auホームルーターが遅い原因や対処法は？5Gの評判や速度制限についても解説！

ホームルーターは工事不要で使えるお手軽なインターネットで、利用者も増えています。しかし、この記事を読んでいる方は、auホームルーターに不満をお持ちではないでしょうか？「遅い」「速度制限があるの？」「もっと速い回線はないの…？」そう感じではいませんか？

結論からいうと、auのホームルーターはあまりおすすめできません。理由は以下の通りです。

• auホームルーターがあまりおすすめできない理由
  
  ・5Gでも速度がドコモのホームルーターに劣る
  
  ・光回線にももちろん劣る
  
  ・5Gエリアが狭い（LTE転用エリア（NR化）では遅い）
  
  ・全く同じ機種・容量無制限でWiMAXの方が月額料金が安い
  
  ・5Gプラン以前発売の機種はそもそも遅い
  
  

とは言っても、すでにご利用中のauホームルーターをすぐに解約…とはできない場合もありますよね。この記事では、そんなauのホームルーターの速度の改善方法や気になる疑問について解説します。

※…NR化とは「なんちゃって5G」とも呼ばれる、LTE/4G周波数を5Gでも使えるようにしたもの。

まずご利用中のauのホームルーターの速度はご存じですか？auのホームルーターは2021年8月から5Gが提供され始めたものの、それ以前のスマートポートをご利用中の方もまだまだ多いですよね。

実は、旧機種である「スマートポート」をご利用中の方は速度が出にくい傾向があります。以下ご覧ください。

この両機種で、特に速度が出にくいのが前プランとして提供された「auスマートポート」。5G回線が使える前の機種で、平均実測値30Mbps程度と言われています。これは、従来のスマートフォン回線と遜色のない速度。特別速いとは感じられません。

続いて、インターネットで動画やゲームを楽しむ場合の、必要速度と必要容量をまとめましたので、一緒にご覧ください。

先ほど、スマートポート（Speed Wi-Fi HOME L02）で実測値平均30Mbps程度という話をしました。平均ということは、これよりもかなり下回る数値が出る場合も想定できますよね。この肝心な速度ですが、必要な数値は以下のようになります。

このことから、動画視聴やゲームを楽しむ場合、auのホームルーターでは確かに遅いと感じる可能性が否定できません。

また、スマートポートの評判が悪いもう一つの理由もあります。それは、旧式のauスマートポートのプランが元々月間容量が30MBと低めに設定されていた点。このせいで、速度制限（128Kbps）をかけられてしまい、速度が出ないと評判になった過去もあります。

• POINT
  過去プランのせいでスマートポートは特に「遅い」という評判が多い

では、30GBでは月間でどんなことができたのか、簡単にシミュレーションしてみましょう。

今auホームルーター5Gを無制限で使用中の方はいいですが、旧型のスマートポートを使用中の方は30MBの制限に達してしまい遅い可能性もあります。【30MB＝1日1GB】でできる使い方をシュミレートしてみましょう。

※iPhone12・iPadmini6のYouTubeアプリでの自動設定です

この中でよくある使い方を考えると、YouTubeの動画を見る方は多いですよね。特に画質設定を気にせず、スマホでアプリを開いたままの自動高画質設定で視聴している人も多いと思います。すると、たった1時間で1GB消費してしまいますので、一ヶ月待たず容量上限になります。

これでは、「遅い…」と言われてしまうのも仕方ありません。

現在のWiMAX 2+用の「ホームルータープラン」は、容量無制限で使えるものの、au4GLTEで通信するには、「ハイスピードプラスエリアモード」という設定が必要です。またこちらの通信は月間7GBの制限があります。

WiMAX 2+エリアは4Gエリアに比べると電波状況がよくないため、速度が遅いとの口コミはもっともです。

ここまでauのホームルーターの速度に関して、気になる要点をまとめます。

• 最新au5Gホームルーターの速度の弱点
  
  5Gエリアがまだ狭いため遅い
  
  同じ速度・同価格帯なら、持ち運べるWiMAXモバイルルーターの方が有利
  
  docomoのホーム5Gと比べると実測値がかなり遅い
  

• auスマートポートの弱点
  
  回線の基本がWiMAX 2＋回線
  
  4GLTEは月間7GBで有料（超過で128Kbps制限）
  
  今時5Gでないのに料金が高い

まとめると、auスマートポートご利用中の方が使いにくいと感じるのも頷けます。そもそも基本がWiMAX2+回線のため、劇的な解決手段がほぼありません。

ここからは、最新のauホームルーター5Gを利用中でも遅い！と感じる方のために、原因や対処法を解説します。

まず、現状2種類あるauホームルーター5Gについてのおさらいです。

《auホームルーター5G 2種類のスペック》

一見、とても速い機種に見えますよね。

この2機種は4ヶ月差で発売されていますが、L12の方が若干接続方式が向上しています。ちなみに実測値情報は、どちらも70Mbpsを超えるとの声が多いです。

実測値70Mbpsも出ていればかなり速く感じますが、実際には遅いとの声もあります。理由としては、

• 実測70Mbpsも出るのに、なぜ遅い…？
  
  結論｜電波が弱い

と考えられます。ここからは、電波状況を改善する方法をいくつかご解説します。

まず一つ目は、ホームルーターの設置場所を変更する方法です。ホームルーターは固定回線とは違い、スマートフォンと同じようにauの基地局から発信される電波を受信します。その際に、以下のような理由で電波が弱くなります。

• 電波が弱くなる原因…
  
  基地局から遠い
  基地局から自宅までの間に障害物（ビルや山林）がある
  自宅の壁がコンクリート造で電波を跳ね返してしまう

また、変更する設置場所としておすすめなのは以下のような場所です

• ホームルーターおすすめの設置場所
  
  窓に近い場所
  見晴らしのいい方向
  受信条件が揃っているなら、部屋の中心部

電波を遮ることのない窓に近い場所が推奨されるのは有名ですよね。また、接続するデバイスが多く点在しているなら、家の中心に設置するのも一つの手です。もっとも、もともと電波の受信状態が良好なことが前提になります。

auのホームルーター5Gプランはプラスエリアモードが無料で月間30GB利用できます。

• プラスエリアモードとは…
  
  auエリアのプラチナバンド（800MHz）に接続可能なモード。障害物に強い周波数のため繋がりやすい。ホームルーター側でモード切り替えの操作が必要。通常1,100円かかるが、ホームルータープラン 5G利用中の方は無料。
  
  

切り替えを知らずに利用中の方もいますので、一度端末のモードを確認してください。

基地局からの電波ではなく、ホームルーターからタブレットやパソコンにつなぐ間のWi-Fi設定で改善する場合もあります。Wi-Fi設定のうち、電波の周波数を確認してください。

• Wi-Fiの電波の周波数
  
  2.4GHz…
  速度は遅め。ただし電波が遠くまで届きやすい
  電子レンジといった家電が同周波数で動作する場合があり、電波干渉を起こしやすい
  
  5Ghz…
  速度は速め。ただし範囲が狭く電波が途切れやすい。
  ほぼWi-Fiでしか使われない周波数のため、電波干渉は起こさない

このWi-Fi設定の周波数を変更したら改善する場合もあります。一度試す価値はありますよ。

最後の手段は有線接続を試す方法です。ホームルーターからタブレット・PCへ飛ばす間の速度損失がなくなるため、基地局から受信した電波そのままの速さが出ます。

もっとも、スマートフォンやタブレット・一部のPCの場合はもともと有線接続ポートがないため、PCをお持ちの方のみ使える手段です。

こちらは、「簡単で使いやすいが、オンラインゲームや動画配信には遅い」という意見です。工事不要で簡単に使えるのはホームルーターの大きなメリット。しかし速度を求める人にはやはり向きません。

こちらは「工事不要でスマホセット割が魅力。ただ置き場所に工夫が必要」との意見です。まさしくホームルーターの特徴そのもので、快適に使えるかどうかは電波の受信状況に大きく左右されてしまいます。

上記口コミは「すぐに通信量の上限に到達してしまい速度制限がかかる」とのことでした。現状、auホームルーター5Gは容量無制限・3日間15GBの容量制限も撤廃されていますが、プラスエリアモード（プラチナバンド対応周波数）は今だ上限30GB制限があります。

プラスエリアモード以外では接続しにくい状況の場合は、上限に達してしまう可能性が残されています。

auホームルーター5Gは契約住所以外では通信ができない制限が設けられています。以前のホームルーターは、コンセントさえあればどこでも利用できましたが、5Gプランになって以降場所の移動は簡単にできなくなってしまいました。

そもそも、場所の移動を前提とする場合は、ホームルーターよりもモバイルルーターの方が魅力的です。

ここまでのスペックや評判から、auのホームルーター5Gを総評すると以下のようになります。

• 月額料金設定では同機種のWiMAXに負ける
  
  （WiMAXのホームルーターでもスマートバリュー対象）
  
  
• ほぼ同価格帯でさらに速いドコモhome5Gがある
  
  
  ➡︎最安でも最速でもなく中途半端

そのため、auのホームルーターはおすすめできない、と当記事では結論づけました。ある程度の速度と月額料金ならWiMAXのホームルーター、とにかく速くならドコモのhome5Gもご検討ください。

ここからは、そもそも家で使用するインターネット回線として、ホームルーターはおすすめ出来るのかどうかの話をしていきます。

もちろん、お住まいの状況（敷地が旗竿地で回線工事不可など）によってはホームルーターしか使えない人もいますが、中には「なんだか面倒くさくて回線工事を避けていた…」なんて人はいませんか？光回線との違い3つを簡単に解説しますので、気になっている人は目をお通しください。

ここまでの評判やデメリットの面で、「速度はどうしても光回線に劣る」話をしてきました。しかし、「そうはいってもそこまで気にならないし…」という方もいませんか？」ここでは、実測値やその速度と月額料金の釣り合いなど含めて解説します。

高画質動画を何時間も楽しみたい場合、気になるのがデータ量と速度制限ですよね。最近のホームルーターの速度制限は以下のようになっています。

このように、容量無制限といいつつも、短期間で大容量通信を行うと速度制限が実施される可能性があります。では、光回線はどうでしょうか？

光回線の場合は、1日で30GBを消費するような極端に大容量通信を行わない限りは、速度が制限される可能性は低いです。1日8時間毎日動画を流しっぱなしにしても大丈夫ですよ。
（※NUROの速度制限のように混雑の解消を目的に行われる場合はあります）

ホームルーターと光回線の料金差は以下の通りです。

• ホームルーターの場合…
  
  WiMAXホームルーター5G
  2年間　4,268円/月 (税込)
  
  docomo　home5G
  2年間　4,950円/月 (税込)

• 光回線の場合…
  
  GMOとくとくBB光
  戸建　4,928円(税込)
  マンション　3,883円(税込)
  
  コミュファ光
  戸建　51,700円(税込)
  マンション　4,070円(税込)
  ※2022年10月1ギガコースみんそく最速

このように並べてみると、意外と料金差がないと気づきませんか？速度が数倍で料金差がほぼないとなると、コストパフォーマンスを考えて光回線がおすすめです。お住まいの状況や引越し予定などを加味して、どちらでインターネットを使いたいかよく検討してください。

※ただし光回線は回線に引き込み工事が必要です。工事費は新規開通で2万円程度ですが、月額料金から割り引かれるプランがほとんどです。

ここまで、光回線とホームルーターの月額コストがそれほど変わらない話をしてきました。しかし、インターネットさえ使えればいい・速度は問わない・とにかく安くしたい人もいるかと思います。その場合は、3,000円程度から利用可能です。

ここから下は、特に安いクラウドSIM採用のレンタルポケットWi-Fiを提示します。

このように、月間の容量制限はあるものの、少しでも安くしたいならレンタルのポケットWi-Fiも選択肢になります。

このように安いレンタルポケットWi-Fiで気になるのは、「安いけど遅いんじゃないの…？」ということですよね。じつは、これらのポケットWi-FiはクラウドSIMという仕組みを利用しており、docomo・SoftBank・auの3社の基地局からLTE電波を受信します。ようするに、速度は各社のLTE回線並みです。

ただし、接続する回線はその時に最適なものを自動で選ぶため、こちらで設定はできません。また、障害物の多い場所ではソフトバンクのプラチナバンドによく繋がるという口コミも多く、お世辞にも速いとも言えません。

あくまで従来の4G回線が月間100GBで安く使えるプラン…と理解した上で検討してください。

まずこの3日間10GBないし15GBでの速度制限ですが、現在は撤廃済みです。詳しくは2021年8月よりドコモがhome5Gプランをデータ量無制限で展開し始め、それに対抗する形でauも2022年2月に3日間の容量制限を撤廃しています。

現在は、

このような注釈はあるものの、表現としては「一定期間」「通信速度を制限」となっており、しきい値も制限時の通信速度も非公開です。

auのホームルーター5Gは速度制限がないはずなのに、速度制限された！という話もあります。一つは、「混雑する時間帯」だった場合。これは解除を待つしかありません。

しかしもう一つ、プラスエリアモードに制限がかかった状態も選択肢として挙げられます。プラスエリアモードとは、プラチナバンド帯が使用できるモードでは月間30GBの制限があります。

このプラスエリアモードが生きるのは、障害物の多い都会や山林で通信する場合。もしもルーターの設定がプラスエリアモードになっていた場合、上限に達するとプラスエリアモードでのみ128Kbpsの制限がかかります。

auのホームルーターのランプの意味は、以下の通りです。

• 【Speed Wi-Fi HOME 5G L11の場合】
  
  SIGNALランプ…電波強度ランプ
  ●緑…上から[5G/LTE/WiMAX 2+]を接続中
  ●橙…通信量超過
  
  Mode/Updateランプ
  ●緑…スタンダードモード中
  ●橙…点灯：プラスエリアモード中
  ●橙…点滅：通信自動切り替えモードON
  ●橙…3回点灯：プラスエリアモード制限
  ●赤…ソフトウェアアップデートあり
  
  Statusランプ
  ●緑…点灯：動作中
  ●緑…点滅：WPS接続
  ●橙…点灯→点滅：起動中
  ●橙…点滅：データ通信オフ
  ●赤…点灯・点滅：圏外やSIMなし設定ミスなど
  
  DATA.USAGEランプ
  ●緑…点灯：設定したデータ量を超えていない
  ●橙…点灯：設定した通知データ量を超えた
  ●赤…点灯：設定した最大データ量を超えた
  
  LANポートランプ
  ●緑…点灯：接続中
  ●橙…点滅：LANポート通信中
  
  

• 【Speed Wi-Fi HOME 5G L12の場合】
  
  上4つ…電波強度ランプ
  ●緑…上から[5G/LTE/WiMAX 2+]を指す
  ●橙…通信量超過
  
  Modeランプ
  ●緑…スタンダードモード中
  ●橙…点灯：プラスエリアモード中
  ●橙…点滅：モード切り替えに失敗
  
  Updateランプ
  ●緑…ファームウェア更新成功
  ●橙…点灯：最新ファームウェアあり
  ●橙…点滅：ファームウェア更新中/手動確認中
  ●赤…点滅：ァームウェアの更新に失敗
  
  Statusランプ
  ●緑…点灯：動作中・点滅速：2.4GHz接続・点滅速遅：5GHz接続
  ●橙…点灯→点滅：起動中
  ●橙…点滅：エラー
  ●赤…点灯・点滅：圏外やSIMなし設定ミスなど
  
  

基本的に緑であればOKですが、中には橙でも問題のない場合が多々あります。しっかり見極めてください。

ここまでauのホームルーターが「遅い」評判に関して、契約時期・機種の問題・回線の評判など様々な側面から解説してきました。結論を申し上げると、auのホームルーターをあえて選ぶ理由は多くはありません。総合的にドコモやWiMAX・光回線なども加味した上で、最終的に結論を出すことをおすすめします。