弁理士試験用の参考書おすすめ15選｜独学に役立つテキストや勉強法を解説

弁理士になるには、国家試験である弁理士試験に合格する必要があります。弁理士試験は、合格率が10％以下・合格までの勉強時間は3000時間が目安と言われるほどの難関国家資格の1つです。

その弁理士試験に独学で挑む方、殊に初心者にとって参考書選びは大変重要です。生物学や情報理論など選択科目も多く、参考書もさまざまです。そこで今回は、弁理士試験用参考書の選び方やおすすめ商品を種類別にご紹介します。どれを選ぶか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

また、この記事の最後には、弁理士試験の独学受験や、合格後の情報倫理研修についても紹介しています。こちらもチェックして、弁理士試験の合格へ大きく近づきましょう。

弁理士試験の範囲は膨大ですが、入門者がいきなり難しい本に挑むと理解できない部分が多く、挫折してしまう可能性があります。これまでに弁理士試験や他の資格試験を受けた経験がない人は、スタートアップテキストから読み始めるのがおすすめです。

具体的には、各科目の入門書はもちろん、弁理士試験の勉強法について記載した本を読んでみてください。なぜなら、独学で弁理士試験に挑む人は情報が不足しやすいため、入門書で勉強の秘訣を学び、モチベーションアップを図るためです。

弁理士試験は法律の試験であるため、法律についてまとめている知財法文集は必須アイテムです。弁理士試験の勉強は、条文について理解しておくのが重要なので、知財法文集を座右の書として読み込む必要があります。

知財法文集には2種類あり、1つは、特許・実用新案・意匠・商標の「四法」に関するものです。もう1つは、四法だけに限定していない通常形式の法文集です。

弁理士試験においては条文を覚えるのは重要ですが、ただの暗記ではなく、条文の趣旨や制定された経緯まで踏まえて覚える必要があります。そのためには、特許庁が出している基本書を読むと効果的です。

特許庁の基本書にはいくつかありますが、本試験に出題される可能性も高いため、重要度は高めと覚えておきましょう。中でも、「工業所有権法（参照財産権法）逐条解説」は”青本”、「産業財産権法の解説」は、"改正本”と呼ばれ、多くの受験生の間で有名です。

他の試験でも同様ですが、弁理士試験においても過去問の重要度は高いです。情報をインプットする度に、その情報を用いた過去問を解いて、知識が定着したかどうかを確認するようにしましょう。もちろん本番対策にも使えます。

特に論文式試験の過去問では、過去問の解答例からどのようなポイントが加点対象になるのかを把握し、それを再現するのが重要です。論文式試験の過去問では、解答例の優れた本をおすすめします。

短答試験の対策は条文を理解した上で過去問をしっかり解くのが重要です。短答試験では、科目ごとの合格基準点があり、特許法・実用新案法・意匠法・商標法・条約・不正競争防止法・著作権法でまんべんなく点数を取る必要があります。

そして、過去問を解く際には答えを暗記するつもりで、10年分の過去問を用意しそれらを繰り返し解いて、過去問を完全マスターできると合格に大きく近づけます。そのため、繰り返し解くための過去問は、よく吟味して選びましょう。

独学で学ぶ人にとって最難関と言えるのが論述試験になります。論述試験のテキストはあまり市販されていないため対策が難しいにも関わらず、答案の書き方のテクニックを知らなければ、得点がするのが難しいからです。

数少ない論文対策用の市販テキストを徹底的にやりこむか、論文対策だけは独学を諦めて、通信講座を利用する方法もあります。

口述試験は合格率が9割を超える試験であり、油断せずに対策すれば落ちる心配は少ないです。口述試験用のテキストで学んだうえで、過去問をしっかりとやりこみましょう。

テキストと過去問を揃えてばっちりと対策したうえで自信を持って挑むのがおすすめです。

上述の通り、弁理士試験は合格までに3000時間かかると言われている試験なので、働きながら受験する人は学習時間をどのようにして抽出するかがカギとなります。そこで、コンパクトで隙間時間に使いやすい本があると便利です。

ちなみに、短答式試験と論文試験には免除制度もあり、条件を満たすと受験内容を軽くできます。働きながら受験する人は、この免除制度を上手く活用しながら受験すると、現実的な学習計画を立てやすいです。

弁理士試験対策では、エレメンツを手掛けるtacをはじめとして、多くの受験生が予備校や通信講座を利用しています。その中で、独学での受験を考えるなら一番に対策すべきは論述試験対策です。

解答テクニックを学べるかどうかで得点力が大きく違い、合否を左右してくるので、論文対策の参考書は、解答例などが詳しいものを選ぶのをおすすめします。

弁理士試験の勉強を全くしていない初学者が最初に揃えるべきは、入門書・知財法文集・過去問の3つです。短答試験には、条件を満たせば2年間の免除制度があるため、初学者は論述試験や口述試験の対策よりもこれらに手を加える方が優先されます。

まず入門書により、弁理士試験の学習方法や各科目の全体像を学びましょう。そして、知財法文集を読みつつ、該当する過去問をどんどんと解いていくと幅が広がります。

1年以上の学習経験がある勉強経験者なら、学習理解度にもよりますが入門書は不要です。勉強経験者は、短答試験の対策だけでなく論述試験対策や口述試験対策も、ある程度並行して進めていった方がいいといえます。

また、勉強経験者なら青本をはじめとした、特許庁の基本書も読みこなしていったほうがいいです。ただし、勉強経験があってもあまり理解度に自信がない人は、初学者と同様の内容から始めた方が、結果的に合格も近づきます。

弁理士試験では、法律の改正に伴い改正後の法律が出題されるのが一般的です。そのため、最新版ではない古い参考書を用いて勉強していると、改正前の古い法律しか知らないまま受験を迎えてしまいます。極力、最新版の参考書を選びましょう。

独学でも弁理士試験合格は可能です。独学受験は、時間の自由度が効きやすく、自分の理解度や勉強ペースによって柔軟にスケジュールを変更できる強みがあります。ただし、モチベーションコントロールや、論文試験対策が難しいなどのデメリットもあり、これらへの対策が合格の必須条件です。

弁理士試験は、3月に受付を開始・5～10 月に各科目の試験・11月に最終合格発表となっています。そのため、どの時期から準備を始めて何年度の受験を目指すかによって勉強する期間は異なります。下記を参考に、ご自身に合った計画を立ててみましょう。

• 4～6月開始　

翌年の受験を目指す場合は1年間で、最もスタンダードな学習期間です。再来年の受験なら、2年間の学習期間が得られます。じっくりと学びたい方におすすめです。

• 7～10月開始　

翌年の受験なら8ヶ月前後、翌々年なら約1年半の学習期間となります。

• 11月以降開始　

翌年の受験を目指すなら約半年の最短コースです。集中して学びたい方におすすめです。

独学の場合、短答試験と口述試験では、テキストや過去問を繰り返し解けば独学でも好ましい結果を得られます。一方で、論述試験では、市販のテキストが少ないため、その数少ないテキストを十分にやりこむ事が大切です。

ただ、論述試験に関しては、出来れば通信講座などを活用して誰かに添削してもらう方がスムーズに学習可能な場合があります。過去問により答案テクニックを学べても、実際に自分が書いた内容を添削してもらう機会無しには、自分流を抜け出すのは困難だからです。

特許技術者として働きながら弁護士を目指すメリットは2つあります。1つは、特許技術者としての社会人経験が後の転職に有利に働く事です。特に、特定の分野に関わる専門的な業務であればなおさら有利になります。

2つめは、金銭的な面でのメリットです。弁護士の勉強をする際には教材費、講座・塾代など費用がかさみます。働きながらだと給与が貰えて金銭的な負担が減るため、より効率的です。

特許技術者として働きながら弁護士を目指すのにはデメリットもあります。1つは、勉強時間の確保が難しくなる点です。弁護士を目指す上で、勉強時間は何よりも必要な要素であるなかで、仕事との線引きが難しくなる場合があります。

また、仕事をしながら勉強をする形になるため、肉体的・精神的な負担も大きいです。働きながら目的を達成するためには体力・精神力も必要になります。仕事後に気持ちを切り替えて勉強ができる方には向いているといえます。

難しい弁護士試験を乗り越えた先には特許技術者として培った経験が活きます。ぜひチャレンジしてみてください。

弁理士試験に合格した方は、（情報）倫理研修と呼ばれる研修を5年に1度受講することが義務付けられています。eラーニングで5時間、集合研修で5時間の計10時間です。倫理研修の目的は、倫理研修弁理士倫理の徹底を図り、弁理士に対する社会の信用の維持・増大に務めるためです。

人気おすすめの税理士試験参考書10選と、人気おすすめの宅建士用参考書15選は下記の記事で紹介しています。選び方や使い方も含めて紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

弁理士試験用参考書の選び方やおすすめ商品のランキングをご紹介してきましたが、いかがでしたか。弁理士に合格すれば、得られる価値はとても大きなものです。ぜひ良質の参考書を選び、自信を持って試験勉強に臨めるようにしましょう。