清水義範の小説おすすめ7選｜パスティーシュ作家の代表作や口コミを紹介

清水義範は、パスティーシュ作家（作風を模倣する作家）として知られており、模倣された作家からも絶賛されるほど面白い文章を書ける小説家です。パスティーシュの手法を使った短編は数百編にのぼります。どの作家の作風を模倣しているのかを考えるのも楽しそうです。

清水義範は、中学時代からSFファンで同人誌を発行しているほどです。そして生まれ育った名古屋をこよなく愛しており、名古屋弁を使ったSF小説も執筆しています。日本の首都が名古屋で、名古屋弁が日本の標準語になっているSF『金鯱の夢』です。

ここでは、清水義範の小説の選び方・代表作・おすすめ7選などをご紹介しますので、ぜひ清水義範の小説選びの参考にしてください。

清水義則の経歴や略歴・受賞歴などについて詳しくご紹介します。

【学歴】

• 1947年10月28日愛知郡天白村（現：名古屋市天白区）で生まれる
• 名古屋市立西高等学校卒業
• 愛知教育大学教育学部国語学科卒業

【略歴】

• 大学卒業後、半村良のすすめで上京し半村良に師事する
• 1977年ソノラマ文庫から『宇宙史シリーズ』でSF少年小説を発表
• 1981年一般小説でデビュー
• 1988年 『国語入試問題必勝法』で吉川英治文学新人賞受賞
• 『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『柏木誠治の生活』が直木賞候補
• 2009年 中日文化賞受賞

清水義範の受賞作の1作目は、吉川英治文学新人賞を受賞した『国語入試問題必勝法』です。本作は国語が苦手な受験生に、家庭教師が必勝法を伝授するストーリーです。間違える方が多いようですが、本作は国語の参考書ではありません。短編小説集です。

現代の日本の国語教育と受験技術に対する鋭い風刺を優しく指摘する本書は、ある意味、受験参考書といえます。読者のほとんどはお腹を抱えて大笑いする面白い短編集です。本書は清水義範の代表作と言われていますので、ぜひ読んでみてください。

清水義範の受賞候補作の2作目は、『金鯱の夢』です。本作は直木賞候補になりました。もし、豊臣軍が名古屋に幕府を開き「江戸時代」ではなく「名古屋時代」になっていたらどんな世の中だったかを描いた長編小説です。

標準語が「名古屋弁」で、平和な260年間はどんなものになっていかたのか？と思うと、ぜひ読んでみたくなります。映像化してもおもしろそうです。清水義範の名古屋愛があふれた『金鯱の夢』をぜひ読んでみてください。

清水義範のその他の小説1作目は、『永遠のジャック＆ベティ』です。英語の教科書でおなじみのジャックとベティが50歳になって再会したらどんな会話を交わすのか?との発想がすごく面白いです。日本は、国語教育だけでなく英語教育も問題が多いと言われています。

それを清水義範が、どのように風刺の効いた短編に書き上げるのかはとても興味深いです。本書の表題作以外にも、TVCMや時代劇や洋画を題材にした思わず吹き出してしまいそうな8つの物語の短編集です。

清水義範のその他の小説2作目は、『蕎麦ときしめん』です。蕎麦は東京、きしめんは名古屋を表しています。この本も短編集です。東京と名古屋を比較しているだけでなく、清水義範の独特な世界観で物語のラストが訪れます。

各都道府県にはそれぞれの文化がありますが、名古屋は全国的に見ても独特です。愛知県民の間では、現代でも織田信長の出身地・尾張と徳川家康の出身地・三河が「敵対関係」にあります。他の都道府県の人間にはこのあたりもユニークだと感じます。

本作には他にも面白い短編がいくつも収められていますので、ぜひ読んでみてください。

清水義範のその他の小説3作目は、『スシとニンジャ』です。本作は時代劇を観て日本を知った純朴なアメリカ人青年が日本に憧れて来日し、時代劇と現実の日本のあまりの違いに衝撃を受ける物語です。本作は、ルース・ベネディクトの『菊と刀』のパロディのようです。

とてもほのぼのとした笑いに包まれた物語で、私たち日本人がもう一度日本について考えるきっかけになる作品です。アメリカ人青年と日本で出会って仲良くなった日本女性とのかかわりも描かれ、笑いの中に温かい気持ちになれる小説です。

清水義範のその他の小説4作目は、『バールのようなもの』です。この本も短編集です。ニュースなどでよく聞く言葉「バールのようなもの」とは何を表すのか気になります。「バール」ではなく、「バールのようなもの」と表現する理由が知りたいです。

新聞や報道用語は、あまり生々しくなくわかりやすい表現を使うようです。この表現にも疑問を持つ清水義範の鋭い観察眼が面白いです。その他、『みどりの窓口』では、みどりの窓口の駅員がとても冷たいのは何故なのかが語られています。気になった方はぜひ本書を手に取ってみてください。

清水義範の作品は、小説もおもしろいですがエッセイもおもしろいです。エッセイも、妻と旅行したときのもの・日本語、名古屋についてのものなど、どれも笑えるエッセイです。軽やかに読めて笑いながら知識も身に着けられるのは嬉しいものです。おすすめのエッセイの代表的なものを以下にご紹介します。

• 『夫婦で行くイタリア歴史の街々』
• 『夫婦で行くバルカンの国々』
• 『日本語必笑講座』
• 『清水義範ができるまで』
• 『ナウの水びたし』

また挿絵が西原恵理子のエッセイも多数ありますので、チェックしてみてください。

清水義範の小説やエッセイは、とにかくおもしろくて声を出して笑ってしまう作品が多いです。清水義範の鋭い観察眼で、今まで気にせず使っていたヘンな日本語もズバリと指摘されてしまいます。あなたも清水義範の小説で笑いと元気を貰いましょう！

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