【口コミあり】中山可穂の小説おすすめ11選 | 人間愛・宝塚が特徴？あらすじも紹介！

1993年に『猫背の王子』でデビューして以降、女性同士の恋愛や異性・親子間の愛などをテーマに多くの作品を発表してきた中山可穂。演劇が好きで劇団を主宰していた経験も。

"宝塚小説"ともいわれる作品も複数あり、宝塚ファンや演劇が好きな読者も多いです。中山可穂の作品には過激の行動をする登場人物も多く、驚かされることもあります。それがまた彼女の作品のいいところです。

ここでは中山可穂のおすすめ作品を厳選してご紹介！中山可穂の描く物語の特徴や代表作のあらすじもチェックして気になる作品をみつけてください。

中山可穂は愛知県名古屋市生まれで、大学は早稲田大学教育学部に進学しています。大学卒業後は劇団を主宰し、作・演出・役者をこなしていたことも。のちに演劇をテーマにした小説をいくつも発表しています。

小説家としてデビューしたのは1993年にマガジンハウスに持ち込んだ『猫背の王子』から。1995年には『天使の骨』で朝日新人文学賞を、2001年には『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞しています。

中山可穂の小説は同性同士や男女の恋愛をテーマにした作品が多いです。デビュー作の『猫背の王子』をはじめ、『感情教育』や、初期の頃はレズビアンの恋愛を描いた作品を多く発表。

2009年に発売された『ケッヘル』以降は女性同士の恋愛だけでなく、男女や男性同士の恋愛をテーマにした作品も多いです。恋愛のほかに親子愛を描いた作品もあり、人を愛することについて改めて考えさせられます。

中山可穂は学生時代、お芝居に夢中になり、読書よりも芝居や映画を観たりすることが多かったそうです。大学卒業は自ら劇団を主宰し、台本作りから役者までこなしていました。

その経験があってからか中山可穂の小説は、戯曲のようにリズム感がよく、熱量のある文章のものが多いです。一気に読みたくなるような文章で、演劇を観ているかのような気分になることもあります。宝塚シリーズの3作品や『ダンシング玉入れ』は特に演劇が好きな方におすすめです。

中山可穂の小説はとても切なく痛みを伴う恋愛を描いたものが多いです。登場人物の感情描写が丁寧で、切ない気持ちや苦しい思いが文章から伝わってきます。

切なく苦しい思いをし、何かを犠牲にしてまで相手を愛する・相手に愛されたいという深い愛情に共感したり、そんな愛の形もあるのかと驚いたりしてストーリーをお楽しみください。

中山可穂のデビュー作で多くの読者の心に鮮烈な印象を与えた恋愛小説の傑作。主人公の王寺ミチルは芝居に情熱を燃やす演出家で、永遠の少年のような容姿で同性からモテる存在です。

女から女へと渡り歩き、自由奔放に楽しく生きているようにみえるミチルですが、本当にほしいものは手に入らず、もどかしい思いをします。

王寺ミチルが登場する作品はこのほかにも『天使の骨』と『愛の国』があり、3部作となっているので、1作目の『猫背の王子』が気に入った方はぜひ残りの2作品も読んでみてください。

第14回山本周五郎賞受賞作で、女性同士の激しい恋を描いた物語。29歳で平凡なOLだった主人公は深夜の書店で年下の作家・塁と運命的に出会います。

主人公は塁の虜になり、お互いが深く愛し合う関係に。しかし、それぞれに事情があり些細なことで喧嘩したり、傷つけあったりして別れようとすることもあります。

苦しく辛い恋愛なのに離れることができない2人をみていると、幸福とは何かを考えさせられます。周りからみると狂気的ともいえる破滅的で切ない恋愛模様が印象的です。

女性同士の切なくて痛みを伴う恋愛を描いた作品です。灼熱のマラケシュのように熱く、読んでいると魂を火傷するような感覚になるという口コミも。

女性歌人の緒川絢彦はある歌会で、若くて美しい新妻に出会い恋をします。この相手に恋はすべきでないと頭では分かりつつも、募る思いを止められず禁断の恋に。

逃避行に出かけた2人には困難も待ち受けています。何があっても相手を愛し続けること、愛するが故に恐ろしい発想まで思いついてしまうことなど恋愛の難しさや切なさが感じられる物語です。

中山可穂の宝塚シリーズ3作品のうちのひとつです。宝塚のトップスターになって2日目に事故で亡くなった伝説のスター・扇乙矢は、守護神ファントムとして劇場に棲みついていると語り継がれてきました。

ファントムは後輩たちをそっと励ましながら、かつての自分の相手役を待ち続けます。新人公演の主役に抜擢された永遠ひかるが先輩の輝きを追っていく姿が印象的です。

宝塚用語がたくさん出てきたり、舞台の様子をリアルに描写したりしており、宝塚への愛やリスペクトが感じられます。宝塚ファンの方にぜひ読んでほしい一冊です。

ある事情で日本から出ることになり、長い放浪生活を行なっていた女性・伽椰は、フランスの港町で不思議な日本人男性に出会います。

男性は搭乗予定の便名がケッヘル番号にすると鎮魂歌で縁起が悪いという理由で予定を変更するほど、熱狂的なモーツァルトファン。彼の提案で伽椰は日本へ戻り、紹介された個人旅行会社で働くことになります。

ケッヘル番号を会員番号とするこの会員制旅行代理店はとても奇妙で、伽椰はモーツァルトをめぐる複雑な事件に巻き込まれることに...。『ケッヘル』は上巻・下巻の2部作になっています。

中山可穂は2001年の山本周五郎賞受賞以後、マイペースな執筆活動を行っています。「孤高の全身恋愛小説家」と称されることもあります。

作品発表の期間が空くことも多いですが、2022年7月現在、直近で2022年5月21日に『ダンシング玉入れ』、ひとつ前は4月5日に『弱法師』を発表しています。

同性同士や異性間の恋愛を熱量のある文章で描く中山可穂の小説は、リズム感がよく物語の世界にスッと引き込まれていきます。さまざまな登場人物の恋愛模様や親子愛をみて、愛について考えるきっかけにしてみてください。

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