【口コミあり】芦辺拓の小説おすすめ10選｜『大鞠家殺人事件』や新刊も紹介

芦辺拓はミステリー・冒険小説を得意とする作家で、アニメ「ルパン三世」の脚本を書いたことがあります。近年では児童向け作品にも力を入れていて、シャーロック・ホームズなど古典ミステリーの翻訳や江戸川乱歩の少年探偵団シリーズのリライトもしています。

小説家になる前は新聞社で記者をしていた経歴を持ち、新聞社時代に培われた豊富な知識を武器に多彩な表現力で玄人も唸る面白いミステリー小説を多数執筆してきました。

この記事では、芦辺拓の小説について解説していきます。芦辺拓の小説の選び方や最新刊の情報、おすすめ作品などもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

芦辺拓は、大学卒業後に読売新聞大阪本社の校閲部・文化部記者として勤務しながら執筆活動をし、『異類五種』で第2回幻想文学新人賞の佳作を受賞しました。その後、『殺人喜劇の13人』という作品で第1回鮎川哲也賞を受賞し、作家デビューを果たします。

デビューの4年後に専業作家となり、代表作『森江春策の事件簿』シリーズがヒットするとNHKのドラマ用に作品を書き下ろすなど活躍の場を広げています。近年では少年向けミステリー作品を手掛けるなど、幅広い世代に愛されるミステリー作家です。

デビュー作『殺人喜劇の13人』を含む『森江春策の事件簿』シリーズは1990年から続く連続小説で、現在までに24巻発行されています。一部の作品が漫画化や映像化されるなど、大人気シリーズです。

まずは多くの人から愛されているシリーズ作で、芦辺拓の魅力をたっぷり感じてみませんか。全部読むのはさすがにちょっと大変と思う方には、第9回本格ミステリ大賞にノミネートされ映像化もされた『裁判員法廷』がおすすすめです。

金田一耕助と明智小五郎、日本の二大名探偵が夢の共演を果たすロマンあふれる作品です。推理小説好きなら、この名探偵たちの共演は見逃せません。一人だけでもどんな難事件も解決してしまうほど頭脳明晰なのに、二人揃ったら鬼に金棒、向かうところ敵なしです。

この作品は2013年にドラマ化され、山下智久と伊藤英明のダブル主演で放送されました。DVDやBlu-rayで発売されていますので、気になる方は原作と併せてぜひご覧ください。

芦辺拓の小説を読むなら、原点であるデビュー作『殺人喜劇の13人』は外せません。作品としてはまだ粗削りではあるものの、プロ作家になりたい一心でさまざまな趣向を凝らし真っ直ぐな思いで作品を書き上げた情熱がひしひしと伝わります。

第1回鮎川哲也賞の受賞作で、鮎川哲也は「新人らしからぬしっかりした文章とどっしりした構成は、文句のつけようのない力作であり秀作」と評価しており、プロも認めた必読の一冊です。

蒸気とエーテルにより発展した都市を背景に繰り広げられる、探偵見習いの少女エマ・ハートリーと正体不明の少年ユージンの物語です。空想科学世界で起こる、スチームパンク風SFとミステリーを融合させた巧みなストーリーが秀逸です。

空想科学都市で描かれる街並みや登場するメカニカルなガジェットが魅力的で、物語の世界にどんどん引き込まれていきます。スチームパンクがお好きな方におすすめの一冊です。

芦辺拓の作品を、まずは短編で楽しんでみるのもおすすめです。通勤時間など短時間で読むのにちょうどよく、長編を読むのが苦手な方にもぴったりです。

短編集 『奇譚を売る店』は、どの短編も「また買ってしまった」のつぶやきから始まるストーリー展開が面白く、背景となる古き良き時代の古書店の様子に懐かしさを感じます。古書との出会いから悪夢へと引きずり込まれ、現実と虚構の境目がわからなくなる浮遊感にゾクゾクします。

『大鞠家殺人事件』は2022年に第75回日本推理作家協会賞（長編および連作短編集部門）、第22回本格ミステリ大賞（小説部門）でダブル受賞を果たした作品です。

日本推理作家協会は江戸川乱歩を中心に設立された探偵作家クラブが前身で、日本の推理小説界の発展に貢献しています。そのような歴史ある協会の賞を受賞した作品には、ぜひ目を通しておきたいところです。

芦辺拓の最新刊は、あの手この手を使って楽しませてくれる7つのフーダニット短編集です。フーダニットはミステリー小説用語で、「Who done it = 誰が犯行を行ったか」を意味し、読者が真犯人を推理するスタイルの物語です。

読者が探偵気分で犯人捜しができるので、名探偵になったつもりで最後まで推理力を駆使して楽しい読書時間が過ごせます。

『10歳までに読みたい名作ミステリー 』シリーズはミステリー小説の名作を児童書向けにリライトした作品で、オールカラーでイラストが入った、子どもでも読みやすい本です。

子どもでも内容がわかりやすいようにリライトされているので、名探偵さながらに謎解きをしながら読み進められ、子どもに読書への興味を持たせたり読書習慣をつけるのにぴったりです。大人が読んでも面白いので、お子さんと一緒に読んでみてはいかがでしょうか。

芦辺拓の小説は、多彩な表現手法でまるでミステリー映画を観ているような気分にさせてくれます。この記事を参考に、芦辺拓の気になるミステリー作品を見つけてお楽しみください。こちらもあわせてご覧ください。