朝倉かすみの小説おすすめ10選｜映画化決定の『平場の月』も紹介

朝倉かすみは作家になるまで、さまざまな仕事を経験してきた異色の経歴の持ち主です。作家としての勉強を始めたのは、31歳。その9年後に文壇デビューした遅咲きの作家です。人生経験の豊かさを武器に描いた人間描写は真に迫っており、どこか辛辣です。

しかし憎めない表現が多く、一度朝倉かすみワールドに踏み込むと抜け出せなくなる人が続出しています。短編・長編ともにたくさんの小説を発表してきた朝倉かすみですが、いざ作品を読もうと思ってもどれから読めばいいのか迷う方も多いはずです。

この記事では、朝倉かすみの小説の魅力触れながらあなたにぴったりな小説の選び方・長編・短編別おすすめの作品10選をご紹介します。あなたもリズム感があって読みやすい朝倉かすみの小説を楽しみましょう。

朝倉かすみの小説の登場人物はどこにでもいそうなタイプばかりです。きっとあなたの周りにも似たような人がいるはずです。それだけに感情移入しやすく、またリズミカルに短く区切られた文章も相まって次から次へと読みたくなるのです。

登場人物が一筋縄ではいかない人ばかりであるのも、朝倉かすみの小説のおもしろいところです。それもそのはず、朝倉かすみ自体が大変な凝り性で一途な方だからです。これからどんなストーリー展開が待っているのかワクワクさせられる朝倉ワールドを、ぜひ体感してください。

朝倉かすみは文壇デビューが遅かった分、作品数は少なめです。しかし、短編・長編ともに充実しており、どちらでもお好きな方から読み進められます。文庫本化・電子書籍化も進んでいますので、お得に読みたい方におすすめです。

新婚生活のあるあるを描いた『夫婦一年生』は、既婚者の方には身近で共感できるテーマで読みやすい短編小説です。また、長編小説では熟年夫婦の微妙な感情を描いた『幸福な日々があります』も同じ目線で読む読者の気持ちを掴む作品です。

朝倉かすみは2003年に『コマドリさんのこと』で第37回北海道新聞文学賞を、翌年2004年には『肝、焼ける』で第72回小説現代新人賞を受賞しています。さらに2019年には『平場の月』で第32回山本周五郎賞を受賞。この作品は直木賞候補にもなっています。

なかでもおすすめは2009年に第30回吉川英治文学新人賞を受賞した『田村はまだか』です。タイトル通りなかなか登場しない『田村』に想像が膨らみます。ラストに待ち受けている感動は一読の価値ありです。

朝倉かすみの作品は登場人物の年齢層でも選べます。描かれている主人公は少女から熟年層まで幅広く、あなたが共感できる小説がきっと見つかるはずです。あなたよりも先の年齢を生きる主人公や懐かしい気持ちで読める若年齢層まで、いろんな世代の生活が覗けるのも朝倉かすみ作品の魅力です。

なかでも『少女奇譚・あたしたちは無敵』は、少女たちが主人公の短編集です。ほんの少し気味が悪く、ホラー要素のある作品で、現実と悪夢の間を行ったり来たりするような感覚に陥ります。不思議な世界観に引き込まれ、最後まで一気に読み切れます。

朝倉かすみの最新刊『令和枯れすすき』が動画配信サービスU-NEXTのオリジナル書籍としての配信がスタートしています。5編からなる短編小説で、1作ずつ4ヶ月おきに配信されます。短編小説の名手と言われる朝倉かすみの魅力が詰まった不思議な小説です。

U-NEXTで配信された小説は3ヶ月後には全国の書店で購入も可能です。

第32回山本周五郎賞・第4回北海道ゆかりの本大賞受賞した『平場の月』の映画化が決定しています。この作品は第161回直木賞候補にもなっており、大人の切ないラブストーリーとして評価の高い作品です。キャストや公開日は未定です。

原作では埼玉県朝霞市が舞台になっており、ロケ地は朝霞市や志木市ではないかとファンの間でも映画化の話題で持ちきりです。まずは原作を読んで、映像化を楽しみに待ちましょう。

朝倉かすみさん初のエッセイ「ぜんぜんたいへんじゃない」は、50歳にして売れっ子作家となった朝倉かすみさんの等身大の生活が垣間見られます。仕事も家事も「ぜんぜんたいへんじゃない」と言ってのける超ポジティブ思考は読者をも元気にしてくれます。

また、朝倉かすみさん独特の歯切れのいい文章で、リズミカルに読めるのもこのエッセイの気持ちのいいところです。人生に前向きになりたい時に読みたいエッセイです。

朝倉かすみの作品は一つひとつの文章が短く、とても読みやすいです。摩訶不思議な世界観でもすんなり入り込め、あっという間に最後まで読んでしまうとファンの間でも評判です。あなたも独特なリズム感のある朝倉かすみの作品に触れてみましょう。

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