谷崎潤一郎の小説おすすめ7選｜明治を生きた文豪！選び方や代表作を紹介

明治末期から昭和初期まで活躍した小説家・谷崎潤一郎。巧みな語り口と美しい文章で書かれる芸術性が高い作品は、日本国内はもちろん、海外でも高い評価を受けています。

谷崎潤一郎の代表作として挙げられるのが、『痴人の愛』『細雪』『刺青』などの作品です。短編・中編・長編で数多くの作品を発表しており、代表作以外にも名作として挙げられるものも多いです。そのため、どれを読むか迷ってしまう方は多いですよね。

そこでこちらの記事では、谷崎潤一郎の小説の選び方について解説します。青空文庫で読めるものも含めた谷崎潤一郎のおすすめ小説7選もご紹介しますので、ぜひ小説選びの参考にしてください。

明治19年に東京で生まれた谷崎潤一郎は、飛び級試験に合格し学年でトップの成績を納めるなど、神童と呼ばれるほど勉学の才がありました。旧制一高在学中には戯曲『誕生』・小説『刺青』などの作品を発表しています。

関東大震災をきっかけに関西に移住してから次々に作品を発表し、7度に渡ってノーベル文学賞候補に選ばれるほど国内外で高い評価を受けました。

谷崎潤一郎は耽美派の小説家とされています。耽美派とは最高の価値を持つ美の享受と創造を目指した流派です。私小説が主流だった時代の中で、当初谷崎潤一郎の小説は『思想がない』と低く評価されていました。しかし、時代の変化につれ世界観の豊かさや抽象主義的な表現に注目が集まり、三島由紀夫に天才と称されるほどの評価を受けています。

女性をテーマにした作品を数多く発表している谷崎潤一郎ですが、私生活では3度の結婚を経験しています。それぞれの女性との結婚生活は小説のベースになっており、『蓼食う虫』『猫と庄造と二人のおんな』などの作品が発表されました。フェミニズムの観点から作品が語られる場合も多く、谷崎潤一郎を語る上で『女性』は欠かせないワードになっています。

小説を読み慣れていない方には短編の作品がおすすめ。作品が短いので文章を読み慣れていない方でも気軽に読めます。また、短い時間でさっと読めるので隙間時間・移動時間に小説を楽しみたい方にもぴったり。谷崎潤一郎の短編には『刺青』『秘密』などがあります。谷崎潤一郎の小説を初めて読む方は短編から入るとチャレンジしやすいです。

作品の世界観をたっぷり楽しめる中編・長編小説は、谷崎潤一郎が描く世界観を堪能したい方におすすめです。長いため読むのに時間がかかりますが、その分作品の世界観に長時間どっぷりと浸れます。すでに谷崎潤一郎の作品を読んでいる方は、長編から次の作品を探すと谷崎潤一郎の小説が持つ魅力を更にたっぷり味わえます。

谷崎潤一郎の作品の中には、教科書に掲載されているものもあります。教科書である程度の内容を知っていると作品の世界に入りやすく、小説に慣れていない方でも読みやすいです。

教科書に掲載された作品を読めば、社会人の方は懐かしい感覚とともに小説を楽しめます。また、学生の方・これから谷崎潤一郎の作品が乗った作品を授業でやる予定の方は、小説を読めば授業の予習にもなります。

谷崎潤一郎の処女作である『刺青』。元浮世絵師で彫り師の清吉は、自らが認める美女の肌に自分の魂を彫り込みたいと考えていました。江戸中を探しても理想の女性には出会えないまま数年が経った頃、清吉は遂に理想の皮膚を持つ女性を見つけます。女性が持つ魔性的な魅力をフェティシズム全開で描いた短編で、谷崎潤一郎を語る上で欠かせない作品です。

日本文学の中でも名作と名高い『痴人の愛』。主人公は独身で寂しい生活を送る28歳の男・譲治。譲治はある日カフェで日本人離れした美しい容姿の少女・ナオミに出会います。ナオミを自分の理想の女性に育てようとする譲治ですが、譲治の思惑をよそにナオミは小悪魔的に育っていきます。恋愛における心理描写と生々しいエロスを感じる作品です。

『細雪』は、多くの小説家から高い評価を受けた作品です。現代文学の金字塔ともいわれており、当時のベストセラーにもなりました。女性の艶やかな描写は控えられており、傾き始めた商家の4姉妹を中心とした人々の日常を美しい文章で描いています。戦中・戦後をまたいで作られた作品のため、連載の中止・内容の改変を行った上で完成しました。

愛欲の深さを緻密なストーリー構成と美しい描写で描いた『卍』。本作で取り扱っているのはバイセクシュアルの恋愛です。夫を持つ身でありながら美術学校で出会った美女・光子に強く惹かれ、彼女と禁断の関係を持ってしまった園子。やがて光子との関係が夫にバレてしまったのをきっかけに物語は二転三転し、読者を物語の世界に惹き込みます。

谷崎潤一郎の作品は映像化されているものも多く、『痴人の愛』『細雪』『卍』などは複数回に渡って映像化されています。映像作品は普段小説を読み慣れていない方でも楽しみやすく、小説とは異なる楽しさを味わえます。同じ原作でもどの映像化作品を見るかによって感じ方が異なるので、複数の作品を見比べるのもおすすめです。

谷崎潤一郎の作品をたっぷり楽しみたい方には谷崎潤一郎全集もおすすめ。谷崎潤一郎の名作や代表作を含め、数多くの作品を読めます。全集といっても出版社ごとに収録の形式が異なり、どの全集を買うか、全集の何巻を買うかによって収録されている作品は異なります。全集を購入する際には、必ず事前に読みたい作品が載っているかをチェックしましょう。

読書を快適に楽しむためには、ブックカバーを使用するのがおすすめです。ブックカバーをかければ、小説が汚れたり破損したりするのを防げます。また、おしゃれなブックカバーなら見た目で楽しめるのもポイントです。ブックカバーを選ぶ際には、読んでいる本のサイズに合うかを必ず確認しましょう。また、折り込み式を選ぶとさまざまな厚みの本に対応できます。

谷崎潤一郎のおすすめ小説7選をご紹介しました。美しい文体で芸術性が高い魅力的な名作を数多く生み出した小説家・谷崎潤一郎。ぜひこちらの記事を参考にして、お気に入りの小説を見つけてください。

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