和包丁のおすすめ20選｜高級ブランド一覧やプロ御用達の和包丁も

ある程度調理が上達してくると、もっと切れ味にこだわった2本目の包丁が欲しくなるのは当然です。しかも切れ味は料理の美味しさを左右します。切れ味の悪い包丁は旨味を逃し、苦みや雑味が増すなどの研究結果もあります。

そして、切れ味のいい和包丁を使えば切り口が美しく整った日本料理が作れます。しかし、今まで三徳包丁を使っていた方が、プロの料理人も使う和包丁には抵抗がありますよね。まずは、和包丁を知るところから始めましょう。

そこで本記事では和包丁の特徴と高級ブランド一覧・ランキング上位のおすすめ商品を紹介します。何も三徳包丁をやめる必要はありません。食材に合わせてたまに和包丁を使うだけで調理が変わります。特に日本料理を美味しく美しくするなら和包丁がおすすめです。

和包丁は文字通り古くから日本で使われてきた包丁です。和包丁の多くは片面だけを大きく研いだ片刃（かたは）で食材の断面が美しく、切ったものが包丁に付きにくいなどの特徴を持っています。日本料理の美しさは和包丁だからこそできる技です。

一方洋包丁は、明治以降西洋料理とともに伝わった包丁です。刃は両面を同じように研いだ両刃（もろは）で、肉を切るのに適しています。また、三徳包丁は和包丁と洋包丁のいい所を合わせた日本で考案された包丁です。その他、骨切り包丁・中華包丁など、特定の用途を持つ特殊包丁もあります。

三徳包丁は肉・魚・野菜何でも切れるオールマイティな包丁です。刃元は野菜に適した直線、刃先は肉に適したカーブ状、切先は魚や肉をさばくのに適した尖った形をしています。

刃渡りは165～180mm程度です。どのメーカーもラインナップが豊富で、握り手や刃の材質もいろいろ選べます。お気に入りの1本を見つけましょう。

出刃包丁は先が尖っていて魚をさばくのに便利な片刃の包丁です。また、重さがあるので魚の頭や硬い骨も比較的楽に切れます。サイズはアジなどの小型には刃渡り100mm程度、大きめの魚なら刃渡り150～160mm程度がおすすめです。魚を3枚に下ろすには最適な包丁です。肉を切る際にも使えます。

柳刃包丁は、刺身を切り分ける際に使う細長い刃の片刃包丁です。刃渡りは180cm以上で、一気に引き切り、美しい切り口で見栄え・舌触り・味もいい新鮮でおいしい刺身が味わえます。プロは長めのものを使いますが、一般家庭ではキッチンの広さに合わせた短めのものがおすすめです。

また、ローストビーフを切るのにもおすすめです。

薄刃包丁は野菜の繊維を壊すことなく切れる刃の薄い包丁です。軽い包丁で、そぎ切りや千切り・桂剥きなどに適しています。もちろんキャベツや白菜などを切るのにも最適な包丁です。野菜を切る包丁では菜切り包丁もありますが、薄刃包丁は片刃で菜切り包丁は両刃となっています。

鋼とは鉄に炭素などを混ぜた金属です。昔から和包丁に使われている素材で、焼入れによってより硬くなります。中でも高級な鋼は日本刀の素材として使われます。鋼製の包丁の魅力は何と言っても鋭い切れ味です。

しかし錆びやすいので、切れ味を保つには使用後のケアと、定期的な研ぎが必要なのがデメリット。ただし、上手に使えば一生使える包丁でもあります。

家庭用で使われている包丁のほとんどはステンレス製。鉄に錆に強いクロムを混ぜて作った金属です。切れ味は鋼製に比べると劣りますが、最近では鋼に負けない切れ味を持った高級ステンレス包丁もあります。

錆びない・刃こぼれしにくい・切れ味が長持ちするなどが主な特徴です。しかし、研きにくいといったデメリットもあります。

セラミックとは金属を除いた無機物質全般の名称です。混ぜる物質の違いでいろいろな性質のセラミックが作れ、包丁では義歯にも使われる耐食性・耐熱性・強度に優れたセラミックが使われています。

軽い・切れ味が鋭い・錆びないなどの長所がありますが、割れたり欠けたりしやすいといった短所もあります。硬い食材を切る場合は気を付けましょう。

チタンは剛性が高く軽い素材ですが、高価で加工しにくい金属です。チタン包丁は軽い・錆びない・刃こぼれしにくい・光触媒効果で衛生的・切れ味が長持ちなどが長所です。また、チタンは空気に触れると表面に皮膜ができるので、金属アレルギーの方も安心して使えます。

一方、切れ味に劣る・軽すぎて扱いにくいなどの短所もあります。

本焼き包丁は包丁全体が単一の鋼で製造された包丁です。日本刀の製造に近い焼入れが行われ、非常に硬度が高く、優れた切れ味と刃の持続性を持っています。包丁として大変優れていますが、高価で研ぎ直しが難しいのがデメリットです。

料理人の中でも技術と経験を積んだ方が使う包丁のため、初心者の方には扱いにくい難しい包丁です。

一般の方が鋼製の包丁を選ぶなら霞包丁を選びましょう。プロの方でも多くは霞包丁です。霞は刃になる部分に鋼、それ以外の部分に軟鉄が使われています。研ぎ直しが本焼きに比べ圧倒的に簡単で、切れ味もよく扱いやすい包丁です。

以前は、鋼と軟鉄の膨張率の違いで歪みや反りが出やすかったですが、最近のものは改善されています。

切る食材のサイズと、キッチンでの扱いや収納のしやすさで自分に合った刃渡りサイズを選びましょう。柳刃包丁では一度で引き切りができる270～300mmがいいのですが、キッチンの広さによっては240mmの選択もあります。出刃包丁の場合、魚のサイズに合わせて2種類のサイズのものを使い分けている方もいます。

和包丁を買うときにはその包丁が片刃なのか両刃なのかを必ず確認しましょう。片刃の場合は、自分の利き腕用のものでないと、いくらいい包丁を使っても上手に切れません。

一般的な包丁は右利き用ですので、左利きの方は特に確認が必要です。オーダーメイドでなくても左利き用の包丁を用意しているブランドがあります。

包丁選びに以外に重要なのは柄の部分です。中には柄をカスタマイズできる包丁もあります。まずは、握りやすいもの・摩擦感のあるもの・耐久性のあるものがおすすめです。

木製の場合は水に強い朴の木（ほおのき）が広く使われています。モダンなオールステンレスのものや安価なプラスチック製のものもあります。

複数の種類の包丁が欲しい場合はセット販売されているものがお得です。中には和包丁にペティナイフを組み合わせたものや、包丁研ぎ器をセットにしたものもあります。一種類ずつ購入するよりも格安で購入でき、初めて和包丁に挑戦する方におすすめです。また、料理好きな方へのプレゼント用としても喜ばれます。

實光（じっこう）伊太郎が大阪堺で明治33年に創業した堺刃物のメーカーです。家庭向けからプロ向けで幅広くラインナップしています。優れたデザイン性と切れ味が持ち味で、価格は高めのものが多いです。工房からの直販が中心で實光のオンラインショップをはじめ各種ECサイトでも購入できます。

室町時代後期に岐阜県の関で活躍した刀匠の孫六兼元の作る刀の切れ味が全国に広まり、その刀を関孫六（せきのまごろく）と呼んだのが始まりです。現在は貝印がその伝統を引き継ぎ包丁作りをしています。初心者から使える安い価格帯のものから高級なものまで種類が豊富で、家庭用として人気の高い包丁です。

藤次郎は1953年創業の藤寅工業が1955年に立ち上げた包丁ブランドです。切れ味の鋭さと機能性・耐久性を兼ね備えた包丁として、プロから高い信頼を得ています。

割り込みと言われるあわせ技法を応用した包丁で、いろいろな素材を使った多層鋼包丁が有名です。一般家庭用もありますが関孫六より価格が若干高めです。

イギリスのシェフィールド・ドイツのゾーリンゲンと並び世界三代刃物産地として知られる岐阜県関市です。800年以上の刀作りの歴史を持つ関市では、現代でも高い技術が継承され刃物製造が盛んに行われています。

四方詰めと呼ばれる関鍛冶独特の鍛刀法で、折れず曲がらずでよく切れる包丁が有名で、関孫六が代表的なブランドです。

大阪府堺市の刃物は、15世紀に鍛冶集団が加賀から堺へ移住したのが始まりです。堺の鍛冶の名が高まったのは戦国時代で、優れた鉄砲作りが行われ全国の武将が、上質な鉄砲を求めて堺にやってきでからです。

その技術が現代にも生かされ刃物作りが盛んに行われています。職人の手仕事でつくられる「打刃物」が有名で、プロの使う包丁のシェアでは日本一です。

燕三条は新潟県の三条市と燕市を合わせた地域で、世界有数の金属加工の街です。江戸時代の和釘作りが始まりといわれています。時代とともに燕は洋食器、三条は三条鍛冶の伝統を受け継いだ製品作りと違う道のりをたどりました。

金属板を金型で打ち抜く抜き刃物製法が得意で、品質のばらつきの少ない包丁づくりが行われています。

福井県越前市の刃物づくりは南北朝時代の越前打刃物の祖といわれる刀匠千代鶴国安（ちよづるくにやす）が始まりだといわれています。越前刃物独特の二枚広げや廻し鋼着けの技法を使って切れ味に優れた包丁や刈込はさみ・鎌などが作られています。

中には名ばかりのものも多いですので、工房情報や、伝統工芸士などをチェックしましょう。

森林の多い高知県では昔から林業用の刃物作りが盛んでした。土佐打刃物と呼ばれ、地域や目的に合ったものを作る自由鍛造が有名です。また、山林や農業で使う実用性の高いものを作るため、切れ味ばかりでなく耐久性や手入れのしやすさも重視されており、それが包丁にも生かされています。

現在売られている包丁は、本刃付けがしてあり研がなくても使えるのがほとんどです。しかし、新しい鋼の包丁には、錆びないように表面にニスや防錆油が塗ってあります。そのため、使用前に軽く研いだり中性洗剤で洗ったり、またはクレンザーでも落とせます。

なお、店舗で購入する場合はそれらの処理を店でやってくれるところもあるので、確認しておきましょう。

包丁を使った後は、中性洗剤で汚れを洗い流しましょう。そのとき、柄も忘れずに洗います。洗い終えたら包丁に少量の湯を掛けて、吸水性のいい乾いた布巾などで、水気をしっかり拭き取りましょう。特に刃と柄の境目は水分が残りがちです。表面についた錆ならクレンザーで落とせます。

鋼製の包丁は、しばらく使う予定がないなら刃物油で油拭きして保管しましょう。特に和包丁は鋼の包丁が多く錆びやすいです。毎日使う包丁なら必要ありませんが、出刃包丁や柳刃包丁など一般家庭ではそれほど使いませんので、鋼製なら塗っておくのがおすすめです。

料理で包丁を日々使っていると刃先が丸くなり、切れ味も悪くなります。切れ味が悪くなったら研ぐ必要がありますが、そのタイミングが分かない方も多いはずです。研ぐタイミングとしては、トマトを切ってみて確認するのがおすすめです。

トマトを切った際に潰れてしまったら包丁を研ぎましょう。また、包丁の持ち手側を鼻先辺りに持っていき、片目で刃先を見るのもおすすめです。片目で見て刃先が丸くなっていたら研ぐタイミングになります。目で確かめるのは少々難しいので、初心者の方はトマトを切って研ぐタイミングを把握しましょう。

包丁の研ぎ方を下に示しておきます。力を入れすぎないのがコツです。

1. 砥石をしっかり水に浸す。（泡が出なくなる程度）
2. 平らな台の上に砥石を置く（下に濡れタオルなどを敷と砥石が安定する）
3. 片刃の場合は表側の切刃全体が砥石に当たるようにして磨く（裏側に刃返りができるまで）
4. 両刃の場合は刃を砥石に対して15度程度で保ち両面を磨く
5. 磨き終わったら新聞の上で軽く擦りバリを取る

下におすすめの砥石を紹介しておきます。

美味しい料理を作るなら切れ味のいい包丁を使いましょう。切れ味のいい包丁は食材の旨味が引き立ち、切り口がとても綺麗です。切れ味のいい一生ものの和包丁でワンランクアップした料理で大切な方をもてなしましょう。こちらもあわせてご覧ください。