妊婦さんにおすすめの血圧計10選！妊娠中の正常値や血圧計の選び方を紹介

妊娠中はお腹の中の赤ちゃんを育てるために、普段よりも健康管理が大切になります。食事や運動など日常生活でも気をつけることがたくさんありますが、とても大切なのが、「血圧管理」です。

妊娠中は、お腹の中の赤ちゃんに常に血液を通して酸素や栄養を送っており、通常時よりも血圧が上がりやすくなります。血圧が上がりすぎると「妊娠高血圧症候群」のリスクにもなります。

そこで今回は、妊娠中の血圧管理に必須の血圧計について種類や選び方、人気のメーカーなど詳しく解説します。記事後半では血圧計のおすすめ商品と正しい使用方法も紹介するので、参考にしてください。

妊婦検診でも毎回血圧測定がありますが、妊娠中の病気やトラブルの有無を判断する材料のひとつが血圧です。ここでは妊娠中に起こりやすい血圧のトラブルについて解説します。

妊娠していない場合、血圧の正常値は115/75mmHg以下が目安です。妊娠中の血圧の正常値の目安は、最高血圧が100～112mmHg、最低血圧が60～68mmHgです。妊娠していないときの正常値とそこまで変わらず、妊娠中期には一旦下がるのが特徴です。

自宅の血圧計で135/85mmHgを何度か超える場合や、160/110mmHgを1度でも超えた場合は何らかの異常がある可能性があります。血圧は病気や異常の早期発見につながるため、こまめに測定するのがおすすめです。

妊娠中は血圧が高い場合と低い場合、どちらも何かしらのトラブルや病気を知らせるサインになることがあります。妊娠中に血圧異常が出る症状や病気について、詳しく解説します。

妊娠中の最高血圧が100mmHg以下の場合、低血圧の可能性がありますが、一般的に妊娠初期は血圧が下がりやすい傾向にあります。妊娠中期以降も血圧が低くても、お腹の中の赤ちゃんや母体に直接影響することはなく、特に大きな病気の心配はありません。

しかし、低血圧の場合、起立性低血圧によるめまいやふらつきで、転倒しやすくなるため注意が必要です。他にも頭痛・肩こり・動悸・息切れが起きやすくなりますが、中には自覚症状がない方もいます。

日ごろから低血圧予防として、長時間同じ姿勢でいないように気を付け、タンパク質・ミネラル・ビタミンが豊富な食事をバランスよく取ることを心がけましょう。

妊娠前までは血圧が正常だった方が、妊娠してから血圧が上がり、正常値を超えた場合「妊娠高血圧症候群」の可能性があります。妊娠の途中から血圧が140/90mmHgを超えることが目安です。妊娠34週未満で発症した場合は重症化しやすく、注意が必要です。

妊娠20週以降、産後12週までに高血圧がみられる場合や、高血圧に加えて尿に蛋白が出ている場合、妊娠高血圧症候群と診断されます。以下の場合は妊娠高血圧症候群のリスクが高いとされています。

・糖尿病や高血圧、腎臓の持病がある方

・40歳以上の高齢出産または20歳以下の若年出産

・双子などの多児妊娠

・初産

・家族に高血圧の方がいる

妊娠高血圧症候群を発症すると母体へのリスクとして、痙攣や脳出血が起こる可能性があります。また、赤ちゃんへの影響としては胎児発育不全や常位胎盤早期剥離により子宮内胎児死亡のリスクがあります。もし高血圧異常が出た場合は、直ちにかかりつけの病院へ行きましょう。

カフ式は上腕式血圧計とも呼ばれており、血圧計の中でも最もスタンダードなタイプです。カフという腕帯を腕に巻き付けるだけで割に正確に測定できるのが特徴です。病院や介護施設でも多く使われていて、誰でも簡単に使えるタイプです。

ラインナップも豊富で、さまざまな機能やサイズの製品の中から選ぶことができます。コンパクトで収納しやすい製品も販売されています。ボタン1つで測定でき、測定結果はデジタル表示されるため分かりやすいのも特徴です。

アームイン式は腕を入れるだけで簡単に測定ができるのが特徴です。病院でも多く使用されています。アームイン式は机に置いて測定するため、正しい測定姿勢が取りやすくなります。測定の際は、足を組まずに椅子に座り、両足を床にしっかりつけた状態で測定しましょう。

折り畳みが可能な製品もありますが、基本的には机や台に据え置いて使用するため、固定の場所が必要になります。

手首式はカフと液晶画面が一体化したコンパクトなタイプです。手首に巻き付けるだけなので、手軽で簡単に測定できます。機能が充実しているものも多く、初めて血圧計を購入する方にも選びやすいのが魅力です。

上腕式血圧計より価格も安価なので、旅行や外出時のための2台目として選ぶ方も多くいます。手首での測定なので測定値の精度は多少下がりますが、安価なものを探している方や、おおよその値でも大丈夫な方におすすめです。

血圧計には「平均値表示機能」が付いたものがあり、朝と夜の測定値や直近3回の測定値など、測定値の平均を表示する機能です。誤差が出やすい血圧値をより正確に把握しやすくなるのが特徴です。

日常的に血圧を測定することで普段の血圧の平均値がわかるので、健康管理にも役立ちます。記録機能とあわせて搭載されていると便利な機能です。

血圧計には、脈の間隔が規則的かを判定してくれる「脈間隔変動検知機能」が付いたモデルがあります。血圧の測定中に脈の間隔が平均値と25%以上の差が出る場合、「不規則脈」となります。不規則脈が2回以上検知されるとアラームで通知されます。

脈間隔変動検知機能で不規則脈が出たとしても、体調などによって正確に測定できない場合もあります。1つの目安として機能を活用するようにしましょう。不規則脈の検知は、病気の早期発見につながる可能性もあります。定期的な血圧測定を習慣づけましょう。

血圧計の最新機種の中には、測定結果をスマホアプリと同期し、簡単に記録できるモデルもあります。スマホアプリの中には測定結果の記録だけでなく、健康管理のアドバイスをしてくれるものもあります。

妊娠中は特に、血圧が病気に気づくきっかけにもなるので、定期的な管理が大切になります。スマホアプリを使うと手間をかけずに測定結果を管理することができるのでおすすめです。

血圧計の中には「メモリー機能」が付いたタイプがあり、日々の測定結果を記録してデータ管理ができます。モデルによって記録できる回数が異なるので、購入時にチェックしましょう。

朝・夜の測定結果や直近1週間の測定結果など、連続して記録することもできるので、健康管理がしやすくなるのも特徴です。血圧の測定結果は、妊娠中の異常の発見にも役立つため、手軽に管理ができるメモリー機能はおすすめです。

オムロンは血圧計だけでなく体温計など、健康医療器具で有名なメーカーです。血圧計ではカフ式や手首式、アームイン式など幅広いラインナップで用途に合わせて選びやすいのが特徴です。カフ式はフィットしやすい立体構造を採用し、正確に測定することができます。

iPhoneやAndroidに対応したアプリの「OMRON connect（オムロン コネクト）」に登録すれば、血圧計の測定結果を自動でアプリに転送して、手軽に健康管理することもできます。豊富なラインナップから性能の高いモデルを選びたい方におすすめのメーカーです。

シチズンは時計メーカーとして有名ですが、時計の技術が生かされたデザインと機能が特徴です。液晶画面の大きさやデザイン性の高さは、幅広い年代に人気があります。カフ式と手首式をメインに豊富なラインナップで、コンパクトなサイズのモデルが多く出ています。

メモリー機能や平均値表示、脈間隔変動検知機能など機能面でも充実しており、見やすい画面と測定のしやすさも定評があります。初めて血圧計を購入する方でも選びやすいメーカーです。

パナソニックは結果表示の大きさやグラフ表示など、液晶画面が見やすいのが特徴です。カフ式と手首式を中心に機能も豊富で用途に合わせて選びやすいラインナップです。手首式には「手首高さセンサー機能」が搭載されており、より正確な測定がしやすくなります。

スマホとの連携も可能です。毎日の測定結果の記録はもちろん、データをグラフ化して管理できます。アプリを活用すれば家族の血圧値も確認ができるので、スマホで手軽に健康管理がしたい方におすすめです。

テルモは医療機器の開発や販売を行っている国内最大手の企業で、幅広い年代から人気があります。カフ式・アームイン式・手首式と幅広いラインナップで、医療機器メーカーの技術を生かした性能の高さが特徴です。

液晶画面や文字が見やすく、使いやすいのもポイントです。機能面でもメモリー機能や正確測定サポート機能など、さまざまな機能が充実しています。特に、血圧を基準値とチェックできる機能が搭載されたモデルの人気があります。

血圧を測定するときには、正しい姿勢と適した環境が大切になります。血圧を測定するときは椅子に座ってリラックスした状態で行いましょう。室温が低すぎたり高すぎたりしても正しく測定できない可能性があるため、室温も確認しておくのがおすすめです。

血圧は時間帯によっても変化するため、毎日決まった時間に測定しましょう。タイミングとしては、朝起きてから1時間以内の朝食前と入浴前か入浴後1時間以上経過後の、朝晩1日2回の測定がおすすめです。測定前にトイレも済ませておきましょう。

妊娠中は妊娠時期によって血圧の変動が起こりやすくなります。妊娠時期を把握し、適宜測定することで、妊娠中の病気の発見もしやすくなります。

妊娠中にも使用できる降圧薬はあります。高血圧な方の場合、妊娠中の血圧管理が複雑になるので、専門のクリニックを受診するのがおすすめです。普段の生活の中で自主的に行えるものとしては、妊娠前と同じように塩分を1日6g未満に抑えるのが大切です。

ただし、妊娠高血圧症候群の場合は高血圧合併妊娠と異なり、目標値が1日7～8g程度の塩分制限と異なります。詳しくは家庭で血圧測定をしたデータをもって、医師に相談してください。

産後、母体の身体が妊娠前の状態に戻るまでの期間を産褥期と呼びます。この期間は血圧が上がりやすく、脳卒中に関連した母体死亡などのリスクが高くなります。産後は授乳をはじめとする赤ちゃんのお世話でゆっくり眠れないため、環境的にも血圧が上がりやすくなります。

授乳中に使用できる降圧薬もあるので、主治医と相談しながら赤ちゃんとお母さん両方の健康を大切にしてください。

妊娠中は血圧の変化が起こりやすいのが特徴ですが、血圧を測定することで妊娠期のトラブルや病気を早期に発見することができます。血圧計も便利な機能が搭載されたものや使いやすいモデルが増えています。自分に合った血圧計を選んで、定期健診以外でも定期的に血圧を測定し、健康管理をしましょう。