中山七里の小説おすすめ25選！映画化・シリーズ作品を徹底解説

中山七里さんの小説は、法廷や刑事ミステリーなどを舞台にした推理小説らしい作品から、クラシック音楽や医療現場を題材にした一風変わったものまで、多彩な作風を執筆されています。手に汗握る展開の中にさまざまな伏線が張り巡らされており、一瞬も見逃せない内容です。

中山七里さんは、10年で50以上の作品を世に送り出し、その筆の速さは段違いです。たくさん作品があるので初めて中山七里ワールドに触れる方は、何から読もうか迷われてしまうかもしれません。

そこでこの記事では、中山七里さんの小説の選び方や人気のおすすめ作品を紹介します。有名な受賞作や長く愛されるシリーズについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

岐阜県出身のミステリー作家です。作者名の「中山七里」は、岐阜県の地名からとっています。幼少期から、常に本を片手に行動するほどの読書好きで、特にミステリーを好んで読まれていました。

大学卒業後、会社員勤めを経験したのち48歳で小説家デビュー。2010年に出版された「さよならドビュッシー」で、宝島社が主催する「このミステリーがすごい！」大賞を受賞しました。

中山七里さんの小説は、取り扱うジャンルの幅広さと、あっと驚くラストの展開が魅力です。中山七里さん自身は楽器の演奏経験がないそうですが、クラシック音楽の技法や魅力が丁寧に描かれた音楽ミステリーは、ベストセラーになるほど人気を博しています。

また、速筆作家としても有名で、「12カ月連続で単行本を刊行」する異例の企画を達成させました。ファンとしては、たくさんの作品を読める喜びがあります。

50冊を超える中山七里さんの作品の中から、自分好みの小説を探すのは簡単ではないです。こちらでは、おすすめの選び方を紹介します。お気に入りを見つける一助となりますように。

小説に馴染みのない方は、ドラマや映画など映像化された作品から選ぶのがおすすめです。映像化作品は、読んだ人も多いので話題にもなります。キャストやシーンを想像しながら読むと面白さは倍増です。

復興の進む宮城県で起きた連続殺人を追うストーリー。日本の生活保護制度の実像を描き、制度の矛盾や疑問を明らかにした作品です。やり切れない登場人物の想いや心情がリアルに描かれ、読み応えがあります。

2021年に後悔された映画は、容疑者を佐藤健さん・刑事を阿部寛さんが演じ、主題歌は桑田佳祐さんが担当するなどの豪華キャストも話題となりました。

• 監督：瀬々敬久
• キャスト：佐藤健、阿部寛、清原果耶ほか

人気シリーズ『刑事 犬養隼人』を映画化させた『ドクター・デスの遺産』。闇サイトで殺人依頼を受けて患者を安楽死させる医者ドクター・デスを、犬養と高千穂のコンビが追うサスペンス映画です。猟奇的な殺人が繰り返される一方で、本当の正義とは何か考えさせられる作品です。

• 監督：深川栄洋
• キャスト：綾野剛、北川景子、岡田健史ほか

ヒポクラテスの誓いとは、医師の倫理や規範を神に誓った宣誓文を指します。法医学教室を舞台に研修医の栂野真琴と光崎藤次教授らが、解剖を通して遺体の声なき声を聞く法医現場ミステリー。日本医療小説大賞候補となりました。

普段、あまり馴染みのない法医の世界も、個性的なキャラクターやテンポのいい展開によって読みやすく表現されています。2016年に連続ドラマ化されました。

• 脚本：篠崎絵里子
• 監督：内片輝
• キャスト：北川景子、柴田恭平、尾上松也ほか

名作をお探しなら、受賞作や候補にノミネートした作品からチョイスしましょう。目の肥えた審査員が選んだ受賞・候補作の面白さはお墨付きです。

第8回『このミステリーがすごい！』大賞の最終選考に『さよならドビュッシー』と共にノミネートされた作品です。中山七里さんの小説ではおなじみの渡瀬刑事が登場。渡瀬刑事が活躍する作品は「渡瀬シリーズ」とも呼ばれています。

サイコな殺人鬼が起こす凄惨な事件を舞台に、どんでん返しに次ぐどんでん返しが繰り広げられます。2018年に発売された第2弾「連続殺人鬼カエル男ふたたび」の文庫本巻末には登場人物の相関図が書かれています。

中山七里さんの作風に惹かれた方は、シリーズものに挑戦するのがおすすめ。ファンから根強い人気を誇るシリーズ作品は、ハマってしまう人も多く一気読みしてしまう面白さです。

『さよならドビュッシー』にも登場した、天才ピアニストである岬洋介が活躍する人気シリーズです。推理小説として楽しめるのはもちろんですが、迫力満点の演奏シーンは見逃せません。レッスンやコンクールの細かい描写は、音楽に精通したプロからも高い評価を受けています。

【シリーズ一覧】

• さよならドビュッシー
• おやすみラフマニノフ
• いつまでもショパン
• どこかでベートーヴェン
• もういちどベートーヴェン
• 合唱 岬洋介の帰還
• おわかれはモーツァルト

主人公は悪辣弁護士・御子柴礼司。ドライで冷血な「悪魔の弁護人」としての異名を持つ御子柴は、過去に少年院に収監された経験を持っています。御子柴とペアを組むのは、有能な事務員の日下部。正反対の2人が追いかける事件にハラハラドキドキが止まらないシリーズです。要潤さんとベッキーさんのキャストでドラマ化もされました。

【シリーズ一覧】

• 贖罪の奏鳴曲（ソナタ）
• 追憶の夜想曲（ノクターン）
• 恩讐の鎮魂曲（レクイエム）
• 悪徳の輪舞曲（ロンド）
• 復讐の協奏曲（コンチェルト）

捜査一課の刑事である犬養隼人を主人公とした推理小説。犬養は、男がついた嘘を見抜いて手柄を挙げ続ける一方で、女の人にはなぜか弱く騙されてばかりいます。そんな犬養が残忍な犯人を追い詰める様が痛快な社会派ミステリーシリーズです。沢村一樹さんが主演し、スペシャルドラマ化されました。

読む順番は、刊行年順に読むのが分かりやすくておすすめです。

【シリーズ一覧】

• 切り裂きジャックの告白（2013年）
• 七色の毒（2013年）
• ハーメルンの誘拐魔（2016年）
• ドクター・デスの遺産（2017年）
• カインの傲慢（2020年）
• ラスプーチンの』（2021年）

• 作家刑事毒島の嘲笑　(2022/7/21発売)
• 帝都地下迷宮　（2022/8/4発売）

社会問題をテーマとして投げかけているものも多く、わが身を考えさせられる中山七里さんのミステリー小説。二転三転する展開と、いい意味で予想を裏切るラストは圧巻です。予定のない週末には、中山七里さんの小説を片手に夜更かしを楽しみましょう。以下の記事もあわせてご覧ください。