湊かなえの小説おすすめ8選｜どれが面白い？特徴や初心者向けの短編小説も！

時間が経つのも忘れて夢中で読めるようなミステリー小説が知りたいと思う方も多いですよね。ミステリー小説が好きな方は、湊かなえさんの作品を知っている方も多いと思います。湊かなえさんの書く小説は、巧みな心理描写と驚きの展開が特徴で多くの読者を惹きつけます。

長編小説もいいですが、初心者や中学生の方には短編小説もおすすめです。また、代表作としても扱われるような受賞作品は多くの方に読まれており、読みやすいストーリーになっています。

本記事では、湊かなえさんのおすすめ作品を紹介します。また、映画・ドラマ化された作品や受賞作品も紹介するので、どれが面白いのか気になっている方はぜひ参考にしてみてください。

1973年に広島で生まれ、武庫川女子大学家政学部を卒業しています。2007年に『聖職者』で第29回小説推理新人賞を受賞し、小説家デビューしました。2009年に「このミステリーはすごい！」で『告白』が4位に選ばれ、第6回本屋大賞を受賞し、2016年には『ユートピア』で第29回山本周五郎賞を受賞しています。

また、2022年に映画化された『母性』をはじめ、多数の作品が映画・ドラマ化されています。

湊かなえさんの作品で有名なジャンルはミステリー小説です。とくにイヤミス作品と呼ばれる、後味の悪いミステリーが特徴といわれています。一方で、登場人物の心理描写やストーリー展開が巧みで、読者を惹きつける世界観も大きな魅力です。

安心したところに読者の予想を裏切る思ってもみない展開は、綿密に張られた伏線が回収される快感が隣り合わせになっています。そのため、後味の悪さそのものがクセになる、独特な魅力を孕んでいます。

思わずページをめくる手が止まらなくなるような時間を過ごせます。読書にどっぷりと浸りたいときは、湊かなえさんのミステリーがおすすめです。

映画化されただけでなく、初の電子書籍としても話題を集めた作品です。化粧品メーカーで働く女性社員が殺され、同期の社員に疑惑の目が向きます。その後、週刊誌やSNSでは、憶測の情報が広がっていきます。噂話や憶測報道の怖さをテーマにした、ミステリー作品です。

女子高生2人が死に向き合う、重いテーマの作品です。この小説は、湊かなえさんが書いた2作目の作品でもあります。親友の女子高生2人組は、転入生から自殺を目撃した話を聞き、人の死に興味を持ちます。

そして、死の瞬間を目にするために、老人ホームと小児科病棟で働き始めるのです。彼女たちの興味はどのような結末を迎えるのか、目が離せない展開が見どころです。

離島を舞台にした全6編から成る物語です。第65回日本推理作家協会賞を受賞した『海の星』も収録しています。島にいる人々の人間模様を描いており、クライマックスでは驚きの事実も発覚します。湊かなえさんの短編小説を楽しみたい方に、おすすめの作品です。

母の手記と娘の回想から事件の真相が浮かび上がる、母性をテーマにした物語です。2022年11月には、映画の公開を予定しています。母と娘を巡るイヤミス作品に興味がある方は、ぜひ読んでみてください。

『贖罪』は2012年にwowowでドラマ化されました。主役の母親を演じたのは小泉今日子さんです。迷宮入りした女児殺害事件の目撃者である4人が、母親の「許さない」の言葉により運命を狂わせていく物語です。

当時幼かった4人は、犯人を見ていたにも関わず顔を思い出せませんでした。成長した彼女たちに襲い掛かる悲劇の結末と、リアリティのある心理描写が見どころです。

『花の鎖』は2021年に中谷美紀さん主演でドラマ化されました。繋がりのない3人の女性に、Kという謎の男性が絡み話が進みます。

Kが毎年花を贈っている相手は、お金に困っている梨花、結婚した美雪、和菓子屋で働いている紗月の3人です。はじめは別々だった物語が、やがて1つに繋がっていきます。最後に待ち受けている驚きの展開が見どころです。

『夜行観覧車』は2013年に鈴木京香さん主演でドラマ化されました。高級住宅街で起きた殺人事件の物語です。開業医の夫は妻に殺され、子供たちの将来や家族に隠された秘密が明らかにされていきます。

向かい側に住んでいる家族の視点で、事件を解明する描き方が面白いです。家族がテーマのミステリー作品を読みたいときにおすすめです。

『Nのために』は2014年に榮倉奈々さん主演でドラマ化された作品です。超高層マンションの1室で、夫婦の変死体が発見されます。目撃者である4人の男女が話す証言により、事件は真相へと近づきます。

イニシャルにNがつく登場人物たちが、誰かを想う純愛ストーリーです。また、湊かなえさんが初めて書いた、純愛ミステリー小説ともいわれています。

『リバース』は2017年に藤原竜也さん主演でドラマ化された作品です。ありふれたサラリーマンの深瀬和久が珈琲豆専門店で出会った美穂子と付き合いはじめますが、やがて美穂子に「深瀬和久は人殺しだ」と書かれた手紙が届きます。

それをきっかけに、深瀬和久は過去に起きた事件を話しはじめます。話をすべて聞いた美穂子はいなくなり、最後には衝撃の事実が待ち受けていました。

『告白』は第6回本屋大賞の受賞作品で、湊かなえさんのデビュー作にして代表作でもあります。また2010年に松たか子さん主演で映画化されています。中学校教師の森口悠子は、校内で娘を亡くします。そして終業式の日に森口は、娘は殺されたとクラスメイトに告白するのです。

物語は章ごとに語り手を変えて進行します。クラスメイト・犯人・犯人の家族が語り手となり、徐々に事件の真相が浮かび上がっていきます。聖職者である教師の森口が生徒に発するショッキングな言葉の数々に惹きつけられる作品です。

『ユートピア』は第29回山本周五郎賞を受賞した作品です。小学生の久美香は過去に起きた交通事故が原因で、車いす生活をしていました。

そこへ引っ越してきた陶芸家のすみれが、ボランティアで車いすを使う人の支援をはじめます。順調だった活動はいつの間にか不穏な雰囲気になり、遂には事件が発生します。本作は、悪意よりも恐ろしい善意をテーマにした小説です。

長編小説のイメージの強い湊かなえさんですが、短編小説の出版もしており人気です。まだ湊かなえ作品を読んでいない方は、手を出しやすい短編作品でどんな作風なのか読んでみるのもおすすめです。

さまざまな悩みを抱えながら山を登る女性たちの姿を描いた短編小説です。登山を通して自分と向き合う女性たちの等身大の姿にエールを送りたくなります。

湊かなえさんの巧みな心理描写が楽しめる、暗い物語が苦手な方におすすめの作品です。

本のタイトルにもなっている毒親を題材とした「ポイズンドーター」「ホーリーマザー」を初めとした、全6編からなる短編集です。それぞれにポイズン（毒）を抱えた女性たちの姿と、善意と正しさのズレから生じる事件を描きます。

第155回直木賞候補作であり、2019年にはWOWOWでテレビドラマ化もされた話題作です。

湊かなえさんの作品が好きな人にまずおすすめしたいのが、イヤスミの元祖とも言われる「江戸川乱歩」です。古典ミステリーのイメージがあるかもしれませんが、今読んでも新鮮で引き込まれる世界観を持ち、読みやすいので子供から大人まで楽しめる作品が数多くあります。

このほかにもあっと驚く展開が特徴の「綾辻行人」や、湊かなえさんと並んでイヤスミの女王と呼ばれ、いい意味で後味の悪い作品を手がける「沼田まほかる」もおすすめです。

湊かなえさんのおすすめ小説を紹介しました。湊かなえさんの作品はミステリー小説が多く、続きを読まずにはいられないストーリー展開が魅力です。とくに映画・ドラマ化された作品には、話題作がたくさんあります。また、湊かなえさんの作品をはじめて読む方は、受賞作品から読むのもおすすめです。ミステリー小説が好きな方は、ぜひ読んでみてください。