室生犀星の小説おすすめ10選｜小説の特徴や代表作を紹介

室生犀星は、石川県金沢市生まれの有名な三文豪「金沢三文豪」の1人です。叙情的な文章を書くことに長けた作家として、当時多くの文豪達を感心させた人物でもあります。

文豪好きの間では日本文豪を代表する1人としてもよく名を挙げられており、有名な作家だといえます。映画化をしている作品も多く存在し、現代においても熱い支持を集め続けている文豪となっています。

今回はそんな室生犀星の小説の選び方、おすすめの作品について紹介。室生犀星の作品を読んでみたいと考えている方は、ぜひ最後までご一読ください。

室生犀星の生家跡地がある、石川県金沢市千日町。そこには彼の業績を称えて建設された文化施設・室生犀星記念館が存在します。

室生犀星に関する展示品はもちろん、記念館オリジナルグッズや復刻版の草稿も販売されています。室生犀星について知りたい方は、ぜひ足を運んでほしい施設です。

実は室生犀星の妻と娘もまた、作家としても活躍していたことが判明しています。妻の室生とみ子は俳人として、娘の室生朝子は随筆家として活躍していました。

室生朝子は、室生犀星の死後に彼に関する作品を多く発表しています。紀行文や小説も刊行しており、室生犀星をよりよく知れる貴重な資料となっています。

室生犀星の特徴は、表現力にあります。彼ならではの独特な価値観を、叙情的な言葉で現す作風は、「言語表現の妖魔」と称されているほどです。

また、親子や兄妹といった人間関係の機微を書くことにも長けています。実は室生犀星は幼少期、家族と生き別れになる波乱な人生を歩んでおり、その経験が彼の価値観・作風を作り上げたといわれれています。

室生犀星がどのような作品を書く作家であるかを知るには、彼の代表作に触れるのがおすすめです。『杏っ子』『蜜のあわれ』『あにいもうと』が、代表作として名を挙げられることが多いです。

なかでも『杏っ子』や『あにいもうと』は、文学賞を受賞した作品でもあります。室生犀星の実力を肌身で感じられる作品です。

室生犀星の作品の中には、映画化した作品も存在します。代表例が『あにいもうと』と『蜜のあわれ』です。『あにいもうと』はドラマ化もしており、何度もリメイクが行われた人気作となっています。

『蜜のあわれ』は2016年に映画化と、比較的近年に映画化がされています。どちらも室生犀星の代表作として挙げられることが多い作品のため、読んではずれなしの作品です。

室生犀星の有名な作品の中には、自叙伝的小説が存在しています。有名なのは、自叙伝的小説三部作として称されている『幼年時代』『性に眼覚める頃』『或る少女の死まで』の3作品です。

自叙伝的小説であるため、室生犀星自身の性や人生・親子などの人間関係への考えが顕著に込められています。室生犀星の生き様を感じたい方は、彼の自叙伝的小説を読んでみましょう。

室生犀星は、猫好きな文豪としても有名です。そんな室生犀星の猫好きを感じられる作品が存在。それが短編『猫のうた』 と『愛猫』です。

この2作は、アンソロジー『猫は神様の贈り物<小説編>』に寄稿された作品です。室生犀星の猫愛を感じたい・見てみたい方は、ぜひこちらのアンソロジーを読んでみてください。

室生犀星は、小説以外にも多くの詩や俳句も残しています。なかでも詩『小景異情』は、彼の代表作として必ず名を挙げられる名作です。冒頭の一文「ふるさとは 遠きにありて 思ふもの」は、文学好きな方なら聞いたことがある文なのではないでしょうか。

こうした室生犀星の詩・俳句は、作品集としてまとめて刊行されています。室生犀星の作品に興味をもった方は、彼の詩や俳句も読むことをおすすめします。

自身の生い立ち・価値観を糧に名作を生み出し続けた室生犀星。彼が多くの文豪を唸らせたのは、その生き様のすべてが作風に込められていたからなのかもしれません。ぜひ本記事の選び方やおすすめを参考に、文豪界の言語表現の妖魔が生み出す叙情的な文を楽しみましょう。以下の記事もあわせてご覧ください。