが故障した場合は、粗大ごみか不燃ごみで処分します。比較的新しいものは買取に出す方法もありますが、寿命のものや故障したものは買取不可の場合が多いためおすすめしません。

粗大ごみ・不燃ごみのどちらで捨てるかはIHクッキングヒーターのサイズや自治体の規定によって違うため、自治体のルールを確認しましょう。卓上IHクッキングヒーターは簡単に捨てられますが、据え置き型は取り外しに手間がかかります。自分の作業は大変なので、業者に依頼するのがおすすめです。

IHクッキングヒーターを長く使い続けるポイントは以下の6点です。

• 煮こぼれや吹きこぼれを最小限に抑え、汚れたら速やかに掃除する

表面の小さな隙間から浸水すると、内部基盤が故障しやすくなります。調理中はIHクッキングヒーターから目を離さず、トラブルを防ぎましょう。また、汚れを放置するのも故障の原因になるため、使用後は毎回お手入れするのがおすすめです。

• トッププレートの上に重い鍋を置きっぱなしにしない

トッププレートの傷や割れの原因となり、寿命が縮む可能性があります。また、IH対応鍋でない鍋を使用するのも故障の原因になりやすいです。

• 空焚きを行って、グリルの劣化の原因となるものを取り除く

グリルは魚の油分が溜まって故障しやすいため、グリル使用後は空焚きを行いましょう。グリル内部の油を焼ききれば劣化を遅らせるだけでなく、消臭の効果も得られます。

• 天板を傷つけないように注意する

IHの天板が傷ついたり割れたりするとそこから水が入るなどして、故障する原因となります。フライパンなどの調理器具を落とさないようにしたり、重たい鍋の使用を控えるようにしましょう。

• IHに対応している調理器具を使う

IHには、それに対応している調理器具があります。対応していない調理器具を使用すると天板に影響が出るだけでなく、熱が伝わらないため出力自体に影響が出る場合もあるので確認しましょう。

• 普段からこまめにお手入れをしておく

IHのお手入れは簡単で、軽度な汚れであれば天板を固く絞った布などでサッと拭けば完了です。汚れがひどい場合は、布に食器洗浄用の中性洗剤を含ませて拭き上げる方法もあります。使用後はこまめにお手入れをしましょう。

トッププレートの汚れは、水に濡らした布巾で拭き取れる場所が多いです。それでも汚れが落ちない場合は、台所用洗剤を使いましょう。油汚れが付いている場合は、クレンザーを使うと研磨剤の効果で汚れが落ちます。

また、魚焼きグリルは使用のたびにプレートを洗い本体を拭きましょう。空焚きも忘れず行ってください。この一手間を行うと、IHクッキングヒーターが長持ちします。

ガスコンロに比べて、IHクッキングヒーターの方が3～5年寿命が長いといわれています。そのため、安全性だけでなく寿命の面からもガスコンロからIHへ交換するのがおすすめです。

しかし、ガスコンロからIHクッキングヒーターに交換する際には、費用がかかります。発生する費用はIHの本体の価格+設置工事代です。IHの本体価格は大きさや種類によって差はありますが60,000～300,000円が相場で、工事代はおおよそ80,000〜200,000円かかります。まずはお店で見積もりを取るのをおすすめします。

「IHクッキングヒーターはどこで買い換えればいいの？」と迷う方も多いですよね。実際に購入できる場所は以下のようなところがあります。

• 家電量販店
• 自宅最寄りの電気店
• 住宅リフォーム業者
• インターネット通販

実物を確認してから購入したい・設置も頼みたい方には家電量販店がおすすめです。小規模な電気店ではカタログ販売の場合もありますし、リフォーム業者も同様。インターネット通販は実物を手に取って見られないものの、より低価格・高機能など多くの商品を比較して購入できます。

IHクッキングヒーターは、使い方次第で寿命より早く壊れたり、長く使えたりします。できるだけ長く愛用するなら、故障原因をしっかり理解してきちんとお手入れをするのが重要です。本記事を参考にして、IHクッキングヒーターを大切に使ってください。