7.1chスピーカーの人気おすすめ6選｜ホームシアターに合うスピーカーを紹介

7.1chスピーカーは、他のホームシアタースピーカーに比べて音質が高いので、臨場感のある映画やゲームのサウンドを流せます。しかし、5.1chのスピーカーに比べて価格の高い製品が多いので、購入するか迷っている方も多いはずです。

今回は、選び方について解説した上で、おすすめ商品について紹介します。スピーカーによって音の臨場感やサイズが大きく異なるので、自分の部屋のサイズと用途に合った製品を選びましょう。

記事後半では7.1chサラウンドスピーカーの正しい設置方法についても、分かりやすく解説します。7.1chスピーカーをうまく設置して、家の中でも臨場感抜群のサウンドを楽しめるようにしましょう！

そもそもサラウンドって何のか、疑問に思いますよね。結論から言うと、前から後ろから音に囲まれるような立体的な音響効果を「サラウンド」と言います。一般的に5.1ch以上で構成された環境を指しますが、2.1ch、3.1chの環境をそう呼ぶ場合もあります。

なお、1つのスピーカーから音が流れるものを「モノラル」、2つのスピーカーから音が流れるものを「ステレオ」と言い、知っている方も多いはずです。

いわゆる、聴き手のまわりにスピーカーを取り囲むように設置するとサラウンド効果を得られます。また、スピーカーの数によって方式もさまざまです。たとえば「5.1ch」ですが、この5の数字は従来のスピーカーの数で、0.1はサブウーハー(低音域スピーカー)の数を意味しています。

単純に数字が高ければ、より臨場感のある立体的なサラウンド効果を高められます。

2.1ch・5.1ch・7.1chのメリット・デメリットは下表の通りです。

無線（ワイヤレス）と有線のメリット・デメリットは下表の通りです。

どちらのタイプにもメリット・デメリットが存在するので、スピーカーの選び方について理解した上で、自分の部屋に適したスピーカーを選ぶのが大事です。

• ホームシアタースピーカー購入時に押さえておきたい必須項目
• 人によっては使用感に関わるポイント
• 優先度は低め。気になる人のみチェック推奨

ホームシアタースピーカーは、大きく分けて『サウンドバータイプ』『マルチスピーカータイプ』に分かれます。

表の通り、現在主流はサウンドバータイプで、安いもので2万円以下で販売されています。

配線の煩わしさがなく、とにかく安く手軽にホームシアター環境を整えたいだけなら十分のため、特にこだわりがないならサウンドバーがおすすめです。

☆サウンドバーに関しては、以下に別途専用記事があるためそちらも参考にしてください。テレビとの接続といった具体例を交えて解説しています。

サウンドバーとは、1本にすべてのスピーカー・アンプが入っている、設置が簡単なスピーカーです。難しい配線がないため、簡単にスピーカーを設置したい方におすすめします。

なお、サラウンドはあくまでバーチャルで、立体音響のドルビーアトモスを楽しむにはテレビ側の端子・ケーブルもいいものが必要になります。

マルチスピーカーとは、サウンドバーのようにスピーカーやアンプが一つにまとまってはおらず、それぞれが独立したスピーカーセットです。スピーカーのみではテレビに接続できないため、一部製品を除いてAVアンプが必須です。

5.1chや5.1.2chなど、チャンネル数によってスピーカーの数が代わり、本数分それぞれセッティングが必要になります。そのため、スペースや配線が問題として挙げられます。

製品の傾向としては、ホームシアター用のマルチスピーカーセットは新発売製品が少なく、現状定番品がそのまま売れ筋になっています。6本組のヤマハの「NSPA41B」などは初心者用として定番中の定番です。

本記事ではそのような、マルチスピーカーで構築するホームシアタースピーカーを主に取り上げます。

ホームシアタースピーカーの購入に踏み切るには、セッティングと配線…とくに、後ろに設置するリアスピーカー(サラウンドスピーカー)の配線をどうするかが重要になります。

ホームシアタースピーカーのセッティングは通常、

 (前方)

(後方)

※5.1chサラウンドの場合

このように、テレビの視聴位置の前後にそれぞれフロントスピーカーとリアスピーカー設置します。

そして各スピーカーはAVアンプとのケーブル接続が必要なため、問題となるのがリアスピーカーの配線です。

サウンドバーはARC対応HDMI一本で繋がるため、配置に悩む必要もなく設置が簡単です。テレビのHDMIポートに(ARC)と書かれて入ればOKで、その端子を使用してサウンドバーと接続します。

• ［テレビ(ARC対応HDMI)］--［サウンドバー］

一番無難でオーソドックスなのが、リアスピーカーのセッティング自体を壁際に寄せてケーブルを端に寄せる方法です。

ケーブルモールといった、配線を上から隠すカバーを使用すれば、それなりに目立たなくなります。

次の解決策としては、リアスピーカーを埋め込み式にしたり壁/天井付けにすることで、配線を壁の中に隠してしまう方法です。見た目は非常にスッキリするため、インテリア性を重視する場合はおすすめ。

しかしデメリットもあります。

• 賃貸や既存住宅では現実的でない
• 新築設計時に空配線が必要
• スピーカーの位置変更ができなくなる

このように、壁付けにすると自由度が低くなる点は注意が必要です。

最近ではリアスピーカーをワイヤレス化する動きも見えます。

これはアンプ＋スピーカーの従来構成の製品ではなく、サウンドバーのようにAVアンプ不要で使用できるアクティブスピーカーをワイヤレスでサラウンド化したものです。

サウンドバーを前方と後方に置いて、すべてワイヤレスで接続してサラウンドにするタイプといえばわかりやすいですね。

これらは全てアクティブスピーカーのため、AVアンプと接続するスピーカーケーブルは不要なものの、代わりに電源が必要なためコンセント接続が前提です。

しかしスピーカーケーブルを前方のAVアンプまで這わせることに比べたら、視界に入りにくい分目立ちにくいです。

予算内に収まらなければ購入もできないため、価格については重要なポイントです。下記でサウンドバーとマルチスピーカーの価格を解説しますので、予算と照らし合わせてみましょう。

サウンドバーの場合は、マルチスピーカーよりも安価になります。メーカーにもよりますが、約1万円～4万円で購入できるものが多い印象です。下記でマルチスピーカーの価格についても解説しますが、比べるとだいぶ安価なことがわかります。

5.1ch以上のホームシアターシステムを構築するには知識が必要になります。そのため、煩わしいことは苦手だという方は、すべてが1本に収まっているサウンドバーをおすすめします。

しかし、どうしてもマルチスピーカーでシアターシステムを構築したいなら、初心者さんはセット品がおすすめ。

AVアンプに繋がりさえすれば音は出るため、5本のスピーカー自体は本来ばらばらで買い揃えても使用できますが、セット品の方がおすすめする理由があります。

• セット品のエントリーモデルの方が安い
• トラブルの際はメーカーを揃えていた方がサポートを受けやすい
• スピーカーメーカーの音の相性がある

元々ミニコンポで使用していたスピーカーを使いまわしたい、といった「どうしても」の理由がないなら、初めはセット品が無難です。

せっかくホームシアターを構築するなら、立体音響であるドルビーアトモスを楽しみたい人もいますよね。ドルビーアトモスは立体的なサラウンドコンテンツの規格で、上部に設置したスピーカーから降ってくるような音の臨場感が味わえます。

ドルビーアトモスを楽しむには、ドルビーアトモス対応のサウンドバー、あるいはドルビーアトモス対応のAVアンプも必要です。

ドルビーアトモスを楽しむために必要なもの

• ドルビーアトモス対応のBDディスク
• （サウンドバーなら）ドルビーアトモス対応のサウンドバー
• （マルチスピーカーなら）ドルビーアトモス対応の7.1ch以上のAVアンプ
• 天井スピーカーやイネーブルドスピーカー含む7.1ch以上のスピーカー

特に大切なのは、天井スピーカーや斜め上に向かって音を出すイネーブルドスピーカー。これがなければただのサラウンドになってしまいます。

ちなみに、7.1chサラウンドにさらに天井スピーカーを足して9.1chにする考え方もあります。

その場合は9.1ch以上のAVアンプを購入するか、あるいはAVアンプをプリアウトで連結させて2台でチャンネル数を間に合わせるといった使い方が必要です。

ドルビーアトモス対応のサウンドバーを利用した場合、音はあくまで「バーチャルサラウンド」になります。

バーチャルサラウンドは、一本のサウンドバーから出力する音をスピーカーユニットごとにコントロールして立体的に聴かせる仕組みで映像側の音声規格。

本物の立体音響には敵わないものの、雰囲気はかなり近くおすすめです。しかし、そもそも再生ソフト側でも対応が必要なので、映像がドルビーアトモスになっていないと意味がありません。

ホームシアタースピーカーとしてトールボーイスピーカーを組み込む場合には、基本的に3wayを推奨します。トールボーイで選べばほとんどの商品は3wayなため、あえて2wayを選ぶ必要はありません。

スピーカーのway数とは、1つで高音〜低音全ての音域を担当しているのか、2つ以上のユニットでそれぞれに合わせた調整がされているのかを示す呼び方です。

「1つならフルレンジ」「ツイータとウーファーで2way」「+中音用のスコーカーなら3way」のように表します。

また、ツイーターにユニット2基を搭載した製品も少なくはありません。予算に合わせて選んでください。

貰い物のアンプやスタジオ用のアンプを流用するような場合は、アンプの定格電力がスピーカーの許容入力の値以下になっているかどうか確認してください。

許容入力とは、アンプから流れる電気信号を何W(ワット)まで許容できるかの上限です。

大手メーカー製のAVアンプとスピーカーの組み合わせならほぼ心配はいらないものの、万が一許容をこえる電気信号をスピーカーに流してしまうと、破損につながります。

初心者の方で付属のスピーカーケーブル以外を使用する場合は、接続端子に注意してください。

スピーカーとアンプを繋げるケーブルの先端加工は、

• 無加工
• バナナプラグ
• Yラグ

などがあり、基本的に差し込んでかしめて止まればどんな方法でも構いません。

しかし、すでに先端加工済みのケーブルを使用する場合は、端子のサイズがアンプ・スピーカーに合っているか確認が必要です。とくにYラグなどはサイズ展開がいくつか存在します。

ホームシアタースピーカー用のAVアンプを選ぶ際には、チャンネル数を幾つまで対応させるかよく考えてください。

5.1ch（スピーカー5/サブウーファー1）で完結してしまうとそれ以上は拡張できません。しかし、お手頃なAVアンプがいくつかあります。

逆に9.1ch以上あると立体音響にしっかり対応するため、7.1chのフルセットのサラウンドに天井やイネーブルドスピーカーをプラスできます。

おすすめは9.1ch以上で、やや余裕を持たせておけば将来的に音響をさらに増強・拡張したくなっても対応可能です。

シアタースピーカー用のAVアンプ選びはかなり大切です。ハイレゾやBluetooth・ネットワーク対応といった「機能面」はスピーカーではなくAVアンプが関係するため、テレビと接続する以外にどんな使い方をしそうか想定するべきです。

具体的には、

• SD/USBメモリ対応
• ハイレゾ対応
• Bluetooth対応
• Wi-Fiストリーミングサービス対応

などの使い勝手を左右する機能で、必要だと思うものを割り出して確認してください。

4KパススルーやeARC機能は、テレビと接続した時に関係する映像側の対応。しかし、現在販売中のAVアンプのほとんどが横並びで対応しているため、そこまで重要視する必要はありません。

8Kパススルー機能だけは機種によって差があるものの、現状8Kテレビがほぼ未普及のためこれに関してもほぼ気にしなくてもいい機能です。

今からAVアンプ＋シアタースピーカーを揃えるなら、ドルビーアトモスをはじめとしたサラウンド音響への対応はぜひ欲しいです。

最近のAVアンプはほとんどがドルビーアトモスに対応している…と言いたいところですが、実売価格が4万円以下のお手頃アンプの中には非対応のものもあります。

• 天井までしっかり構成できる
  ドルビーアトモス
• 天井まで厳しく要求されない
  DTS：X

傾向としてはこのようになります。が、どちらにしろ対応しているに越したことはありません。

今発売中のAVアンプには自動音場補正機能がほぼ標準で搭載されています。

これは、スピーカーとAVアンプを接続後に位相のずれがないかを確認する機能です。バランスよく聞こえるか確かめるための機能で、セッティングが簡単になります。

少し古めのAVアンプにはない場合もあるため、もし貰い物や中古品を検討中の場合はお気をつけください。

リアスピーカーをワイヤレス化したスピーカーの中には、バッテリー搭載で電源すら不要な商品もあります。

しかし、バッテリー搭載ということは、充電が必要になる点、バッテリーの寿命自体も気にしなければならないデメリットもあります。

ホームシアタースピーカーは持ち運ぶものではなく、一度設置したらなかなか取り替えないため、バッテリータイプを検討中の場合は、設置後の使い勝手に影響しないかも一緒にお考えください。

マルチスピーカータイプのホームシアターセットは、メーカーにこだわる必要はありません。というのも、現在新品の市場流通があり初心者向けのセットは、ほぼヤマハかソニーに絞られるためです。

中には中古在庫が出回っているメーカーもあるため、ここでは過去も含めてスピーカーセットを扱う主要メーカーを紹介します。

• SONY
• YAMAHA
• BOSE
• JBL
• パイオニア

の5メーカーを紹介します。

最新技術を備えたホームシアタースピーカーを求めている方には、SONYの商品が適しています。ワイヤレス対応品やサウンドバーにリアを追加するタイプなど、まさに今風の製品を発売しています。

ちなみに、AVアンプもお手頃で高機能なため、アンプとスピーカーを別で購入するのもおすすめです。

YAMAHAはホームシアターらしいスピーカーセットのエントリーモデルを今も継続販売するメーカーで、初心者さんにおすすめします。

5.1chスピーカーセットが3〜6万円程度であるため、最もわかりやすいのがYAMAHA。AVアンプを選ぶだけでとりあえず一式は揃えられます。歴史ある音響メーカーの安心感もあるため、シアターセットとしては一番売れているメーカーでもあります。

BOSEではリーズナブルな価格のサウンドバーから、比較的高価で本格的な設計のスピーカーまで幅広く展開しています。さまざまな音響機器を手掛けていることで知られるメーカーで、ファンが多いのも特徴です。ホームシアタースピーカーを選ぶ際も、BOSEの商品をチェックしましょう。

JBLは、高級スピーカーやプロ仕様のスタジオ機材を展開していることで知られるメーカーです。高価でクオリティの高いスピーカーが多く販売されていますが、サウンドバータイプのシアターシステムやBluetoothスピーカーは比較的リーズナブルな価格で購入することが可能です。

東京に本社を構えるパイオニアは、ホームシアターシステムはシンプルな商品を数多く展開しているのが特徴です。GPSカーナビゲーションシステムやDVD-Rドライブを初めて販売したメーカーとしても広く知られています。

7.1chマルチスピーカーの設置手順は以下の通りです。

1. テレビの中央部分と前方左右にそれぞれ1つずつスピーカーを設置
2. サブウーファーを設置。スペースに注意
3. ソファーの真横の左側と右側に1つずつスピーカーを設置
4. 後方にスピーカーを2つ設置

サウンドバーの場合は、1台で臨場感のある音を作り出せるため、テレビの前方に置くだけでOK。ただし、スピーカーの軸の方向を調整する必要があります。

バーチャルサラウンドは、擬似的にサラウンド効果を得られるサウンドシステムです。前方の2つのスピーカーのみで後方からも擬似的に音が鳴っているように聞こえるのが特徴になります。ですので、スピーカーをそれぞれ揃える必要もないため、比較的に安価でサラウンド効果を楽しめるのがおすすめのポイントです。

スピーカーを意識しない自然なサラウンド効果を得られるのも、従来のサラウンドの違う点になります。なお、バーチャルサラウンドは聴覚の錯覚を利用するため、スピーカーと聴き手の位置関係が非常に難しいのがデメリットです。

7.1chのスピーカーは、他のスピーカーに比べて臨場感のある音を出せるものの、性能を引き出すためには設置方法を工夫する必要があります。7.1chスピーカーの選び方だけでなく、設置方法についても理解して、自分の部屋で迫力のあるサウンドを楽しめるようにしましょう！