【口コミあり】葉真中顕の小説おすすめ8選｜新刊『ロング・アフタヌーン』も紹介

「話題性が高い小説が好き」「社会問題に切り込んだミステリーが読みたい」と思っている方におすすめしたいのが、『葉真中顕』の小説です。葉真中顕の小説は、しっかりとした取材によって執筆されているので、リアリティのある物語が楽しめます。

葉真中顕の小説は、老人介護で起きる殺人の『ロスト・ケア』が大ヒットしました。実際のテロ事件をモチーフにした『コクーン』、昭和の特高警察を題材にした『凍てつく太陽』など、数々の話題作を手掛けています。

この記事では、葉真中顕のおすすめ小説を口コミとあわせてご紹介します。はまなかあき名義の児童文学書も発刊されているので、チェックしてみましょう。

『葉真中顕』は、1976年生まれで東京都出身の小説家です。性別は男性で、名義を変えてマルチに活動しています。『葉真中顕』としては推理・ミステリー作家、『はまなかあき』名義で児童文学作家、過去には『罪山罰太郎』名義でライター活動もしています。

2013年に出版された『ロスト・ケア』で日本ミステリー文学新人賞をはじめ、数々の賞を受賞し多くの著名人から絶賛されています。各作品ごとに、強い興味を持って取材し調べたものを題材にしています。

『ロスト・ケア』は日本ミステリー文学大賞で、審査員から満場一致で新人賞を受賞した、話題のサスペンス小説です。斯波宗典は、介護付き有料老人ホームに努める青年です。介護家族から慕われる心やさしい彼が、同僚の介護士と老人を殺害した理由を調べるため、男性検事が対峙します。

社会問題にもなっている老人介護について、葉真中顕自身の介護経験を生かして執筆されています。高齢化社会でのさまざまな問題が描かれる、考えさせられる名作です。

『コクーン』は吉川英治文学新人賞候補となった、サスペンス小説です。カルト教団・シンラ智慧の会が、東京の丸の内で無差別銃乱射事件を起こします。

金色の蝶に導かれ、そのテロ事件によって大きく人生が変わってしまった人や、教団内部の人などさまざまな人の視点で物語が描かれます。実際に起きた事件をモチーフに作られた作品で、エピローグまで目が離せず、最後には独特の読後感が味わえます。

『凍てつく太陽』は、大藪春彦賞受賞や日本推理作家協会賞を受賞した話題作です。昭和20年の終戦間際の北海道を舞台に、特別高等警察を題材にした物語です。陸軍が開発する新兵器をめぐり、陸軍関係者の中で連続殺人事件が起こり、アイヌ出身の特高刑事・日崎が捜査をはじめます。

日本人だけでなく朝鮮人やアイヌ民族の思惑が交わり、国家や民族とは何なのか問いかけてくる、ヒューマンドラマ要素があるミステリー作品です。

『Blue』は2019年に発刊された、社会派ミステリー作品です。平成15年に一家殺人事件が起き、有力容疑者の次女は浴室で死亡していたため、事件は未解決のままになっていました。しかし16年後に起きた新たな殺人が、以前の事件と繋がりがあるのでは、と警察の捜査で浮上します。

捜査線上に挙がるブルーと呼ばれる人物の正体は？平成の時代を舞台に社会問題にも切り込む、読み応えのある作品です。

『ロング・アヌタヌーン』は2022年3月発刊で、葉真中顕の最新作となる小説です。出版社の編集者である葛城に、以前新人賞で落選した志村から原稿が届きます。その原稿の小説は、学生時代の友人が再会するも、会話のすれ違いが募り徐々に殺意が沸いてくる物語でした。

原稿を読むうちに、葛城は自分の過去の出来事と重ね合わせていきます。作中作と物語が繋がっていく演出が面白く、スリルがあるミステリーサスペンスが楽しめます。

葉真中顕の代表作となる『ロスト・ケア』は、2023年に映画化が発表されています。主人公の斯波役に松山ケンイチ、ヒロインの秀美に長澤まさみといった豪華キャストで、監督は前田哲が担当します。

映画だからこそ表現できる、介護現場の実情が期待できるので、小説とあわせてチェックしてみましょう。

葉真中顕は、『はまなかあき』名義で児童文学作家としても活動しています。将棋を打ち込む小学生の成長ストーリー『ライバル』で角川学芸児童文学賞で優秀賞を受賞しデビューしました。他にも、少年週刊サンデーで連載された『犬部！ ボクらのしっぽ戦記』のシナリオ協力もしています。

葉真中顕の小説は、各賞の受賞作やノミネート作が多く、さまざまな話題作品を手掛けています。夢中になって読める名作が揃っているので、気になる作品から読んでみましょう。こちらもあわせてご覧ください。