鮎川哲也の小説おすすめ10選！作品の傾向は？黒いトランク・黒い白鳥など

本格推理小説を楽しむなら「鮎川哲也」の作品がおすすめです。長編から短編まで数多くの推理小説を残し、現代でもその名は廃れません。そんな彼の作品を読みたいと多くの方が購入を検討します。

鮎川哲也は作品数が多く、初めて読む方にとってどのように選ぶべきか悩んでしまいますよね。長編・短編などの好みはもちろん、代表作と呼ばれる作品のなかから選ぶのもおすすめです。

今回は、鮎川哲也の小説の選び方とおすすめ作品をご紹介します。記事の最後では、映画化された作品についてや小説を気軽に読める電子書籍サービスについても触れているので、ぜひご覧ください。

鮎川哲也は、1919年2月14日生まれの日本の小説家で、2002年9月24日に83歳で亡くなっています。本名は中川透であり、鮎川哲也は筆名です。デビュー作は、那珂川透名義で『​​月魄』と呼ばれる作品。本格デビューを果たした作品が『ペトロフ事件』になります。鮎川哲也賞と呼ばれる、推理長編を募集する公募の新人文学賞があり、本人も選考委員として審査をしていました。

有川哲也の小説は、アリバイトリックを主体としているのが特徴です。アリバイトリックは、実在しないアリバイを本当にあるように錯覚させるトリックを指します。物語内で、そのアリバイを崩していくのが鮎川哲也の小説の流れになります。

構成の緻密さも特徴的で、派手さはないものの本格推理を楽しめます。また、『黒いトランク』『ペトロフ不事件』など初期の小説は、小説家フリーマン・ウィルス・クロフツを思わせる傾向にありました。

『黒いトランク』は、1956年に出版された作品です。講談社の『書き下ろし長編探偵小説全集』全13巻に応募したところ当選し、筆名を鮎川哲也に改めています。

登場するのは、鮎川哲也の小説のなかでも定番の人物「鬼貫警部」です。また、汐留駅が舞台になっており、駅で発見したトランクに詰められた腐乱死体から物語が始まります。そして、鬼貫警部が立ちはだかるアリバイを次々に崩していきます。

『死のある風景』は、1965年に出版された作品です。鬼貫警部ものの第8作品目となる本作は、別々の場所で起こった自殺と殺人事件を中心に物語が進みます。

小説序盤はいまいち掴みどころがなく、ピンとこない描写が多く見受けられます。しかし、物語が進むにつれて、意外な人物が犯人として浮上していく流れは完成度が高く、読み応えを感じられます。派手さはないものの、完成度の高い本格推理を楽しみたい方におすすめです。

『黒い白鳥』は、1959年に出版された作品です。1960年に第13回日本探偵サッカクラブ賞を『憎悪の化石』と共に受賞しています。鬼貫警部ものの第3作品目であり、埼玉県にある久喜駅で見つかった男の射殺死体から物語が始まります。

本作も鬼貫警部が完璧なアリバイを崩していく展開になりますが、内容が二転三転していくため、思わず読書にのめり込んでしまうのが特徴です。

『リラ荘殺人事件』は、鬼貫警部ものに並ぶ星影龍三ものの第1作品目にあたる小説です。星影龍三ものの長編推理小説は、本作品を合わせて3作品しかありません。埼玉県と長野県の境目にかつて別荘として使われていた「リラ壮」を舞台に物語がはじまります。

リラ荘に訪れた日本芸術大学の学生7名を中心に繰り返される殺人事件の真相を星影龍三が明かしていきます。心理とアリバイトリックが入り混じった緻密で複雑な内容です。

『五つの時計』は、鬼貫警部ものの短編小説や本作を含む短編推理小説選集を指します。短編推理小説選集の『五つの時計』は、江戸川乱歩が編集長を務める『宝石』に鮎川哲也が発表した10篇で、ファンの間でも名高い作品です。

また、鮎川哲也の短編集のなかでも、分厚くボリュームのある内容です。読み応えもあり、一度は読んでおきたい作品です。

「鬼貫警部もの」は、鮎川哲也の作品のなかでも数が多く、とことんアリバイ崩しが楽しめるシリーズです。短編や長編はもちろん、1作品のみですが『城と塔』と呼ばれるタイトルで中編小説があります。鮎川哲也の作品には欠かせない登場人物なので、初めて読む方からコアなファンまでおすすめです。

「星影龍三もの」は、中短編作品が多い傾向にあります。代表的な作品には『リラ荘事件』があり、事件のトリックはクオリティが高く読み応え抜群です。ファンの間では傑作と呼ばれるほどで、鬼貫警部ものを読み尽くしてしまった方におすすめです。

もちろん、どの作品も鮎川哲也の素晴らしさを感じられるものばかりなので、初心者の方にも適してます。

『三番館シリーズ』は、銀座・三番館にいるバーテンダーを探偵役にした作品を指します。鬼貫警部ものや星影龍三ものとは異なった、ユーモアも感じられるシリーズです。短編がいくつか収録された作品ですが、どの物語もトリックが巧妙で楽しめます。

鮎川哲也の小説は、基本的に長編か短編のどちらかです。中編作品は数が少なく、あっても中短編と括られています。そのため、鮎川哲也の小説を選ぶ際は、長編をじっくり読むか、短編を気軽に読むかをはじめに選ぶのがおすすめです。小説を読み慣れない方は短編、文章を読み慣れている方は長編を選んでください。

ここでは、長編推理小説全集をご紹介します。初めて鮎川哲也の小説を読む方は、ぜひチェックしてください。

• 黒いトランク（ペトロフ事件 / 赤い密室 / 黒いトランク）
• 憎悪の化石（りら荘事件 / 憎悪の化石）
• 黒い白鳥（黒い白鳥 / 人それを情死と呼ぶ）
• 砂の城（砂の城 / 偽りの墳墓）
• 死のある風景（死のある風景 / 宛先不明）
• 風の証言（積木の塔 / 風の証言 / 達也が嗤う:犯人当て小説）

ここでは、鮎川哲也の短編推理小説選集をご紹介します。どれを選ぶべきか悩んでいる方は、以下の作品から読み始めるのもおすすめです。

• 五つの時計
• 青い密室
• プラスチックの塔
• 黒い版画
• 新赤髪連盟
• 写楽が見ていた

どの短編推理小説選集も10篇前後で構成されています。代表作と呼ばれる短編小説からマイナー作品まで含まれているので、ぜひチェックしてください。

映像化された作品をチェックするのもおすすめです。鮎川哲也の作品は、ドラマ化された作品が多く、読書が苦手な方でも気軽に楽しめます。もちろん、小説を読んだ経験がある方も、原作との違いを交えながら視聴できます。

• 刑事・鬼貫八郎
• 他殺にしてくれ
• 青いエチュード
• 五つの時計
• 悪魔はここに
• 急行出雲
• 人それは情死と呼ぶ
• 喪服を着た花嫁
• 誘惑の女

鮎川哲也賞を受賞した小説もおすすめです。鮎川哲也賞とは、東京創元社が主催する新人文学賞を指します。指定ジャンルは推理小説であり、数多くの魅力的な推理小説が応募され、受賞しています。推理小説が好きな方は、ぜひ鮎川哲也賞を受賞した小説家の作品もチェックしてください。

小説をとことん楽しむなら「電子書籍サービス」の利用がおすすめです。電子書籍とは、文字通りデジタル化された書籍を指します。スマホやタブレットで、いつでも気軽に漫画や小説を楽しめます。代表的なものだと「Kindle」などのサービスが挙げられるので、ぜひ使いやすさに合わせて選んでください。

電子書籍サービスを利用するならタブレットもチェックしてください。電子書籍リーダーと異なり、インターネットに繋げればアプリの利用も可能です。また、スマホで電子書籍を読むよりも画面が大きいので疲れづらくなります。電子書籍サービスを利用するシーンが多い方におすすめです。

鮎川哲也は、本格推理を書く小説家です。どの作品もアリバイ崩しが魅力的で、読者を小説の世界へと引き込みます。シリーズや登場人物にこだわって選ぶのがおすすめです。ぜひ本記事を参考にしながら、鮎川哲也の小説を選んでください。

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