オイルパステルおすすめ10選｜向いてる紙は？初心者・プロ向けも

「絵画」はお子さんと一緒に楽しめて、趣味としても奥が深いですよね。でも「絵を描く」って前準備や後片付けを考えると面倒だし、どこから手を付けていいの？と迷って手が出ない方も多いです。

そんな方には、小さい子供から大人まで手軽に絵が楽しめる「オイルパステル」がおすすめです。初心者でもスルスルと滑らかに描けて、色を混ぜたりぼかしたりできるので、いろんな表現が可能です。

そこでこの記事では、基本の「オイルパステルとは？」から、使い方や技法、向いている紙まで詳しく解説します。オイルパステルを選ぶポイントやおすすめのメーカー・商品もご紹介しますので、参考にしてください。

「オイルパステル」は、サクラクレパスの一般名称です。サクラクレパスは株式会社サクラクレパスの登録商標ですので、他社から発売されているクレパスはオイルパステルと呼びます。

着色顔料を体質顔料・固形ワックス・液体油で固めたもので、油分が多く柔らかいのが特徴です。線を描くだけでなく、色を塗り物体の形や色を表現する面描ができます。さらに粘り気のある塗カスを使って、油絵の具で描いたように厚く盛り上げる手法も可能です。

紙の上に色を重ねれば混ざり合い、色の変化を表現する重色もできる万能で手軽な画材です。

「クレヨン」は、オイルパステルよりも先に開発されていました。現在、クレヨンの顔料以外に含まれる成分はオイルパステルとほぼ同じですが、元々は顔料を固形ワックスで練り固めたものでした。

クレヨンはオイルパステルよりも硬いのが特徴で、書いた後に触ってもべたつかず、手につかない長所があります。硬いので線を書くには重宝しますが、色を混ぜたり重ねたりするのには不向きです。

「クレヨンみたいに後始末の手間が無く、油絵の具のようにべったりと塗れるように」と改良され、作られたのがオイルパステルです。

「パステル」は顔料を結合剤を使って固めただけのもので、削った粉末を絵に使います。スポンジで塗ったり、手で伸ばしたり、こすったりして描きます。

クレヨンやオイルパステルと違い、油分をほとんど含まないため、テカリのない優しい色合いの絵が描けるのが特徴です。紙に定着しないので、仕上げにフィキサチーフを定着材につけないといけません。

クレヨンやオイルパステルはさまざまな画材に描くのが可能ですが、パステルは凸凹がある画用紙などにしか描けません。

「クーピー」も、株式会社サクラクレパスの登録商標です。オイルパステルのように一般名称が無く、会社によって名前が違います。

顔料を合成樹脂系素材と練り、成形したもので、簡単に言えば「色鉛筆の芯がそのままむき出しになったもの」です。芯がむき出しでも手が汚れず、クレヨンのように折れる心配がなく消しゴムで消せるのが他にはない特徴です。

色鉛筆とクレヨンの中間にあるような商品で、色鉛筆よりも力強く、クレヨンよりも繊細なタッチの絵を描けます。

オイルパステルは柔らかいので、小さなお子さんでも楽に絵が描けます。その反面、減りやすいといった短所もあります。そこでおすすめなのが王道の「サクラクレパス」です。

何と言っても価格がリーズナブルで、基本の色12～20色を安価で揃えられますし、単色買いも可能です。さらにサクラクレパスからは「水で落とせるクレパス」も発売されています汚れなどの心配なく、ママの負担も減らせます。

ただし保育園や幼稚園で指定があり、購入しないといけない場合も多いので、個人で買う必要があるのか確認を取りましょう。

オイルパステルは発色がいいですが、色を混ぜて表現するのにはコツがいるため、初心者の方は、安価で色数が揃っているセット商品を買うのがおすすめです。万が一趣味が長続きしなかったときに、「高価な商品を買ってしまって失敗した…。」と後悔しないですみます。

逆に段々コツがつかめてきた人には、カランダッシュやセヌリエがおすすめ。価格は高いですが、その分高品質で、耐性も十分にあり、重ね塗りやぼかしにも向いていて、表現の幅をグンと広げてくれます。

おしゃれなお店の前などにある、鮮やかなチョークアート。その道のプロたちもオイルパステルを使っており、黒板に下書きをした後にオイルパステルで色付けを行います。

チョークアートに使用する場合は、発色がいいものを選んでください。黒板の暗い下地に描くため、色が際立つ高発色のものでないと、ぼんやりとした出来上がりになってしまいます。ぺんてるやカランダッシュはチョークアートの定番商品なのでおすすめです。

オイルパステルは絵の具などとは違い、色同士を混ぜて色を作るのはレベルの高い作業です。なので、さまざまな色を揃えておくのがおすすめです。特に立体感を出すときには、色選びは重要なので、初心者は色数の多いセットを購入するのをおすすめします。

描きたい作品のタッチによって、使うものを変えるのも大切です。製品によって含まれる油分の量や質感が全く違います。またベニヤ板や陶器・金属・プラスチックなど、いろんなものに描けるものもあります。描く素材が何なのかも要チェックです。

柔らかいものは伸びがいいので、色を混ぜたり盛り上げて描いたりするときにおすすめです。逆に硬いものは描き込みやすいので、細かい部分を表現したいときにぴったりです。描きたいものに合わせて選んでみてください。

質感と同じく、オイルパステルは製品によって太さが違います。形も四角柱・円柱・三角柱などさまざまな形があるので、画材屋などで買う場合は自分の手にフィットするのか、買う前に試してみましょう。

ネット購入などで、描き味や質感を試せない場合は、画像で形や大きさをよく確認してください。はじめに単品買いをして使用感を試してから、気に入ったらセット品を購入する方法もおすすめです。

オイルパステルは着色顔料を体質顔料・固形ワックス・液体油で固めたものと先述しましたが、「どんな油が使われているのか不安」・「子供が使う時に危険があるのでは」と感じる方もいますよね。

安全性は箱を見るだけでチェックできます。見分け方も簡単で、箱の裏側に「AP」や「CE」マークがあるものを選んでください。この二つのマークは、アメリカや欧州で定められた安全基準や、評価基準をクリアした商品を意味しています。

オイルパステルの元祖といえるのがサクラクレパスです。クレヨンの定着しやすさ・パステルの混色しやすさを兼ね備えた、世界初の描画材料として1925年に開発されました。「棒状絵の具の大革命」とも呼ばれています。

サクラクレパスの「クレパススペシャリスト」は軟らかくてのびがよく、混色・重ね塗りなど豊かな表現が可能です。加えて発色がよく耐光性のある顔料を使っているため、長期間たっても鮮やかな色合いを保てます。

ぺんてるは国内の大手文具メーカーで、品質が高くオリジナリティのある製品を開発しています。特にボールペンなどの筆記具が人気です。「表現するよろこび」を大切にし、画材も豊富にそろっています。

ぺんてるのオイルパステル「専門家用パス」は、チョークアート用の画材として日本チョークアート協会に推薦されるほどの高品質です。カラーバリエーションも豊富で、セットは25色・36色・49色から選べます。

ムンギョは韓国の学校用品・事務用品のメーカーで、子供も安心して使える文具の開発に力を入れています。特徴的なのはコスパの高さです。初心者でも手を出しやすく、安価で色数をそろえられます。

ムンギョのオイルパステル「gallery」は厳選した顔料と素材を使い、滑らかな描き心地です。紙はもちろん、プラモデルなどさまざまなものに色付けできます。日本ではセット販売のみで単色の購入ができません。

セヌリエはルーブル美術館向かいの画材店から始まったメーカーで、ピカソ・セザンヌなど著名な画家に愛用されていた歴史があります。セヌリエの画材は最高級の原料にこだわって作られているのが特徴です。

そのためオイルパステルも高価格ではありますが、色の濃さや鮮やかさ、耐光性は抜群です。紙以外にもベニヤ板・陶器・金属などあらゆる素材に使えます。オイルパステルに慣れ、画材にこだわりたい上級者におすすめです。

カランダッシュもセヌリエと並ぶ高級メーカーです。1915年創業のスイスの筆記具メーカーで、100年以上かけて築かれた独自技術を用い、高品質とモダンなデザインを兼ね備えた画材を作っています。

カランダッシュのオイルパステルは顔料の濃度が高く、優れたカバー力とツヤのある発色が特徴です。あらゆる素材に色を塗れ、絵具など他の画材の上に重ねても使えるので、初心者からプロまで、世界中のアーティストに愛用されています。

オイルパステルを楽しむときに用意するものは、画用紙と木製パネル、下書き用の鉛筆と消しゴムです。画用紙の下に木製パネルを入れれば絵が格段と描きやすくなります。

また木製パネルに画用紙を固定するために、画鋲も用意しましょう。絵を描くときに出るカスは掃除が大変なので、床に新聞紙を敷くと汚れ防止になります。

本格的に楽しみたい人は、パレットナイフやがあるとより多彩な表現が可能になります。オイルパステルは油分が多く乾かないため、「作品を長く楽しみたい」人はクレヨンコートも用意しておくと、汚れ防止や絵の保護ができます。

オイルパステルに向いている紙は、凸凹のある水彩紙が向いています。ケント紙やコピー紙などのツルツルとした紙は、指でこすった時の色の伸びがいいですが、色ムラが出やすくなります。凸凹があったほうが、色をとどめる力が強いので、紙選びは凸凹を基準に選ぶのがおすすめです。

紙面が荒ければ荒いほど、色を厚く塗りこめます。そのため油絵のような作品が作れます。また、指でスクラッチする場合は、紙に負担をかけるのである程度の厚みも必要です。描きたい絵や作品に合った紙選びをしましょう。

保湿などに使うベビーオイルは、カラーレスブレンダーとして代用が可能です。広い面をボカすのに最適で、指・筆・綿棒・さっ筆を使用しましょう。擦りすぎは色が薄くなる場合や、裏移りの原因にもなるので気を付けましょう。

オイルパステルには面白い技法もあるので紹介します。一番簡単なのは、鉛筆で下書きをして、色をのせた後、指でぼかしてみてください。絵の具とも色鉛筆とも違う風合いを感じられます。

色を重ねていったあと、上に塗った色を削り、下の色を透かす感じで描いてみてください。これだけ聞くと難しそうですが、簡単に言えば「スクラッチ」と同じです。たくさんの色を塗った後に上から黒を塗り、釘などでこすると中の色が見えてきまよね？それと同じ技法です。

 他にも、複数の色を画用紙上で混ぜたり、熱を加えてオイルパステルを盛り上げる技法もあります。 いろんな楽しみ方があるので、自分に合ったものを試してみてください。

どんな人でも楽しめるオイルパステルについて今回は紹介しました。オイルパステルを初めて知った方や、購入に悩んでいる方は、選ぶポイントを参考に挑戦してみてください。描き心地や質感が全く違うので、楽しさ倍増間違いなしです。