Wi-Fiが弱い原因は？対処法や電波強度を上げる方法も！

かつては有線が主流だったインターネットも、現代では、Wi-Fiによる無線接続が一般的になりつつあります。自宅の部屋から街中まで、場所を選ばずネット通信ができるのも、Wi-Fiのおかげといっても過言ではありません。

ですが、無線接続は有線よりも通信の安定性に劣るのが特徴です。Wi-Fiも飛ばす電波が弱くなれば、インターネットへの接続が困難になります。中には「自宅だと通信速度が不安定になる」「部屋から離れるとネットに繋がらない」といった悩みをもつ方も少なくありません。

今回は、Wi-Fiが弱くなる原因を踏まえ、具体的な対処法や電波強度の高い光回線などを詳しく紹介します。Wi-Fiの不安定な接続や通信速度に悩んでいる方は、当記事を参考に、快適なインターネットライフを目指してください。

Wi-Fiルーターは、ルーターを中心に周囲360度へ電波を飛ばします。そのため、Wi-Fiルーターの置き場所によっては、電波の飛びも悪くなりがちです。たとえば、ルーターが壁のような障害物に囲まれていると、発せられる電波も物理的に遮蔽されやすくなります。

また、水回り（流しやトイレなど）や金属製品の付近なども、ルーターの置き場所に不向きです。水や金属は電波を吸収・反射しやすい特性をもつため、ルーターの近くにあるほど電波も上手く飛びません。このほか、電波を遮るものがなくても、ルーターの親機と子機とが離れれば、距離に比例してWi-Fiも弱くなります。

「家の中で電波を飛ばすもの」は、Wi-Fiルーターだけに限りません。たとえば、コードレス電話や電子レンジ、テレビのリモコンなどの家電製品によっては、多くのWi-Fiルーターと同じ周波数（2.4GHz帯）で電波を飛ばしています。

同じ周波数の電波同士がぶつかれば、電波干渉によってWi-Fiの電波が弱くなります。同様に、複数のWi-Fiルーターが近しい場所にあると、ルーター同士で電波干渉が発生していまいます。とりわけ集合住宅においては、部屋と部屋の距離が近いぶん、ルーター同士の電波干渉が発生しがちです。

無線通信ができないノートパソコンやテレビであっても、無線LAN子機を接続すれば、Wi-Fiルーター（親機）との通信が可能です。しかし、子機に何かしら問題（ドライバが古いなど）があると、Wi-Fiからの電波を上手く受信しにくくなります。

機器のトラブルによって電波感度が悪くなるのは、中継器も同様です。ここでいう中継器とは「Wi-Fiルーターの電波を増幅する機械」で、自宅に設置するとWi-Fiを利用できるエリアが大きく拡大します。

この中継器も、問題（WPS設定の不具合など）によって電波の増幅に支障を来すケースは少なくありません。物理的な破損を除けば、ドライバのインストールや機器の再起動などの方法によって、これらの問題を解決できる可能性があります。

Wi-Fiルーターによって許容量に差こそありますが、どんなWi-Fiルーターも、デバイスを無制限に接続できるわけではありません。接続数が増えれば増えるほど、ルーターへの負担増によって、電波感度に影響を与えやすくなります。

とりわけ、昨今はパソコンやテレビ、家庭用のゲーム機に至るまで無線接続を行う時代です。対応デバイスが増加した結果、知らぬ間にWi-Fiルーターの負担が増えているケースも珍しくありません。

Wi-Fiルーターには、製品別に耐用年数が設定されています。環境によっては耐用年数よりも長期間使用できる一方、経年劣化はどうしても避けられません。劣化したWi-Fiルーターは、機能の低下により電波感度が悪くなります。

Wi-Fiルーターの寿命は、平均して4年から5年程度、長くても10年程度なので、買い替え時期の目安にしましょう。パソコンやテレビなど、Wi-Fiルーターに接続する機器が多くなれば、負担が増えて劣化も早まります。

ポケットWi-Fiなどのルーターは、通信容量に制限のある契約が多くなっています。契約で定められた容量を超えれば、通信制限による速度低下は避けられません。ポケットWi-Fiを使用中に、突然の速度低下に苛まれた場合は、通信制限が発生している可能性が高いです。

万が一、通信制限を受けても、翌月になれば制限は解除されます。通信制限による速度低下を回避するには、使用中の通信量を細かく確認して、容量オーバーしないように注意しましょう。

ネット回線の利用者数が、Wi-Fiの速度低下を招くケースも少なくありません。たとえば、マンションのような集合住宅では、居住者のネット回線を「MDF」と呼ばれる装置（または部屋）で一括管理するケースがほとんどです。

マンションのどの部屋から接続をしても、データの送受信はMDFを経由して行われる仕組みです。そのため、居住者が同時にインターネットへ接続すれば、MDFへの負担が増えてしまい、Wi-Fiの速度にも悪影響を与えます。とりわけ、土日や夜間のように回線の利用者増えるタイミングは、Wi-Fiの速度低下も発生しがちです。

インターネット回線の通信速度や安定性は、プロバイダによって大きく異なります。機器の故障や電波干渉、通信制限などを除くと、最後に考えられる原因はプロバイダです。回線速度の遅いプロバイダと契約をしていれば、それだけWi-Fiの速度低下を実感しやすくなります。

また、プロバイダによっては契約者数が多く、同じ回線の利用者も増えがちです。先に挙げたマンションと同様、契約しているプロバイダで同時接続者が増えれば、回線の速度低下や不安定化を招きやすくなります。

距離や障害物によって、Wi-Fiルーターの電波が届きにくくなっている場合、親機の位置調整や中継機の導入などが効果的です。手間や時間をかけずに行えるので、物理的な隔たりが原因の場合は、すぐに対策するのをおすすめします。

繰り返しになりますが、Wi-Fiルーターは、機器の周囲360度へ電波を飛ばします。したがって、ルーターを家（または部屋）の中心部に設置すると、自宅の隅々まで電波が届きやすくなります。反対に、ルーターを家の隅に設置してしまうと、電波が届く範囲にも無駄が生じがちです。

さらに広いエリアに電波を飛ばすには、Wi-Fiルーターを棚やテーブルの上に置くのがおすすめです。床から離れている場所ほど、遮蔽物に電波が遮られにくくなり、より広域にわたって電波が届きます。

「ルーターの置き場所を変えられない」「場所を変えても家の隅まで電波が届かない」といった場合は、中継器を導入しましょう。Wi-Fiルーターからの電波が届く位置に中継器を設置すれば、中継器が電波を増幅させ、遠くまで電波が届くようになります。

より安定した通信環境を求める方であれば、メッシュ子機（メッシュWi-Fi）の導入もおすすめです。メッシュ子機は、端的にいえば「複数セットのWi-Fiルーター」を指し、2～3台のセットで購入ができます。それぞれのルーターが電波を飛ばせるので、中継器よりもさらに広いエリアをカバーできます。

電波干渉によってWi-Fiが弱くなっている場合、以下の対策が考えられます。おおまかに区分すると、「製品の配置を変える方法」と「周波数が異なるWi-Fiルーターを導入する方法」の2種類です。

結論からいえば、電波を使う製品同士の距離が離れていれば、電波干渉も発生しません。製品の置き場所を変えて、Wi-Fiルーターから遠ざけるようにしましょう。使用頻度の低い製品であれば、電波干渉の原因を取り除くため、廃棄してしまうのも手です。

ひと口に電波を発する製品といっても、電子レンジやコードレス電話、ビデオトランスミッターに至るまで多彩な製品が該当します。中でも電子レンジは強い電波を発しやすいため、ルーターとの位置関係には注意が必要です。

電波を飛ばす製品やWi-Fiルーターの多くは、2.4GHz帯の周波数で電波を飛ばしています。電波干渉は同じ周波数同士がぶつかると発生するため、ルーターの周波数を変えれば、ほか製品との電波干渉もほとんど発生しません。

昨今は、Wi-Fi専用の電波である5GHz帯の周波数を採用したWi-Fiルーターが普及しています。電波干渉でWi-Fiが弱くなっているケースにおいては、導入を検討するのも手です。新しい通信方式であるIPv6に対応したWi-Fiルーターであれば、電波干渉を防ぎつつ高速の通信速度を実現できます。

Wi-Fiルーターそのものが劣化している場合は、ルーターの買い替えを検討しましょう。新品のWi-Fiルーターであれば電波感度もよく、インターネットに安定して接続しやすくなります。

新品のWi-Fiルーターを購入する際は、「通信速度」や「同時接続台数」などに着目しましょう。多くの機器で無線通信を行う場合は、負荷に耐えうるルーターを購入する必要があります。1つのルーターでは電波をカバーしきれない場合は、先に挙げた中継器やメッシュ子機を増設するのも手です。

なお、劣化したWi-Fiルーターは、保証期間内であればメーカーに修理を依頼する方法もあります。ですが、修理中はWi-Fiを利用できなくなるうえ、たとえ修理をしても新品以上の性能にはなりません。通信速度や安定性などの観点からも、古いWi-Fiルーターは買い替えをおすすめします。

回線そのものが遅い場合は、プロバイダの契約変更をおすすめします。通信回線の速度や安定性は光回線事業者によって異なるので、電波強度の高い光回線に契約変更すれば、より快適にインターネット通信を行いやすくなります。

このほかにも、Wi-Fiが弱い時の対処法にはさまざまなものが存在します。Wi-Fiルーターの位置や電波干渉などに問題がなければ、以下の手段を検討してみてください。

Wi-Fiルーターは、不具合修正やセキュリティ対策などを目的に、ファームウェアの定期的なアップデートを行います。Wi-Fiルーターの動作不良や速度低下が生じた際は、メーカーのオフィシャルサイトを確認して、アップーデートの有無を確認しましょう。

定期的なアップデートが存在するのは、パソコンやテレビに繋ぐ無線LAN子機なども同様です。古いドライバーだと無線通信ができなくなるケースも多いため、こちらもオフィシャルサイトからアップデートを確認するのをおすすめします。

マンション内の同時接続による速度低下の場合、ホームルーター（またはポケットWi-Fi）を導入するのも手です。据え置き型のホームルーターなら、一括管理を担うMDFを経由せずにネット通信ができるので、同時接続が増えても速度に影響を与えません。

コンセントに繋ぐだけでWi-Fiが使えるようになるので、ITに詳しくない方でもすぐにネット環境を整えられます。このホームルーターの基本情報や選び方については、別記事で解説をしているので、導入・比較検討の際は参考にしてください。

スペックが低い、またはアプリを同時に使いすぎているケースにおいては、スマホやパソコンの処理速度も低下します。デバイスの処理が遅いと、Wi-Fiには問題がなくても「通信速度が遅くなった」と勘違いしがちです。

この場合、メモリ開放や再起動などの手段で処理速度を回復させれば、体感的な通信速度も速くなります。一時的な手段で処理速度を上げるのが難しい場合は、ハイスペックのスマホやパソコンに買い替えるのも手です。

最後に、Wi-Fiのよくある質問とその答えを紹介しましょう。このほか、Wi-Fiルーターに関する質問やトラブル対応などの際は、契約しているプロバイダやルーターのメーカーに質問をしてください。

回線事業者によってWi-Fiの対応エリアが異なるため、エリアから外れればWi-Fiも弱くなります。「どのエリアまでWi-Fiを提供しているか」は、事業者のオフィシャルサイトで確認が可能です。新規契約の際は、住んでいる場所がエリア内かどうかをしっかり確認しましょう。

また、原因の項で紹介した通り、Wi-Fiルーターを置いている場所によっては電波が届きにくくなります。とくにルーターの周囲に厚い壁や金属製品などがあると、電波の飛びも悪くなりがちです。

• ハイパワーモデルのWi-Fiルーターに買い替える
• 電波が飛びやすい場所にルーターを置く
• ルーターのバージョンを最新のものに更新する
• ルーターの電波が届く範囲に中継器を置く
• ルーターのチャンネルを変える（周波数を変更する）

上記のように、Wi-Fiの電波強度をアップさせる方法は数多く存在します。中でも効果的なのは、電波強度の強いWi-Fiルーターへ買い替える方法です。とくに、ハイパワーモデルのWi-Fiルーターは、搭載されているアンテナ本数も多く、より広域に電波を発信できます。

また、Wi-Fiルーターを買い替えずとも、設置場所の変更や中継器の導入などの方法でも、電波強度は向上します。昨今は、Wi-Fiの電波強度を測定できるスマホアプリなども多く、ネットやWi-Fi環境を改善に重宝します。

アルミホイルのような金属には、電波を反射する特徴があります。そのため、Wi-Fiルーターの周囲をアルミホイルで覆ってしまえば、電波の飛びも悪くなります。とはいえ、アルミホイルのように薄い金属の場合、電波に与える影響も微々たるものです。

アルミホイルで意図的にルーターを密閉する極端な例を除けば、電波強度の低下を心配する必要もとくにありません。ちなみに、アルミホイルの反射で電波強度を上げるのは、確実性がない方法が多く、あまりおすすめできません。

結論からいえば、Wi-FiルーターとiPhoneのどちらも、Wi-Fiが弱くなる原因に大きな違いはありません。電波干渉やデバイスそのものの劣化、使用する場所などが要因となって、電波が飛びにくくなります。

たとえば、人が密集している場所でiPhoneを使用すると、デバイス同士で電波干渉を発生させがちです。原因と同様、問題の解決方法もほとんど変わりません。新しいiPhoneへの買い替えやOSのアップデート、人混みを避けた使用などによって、Wi-Fiの電波強度も改善されやすくなります。

安定した品質とリーズナブルな価格設定に定評があるバッファローは、数多くのWi-Fiルーターを製造販売しています。製品によってスペック（仕様）が大きく異なるぶん、電波強度の強さを一概に答えるのは困難です。

とはいえ、バッファローの商品ラインナップの幅は広いため、希望に見合う電波強度を備えたルーターを手軽に比較検討できます。もし、バッファローのWi-Fiルーターで電波が弱い場合は、電波干渉やドライバーの問題が考えられるため、オフィシャルサイトを参考に対処するのが賢明です。

今回は、Wi-Fiが弱くなる原因とその具体的な対処法について詳しく解説しました。充実したインターネットライフを実現するには、安定した無線通信が必要不可欠です。原因に合わせた効果的な対処を行い、快適なネット環境の構築を目指してください。