星新一の小説おすすめ10選｜ショートショートの神様の最高傑作・代表作は？

「活字を長い時間読むのは疲れる」「小説は長くて最後まで読める気がしない…」など、活字離れが進んでしまっています。そんな方にぜひおすすめしたい作家が「星新一」です。彼は別名「ショートショートの神様」と呼ばれており、その名のとおり短編を主に執筆しています。

それぞれのお話は、わずか数ページで構成されているため、読みやすいのが特徴です。短くてスッと読める文章を読み進めていくうちに、「いつの間にか1冊読み終わっていた」なんて事もあるほどに、星新一の作品は小説が苦手な方でも読みやすい作りになっています。

星新一の小説はたくさんの作品があるため、「最高傑作は？」「代表作はどれ？」と気になる方もいますよね。今回は1,000編以上のショートストーリーを世に送り出した星新一の魅力や、中学生・小学生向け、大学生・大人向けに分けておすすめ作品を紹介します。ぜひこの記事を期に活字の世界に触れてみませんか？

星新一は1926年東京都生まれ。1957年に日本初のSF同人誌『宇宙塵』にて発表した、ショートショート『セキストラ』が江戸川乱歩集『宝石』に転載されて商業誌デビューを飾った、SF小説界の第一人者です。

その後400字詰め原稿用紙で、10数枚ほどの小説を書く「ショートショート」を生み出しました。1997年に71歳で他界しましたが、現在では文学賞「星新一賞」が創設されています。1,000編を越える作品は年代を問わず多くの方に、愛されています。

そんな星新一作品は、数ページほどの短い物語でありながら、斬新なアイデア・秀逸な構成力・見事なまでの伏線回収が魅力です。また、暴力・性的なシーンなどを描かず当用漢字のみを使った優しい内容も、子どもからお年寄りまで愛される理由の一つです。

傑作50編を収録している星新一作品の入門編といわれています。表題作品の「ぼっこちゃん」は、バーで人気の美人店員「ボッコちゃん」です。彼女には、大きな秘密があった……と一見壮大なストーリを、見事ショートショートで完結しています。

ミステリー・SF・ファンタジー・童話あらゆるジャンルを網羅した、まさに星新一の世界を知るバイブルとなっています。

表題作ほか35編収録されています。表題の「きまぐれロボット」は、お金持ちのエヌ氏は、博士が最も優秀と自慢するロボットを買入れた。オールマイティのロボットだが、時々あばれたり逃げたりする。ひどいロボットを買わされたと怒ったエヌ氏は博士に文句を言ったが……。

どれもきれいにオチがついており、ブラックな話がなく思わずニヤッとしてしまう作品を詰め込んでいます。子どもにプレゼントする方も多い傑作選です。

42編を収録しています。収録作の『祝! 宇宙進出』は、地球によく似たステキな星を見つけたけれど……。人工冬眠の流行で地上は静まりかえり、自殺は信仰にまで昇華し、宇宙植民地では大暴動が惹起している――。今後の人類に待ち受けるかもしれない未来をちょっと皮肉に書いた作品の数々です。

奇想天外・卓越名アイディアから生まれる結末はどれも秀逸で、大人も子どもも楽しめる作品です。

幼い頃誰もが一度は耳にした事がある童話、アリとキリギリス・北風と太陽・ウサギとカメなどが収録されています。これが星新一の手にかかるとまさかの大革命！あの名作童話が新たな世界に改作されていて、時代が変われば物事の価値観も変わるのを教えてくれます。

愉しい笑いと痛烈な風刺で、いつの間にか夢中になってしまう33編です。

11編を収録しています。現代社会に突然巨大な恐竜が次々と出現! 蜃気楼か? 集団幻覚か? それとも立体テレビの放映か?絶対にあり得ないとは言い難い不思議な世界観のつまった作品です。ティーチング・マシンになった教育ママ、体中に極彩色の模様ができた前衛芸術家、核爆弾になった大臣…

偏執と狂気の世界をユーモラスに描かれ、ちょっとした捻くれ感がクセになる作品です。

36編を収録しています。ある博士はツボに閉じ込められていた古代アラビアの魔人を出し、魔人から何でも願いを叶えてもらえるようになります。しかし、博士は魔法などまったく信じない合理主義者であり…この世には頭で理解できないものもたしかに存在する。

子どもの頃にはそう思っていたのにそれを忘れかけた大人たちへ、理解を超えたものの大切さを教えてくれる作品です。ブラックユーモアがある作品が気になる方におすすめです。

31編を収録しています。マイホームを“マイ国家”として独立宣言した男がいた。訪れた銀行外勤係は、不法侵入・スパイ容疑で、たちまち逮捕。これは犯罪か？狂気か？世間の常識や通念をその奇抜な発想でくつがえし、平和な文明社会にひそむ恐怖と幻想を皮肉とユーモアで表現しています。

国がやっている政策や、国境に違和感があるなど世界情勢を考える今こそ読みたい作品です。

サスペンス・スリラーからコメディまで、15編を収録しています。「ノックの音がした」から始まるさまざまな事件。意外性あふれるアイデアと洒落たセンスに星新一らしさが光る、ショートショート作品です。

「1つ見方を変えただけで、世界がこうも違って見えるもの」を教えてくれる作品なので、大人だけでなく中学生にもおすすめです。社会生活においても、解決の鍵となるかもしれないテーマが詰まっています。

学校帰り、「もうひとりのぼく」に出会った少年。自分とそっくりの男の子についてゆくと、いろんな人間たちの夢の中に迷い込み大冒険になる。ブランコのむこうでは、子どもがもとても読みやすい作品です。

ファンタジーが好きな方、そして幸せになるためのヒントを探している大人にも、読みごたえがある作品です。

12編のショートストーリーが最終的に一つに繋がる人気作品です。1970年に書かれた本ながら、電話は情報を探したり、特殊な道具と組み合わせれば家にいながら医師の診察を受けられたり…と、まるで今の情報社会を見越したような内容になっています。

現代のネット社会の闇にも通じる、読み応えのあるSF作品といえます。

ある日突然しゃべり始めた腹話術師の人形「クルコちゃん」。その恐るべき「野望」とは。人形がしゃべり出す演出はホラーの定番ながら、どこか現代のAI・スマート家電などにも共通する不気味さが読者を引き付けます。

ショートショートとは大きく異なる作風ですが、星新一の長編作家としての魅力を知りたい方におすすめです。

実際に星新一の作品を読んだ方の感想も気になりますよね。そこで、いくつか口コミをご紹介します。気になる作品の口コミを、ぜひチェックしてみてください。

やはりショート作品に対する評価は高くなっています。小学生のお子さんにプレゼントする方もいて、改めて読者の年齢層の幅広さも伺えます。長編もショートより口コミが少ないものの、やはり星新一の世界観を感じられるとの声が多く見られました。

星新一の最高傑作といえば、やはり「ボッコちゃん」です。星新一入門編といわれるだけあって、星新一ワールドを感じられる作品です。ユーモアでユニークな作品もわかりやすく描かれているため、大人だけでなく子どもも楽しめます。

ほかにも、代表作として「きまぐれロボット」があります。累計発行部数200万部を突破するほどの人気作で、小学生でもわかるように世界が描かれているのが特徴です。

星新一の作品を全部読むには「ショートショート1001」がおすすめです。文庫本に収録されている作品だけでなく、未収録の作品も収録されています。

収録数が多いので、活字が苦手な方は見た目で躊躇しがちな厚さをしていますが、ショートショートなのでサクサク読み進められるのが特徴です。読み始めたら星新一の世界にどんどん引き込まれて読み進めていけます。

星新一作品は、まず一番の特徴である「ショートショート」の読みやすさがあります。そして、短い文章の中でも起承転結がある文章構成が多くの読者を引き付けています。また、意味がわかると怖い話のような謎解き感、そしてわかった時のスッキリ感も爽快です。

子どもでも読みやすい言葉の選び方、そしてまさかのどんでん返しなど幅広い年代に受け入れられやすく、子どものために買ったが自分がハマった方もいらっしゃるようです。星新一の小説は、入り口のハードルが高くないながらも、読書好きな方の心もがっちり掴む魅力が詰まっています。

星新一の作品は、ドラマ作品として映像化もされています。「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ」は2022年4月5日からNHKにて放送されています。名俳優たちが星新一の世界を忠実に演じている、15分間のショートドラマです。

また、「星新一 ショートショート DVD-BOX」も発売されており実写・アニメ・CGなどの異なる映像スタイルで新進気鋭のクリエイターがその世界観を描いています。

今回は星新一作品について紹介してきましたが、いかがでしたか。星新一の小説には、さまざまな世界へとトリップできる魅力がたくさん詰まっています。やはりなんといっても「読みやすさ」がポイントとなっていますので、ぜひここから小説の世界に飛び込んでみてください。