低周波治療器の効果は？効果的な使い方も紹介【危険な使い方とは】

肩がこったり腰が痛かったりするなど、普段の生活で身体のあちこちに痛みを感じるのは珍しくありません。そんなときに家庭で手軽に身体の痛みなどをケアできるのが、低周波治療器です。

低周波治療器は、日常生活で発生しやすい痛みのケアのほかに血行促進やマッサージなどの効果が得られる機器です。効果的な使い方をマスターすれば、家庭用の低周波治療器でもより高い効果に満足できます。

そこで本記事では、家庭用の低周波治療器の仕組みや効果などの基本的な情報に加えて、効果的な使用方法やおすすめの低周波治療器についてご紹介します。自宅で低周波治療器を使いたい場合や、商品選びの参考にしてください。

低周波治療器を使うと、肌にビリビリとした刺激を感じます。なぜ、あのビリビリとした刺激で身体の痛みやコリなどにアプローチできるのでしょうか。その理由には、低周波治療器の仕組みが関係しています。

そもそも人間の身体は電気の刺激に敏感で、中でも低い周波数の微弱な電流を流すとその箇所が収縮し、電流を止めると弛緩します。つまり、ビリビリと感じるのは微弱な電流で、低周波治療器は低周波の電流による身体の作用を利用する仕組みです。

低周波の電流を送り込まれた箇所は、電流を止めて弛緩した後に血液が送り込まれると、痛みの原因の発痛物質や老廃物が血液と一緒に送り出されます。さらに、電流による痛みの伝達作用の抑制効果によって痛みが軽減するのです。

肩こりになると、肩に痛みを感じたり、重さを感じたりするような症状が出ます。その原因はいくつか挙げられますが、多く見られるのは長時間同じ姿勢をし続ける結果起こる緊張性疲労です。

パソコン作業をする方に多く、目を酷使する結果、眼精疲労から肩こりになる場合もあります。低周波治療器は、緊張して硬くなった筋肉をほぐすのに適しています。低周波を流して筋肉の収縮・弛緩を繰り返すと血行が促進されて痛み物質も送り出すため、肩こりの緩解が期待できるのです。

低周波治療器の微弱な電流は、上記のような血行を促進させマッサージ効果も得られます。特に痛みを感じていない場合でも、低周波治療器を使用すると、筋肉の疲れやコリの緩和が期待できます。

さらに、低周波の電流によって筋肉を動かすので、マッサージを受けたような効果も得られるのがポイントです。そのため、疲れを感じている部分に使えば、マッサージ効果も得られます。

肩に低周波治療器を使用する場合は、肩こりのケースが多く見受けられます。低周波治療器のパッドはコリを感じている場所に貼るのが基本ですが、主に首の後ろから背中にかけての「僧帽筋」の周囲か肩甲骨の上部に貼るのがおすすめです。

「肩こりモード」がある場合はそのモードを使用しますが、低周波治療器に特に肩モードがない場合は「たたく」モードを使用しましょう。

背中に低周波治療器を使用する場合は、背骨の外側の筋肉のコリを感じる部分にパッドを貼りましょう。頭部から背中までつながる筋肉「脊柱起立筋」を意識し、背中のほぼ中心部分にパッドを貼る形になります。

腰だけをケアしたいときはズボンを履いた際にウエストとなる部分の後ろにパッドを貼りましょう。パッドは横向きで、腰骨に沿うように背骨に当たるように貼るのがポイントです。低周波治療器のモードは「腰」モード、または「もむ」「たたく」を選択しましょう。

腕や二の腕に低周波治療器を使用する場合も、痛みやコリを感じる箇所にパッドを貼ります。腕の場合はパッドの方が痛みを感じる箇所より大きい場合もあるので、痛む部分を包むように貼るのもおすすめです。

ひじなどの関節が痛むときは、関節の上下または左右にパッドを1枚ずつ貼ります。使用するモードは「関節」モードを選択しましょう。関節モードがない低周波治療器の場合は、「たたく」「さする」を選択し、心地よく感じる程度の強さに設定してください。

脚に低周波治療器を使用する場合も、基本的にコリや痛みを感じる部分パッドを貼ります。太ももの肉離れに低周波治療器を使用するときは、お尻と膝裏の3分の1ほど下にパッドを横向きで貼ります。ふくらはぎの肉離れには、筋肉の下の凹んだ部分を中心に貼るのがおすすめです。

膝やすねに使用する場合は、膝は上下または左右に挟むように、すねは膝の骨の出っ張り部分から縦に貼りましょう。足裏のマッサージをする際は、土踏まずにパッドを貼り付けて「もむ」または「たたく」を選択してください。

低周波治療器で頭痛の改善効果は期待できません。低周波治療器とは異なる医療機器として「電位治療器」があります。電位治療器は低周波治療器と同じ電気で刺激を与える家庭用の医療機器の1つです。

しかし、直接筋肉へ刺激を与えるのではなく、機械が作った電界の中に身体を置いて血中のイオンバランスを整えて治療を行う機器という大きな違いがあります。頭痛への効果が期待できるのは、この電位治療器です。

低周波治療器は、正しい箇所に貼って使用するのが基本です。心臓の近くや皮膚疾患がある箇所などに使用すると心臓に負担がかかるだけでなく、体調不良やケガの原因になる恐れがあるので、気をつけましょう。

また、ペースメーカーをはじめとした埋込み型の電子機器を装着している人が使用すると、機械が誤作動を起こす可能性があります。詳しい使用禁止箇所は説明書に記載されているので、必ず使用前に確認しておきましょう。

低周波治療器を使って効果が感じられるからといって、あまりにも長時間使用し続けるのは避けましょう。マッサージ目的で使用するときは長い時間使っていた方がより効果的と考える方もいるかもしれませんが、実は長時間使いすぎると逆効果です。

低周波治療器は微弱な電流で筋肉を刺激する仕組みですが、長い時間筋肉を刺激し続けていると、コリや痛みが緩解するどころか逆に筋肉が疲れてしまいます。低周波治療器は、定められた時間内での使用にとどめましょう。

低周波治療器は、肌にパッドを貼り付けて使用するものです。一般的にパッドは再利用が可能なタイプとなっていますが、使用し続けているとパッドは汚れ、劣化していきます。また、だんだんと粘着力も弱くなります。

パッドは使うたびに手入れをして、常に清潔な状態をキープしておくべきです。それでも使用期間が長くなると、どうしても劣化してしまいます。劣化した状態で使い続けても効果が低下するため、パッドの劣化が見られた場合は新しいものに交換しましょう。

その他にも、下記のような点に注意し使用してください。

• 他の機器と同時に使用する
• ネックレスなどの金属系アクセサリーへの貼り付ける
• 浴室や多湿な場所で使用する
• 運転中に使用する

また、何らかの治療を受けている方は、医師に使用しても問題ないか必ず相談してください。

手軽に自宅で身体のコリや疲れをケアできる低周波治療器は、正しい使い方を知ればより高い効果が期待できます。今回紹介した使い方と注意点を押さえて、低周波治療器の効果を最大限に引き出してみましょう。