小野寺史宜の小説おすすめ20選｜受賞作品や人気の理由を徹底解説！

真っすぐに生きる人々の姿を描いた小野寺史宜さんの小説。「隣に住んでいる人がどんな人かわからない」そんな現代社会の中で、人や街・文化の繋がりが丁寧に描かれ、出会いの素晴らしさを教えてくれます。

街や人を大切にした書きぶりは登場人物の名前や店名にも表れています。登場シーンの少ないご近所さんやお店の名前であっても、それぞれをイメージできるようなネーミングが光ります。近年の作品では、ひとりの青年を中心とした物語を多く執筆されており、その真面目でひた向きな姿は読者からも人気を博しています。

この記事では、小野寺史宜さんの小説の人気おすすめ20選を一挙紹介します。選び方や新刊に関する情報も解説しますので、最後までお読みください。

小野寺史宜（おのでらふみのり）さんは、1968年生まれ、千葉県出身の小説家です。法政大学文学部を卒業したのち、『ROCKER』でポプラ社小説大賞優秀賞を受賞しデビューしました。2019年に『ひと』で本屋大賞第2位を受賞されています。

小学生時代から将来の夢として作家を目指していた小野寺史宜さんは、幼少期から図書館に通い、ジャンル問わず本を読まれていたそうです。

多くの人気作品を執筆する小野寺史宜さん。その人気の理由に親しみやすさや共感性があげられます。こちらでは小野寺史宜さんの小説が人気の理由を、深堀りしてお伝えします。

街・食堂・商店街といった人が集まる場所に焦点を当てたものが多い小野寺史宜さんの作品。そこで出会う人たちの成長や、人のあり様が描かれています。「ひょっとして自分の街の話かも？」と思わせるような親近感の湧く設定に感情移入する読者も多く、人気の理由となっています。

作品の中に他の作品のキャラクターや地名がしばしば登場します。物語のリンクを感じながら読むのも小野寺作品の醍醐味です。

小野寺史宜さんの小説に登場する食べ物は、誰もが一度は口にした経験のあるような庶民的なメニューばかり。さくさくのコロッケ・あんかけふっくら豆腐ハンバーグ・コーンとさつまいもの甘露煮など、懐かしい気持ちにさせてくれます。

お腹をすかせた登場人物たちが頬張る様は、思わず涎がでそうになるほど。美味しい食事シーンを想像すると、心とお腹が満たされます。

30冊以上ある小野寺史宜さんの小説。どれから読めばいいか迷われている方へ、おすすめの選び方を紹介します。お気に入りの作品を見つけるヒントにしてください。

小説を選ぶ上で見逃せない、審査員のお眼鏡にかなった受賞作やノミネート作品。話題作となった『ひと』をはじめ、デビュー作『ROCKER』も解説します。

本屋大賞で2位となり一躍有名となった『ひと』。両親を亡くした大学生が、砂町銀座商店街を舞台に人生の一歩を進めるヒューマンストーリーです。

お金もない、頼れる人もいない、お腹も減った…そんな独りぼっちの状況から、商店街の人々の温かさに触れて立ち直っていく様子は、読んでいて胸が熱くなります。読了後に、「ひとっていいな」と思わせてくれる作品です。

デビュー作『ROCKER』は、第3回ポプラ社小説大賞の優秀賞を受賞した作品です。主人公である女子高生の美実（ミミ）は、過去のトラウマを抱え友達もおらず不登校気味。そんなミミが、元イトコの永生と一緒にロック音楽を通じて成長していくストーリーです。

重めの設定と思いきや、キャラクターたちの脱力感と若者らしい勢いが上手く混じり合い読みやすくなっています。

主人公は27歳のフリーター。自分が本当にやりたいのは何かと、悶々とした日々を過ごす彼が、アパートの隣人たちとの出会いを通じて前を向いていきます。

派手な出来事は起こりませんが、普通の毎日の尊さに気づかせてくれる、まさに『ライフ』な一冊です。この本を読むと、主人公の真面目な堅実さや、登場人物たちの温かさが染み渡り優しい気持ちになることができます。

小野寺史宜さんの『ひと』『まち』『いえ』は、下町・荒川を舞台とした青春小説3部作です。それぞれは独立した内容で続編ではありませんが、登場人物や店などリンクするシーンがあって面白いです。是非、繋がりを見つけてください。

『ひと』に繋がる『まち』は、2019年11月に文庫が発売されました。火事で両親を亡くし、祖父に育てられた主人公・江藤瞬一。高校卒業をきっかけに上京して4年がたった日々を描いています。東京のはじっこで、働いて、食べて、寝て、人と交流をしながら真摯に生きる姿を描いた小説です。

なんといっても大きいのは、じいちゃんの存在。強くて温かいじいちゃんが、孫を想ってかける言葉に感動します。

主人公は三上傑、大学三年生。傑の妹は、傑の友人である大河と付き合っています。ある日、妹は大河とのドライブデート中の事故で、足にハンデを負ってしまいます。

大切な友人との間にできてしまった壁や、不協和音が生まれた家族の様子が丁寧に描かれた本作。傑が思い悩みながら自分を見つめなおしていく心理描写に心が打たれます。『ひと』や『まち』と繋がる場面も見逃せません。

『みつばの郵便屋さん』は、蜜葉（みつば）市の郵便配達員である平本秋宏と、まちの人の交流を描いた物語です。読むたびに心がほっこりする人気シリーズで、売れっ子タレントの女の子とのドキドキする関わりや、みつば地区に住む人々との微笑ましいやりとりが描かれています。郵便局の仕組みや配達員の大変さまでわかる一面も魅力です。

小野寺史宜さんの小説の作風や雰囲気が気に入った方は、新刊が気になりますよね。速筆で知られる小野寺史宜さんは多くの作品を手掛けてくださるのでファンには嬉しい限り。近くの書店のほか、Amazonや楽天などのECサイトで購入が可能です。

• みつばの郵便屋さん あなたを祝う人（ポプラ社）
  発売日：2022年6月2日

• 奇跡集（集英社）
  発売日：2022年5月26日

小野寺史宜さんの書く小説では、大事件は起こりません。大事件なんてなくても、素朴な日常の中にある人の優しさや想いに触れれば、大切な何かに気付かせてくれます。読了後は、爽やかで前向きな気持ちになる小野寺さんの小説をぜひご一読ください。

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