徒然草現代語訳の本おすすめ6選｜有名な段やおすすめの段も紹介

日本三代随筆の1つである徒然草は、今では小学校・中学校の教科書にも採用されているほど有名な物語です。徒然草の冒頭部分である「つれづれなるままに」を読んだ経験がある方も多いですよね。

徒然草を理解したいなら現代語訳がおすすめです。徒然草は、教科書以外の部分でも面白い話や内容が多く、また全文が読めるような書籍も販売されています。具体的にどういった現代語訳があるのか知りたい！といった方も多いです。

この記事では、徒然草の現代語訳の選び方・有名な段・レビューもあわせたおすすめ6選・徒然草の根本にある「無常観」について見ていきます。ぜひこの記事を参考に自分に合った現代語訳を探してみてください。

徒然草の作者は吉田兼好さんです。本名はト部兼好（うらべのかねよし）といわれ、吉田兼好の名は近世以降の俗称といわれています。鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて随筆家・歌人・官人として活躍した人物です。

徒然草は、吉田兼好さんが48歳のときに、今まで書き溜めていた244もの散文をひとつにまとめたものと考えられています。また、吉田兼好さんは和歌の才能もあったといわれており、徒然草の第137には文学的な才能が見られるのが特徴です。

徒然草の現代語訳には、漫画・児童書もあります。有名な部分を抜粋し、挿絵・イラストが多く入ってわかりやすいため、小さいお子様におすすめです。また、初心者の方にもおすすめで、まずは読みやすい児童書から入り、次に大人向けの現代語訳を読んで理解を深めるのも楽しいものです。

小学生向けの徒然草の現代語訳には、イラストが施されている作品が多いです。本を開いたときに文章ばかりだと、内容が理解しにくく読み進めるのがしんどくなります。小学生向けに本を購入したいなら、イラストがたくさんあるものを選ぶのがおすすめです。

また、漢字など難しいものは平仮名で書かれているものも多く、小学生にもすっと内容が入ってきやすいのが特徴です。

中・高生向けの徒然草には、内容が難しいものが多く1度読んでも理解が難しいものもあります。徒然草の現代語訳を購入するなら、分かりやすく解説されている作品がおすすめです。また、話の全体像がよく分かるものを探すと、面白く楽しめます。学校の授業についていくのが難しい方にもおすすめです。

大人向けなら、短い脚注などが記載されている作品がおすすめです。脚注とは、吉田兼好さんの心情が記載されている場合が多く、シーンによって著者の考えが分かります。徒然草をもっと深く知りたい方や、これまで何度か読んだ経験がある方におすすめです。過去に読んだ徒然草とはまた違った発見があります。

徒然草の現代語訳にはジャンルがあります。原文にそくしたもの・読みやすいオリジナル和訳があるものがあり、それぞれ特徴がありますので以下の記事で詳しく解説します。

原文にそくした現代和訳の特徴は、訳者のオリジナル性が入っていないため、より原文のよさを味わえる点です。難点は、原文に忠実なため理解が難しいところにあります。しかし、徒然草には丁寧な注釈の記述があるものや、原文を損なわずにわかりやすく訳したものまであるため、なるべく読みやすいものを選びましょう。

現代人もわかりやすいオリジナル和訳があるものは、現代風の言葉に訳したもの・イラスト付きなどさまざまな形態があります。原文の味わいは薄れてしまいますが、わかりやすく手軽に読めて、現代の生活と照らし合わせてその時代を理解できるのもポイントです。

まずはオリジナル和訳のものを読んでから、原文にそくした現代和訳を読むのもおすすめです。

しっかりと徒然草を学習したいなら文庫本がおすすめです。特に、中学生・高校生では学校の教科書で徒然草を勉強する機会があり、テストにも出題されます。そのテスト対策として、徒然草の文庫本を購入する方も多いです。現代語訳・原文の両方が記載されている文庫本もあるので、ぜひチェックしてみてください。

字ばかり読むのが苦手・イラストで徒然草の内容を理解したい方には、漫画がおすすめです。また、漫画が好きな方だとサラッと読み進められます。漫画タイプの徒然草は主に小学生・中学生向けに作られているのが多いです。漫画タイプは、徒然草をこれから勉強する方に向いています。

仕事の移動中やスキマ時間を使って徒然草を読みたいなら、電子書籍がおすすめです。最近では、スマホのアプリから簡単に読めるので、持ち運びの手間も要らず快適に読めます。たとえば、Amazonでは「Kindle版」の徒然草が販売されているのが特徴です。スマホにアプリをインストールしておけば、手軽に徒然草が楽しめます。

徒然草の現代語訳をした方の中には、与謝野晶子さん・佐藤春夫さん・中野孝次さんなどの有名な文学者がいます。無常観や人生の教訓・人間模様・女性論など文学者によって表現の違いがあるので、気になる文学者の現代語訳で読むのをおすすめです。特に、佐藤春夫さんの現代語訳は、分かりやすいとネット上でも評判がいいのでおすすめします。

橋本治さんの現代語訳は、独自の個性を取り入れているのが特徴です。本の表紙のイラストも個性的で興味深い印象があります。天才・橋本治さんと鬼才・田中靖夫さんのコンビによる新古典絵巻は、Amazonでも販売しています。受験や就活など人生に困ったときに読むとほっとする一冊です。

坂井順子さんの作品は、エッセイを取り入れられているのが特徴です。通常の徒然草とはまた違った視点で描かれているので、エッセイが好きな方におすすめします。坂井順子さんの作品はエッセイが多く、これまでに多数のエッセイを出版しています。女性の心理を描いたものが多く、多くの女性から指示されているのが特徴です。

徒然草を本で理解できない方には、CDタイプがおすすめです。CDプレイヤーを用意しておくと自宅で聴き流しながら徒然草を楽しめます。多くのCDタイプの作品ではナレーターが朗読してくれるので、家事や用事をしながらでも理解しやすいです。朗読によって感情が入りやすく、その場面の状況が分かりやすいメリットがあります。

Audibleならスマホにインストールできるので、歩きながら徒然草を聴けます。AudibleもCDタイプと同じようにナレーターが朗読してくれるのが特徴です。通勤・通学・家事・育児などしながらでも手軽に徒然草を聴けるのがおすすめです。1回では理解できない方は、何度も繰り返し聴くと理解が深まります。

徒然草の現代語訳を購入する前に話の雰囲気だけでも味わいたい方には、無料サイトの試し読みからスタートするのがおすすめです。本の始めの部分のみを無料で読める場合があるので、購入後に自分に合わなかったといった失敗を防げます。最近では、さまざまな無料サイトがあるのでぜひ探してみてください。

徒然草の第10第には、住まいについての筆者・吉田兼好さんの考えが描かれています。現代語訳の冒頭の部分をみると、「住まいの建物様式は、バランスが理想的。短い人生の仮寝の宿なのは分かっているけど気になるものだ」と描かれています。

後半部分では、「身分・知識・品格が優れている方が立派な家に住んでいるのは、なんともしみじみ見える」と描かれています。

徒然草の第92段は、ものごとを上達するために必要なものを描いています。現代語訳で紹介すると「或人が矢の稽古で二本の矢をセットして、的に対峠した。すると師匠が「素人が二本の矢を持ったらダメだ。次の矢があるので安心してしまい一本目に気合が入らなくなるだろう」と指導しました」と解いています。

今の私達に通じるものがあるように思いますね。

徒然草の第109段は、油断は禁物といった内容が描かれています。解説で紹介すると「木登り名人と言われた男が、弟子に木を登らせ枝を切る作業をさせた。作業を終えた弟子に対して気をつけなさいと伝えます。その光景を見ていた兼好法師がこのタイミングで言うのはなぜですか？」と尋ねる話です。

ミスとは思わぬところで起こるもの、油断するのは禁物なのを表しています。

徒然草の中に見られる「無常観」は、現在の私達の心にも響く吉田兼好さんの考え方がよく分かります。無常観とは、すべてのものは絶えず変化していく・この世のすべては幻で仮の姿、といった意味です。

特に、徒然草の第92段には、吉田兼好さんの無常観がしっかりと見られます。要約すれば「未来は考えても分からない、先を思うのではなく今を大切にすべき」と記載されています。今の私達にも通じる考え方で、自分の心を豊かにする考え方です。

徒然草の現代語訳の正しい選び方・有名な段・おすすめ6選・無常観について解説してきました。いかがでしたか。徒然草の現代語訳は数多く販売されています。自分に合った正しい選び方をすると、徒然草を楽しめます。ぜひ上記で紹介した商品を参考にしてください。