【2023】短編小説人気おすすめ15選｜名作・ミステリー・恋愛・海外小説も

短編小説は、その作家の魅力が1冊に凝縮された短い小説集です。好きな作家を見つけるには、短編集をまず読んでみるのもおすすめです。短編小説を主に執筆している作家はもちろん、普段は長編小説を書いており、短編も両方書いている作家もいます。

短編小説の一編から長編小説の元になり、素晴らしい長編小説ができる場合もあります。村上春樹氏の短編「蛍」は、超ベストセラーの「ノルウェーの森」の元になっているので有名ですね。そのため、短編小説は作家の表現したいものが短い物語の1編に濃縮されています。

ここでは、時間がない方でも読みやすい短編小説の魅力・ジャンル・おすすめ小説15選などについてご紹介します。短編小説を選ぶ際の参考に、ぜひ最後までお読みください。

短編小説とは、長編小説に対して比較的短い小説を指します。具体的には、400字詰め原稿用紙で10～80枚程度の長さを短編小説といい、それより短い原稿用紙10枚くらいのものは掌編小説やショート・ショートといわれています。

対して長編小説は原稿用紙300枚以上の作品で、最大文字数120,000文字の小説を指しています。

短編小説は、1冊で多くの物語を堪能できます。また、それぞれの物語の結末を自身で想像できるのもとても楽しいものです。短編小説集の中には連作短編小説と呼ばれるものがあります。1つの物語が1人の主人公で終わり、その中の登場人物が次の物語の主人公になっている手法の小説です。

短編集を読んでいるようで、最終的には長編小説を読んだような気分になります。

短編小説は、1つの物語が短い時間で読み切れます。そのため、中学生・高校生・社会人の方の通学通勤中の空き時間に1話読み終えられるのでおすすめです。長編小説だと先が気になって仕方がない経験をした方も多いと思います。

短編小説ならそれがないのも魅力の1つです。1話読み終えて、次の新たな物語へ移行できる短編小説は、忙しい人や飽きっぽい人にもおすすめです。

短編小説は文字数に制限があるため、長編小説のように登場人物の心理描写や風景などを綿密に描写するのが難しいです。そのため、読者がそれらを想像しながら読む必要があります。それは面倒なようで、実は短編小説の醍醐味でもあります。

結末が登場人物のある一言で終わるものもあり、代表的な作者を挙げると百田尚樹氏の作品に多い手法です。小説内に登場する人物の「一言」ですべてを察せられる爽快さを、ぜひ短編小説で味わってみてください。

短編集の面白さに、「アンソロジー」があります。アンソロジーとは、複数の作家が1つのテーマを決めて、それぞれがテーマに沿った短編を書き、それを一つにまとめた短編集です。テーマは同じでも、作家によってここまでいろいろな小説が生み出されるのかと感動さえ覚えます。

アンソロジーを読んで、その中で文体や作風を知り、その作家のファンになる方も多いです。

SFの短編・ショートショートの旗手といえば、星新一氏です。SFの長編小説は、専門的な知識を要する小説が多いですが、星新一氏の作品は、中学生・高校生にも大人気です。短い物語をサクッと読めるのが好評になっています。

特にこの『ボッコちゃん』は、SF・ミステリー・寓話・童話などが1冊に凝縮された星新一氏の代表作の1つといえます。

短編集のラブストーリーでおすすめなのは、百田尚樹氏の『輝く夜』です。クリスマスの夜に起こる奇跡と感動の物語で、どれも心が温かくなる珠玉の短編集です。特に女性におすすめの短編集で、泣きたいときに思い切り泣ける物語であふれています。

恋に破れた人、今現在辛い思いをしている人に贈るのにも最適なハートウォーミングな短編集です。

短編小説のおすすめジャンルには、幻想的な世界が広がるファンタジーもあります。本の中だけの不思議な世界を体験したいなら、ファンタジーを読んでみるのもいいですね。大人でも楽しめるおすすめの作品には、直木賞作家・恩田陸氏の『常野物語 光の帝国』があります。

常野物語として3作品を執筆している内の1巻目となる『光の帝国』は、特殊能力を持った常野一族を描いた心温まる作品。読み進めていく内に、どんどん不思議な世界へ引き込まれる魅力のある1冊です。

短編小説で、多いのはミステリー・ホラー系です。短い文章で、結末が分かるのでとても面白いです。その中でも秀逸なのが阿刀田高氏の作品です。この『ナポレオン狂』は、ナポレオンに心酔している資産家の男性の物語で、ナポレオンのものを蒐集しています。そんな男性がある日、見つけたのが…。

結末は描かれていませんが、それがさらに作品にホラー要素を増幅させています。読者が結末を想像する方向に持って行っています。おすすめの1冊です。

長編小説のイメージが高い村上春樹氏ですが、短編集も多く出版しています。何気ない日常の一片に隠された物語が描かれています。この短編集の1つ『ハナレイ・ベイ』は吉田羊さん主演で映画化もされています。

ハワイの海で息子を亡くした母の静かな悲しみとある出来事をきっかけにその悲しみを爆発させる描写が素晴らしいです。

短編小説には、どこかほっこりした懐かしさを感じさせるような童話も存在します。イラストと文章で構成されているので小説初心者の方でも読みやすく、また大人も子どもも楽しめる作品が数多くあります。

中でもおすすめなのが安房直子氏の『風と木の歌』で、「きつねの窓」「鳥」「空色のゆりいす」などの8作品からなる短編童話です。童話の中にも哲学的な要素が表現されており、生と死や人とのコミニュケーションなどを考えさせられるおすすめの作品です。

短編小説はあまり気負わず気軽に読める小説集です。新しく好きな作家を発掘したい方には、短編小説を読んでみるのをおすすめします。誰もが好きな文体や構成、作風があります。いきなり長編小説を買って途中で挫折するより、まず短編集を買って作家自身の作風を探ってみるのもいいです。

読書はとても楽しく知的な趣味の1つです。どうぞ短編小説から好きな作家を見つけてみてください。

今まであまり本を読んだ経験がない人にも、短編小説はおすすめです。ハートウォーミングなヒューマン小説・ぞくっとするミステリーやホラー小説・切ないラブストーリー・アンソロジーなどお好みのジャンルの短編集を選んで一度読んでみてはいかがですか?

あなたも短編小説から読書を始めましょう！