日本酒の三千盛おすすめ12選！純米大吟醸も解説・口コミ紹介も

現代の酒造りの基礎が確立したのは江戸時代とされていますが、酒の味には流行もあり、必ずしも一定ではありませんでした。時代時代で、多くの酒造が世間に好まれる酒の味を生み出すために尽力してきた歴史があります。

そんななかで、前身となる酒を含めれば250年にも及ぶ歴史を持ちながら、今日まで頑ななまでに辛口を守り貫いてきた酒が、岐阜県の地酒・三千盛（みちさかり）です。地酒ファンの方々は、その歴史とこだわりについて聞いただけでも、どんなお酒なのか試してみたくなるのではないでしょうか。

本記事では、そんな三千盛の特徴や魅力、口コミ、そして入手方法まで、さまざまな情報をまとめてご紹介いたします。

三千盛の魅力は、歴史と伝統、そして刷新を繰り返してきた歴史から生まれています。

三千盛の蔵元である株式会社三千盛は、安永年間　（1772～1781年）に岐阜県多治見市で創業しました。「酒は祭りや祝いの席で供されるものであり、人をつなぐツールである」との考えから、時代に応じた酒造りとそれを通じた社会貢献を目指し、今日まで息づいてきています。

かたくななまでに守り続ける「からくち」は、日本料理の繊細な味を引き立てるために行き着いた答えです。三千盛は食中酒として、多くの日本酒好きに愛され、支持され続けています。

それでは、三千盛にはどのような特徴があるのでしょうか。大まかなポイントを以下にまとめてご紹介いたします。

酒の味には時代ごとに流行があります。

三千盛はその長い歴史の中、甘口が主流となった戦後の時代をくぐり抜けてきましたが、それでも辛口の味わいを変えずに守り続けてきました。それは、辛口の日本酒を求める消費者の声が決してゼロにはならなかったことによります。三千盛の蔵元は時の流行に惑わされることなく、「辛口でありつつ、口当りがやわらかく飲み易い酒を造る」という努力を続けて今に至っているのです。

日本酒度の辛さの指標となる日本酒度は、三千盛ではほとんどが+12度から+19度の範囲となっています。

三千盛の真価は食事と合わせたときに分かります。居酒屋などで飲む機会があれば、利き酒や料理の有無による味わいの確かめなど、ぜひいろいろ試してみましょう。なお、三千盛の中でも「あぺりてぃふ」だけは、甘酒と表現したくなるほどの超甘口で、食前や食後に飲むのに向いています。居酒屋にも置いてあることが多々あり、食事中のアクセントにもなります。

精米は酒造りの重要なプロセスのひとつです。三千盛では、精米には専門の職人が携わり、使用する米のすべてを自社で精米しています。

原料米として使用しているのは兵庫県産の山田錦、秋田県産美山錦などです。精米歩合45%まで磨き上げた米を用いた三千盛の純米大吟醸酒は、品のいい吟醸香と爽快なキレで、三千盛の中でも代表的な存在となっています。

三千盛という名の銘柄の中にも、さまざまな種類、醸し方の酒が存在します。その中でも人気のあるものをピックアップしました。

三千盛超特原酒は、その名の通り、発酵・搾りのあと通常は行う加水を行わずに出荷した原酒です。

日本酒度は+18度と三千盛の中でも高く、非常に辛口ですが、水が加わっていないため酒本来の味や旨みを濃く感じることができます。アルコール濃度も18%以上19%未満と高めで、飲みごたえがあります。濃い味付けの料理やおつまみと合わせるのに最適です。

精米歩合50%以下まで磨き上げた米を用い、吟醸造りで醸した酒が純米大吟醸です。

三千盛純米大吟醸の日本酒度は+12度で、三千盛の中では標準的な辛さです。吟醸香の上品さと旨みに定評があり、本格的な日本料理とも見事に調和する味わいです。

三千盛純米ドライは、日本酒度+18と、三千盛の中でも最高レベルの辛さを持つ酒です。

すっきりとした強いキレが持ち味で、飲むたびに口直しのような効果をもたらします。これによって、一つひとつの料理の味をしっかりと味わわせてくれます。他のどれよりも食中酒としての本領を発揮する酒といえるでしょう。

純米大吟しぼりたては、加熱処理をしていない生酒をそのままつめた、フレッシュな純米大吟醸酒です。日本酒度は+13度から＋14度くらいです。

まさに「新酒」たるフレッシュ感と香りが持ち味です。時間が経つごとに味わいが変わる面白さもあります。毎年11月からの販売で、在庫がなくなればそれで終了なので、気になる場合は早めに入手するのがおすすめです。

日本の冬場にあたる12月から2月頃までは酒造りに最も適しているといわれる時期で、この時期の酒造りは「寒造り」と呼ばれています。

三千盛春出し生は、寒造りの純米大吟醸酒を火入れしない生酒の状態で詰めたものです。日本酒度+16度から+17度で、新鮮かつ豊かな味わいが人気です。販売開始は1月下旬、無くなり次第終了なので、「純米大吟しぼりたて」と同様に気になる場合は入手を急ぎたい商品です。

三千盛あぺりてぃふは、辛口をポリシーとする三千盛の中にあってたったひとつの、日本酒度-36度という超甘口の日本酒です。

あぺりてぃふ（aperitif）とは食前酒を意味する言葉ですが、甘酒のような優しい口当たりと品のいい甘味は、食前はもちろん食後に楽しむのにも向いています。

三千盛には通年商品として14種、その他にいくつかの季節商品があります。それらの中から、自分に適した商品を選ぶにはどのようにしたらいいのでしょうか。下記にいくつかポイントをまとめました。

三千盛は味が良く、それでいて比較的安価です。「コストパフォーマンス良好」と評価する声も少なくありません。

商品・容量によって価格はそれぞれですが、720mlのものは1000円台前半で気軽に購入できるものが多数です。贈答用にする場合は、三千盛の中では少し高めの「まる尾」や「小仕込純米」を選んだり、異なる三千盛をセットにしたりするのがおすすめです。

では、三千盛を実際に味わった方はどのような感想を持ち、どのように三千盛を評価しているのでしょうか。ネット上から口コミをピックアップしてみます。

いい内容の口コミでは、三千盛のどのような点を評価しているのでしょうか。3つの口コミから確認していきましょう。

飲みやすさのほか、辛口ながらも日本酒としての味がしっかりしていることを評価する声が多数ありました。酒造の心配りとねらいにぴったり合致する「料理をおいしくしてくれる」というコメントもあり、食中酒として楽しまれているのをうかがわせます。

人にはそれぞれ好みがあるため、同じものを味わっても評価が分かれることはあるものです。あまり肯定的ではない口コミも拾い出してみましょう。

否定的な口コミはわずかですが、料理との相性が三千盛の味わいの感じ方に影響していることを推測させる内容がちらほら見受けられました。「辛口」に対する期待度やイメージの違いによっても評価が分かれてきそうです。

三千盛は通年販売の商品も多く、販売店などで比較的入手しやすい日本酒です。ただし、種類によっては岐阜県内限定で販売されているものもあります。ここでは、どのようにしたら確実に三千盛を入手できるか、ヒントをご紹介していきます。

すっきりとキレのいい辛口の三千盛は、いずれも「料理と合わせていただくことで酒自体の味わいも増す」という性格を持った日本酒です。和食はもちろん、洋食でも意外なほどマッチしますので、日本酒度がきわめて高い「小仕込純米」や「純米ドライ」などをイタリアンやフレンチと合わせてみるのも面白いでしょう。

飲み方に関しても、冷酒から燗まで種類を選びません。いろいろな飲み方を試しながら、一番の好みを見つけてください。

食中酒とすることで、食膳の可能性を拡げてくれるのが三千盛です。自宅ではもちろんのこと、居酒屋や和食店などで採用しているところも多数ありますので、ぜひいろいろな料理とともに三千盛を楽しんでください。