富山の日本酒おすすめ12選｜富山でしか買えない日本酒や入手困難なものも

インターネットの発達に伴い、地方原産の日本酒に注目が集まるようになってきました。情報発信だけでなく通販が普及したことも手伝って、上質な日本酒には全国から注文が集まる時代になったのです。

AmazonをはじめとするECサイトで手軽に注文できるものが多くなった一方、現地直販のみ受け付けている「富山でしか買えない入手困難な日本酒」もあり、日本酒に関する正確な情報を得ることはいっそう大事になってきたと言えるでしょう。

以上を踏まえ、本記事では富山の日本酒の選び方・おすすめ銘柄・甘口辛口それぞれのおすすめ商品12選をご紹介します。盛りだくさんの情報をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

富山の日本酒の魅力を簡単にまとめると、上質な辛口を良心的な価格で味わえることです。立山連峰の雪解け水を利用した寒冷地ならではの純度の高い仕込み水は、多くの商品のベースになっています。

また五百万石に代表される、富山原産の酒造好適米も地元ならではの味わいを生む大きな要因。良質な水・米の2大条件が揃っているため、おいしい日本酒が作られるのもごく自然なことと言えます。

価格設定は総じてリーズナブルで、一升瓶で3千円前後の商品も。銘柄によって飲み方も豊富なため、飽きにくいのも特徴の1つです。

純米酒は米・米麹・水だけで造るシンプルな日本酒です。素材の旨味・風味がダイレクトに表現されるため、特に水がおいしい富山は上質な純米酒を作るのに適しています。

純米酒はさらに、下表の通り細かく分類されます。参考にお役立てください。

本醸造酒は基本的な工程は純米酒と同じであるものの、発酵の段階で醸造アルコールを追加する日本酒です。焼酎・ジン・ウォッカなどと同じ手法を採用することから、香ばしい匂いとキレのある飲み口が味わえます。

本醸造酒の細かい分類は下表の通りです。

辛口は主にアルコール度数が高く、口当たりがはっきりしたタイプの日本酒。寒冷地である富山の日本酒は辛口・中辛口が主流です。辛口は淡麗辛口・濃醇辛口に分かれます。淡麗辛口はキリッとした飲み口があり、濃醇辛口は深みと飲みごたえのある味わいが特徴です。

ただし富山の辛口日本酒は単に辛いわけではなく、優しい風味と香りをまとった上品な味わいが魅力。良質な米・水が揃った酒処ならではの飲み口を味わえます。

甘口は、アルコールよりも糖の比重が大きいタイプの日本酒です。甘口にも分類があり、口当たりの濃厚なものを濃醇甘口、すっきりしたものを端麗甘口と呼びます。米由来ながらフルーティーな味わいのものも多く、洋酒好きな愛飲家が対応しやすいのもこのタイプです。

ちなみに日本酒の甘さを示す目安として「日本酒度」があります。日本酒度の数値（マイナス表記）が大きい商品ほど甘みが強いので、覚えておきましょう。

一升瓶は容量1.8Lのスタンダードなサイズです。酒屋・居酒屋に置いてあるボトルと同じであり、家飲みでも本格的に嗜みたい方にぴったり。グラスに都度注ぐことが前提になるため、気分に合わせて飲み方を変えやすい利点があります。なおまとまった量を飲む場合は、ミニボトルの商品を小まめに購入するよりも割安です。

ワンカップの日本酒は飲み比べ・お土産におすすめです。セットタイプなら飲み比べに最適であるほか、バラ売りの場合はかざばりにくいため、富山現地で購入するお土産に適しています。飲みきりサイズのため酒に弱い方に優しく、価格もリーズナブルです。

酒処である富山では、日本酒のミニボトルセットの販売も盛んです。飲み比べ用としては若干バリエーションが少ないものの、装丁が綺麗で華やかなためギフト・お土産用に適しています。また富山の日本酒を試飲するため、自分用に購入する場合にもおすすめです。

米を主原料とする日本酒にとって、酒造好適米の品種は大事な要素。米の品種・産地次第で、風味・味わい・香りなどが大きく左右されます。ちなみに富山の酒造好適米といえば五百万石が有名で、雄山錦は辛口、富の香は本格派のものに使われる機会が多いです。しかし、富山の蔵元であっても必ずしも富山の米を扱うとは限りません。岡山県産の山田錦を採用する銘柄もあります。

精米歩合とは米の磨き具合のことです。具体的には米を玄米の状態から削り落とし、残った割合に相当します。食用の白米が約90％の精米歩合であるのに対し、日本酒製造に使う米の精米歩合は70％以下です。なお先述の通り、日本酒の分類・呼称は精米歩合によって異なる点も押さえておきましょう。

地酒とは、特定の地域で生産される酒のこと。特に日本酒に限られるわけではないものの、日本酒を指すことが多いようです。代表的な地酒の例としては、兵庫県の灘・京都府の伏見が挙げられます。

富山の有名な地酒では立山・勝駒・満寿泉が代表的。特に立山は全国的に知られているものの、出荷量に対して県内での消費量が約8割と大人気です。

勝駒は富山県北西部に位置する高岡地区の酒蔵、清都酒造場のブランド。蔵元は清都酒造場に限られるため、入手困難の銘酒として知る人ぞ知る存在です。米の品種は大吟醸・純米吟醸が山田錦、純米酒・本醸造・普通酒が五百万石。昭和の芸術家・池田満寿夫氏がラベルの題字を手がけたことでも知られています。

立山は日本三名山の1つとして知られる霊峰立山にちなんで名付けられた銘酒です。辛口の味わいで食中酒に適しています。富山県西部の冨山地区で生産されており、蔵元は若駒酒造・成政酒造など全7軒。全国的に知名度はあるものの、出荷量の約8割が富山県内で消費されていることから地酒としても大変人気です。

満寿泉は富山中心部の酒蔵、枡田酒造店のブランドです。蔵のある岩瀬は北前船が往来した湊町であり、廻船問屋・料亭などが立ち並ぶ魅力ある町並み。やや辛口ながら飲みやすく風味があり、中にはフルーティーな甘みを訴えるユーザーも。富山の日本酒を代表する1品です。

黒部峡は全国的に有名な黒部ダムを擁する、黒部峡谷にちなんだ銘酒です。蔵元は富山県北東部・新川地区に位置する林酒造場で、立山連峰の雪解け水を活かした純度の高い清廉な味わいが特徴。本醸造ながらもみずみずしくフルーティーな飲み口が好評です。

大胆にも日本酒の銘柄にアルファベットを盛り込んだIWA 5は、気鋭の酒造メーカー白岩による話題作です。ドンペリニィヨンの醸造最高責任者として知られるリシャール・ジョフロワ氏が研究を重ねて開発しました。

ちなみにIWA 5の名前は、「白岩」と「5種類の酵母」に由来するもの。山田錦・雄町・五百万石との組み合わせにより、絶妙なハーモニーを生み出します。

「鷹の目」は、毎週の販売開始からわずか3分で即完売してしまう点から、入手困難な幻の日本酒とも呼ばれています。パイナップルのような独特の風味が特徴で、「 シャングリ・ラ 東京」ともコラボしており、世界中のレストランから問い合わせが殺到するほどの人気です。

富山市の蔵元、玉旭酒造が製造する「黒部源流大吟醸BLUE」は富山でしか買えない超希少品です。ECサイトだけでなく玉旭酒造の公式HPでも販売されていないため、幻の銘酒と言われています。

購入方法はわずか1つのみ。しかも蔵元の玉旭酒造を訪ねるのではなく、立山アルペンルートに位置する黒部平駅の売店で直接購入するしかありません。黒部ダム・立山連峰を訪れる機会に合わせてチャレンジしてみましょう。

ご紹介してきたように、米・水の名産地である富山は日本酒の品質も抜群です。辛口・中辛口が多いため、魚を中心とした料理との相性もバッチリ。ぜひ本記事を参考に、名産地・富山の日本酒を堪能してください。