子供に血圧計の使用がだめなのはなぜ？小児の血圧を測らない理由や子供の血圧の測り方

小児・子供の血圧を測らない理由は、具体的にあまり知られていません。大人と同じように血圧計を使用してもいいのか、またダメな理由なども分かりづらいですよね。そこでこの記事では、子供の血圧を測らない理由や測り方などを解説します。

そもそも子供用の「小児血圧計」などの販売はあるのか、また、血圧計は何歳から使えるものなのかなどの疑問を解決します。子供の血圧測定は必要な場合があるのか気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

また、子供も大人も家庭で使用できる血圧計の有無や、子供の血圧を測るときに使える「マンシェット（カフ）」などもご紹介します。体調が変化しやすい子供にとって、何が一番ベストな選択かをチェックしてみましょう。

そもそも子供には高血圧の頻度が少なく、また測定の間じっとしているのが難しいので正確な数値が測れない場合があります。また、子供の血圧基準値を設けておらず、メーカーも子供用の腕帯は販売していません。そのため、小児・子供の血圧は測らない場合が多いのです。

子供の血圧が測定できるかどうかを判断するには、「腕周り」と「二の腕」の長さを基準にします。オムロンの血圧計を例に挙げると、「上腕式血圧計は腕周りが17～42cm」「手首式血圧計は手首周が13.5～21.5cm」となっています。

大人の健康管理に欠かせない血圧計。オムロンやテルモから展開されている家庭用の血圧計であれば、自宅で血圧を測って変化を把握できます。

そんな血圧計で気になるのが「子供に使ってもいいのか？」とのポイント。血圧計はギューッと腕を締め付けて測定するため、子供に使うのは良くなさそう…といったイメージをお持ちの方もいらっしゃいますよね。実際、オムロンの公式サイトは以下のように述べています。

この通り、家庭用の血圧計は子供への使用を推奨していません。今回は、子供の血圧を測るときのマンシェットのサイズや測り方について解説していきます。

先ほど「オムロンの血圧計は子供には使えない」との旨を紹介しましたが、それはあくまでも「オムロンの血圧計」の話です。基本的に子供用の血圧計は医療従事者向けなので一般家庭での購入は難しいですが、マンシェットは子供サイズのものが買えます。

しかし、子供サイズのマンシェットは持っている血圧計に対応していないと使えないので注意しましょう。ちなみに子供サイズのマンシェットは、Amazonや楽天などの通販サイトで購入できます。

そこでここからは、ショッピングサイトで買えるマンシェットを2つ見ていきましょう。

マンシェットには物によってサイズが異なり、その中からお子さんの腕のサイズに合ったものを選ぶ必要があります。ここでは、マンシェットとは何か、子供のマンシェットのサイズの目安はどれくらいなのかを解説します。

「そもそもマンシェットとは？」と疑問に思われますよね。マンシェットとは、簡単に言えば環状帯であり、血圧計と繋がったゴム袋入りの細長い布を指します。腕に巻くのが主な使い方で、部位的には上腕部に巻いて使用するのが特徴。

上腕部に巻いたら設けられているゴム袋で布に空気を注入し、動脈を圧迫します。そして、減圧時に血液が流れる音から血圧を測定するのが血圧計の仕組みです。

小児のマンシェットのサイズ目安は、JIS規格によって以下のように決められています。

• 3ヶ月未満：3cm
• 3ヶ月～3歳未満：5cm
• 3～6歳未満：7cm
• 6～9歳未満：9cm
• 9歳以上：12cm

通常は上腕部用のマンシェットを使いますが、極端に太っている方の場合は下肢用・大腿用のマンシェットが使われる場合もあります。逆に極端にやせている方の場合は、成人であっても小児用のマンシェットが用いられる場合もあるのです。

基本的には上記のサイズに合ったマンシェット選びが推奨されます。しかし、具体的には測定部位の円周に0.4を掛けて算出される数値が、その小児の適切なマンシェットの幅です。

「腕に付けられるならマンシェットのサイズは何でもいいのでは？」と思う方もいますよね。しかし、腕に対してマンシェットの幅が広すぎると血圧の数値が本来より高くなり、逆に狭すぎると低くなる傾向にあります。

つまり、丁度いいサイズを選ばないと正確な血圧の数値が測れないのです。「血圧に異常があるのに正常な数値が出た」となると病気の発見などが遅れる可能性もあります。サイズ選びは慎重に行いましょう。

また腕が太い人は血管の周囲が厚いため、細い人よりも高い数値が出やすい点に注意するべきです。ちなみにマンシェットのサイズは、上腕の直径より20％幅の広いものが適切であるとされています。

お子さんに適切なサイズのマンシェットを手に入れても、測り方が分からないと行動に移せません。そこでここからは、子供の血圧を測る方法について見ていきましょう。

マンシェットに設けられたゴム嚢の中央が、上腕動脈の上に来るように巻くと意識しましょう。2本のチューブが上腕動脈から少しそれた位置に来ていると適切に巻けています。しかし、2本のチューブの間に上腕動脈が来ている場合は間違いです。

間違ったマンシェットの巻き方は誤った数値が出る原因にもなるので、必ず正しく巻くようにしましょう。体勢に関しては楽な姿勢で椅子に座り、5回程度深呼吸してリラックスした上で測るのが好ましいです。

また小さいお子さんだと、マンシェットを怖がる場合もあります。その際は「マンシェットを実際に触らせて恐怖心を取り除く」のも効果的です。

正確にお子さんの血圧を測るのであれば、病院で測って貰えば間違いありません。医療用の血圧計で測ってくれるので、正確な数値の算出が期待できます。また血圧を含めバイタルサインと呼ばれる「脈拍」「呼吸」「体温」を一緒に診てもらうのもおすすめ。

これらはお子さんの健康状態を知る上で重要な要素となるので、定期的に診てもらうといいですね。

子供の体調は変化しやすいので、定期的に血圧を測って健康管理を行いましょう。もし家庭で血圧を測るのが難しい場合は、病院で見て貰うのも一つの手です。その際にバイタルサインも見て貰えば、お子さんの健康状態を正確に把握できますよ！