佐藤多佳子の小説おすすめ10選｜口コミあり！本屋大賞受賞の一瞬の風になれも紹介

児童書や童話から一般小説までさまざまなジャンルの作品を手掛け、幅広い世代に愛されている佐藤多佳子。リズム感の良い文章と丁寧な心理描写で読者を物語の世界に引き込みます。

本屋大賞受賞作でドラマ化・漫画化もされた『一瞬の風になれ』をはじめ、子供が読むと共感し、大人が読むと青春時代が懐かしくなる作品が多いです。学校生活がテーマのものが多いのかな？と思われるかもしれませんが、なかには落語や野球がテーマの作品も。

ここではジャンルもテーマも幅広い佐藤多佳子のおすすめ作品をご紹介します。代表作のあらすじや新刊情報なども参考に、読みたい小説をみつけてください。

佐藤多佳子は東京出身で中学から大学まで青山学院に通っています。大学時代は文学部で、児童文学サークルにも所属。小説家デビューのきっかけは『サマータイム』という作品で、1989年に同作が月刊MOE童話大賞を受賞しています。

1998年以降も山本周五郎賞をはじめ数々の賞を受賞。なかでも本屋大賞受賞の『一瞬の風になれ』は有名です。佐藤多佳子は長年プロ野球横浜DeNAベイスターズのファンで、ベイスターズを題材にした小説もあります。

佐藤多佳子の作品は一般小説でも子供が読んでも楽しいものがあります。学生生活をリアルに描いた小説は臨場感が味わえ、一緒に青春しているような気分に。応援もしたくなります。

『シロガラス』のようにSFファンタジー的な小説もあり、ワクワクして読み始めたらとまらなくなるストーリーも佐藤多佳子作品の魅力です。

佐藤多佳子の小説に登場するキャラクターたちは個性豊かで、主人公以外のセリフや行動にも目が離せません。例えば『しゃべれどもしゃべれども』では、それぞれの悩みを持つテニスコーチ・野球解説者・小学生など、『シロガラス』では6人の子供たちなどが登場します。

たくさんの登場人物のなかに自分に似た人物や気持ちに共感できる人物がいるとよりストーリーに入り込みやすいです。

佐藤多佳子の小説は淡々とストーリーが進んでいるようでも、さりげなく結末へのヒントが散りばめられていたり、程よく逆戻りしたりして読者を引き込みます。

続きが気になるため、読み始めるととまらなくなることも。結末を想像しながら読んでいても、意外な展開になることもあり、それがまたクセになります。

2007年に第4回本屋大賞を受賞した佐藤多佳子の人気作。主人公とその友人たちの高校3年間の部活動生活を追った物語で、ドラマや漫画化もされています。

主人公の神谷新二は中学までサッカーをしていましたが、高校では陸上部に入部。仲間とともに必死に練習に取り組む姿に励まされたり、応援したくなったりします。思春期特有の心の迷いの描写もリアルです。

1998年に山本周五郎賞の候補作に選ばれ、2007年には映画化されて再度話題になった小説です。噺家である今昔亭三つ葉のもとに、落語を学びに4人の人物が集まります。

そのメンバーは対人恐怖症のテニスコーチ、生意気でクラスでいじめられている小学生、極度のあがり症の野球解説者、口下手で自分をうまく表現できない美女。悩める4人が落語を通じて少しずつ変化していく姿に注目です。

2005年に発表された佐藤多佳子の青春小説の傑作です。海辺の高校に通う村田みのりはあまり周囲と関わろうとしませんが、イラストレーターの叔父にだけは心を許している、絵が大好きな少女。

美術の時間に似顔絵デッサンでペアになったことをきっかけにクラスメイトの木島悟と急接近します。絵が好きという共通点を持つ2人の間に生まれる友情とも恋愛とも言えない不思議な想いが感じられるお話です。

刑務所から出たばかりのプロのスリ・辻がギャンブル狂いの占い師・昼間に出会い、奇妙な共同生活を送りながら少年少女のスリ集団を探す物語です。

男性同士である辻と昼間のお互いに対する想いやスリ集団の正体など、先を読むのが難しい展開を楽しみに読み進めてみてください。

神社に住む小学5年生の藤堂千里を含む6人の子供たちが繰り広げるエンターテイメント。佐藤多佳子はこの作品をファンタジー的でSF的と表現しています。

パワースポットとして知られる白烏神社を舞台に子供たちの周りで不思議な出来事が次々と起こります。白烏神社に隠された大きな謎とは？少しずつ明かされていく事実に続きが気になるという口コミが多いです。

佐藤多佳子の小説家デビュー作で月刊MOE童話大賞を受賞した作品です。12歳の姉・佳奈と11歳の弟「ぼく」はある夏の日に片腕の少年・広一くんに偶然出会い友だちに。3人の友情や恋愛、別れを丁寧に描いたストーリーに引き込まれます。

童話大賞を受賞しており、子供向け？と思われるかもしれませんが大人にもおすすめです。熱く切ない夏の思い出を思い出してはいかがでしょうか。

産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞した佐藤多佳子の傑作。樹里は誕生日プレゼントに"生きている恐竜"イグアナをもらいます。

イグアナはおとなしく、鳴いたり攻撃したりもしないためペットとして人気だそう。しかし、お世話は大変で想像以上に大きくなることも。イグアナに嫌気がさした樹里ですが、少しずつ心情に変化が...。クスッと笑えるシーンもあり、楽しく読めます。

佐藤多佳子が近年発表した文庫本で最新のものは2020年10月27日に販売された『いつの空にも星が出ていた』です。新刊情報は佐藤多佳子のTwitterで案内されています。

2022年5月20日には松本修と桃原千英子との共著『中学国語科 続・その問いは、文学の授業をデザインする』と『高等学校国語科 続・その問いは、文学の授業をデザインする』も発売。

落語家・今昔亭三つ葉と彼が開く話し方教室に集まった悩める男女の物語が映画化され、2007年に公開されました。現在はDVDで観ることができます。

監督は『愛を乞うひと』の平山秀幸、主演は映画単独初主演のTOKIOの国分太一。この作品で国分太一は主演男優賞、松重豊と伊東四朗は助演男優賞を受賞しています。

高校の陸上部の物語を描いた『一瞬の風になれ』は2008年2月にフジテレビ系列でドラマ化。春の4夜連続ドラマスペシャルとして4日間で一気に放送されました。

『DAYS』の安田剛士によって漫画化もされ、『マガジンSPECIAL』の2007年7月号から2010年4月号まで連載。単行本は全6巻刊行されました。

一般小説も児童文学も手掛ける佐藤多佳子の作品は、ストーリーが面白いだけでなく、リズム感が良くて読みやすいものが多いです。思春期特有の心の揺れ動きを懐かしんだり、登場人物が成長していく姿に励まされたりしながら物語を楽しみましょう。

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