大佛次郎の小説おすすめ13選｜『鞍馬天狗』『赤穂浪士』など名作を紹介

大佛次郎は、大衆時代小説・現代小説・ノンフィクション小説などの名作をたくさん残した昭和を代表する名作家のひとりです。作品の中で最も知られているのは幕末を舞台に書かれた『鞍馬天狗』です。

大佛次郎の小説はいくつもの映画の原作となっているため映像でも楽しめますが、今回は、大佛次郎の作品を文字で堪能するためのさまざまな情報をお伝えしていきます。大佛次郎を知らなかった人にもわかりやすく丁寧にご紹介します。

この記事では、大佛次郎の小説の上手な選び方やおすすめ作品などを詳しくご紹介するとともに、大佛次郎に興味を持ちやすいような情報もお伝えします。ぜひ記事を参考に、昭和の文豪の作品を読んでみてください！

大佛次郎の読み方は「おさらぎじろう」です。大佛次郎は1897年に横浜で生まれ、学生時代は東京で過ごしました。高校生のときに雑誌掲載された『一高ロマンス』で執筆家デビューを果たし、大学卒業後には鎌倉女学校の教師になりました。

同時に翻訳の仕事もこなしていましたが、最終的に関東大震災後に専業作家となり、それから数々の名作を書き上げます。名誉ある文学賞をいくつも受賞し、没後には大佛次郎賞や記念館が創設されるほどの作家となりました。

大佛次郎は多くの小説を残しているので、大佛次郎の小説を選ぶにはヒントが必要です。キーポイントには「代表作」「ジャンル」「映画化」の3つがあります。順番に詳しくご説明していきます。

大佛次郎の作品といえば、なんといっても有名なのは『鞍馬天狗』シリーズ・『赤穂浪士』・『パリ燃ゆ』の3つです。これらの代表作の人気は現在でも非常に高いです。

『鞍馬天狗』シリーズは、大佛次郎の小説の中で最も知名度のあった名作で、1924年から1965年まで、実に40年にも渡って続いたシリーズ小説です。幕末の関西で、「鞍馬天狗」という通り名の人物が新選組と対立し活躍を見せる小説です。

非情に爽快でキレのいいストーリーで、映画化・テレビドラマ化もされました。

『赤穂浪士』は、新聞掲載された長編時代小説です。江戸時代に起こった赤穂事件の47人の義士を、逆に仇討ちに疑問を抱く側の浪士として描く小説で、当時はその見方が斬新だと話題になり人気が高まりました。

『赤穂浪士』は時代小説ですがとても読みやすく書かれており、初めての人でも楽しめます。

時代小説で有名になった大佛次郎ですが、その後はノンフィクション小説でも人気を博します。『パリ燃ゆ』は、1871年3月から5月に歴史で初めての人民自治を獲得した「パリ・コミューン」について書かれた小説です。

大佛次郎はあらゆる文献を読み、現地にも赴いてこの作品を書き上げました。

大佛次郎の作品を選ぶ際に、ジャンルを軸にして選ぶとお好みの小説にたどり着きやすいです。おもなジャンルには「時代小説」「現代小説」「ノンフィクション」があります。

時代小説は大佛次郎の得意中の得意ジャンルです。彼が初めて書いた時代小説は、翻訳の仕事で請け負っていた海外小説からヒントを得た『隼の源次』です。時代小説で好評価を受けた大佛次郎はその後まもなく『鞍馬天狗』を発表し始めます。

新聞掲載や映像化など、ひっぱりだこ状態だった大佛次郎の時代小説は、現在でもファンが多数いるほどの人気作品ばかりです。大佛次郎の時代小説には、親しみやすさと社会への問題提起が含まれています。

時代小説やノンフィクション小説が目立ちますが、大佛次郎は現代小説でも名作をたくさん書いています。大佛次郎の現代小説は、その時期の社会を一般人の目線から書き問題提起をしているものが多いです。

代表作には『白い姉』『雪崩』などがあり、当時の文壇内でも人気が高く、高評価をされています。社会の描写と心理描写をもれなく盛り込む作品は、菊池寛や井上靖からも特別視されました。

大佛次郎のノンフィクション小説の特徴は、史実や資料をしっかり調査し、積極的に現地へも足を運んで緻密に書かれている点です。ノンフィクション小説を通して現代批判や時代批判を試みた作品もあります。

中には、時代と折り合わずに検閲で大部分を削除される作品もありましたが、なにかを伝えようと小説を書く大佛次郎の姿勢には協力者が多々いました。代表的な作品には『ドレフュス事件』『パリ燃ゆ』『詩人』があります。

大佛次郎の小説はいくつもが映画化され、人気を集めました。時代小説で映画化された代表作には『赤穂浪士』『鞍馬天狗』『新鞍馬天狗』などがあります。その他の作品には『風船』『雪崩』『帰郷』があります。

松竹・東宝・東映・大映・前進座など、さまざまな大手で映画化されていることからも、大佛次郎の小説がどれほど人気があったかがわかります。『鞍馬天狗』シリーズは小説と同様、何本もの映画になっています。

大佛次郎は大の猫好きとしても有名でした。生涯で世話をした猫の数は500匹を超えるとされ、猫に関する小説・エッセイ・童話も書いています。エッセイ『猫のいる日々』や童話の『スイッチョねこ』が人気です。

『スイッチョねこ』に関しては、自分で傑作というほどでした。社会への強い提言を持つ大佛次郎も猫の可愛さにはメロメロだったようです。

大佛次郎の小説について、上手な選び方やおすすめ作品をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。ぜひ記事を参考に、大佛次郎のストーリー性の面白さとメッセージ性の強さを堪能してみましょう！以下の記事もあわせてご覧ください。