電気ポットの節電方法と使い方｜24時間つけっぱなしは大丈夫？使い方のポイントも！

電気給湯ポットは火を使わずに短時間でお湯が沸き、保温によりいつでもお湯が使える便利な道具です。お茶やコーヒーを飲む際や、料理の下ごしらえなどの用途に合わせて温度調整ができたり、安全面に優れた機能があったりするなど多様な機能が魅力です。

電気ポットの中には少電力で沸騰・保温できるものや、節電タイマーがついているものなど省エネ機能に特化した商品が増えていますが、実際に電気ポットの電気代はいくらかかるか知っていますか？

本記事では、電気ポットの電気代や電子ケトルとの違い、再沸騰やコンセントを抜いておくなどの節約のポイント、おすすめ省エネ商品10選を紹介します。24時間つけっぱなしでの電気代・節電しやすい使い方・沸かし方についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

電気ポットの消費電力は、沸騰時と保温時で違います。そのため、使い方次第で電気代も大きく変わってきます。保温してあるお湯を再沸騰させた場合と、1度電源を切ってから再沸騰させた場合ではどのくらい違いがあるのか見てみましょう。

一般的な家庭用の電気ポットを例に計算してみました。沸騰時消費電力1000Wの電気ポットが沸騰にかかる時間は15分、1kWhあたりの電力量料金が27円とすると、沸騰時の電気代はおよそ7円になります。

次に、保温時の消費電力を35Wとして電気代を計算しました。24時間保温した場合22.68円、夜9時に電源を切り、朝6時に再沸騰させた場合は20.9円となり、夜間に電源を切るとわずかに安くなります。そして、使用時以外は電源を切り、朝15分・昼夜5分で沸騰させると、1日あたり11.1円と、保温機能を使うより電源をその都度切ってからの再沸騰が断然おトクです。

※ 電気料金（円）＝ 消費電力（W）÷ 1000 × 使用時間（h）× 1kWh あたりの電気料金 （円/kWh）

電気ポットは、保温機能を使うよりこまめに電源をオフし、都度再沸騰する使い方がおトクだとわかりました。しかし中には普段からお茶を飲まれる方、来客に振る舞うために大量にお湯を沸かし保温しておきたい方もいますよね。そんな方に電気ポットのベストな保温時間を紹介します。

ずばり保温の目安は2時間です。2時間以上保温すると、保温にかかる消費電力が再沸騰にかかる消費電力を上回ります。

下の表をみてみましょう。2時間保温した場合の消費電力は1.54kWほどです。また1度電源を切り、2時間後に再沸騰させた場合は1.65kWとされており、2時間以上経つと保温にかかる消費電力が上回ります。よって、保温は長くても2時間までとし、長時間の保温は避けこまめに電源を切りましょう。

電気ポットは沸騰したお湯を保温し、好きなときにお湯が使えるのが最大の特徴です。また、温度調節機能を備えたものは、保温温度や沸かす温度を設定できるので活用の幅を広げられます。

たとえば、赤ちゃんのミルクを作る際は70℃のお湯が必要になります。温度調節機能があれば冷ます必要がなく、赤ちゃんを待たせず手軽にミルク作りが可能です。また料理の下ごしらえにも、食材に適した温度ですぐにお湯が使用できます。作る料理に合わせて温度調節ができたら嬉しいですよね。

電気ポットは、一人暮らしの方や少人数のご家庭には容量が多く重量もあり、場所をとってしまうので正直あまりおすすめはできません。日頃からお茶やコーヒーを飲まれる方や、頻繁に来客がある方には大活躍する家電です。

電気ケトルは電気ポットと違い、保温機能や魔法瓶機能がついていない製品がほとんどです。そのため、都度お湯を沸かす必要がありますが、素早く短時間で沸せます。また、電気ポットよりもシンプルな機能で消費電力が少なく低コストです。

容量の違いにも注目してみましょう。電気ポットは標準的なサイズでもおよそ2リットル、大きいものは3〜4リットルほどお湯が入ります。一方、電気ケトルは家庭用のサイズのもので1リットル以下の容量の製品がほとんどです。そのため価格の安い製品が充実しており、一人暮らしの方やご夫婦、少人数のご家庭におすすめです。

電気ポットと電気ケトルの、消費電力と電気代を比較してみましょう。比較のための前提として、電気ポットは日本電機工業会自主基準に従い、室温23度、湯沸かしは1日に2回、再沸騰は1日1回、保温90度で23時間使用したとします。

上記前提で計算すると、容量2.2～3.0リットルの一般的な電気ポットは、1日あたりの消費電力は約0.62～0.72kWh、電気代は17.74〜19.44円となります。一方、容量1.0リットルの一般的な電気ケトルの1回あたりの湯沸かしでは、消費電力は0.113kWh、電気代は約3円です。

電気ケトルも同じ条件で1日3回沸騰させたとすると、消費電力は0.339kWh、電気代は約9円になるので、電気ポットの方が電気代が高い理由は保温による電力消費にあります。

電気ポットとやかんでお湯を沸かすのでは、やかんの方が安いです。やかんは保温機能がないですが、電気ポットは保温機能があります。オンにしておくとずっと電気を消費してしまうのでやかんよりも高くなります。

電気ポットは、沸騰したお湯を保温し好きな時にお湯が使えるのが大きな特徴です。しかし、保温しておけるからと大量のお湯を入れた場合、再沸騰の際に時間と電力がかかってしまいます。必ず必要な分だけお湯を沸かしましょう。

また、電気ポットには魔法瓶機能を備えた製品もあり、中でも最新のものは非常に保温性が優れているので、お湯が冷めづらく保温時の消費電力を抑えられるのでおすすめです。

お湯を沸かす電気代は電気ポットと電気ケトルではさほど変わりません。しかし、保温に消費する電気の分だけ電気代は高くなるので、長時間の保温を避けるのが大切です。保温は長くとも2時間までと決め、それ以上使わない場合は電源を切り、使用毎に再沸騰させると節電につながります。また電源プラグを抜いておくのも待機電力が抑えられてより効果的です。

電気ポットは設定温度がとても重要です。温度設定機能を備えた製品なら、沸騰・保温の温度はあらかじめ低めに設定しておきましょう。湯沸かし温度から設定温度になるまで、ヒーターが自動でオフになるので温度が低い分だけ消費電力が少なく済みます。

また、魔法瓶機能を備えた製品なら沸かしたお湯の温度を一定に保てるので、再沸騰にかかる消費電力を抑えられます。

湯沸かし・保温といった用事がない場合は、電気ポットのプラグを抜いておきましょう。プラグをコンセントに挿したままにすると、不使用時でも待機電力が生じてしまいます。また不意の誤作動を防ぐ効果がある点でもおすすめ。特に小さい子ども・ペットなどがいる環境では意識しましょう。

これまで紹介した3点が最も重要なポイントですが、ほかの家電でも使える省エネのために気を付けるポイントを2点紹介します。

• 2時間以上の長時間の保温は避け、使わない場合は電源を切る
• 使用時以外は電源を抜いて待機電力の削減に

ご家庭の人数や用途といった、ご自身のライフスタイルにあった節約ポイントを心がけながら上手に電気ポットを活用してみてくださいね。

電気ポットは近年、安全面の機能はもちろん、保温機能や省エネ機能が進化し、ランニングコストの控えめな製品が多く揃っています。しかし、製品の見た目は似たものが多く、購入の際に迷ってしまう方もいますよね。そこで電気ポットを選ぶ際にチェックしたいポイントを紹介します。

みなさんは電気ポットに節電タイマー機能があるのをご存知ですか？節電タイマーは、タイマー設定中に通電をオフにし、設定時間後に沸騰したお湯がすぐに使えるとても便利な機能です。

外出時や就寝時前にタイマーをセットしておくと、無駄な時間と電力を削減し、より効果的に節電・節約ができます。節電タイマーは「6〜9時間」と「6〜10時間」で選択できるものがほとんどですが、中には1時間刻みで設定ができる製品もあります。

• 保温・湯沸かし時の温度調節機能

電気ポットには、保温やお湯を沸かす温度を調節ができる製品がほとんどですが、保温性の高い魔法瓶構造のものと、電気ヒーターで保温するタイプのものがあります。保温温度を低めに設定しておけばあとは待つだけです。湯沸かし時から自動でヒーターがオフになり、設定温度にする賢い機能です。

• 省エネ機能

最近では、電気ポットの内容器の口部を絞った形にしたり、魔法瓶構造に質の高い断熱材を搭載し、よりお湯が冷めにくく一定の温度を保てる製品だったりと省エネに配慮された電気ポットが増えいます。消費電力を抑えるならまずはチェックしておきたいポイントです。

• 浄水機能

普段からお茶やコーヒーを飲まれる方など、より美味しいお湯を沸かしたい方は浄水機能も要チェックです。活性炭カートリッジが搭載された製品には、水に含まれるカルキやカビ臭を取り除く効果があり、不快なニオイが気にならなくなります。

• 安全機能

倒れてもお湯が漏れない構造やチャイルドロックが備わっているもの、空焚き防止機能がついているものなど、電気ポットは安全面に配慮され進化し続けています。小さいお子さまやペットがいるご家庭はとくに注意が必要なやけどの心配が要りません。

以下の記事では、あると便利な機能搭載モデルをそれぞれ詳しく紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。

もし、電気ポットを24時間つけっぱなしにしたら電気代はいくらになるのか計算してみましょう。一般的な2.2リットルの電気ポットの場合、1ヶ月で約900円の電気代になります。節電のためには、使わない夜間などはできるだけ電源を切り、都度沸かして使うようにしてください。

電気ポットは保温ができるため何度もお湯を沸かす必要がなく、使い方の工夫や機能性に優れた製品を選ぶと省エネ＆節約に繋がります。これから電気ポットを購入される方やすでにお持ちの方は、上手に節約できるようぜひ参考にしてみてください。