ダイナミックマイクのおすすめ10選｜USB対応モデルも

レコーディング・ライブ・スピーチなどにマイクは欠かせませんよね。しかし、マイクを初めて購入する方は、どういったマイクが使いやすいか分からないという方も多いのではないでしょうか。そんなときは、比較的安価で高耐久なダイナミックマイクがおすすめです。

ダイナミックマイクは2種類あるマイクタイプのうちの1つで、シンプルな構造なので壊れにくく、特別な電源が必要ありません。また、狙った音だけを拾いやすいので、他の音の被りが気になる方におすすめです。

今回はダイナミックマイクを選ぶポイントを詳しくご紹介します。さらにダイナミックマイクのおすすめ人気商品も紹介しているので、購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

マイクは、「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」の大きく2種類に分かれています。それぞれにメリット・デメリット・用途などが異なるので、特徴をよく知っておきましょう。

ダイナミックマイクは低感度と狭い指向性により、被りの音が少なく狙った楽器だけをピンポイントで集音することに優れています。そのため、複数の楽器が同時に鳴るライブ・ドラムレコーディング・スタジオ練習などに最適です。

またハウリングに強く、耐久性も高いので保管に気を使う必要がなく、バスドラムなどの大きな音がする楽器への使用に適しています。音質はパワフルでまとまりのいいサウンドが特徴です。さらに価格が比較的安く、特殊な電源も不要なのでお手軽に使用できます。

一方で、感度・音の解像度・周波数レンジは低いため、空間全体を集音したり繊細な表現が求められたりする用途には不向きです。

コンデンサーマイクは、高い音の解像度と周波数レンジにより、低音から高音までバランスよくクリアな音質で集音するのが特徴です。また感度も高いので、遠くで鳴っている小さな音や繊細な表現・息遣いなども鮮明に集音します。

そのため、ボーカル・弦楽器系など繊細さが求められる楽器のレコーディングに適しています。また、歌ってみたや喋りがメインとなるゲーム実況などの動画配信にも最適です。一方で高感度により被りの音が大きく、ライブなどの複数の楽器が同時に鳴る現場には向いていません。

加えて湿気・温度変化・衝撃に弱いので、管理する際には気を使う必要があります。使用するためにはファンタム電源（＋48V）という特殊な電力を必要としますが、USB対応モデルであればこの電源は不要です。

マイクとPCは、一部を除いて直接接続することができません。一般的なマイクであれば、XLRケーブル（キャノンケーブル）を使用し、オーディオインターフェイスやミキサーなどのオーディオ機器を介してPCに接続する必要があります。

しかしUSB対応のマイクであれば、このようなのオーディオ機器を介さずPCと直接接続することが可能です。注意点としてUSB対応マイクはお手軽な反面、音質や動作の安定感ではXLRケーブルで接続するモデルより劣ります。

また、USB対応マイクはオーディオインターフェイスなどに使用できず、オーディオシステムを拡張しにくいこともデメリットです。なお、USB対応モデルの多くがコンデンサーマイクなので、ダイナミックマイクは基本的にオーディオインターフェイスが必要になります。

マイクに対してどの方向から集音できるかを指向性と言います。ダイナミックマイクの指向性の種類はかなり限られていますが、利用シーンに合わせてチェックしておきましょう。

マイクの集音範囲を狭め、一方向から集音する指向性が「単一指向性」です。単一指向性はカーディオイドとも呼ばれ、マイクの指向性の中でも最もベーシックかつ広く採用されています。一方向からの集音とは言え、集音範囲に少し余裕があるのが特徴です。

マイクから少しズレた音も適度に拾うので、ピンポイントで集音しつつ自然なサウンドを得ることができます。そのため、ハンドマイクで動きながら使用するライブ・スピーチなどの利用シーンに最適です。

単一指向性よりも、さらに集音範囲を狭めた指向性が「超単一指向性」です。超単一指向性はスーパーカーディオイドとも呼ばます。狙った音だけをピンポイントで集音し、周囲の被りの音をできるだけ抑えたい方におすすめです。

ライブシーンで、その場から動かずスタンドマイクで使用するボーカル・楽器への使用に適しています。しかし、マイクからズレると音のムラができやすいので、激しく動きながらの使用には適していません。

なお、周囲の被りの音を極限まで抑えたい方は、さらに正面からの集音範囲が狭い「ハイパーカーディオイド」がおすすめです。

「周波数特性」とは、低音から高音までの集音可能な周波数帯域を示しています。たとえば、周波数特性30Hz~10kHzの場合、低音は30Hz・高音は10kHzまで集音可能です。集音する楽器・用途に合わせて適切な周波数特性のマイクを選びましょう。

男性ボーカルのどっしりした低音部分まで集音したい方は、70Hz以下まで集音できるモデルがおすすめです。バスドラム・ベースなどのさらに低い音の場合は30Hz付近まで集音できるといいでしょう。

また女性ボーカルのソプラノやドラムの金物系には、15kHz以上の高域側に広いマイクが適しています。

ダイナミックマイクの感度はコンデンサーマイクほど高くありませんが、モデルによって異なります。感度の値は「dBV/Pa」で表示され、通常はマイナスの数値であり、0に近いほど感度が高いです。

ボーカルの繊細な表現まで集音したい方は感度が高いマイク、クリック音やキーボードを叩く音が入り込んで欲しくない場合は感度が低いマイクが適しています。ダイナミックマイクの場合、感度−50~−60dBV/1Pが一般的なので目安にしましょう。

ダイナミックマイクには、モデルによって搭載していると便利な付加機能があります。用途に合わせて必要な機能をチェックしておきましょう。

ダイナミックマイクには、手元でオン・オフできるスイッチを搭載したモデルがあります。ミキサーやPA卓側でコントロールする必要がないので、ライブ中や練習時に非常に便利です。また、ハウリングが起きた場合でもボーカルが自分でオフにして対応できます。

ただし、ライブ中に誤ってスイッチに触れて、歌が途切れてしまうトラブルが起こることもあるので注意してください。

ダイナミックマイクには製品ラインナップは少ないものの、USBに対応したモデルがあります。USB対応モデルであれば、PCと直接接続することが可能です。モデルによっては、USBケーブルと通常のXLRケーブルの2wayで使用できるタイプもあります。

USB対応モデルは、PCと接続したいけれどオーディオインターフェースなどのオーディオ機器を別途購入したくない方におすすめです。

マイク・ヘッドホン・イヤホンなどを取り扱うアメリカの音響機器メーカー「シュア(SHURE)」。ダイナミックマイクの定番モデル「SM58」をはじめ、さまざまなモデルが数多くのスタジオやライブハウスで採用されています。

また、ボーカルや幅広い楽器に使用されるSM57や、指向性を狭めたbetaシリーズなども人気です。ボーカル用ダイナミックマイクの定番モデルが欲しい方におすすめのメーカーと言えます。

さまざまな音響機器を手掛ける日本のオーディオ機器メーカー「オーディオテクニカ（audio-technica）」。スタジオ定番モデルを含む非常に幅広い製品ラインップが魅力です。

ボーカル用だけでなく、低音楽器用の名機「ATM25」などあらゆる楽器に対応したダイナミックマイクを揃えています。用途別に選びたい方におすすめのメーカーです。

世界中で人気のあるドイツの音響機器メーカー「ゼンハイザー(SENNHEISER)」。スイッチ付モデルを含むボーカル用ダイナミックマイクの製品ラインナップが豊富です。

また、さまざまな楽器に対応できる「MD421」やギターアンプサウンドを適度な倍音で上品に集音する「e906」などの楽器用のダイナミックマイクも揃っています。スイッチの有り無しや指向性別に選びたい方におすすめのメーカーです。

アーカーゲーは、音楽の都といわれるオーストリアのウィーンで設立されたオーディオ機器メーカーです。アーカーゲーのダイナミックマイクは、きれいな高音域とパワーある低音域が特徴です。耐久性があるので、音楽のライブやスピーチなどに適しています。

ダイナミックマイクを宅録や配信など自宅で使用する場合は、マイクスタンド・ケーブル・オーディオインターフェースもあわせて購入する必要があります。スタジオやライブハウスで使用する場合は、それらの周辺機器はレンタルできることがほとんどです。

ここまでダイナミックマイクの選び方とおすすめ商品10選を紹介してきましたが、いかがでしたか。高耐久なダイナミックマイクを使用すればライブでパワフルなサウンドとパフォーマンスを届けることができます。用途や選び方をしっかり押さえて、自分にぴったりのダイナミックマイクを見つけましょう。