【口コミあり】木内昇の小説おすすめ8選｜直木賞作家のデビュー作から新刊まで紹介

繊細な言葉選びと丁寧な表現で登場人物の心の中を美しく表現する小説家・木内昇。フリーランスの編集者・ライターとしても活躍した過去を持ち、現在も小説家として作品を発表しています。

木内昇の代表作には、『漂砂のうたう』『櫛挽道守』などの作品があります。直木賞・柴田錬三郎賞・親鸞賞などの有名な文学賞も受賞している木内昇ですが、発表している作品に名作が多いからこそどれを読めばいいのか迷ってしまう方も多いです。

そこで、こちらの記事では木内昇の小説の選び方について解説します。木内昇の小説おすすめ8選もご紹介しますので、ぜひ小説選びの参考にしてください。

木内昇は、東京都出身の作家・編集者です。中央大学文学部哲学科を卒業した後に出版社に勤務し、独立してフリーランスの編集者・ライターとして活躍します。

2004年に『新選組幕末の青嵐』で小説家デビューを果たし、2011年に『漂砂のうたう』で第144回直木賞を受賞。2014年には『櫛挽道守』で第9回中央公論文芸賞・第27回柴田錬三郎賞・第8回親鸞賞を受賞しました。現在は朝刊で小説『かたばみ』を連載中です。

直木賞(直木三十五賞)は、大衆性を押さえた長編小説作品・短編集に与えられる文学賞です。木内昇は、2011年に『漂砂のうたう』で第144回直木賞を受賞しました。

江戸から明治へと移り変わったばかりの時代。根津遊廓の美仙楼に流れ着いた御家人の次男坊・定九郎は、根無し草でふらふらとした生活を続けています。時代に翻弄されて生きていた定九郎が、あるきっかけで変化していく様子を木内昇ならではの丁寧な心情描写を用いて描いた作品です。

『櫛挽道守』は、複数の文学賞を受賞した木内昇の代表作品の1つです。2014年に第9回中央公論文芸賞・第27回柴田錬三郎賞・第8回親鸞賞を受賞しています。

主人公は、櫛職人・吾助の長女である登瀬。父のようになりたいと憧れながら育った登瀬ですが、女は家事・子育てをするのが当たり前の時代の中では非難を浴びてしまいます。家族のすれ違い・幸せの定義・性別の壁など、生きる上で向き合うべき命題について考えさせられる1冊です。

『新選組 幕末の青嵐』は、木内昇の小説家デビュー作となった作品です。近藤勇・土方歳三・沖田総司など、新選組の名だたる隊士たちの一生を描いています。

小説内では視点が次々に切り替わり、複数の隊士の胸中や覚悟を臨場感たっぷりに感じられます。1人1人の視点に立つことで登場人物に入り込みやすく、没入感がある読書体験が可能です。隊士たちを1人の人間として描いており、普段歴史小説は読まない方でも楽しみやすいです。

木内昇の真骨頂ともいえるのが、繊細な心情描写と丁寧な人間関係の描写です。人々の出会いと心の触れ合いを描いた『よこまち余話』では、切ない人間模様が巧みな描写で美しく描かれています。

舞台は、お針子の齣江・皮肉屋の老婆トメ・魚屋の少年浩三たちが肩を寄せ合って暮らす長屋。正体不明の男『雨降らし』・押し入れの奥に現れる遊女など、当然のように起こる小さな不思議と秘密が混ざり合う場所での切なくも愛しい日々を描いた物語です。

『剛心』は、2021年11月に発売された木内昇の新作小説です。刊行記念インタビューで元から建築に興味があったと述べた木内昇は、実在した明治時代の建築家・妻木頼黄をモデルに『剛心』を書き上げました。

維新後に天涯孤独の身となり単身でアメリカに渡った妻木頼黄。帰国後に自らの才能と情熱で活動を続ける妻木の胸には、幼い日に見た江戸の美しい町並みへの思いがありました。物作りを通して、妻木頼黄の人間・職人としての信念が描かれます。

木内昇の小説が気になった方には、アンソロジー小説もおすすめです。木内昇は、『わかれ』 『名探偵登場!』『アンソロジー お弁当。』など、さまざまなアンソロジー小説に参加しています。

複数の作家の作品が収録されたアンソロジー小説は、普段読まない作家の作品も読むきっかけにもなります。木内昇の小説が好きな方だけではなく、新しくお気に入りの小説家を見つけたい方も、ぜひアンソロジー小説をチェックしてください。

木内昇の小説おすすめ8選をご紹介しました。木内昇は、丁寧な言葉選びと巧みな表現で人間が持つ魅力や心の中を美しく表現します。ぜひこちらの記事を参考にして、お気に入りの小説を見つけてください。こちらもあわせてご覧ください。