花村萬月のおすすめ小説10選｜有名なロマンス小説からエッセイまで紹介！

花村萬月は、幼少期から問題行動の多い子供で、児童養護施設で生活をしていた経験も持っています。そのためか、花村萬月の小説はアンダーグラウンドの人々の生活を描いたものが多くあります。花村萬月自身が語っている通り、作家になった今でも反社会性は自分の中に残っていると言います。

そんな花村萬月は、さまざまな形の恋愛小説を世に送り出しています。それら作品にも作家になるまでの長期間にわたる放蕩生活がにじみでるリアルな描写が多く、その独特な世界観に惹かれるファンは多いと言われています。

ここでは、花村萬月の人物像・代表作・おすすめ10選・エッセイなどについてご紹介しますので、花村萬月の小説を読んでみたい方は、ぜひ最後までお読みください。

はじめに花村萬月のプロフィールについてご紹介します。

• 本名：吉川一郎
• 出身地：東京都
• 生年月日：1955年2月5日
• 最終学歴：公立高校中退
• 小学6年生のとき児童相談所に送られる
• 17歳で東京から京都へ移住
• 京都では定住せず、京都大学の寮やロック喫茶の2階で寝起きする
• 20歳のときキャバレー回りのミュージシャンになり、東京・京都・福岡で活動
• 金持ちの女性のヒモになり日本中を旅行中、その旅行記がコンテストで佳作受賞
• 1989年：小説すばる新人賞を受賞し作家デビュー
• 1998年：吉川英治文学新人賞・芥川賞受賞
• 2018年：骨髄異形成症候群により骨髄移植を受ける

現在は結婚し、娘が生まれ父親となっています。

花村萬月の作風は、一言で表すなら「アウトロー小説」です。暴力・性・歴史・宗教など、さまざまなテーマで作品を発表しています。ただ小説の根底には「再生の物語」があると言われています。ただ暴力的な表現だけでは、文学として成立しません。

花村萬月が生まれてすぐ父親が蒸発しますが、小学校入学と同時に帰って来てかなり厳しく育てられたと言います。このような家庭で育った花村萬月は問題行動の多い少年になってしまいます。それら少年時代の経験が花村萬月の作風に色濃く出ています。

幼少期、青年時代にかけて波乱万丈な人生を送って来た花村萬月ですが、作家になってからも平穏無事な日々を送っていたわけではありません。血液のがんと言われる白血病（骨髄異形成症候群）に罹ってしまい、骨髄移植を経験しています。

その後も間質性肺炎などの病気になり、ステロイドの副作用で背骨を圧迫骨折しています。こんなひどい目にあったのだからと、その経験を『ハイドロサルファイト・コンク』として小説化しています。現在は結婚し、2人の娘ができ、平穏な日々を送っています。

『ゴッド・ブレイス物語』は、小説すばる新人賞を受賞した花村萬月のデビュー作です。ゴッド・ブレイスとは、本作に出てくるロックバンドの名前です。主人公は19歳の麻倉朝子で、ゴッド・ブレイスのヴォーカリストです。

音楽事務所の社長に騙され、バンドとして出演するはずだったキャバレーのホステスとして働かされます。そんな苦境の中、ゴッド・ブレイスはバンドとして一皮むけ成長していく物語です。

『皆月』は、吉川英治文学新人賞を受賞した作品です。主人公の諏訪徳雄はオタクの40男です。コツコツと貯めた1,000万円とともに妻が蒸発してしまいます。そんな徳雄を救うのは、ヤクザの義理の弟とソープ嬢でした。胸に迫る心震えるオタク40男の再生の物語です。

窮地に立たされた人間が周囲のアウトローな人間たちに助けられ再生していく、花村萬月の真骨頂ともいえる作品です。

『ゲルマニウムの夜』は、芥川賞を受賞した作品です。2005年には映画化され公開された作品でもあります。主人公は教会の教護院に舞い戻って来た青年・朧（ろう）です。朧はゲルマニウムラジオから流れてくる神の言葉を聞きながら、宗教を冒涜する行為を繰り返します。

修道女をレイプし、欲望のままに行動する朧は、宗教を試し神の存在を確かめているかのようでした。神は本当に存在するのか？を知りたい方はぜひ本書を手に取ってみてください。

『日蝕えつきる』は、柴田錬三郎賞を受賞した作品です。本作は、どこにも救いのない物語です。日蝕の日に死んでいく5人の主人公たちを描いています。それぞれが暗い事情を抱えたまま死んでいきます。描写が残酷でグロテスクで、賛否別れる小説です。

エログロが好きな方にはおすすめの小説なので、心惹かれる方はぜひ手に取ってみてください。

花村萬月は、衝撃的な小説を多く書いている作家ですが、エッセイもおもしろいと評判です。人気のエッセイは『萬月夜話』シリーズです。花村萬月の心や頭の中を垣間見えるエッセイ集です。好きな小説家のエッセイは、その小説と共にとても興味深いものです。

花村萬月ファンにぜひおすすめのエッセイなので、ぜひ手に取ってみてください。

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花村萬月の小説は、人間の本質をえぐるような作品が多いので、好みがわかれる作家です。しかしハマった方にはすべての小説を読破したくなる魅力のある作家でもあります。まだ花村萬月の小説を読んでいない方は、このハードな小説の世界観に一度触れてみませんか？

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