登山におすすめの軽量ハンモック5選！ハンモック泊の魅力や設置方法も【ハイキング】

一口に「登山」といっても、楽しみ方は人それぞれ。ひたすら山頂を目指すピークハントを楽しむ方もいれば、あえて山頂を目指さずに池や滝を眺めてのんびりとした時間を過ごす方もいるでしょう。さまざまな楽しみ方ができるのも、登山の魅力のひとつです。

そんなのんびり登山スタイルの方におすすめしたいのが、ハンモック登山という新しい登山スタイルです。まだ日本ではあまり普及していないハンモックですが、最近ではテント代わりに使用できるコンパクトなタープ一体型のハンモックも発売されており、近年注目を集めています。

ハンモック泊もできて、より自然を肌に感じながら時間を過ごせるのがハンモック登山の魅力です。ここでは、登山におすすめの軽量ハンモック5選やハンモックの設置に必要な道具、設置方法について紹介します。

ハンモック登山の魅力は、テントやポールなどの重たいギアの代わりに軽量コンパクトなハンモックで済むため、荷物が少なくて済む点です。荷物が軽くなるので体力の消耗も抑えられます。

また、テント泊登山といっても指定されたテント場以外にはテントを張れません。そのため、途中にテント場のない山域にはなかなかチャレンジしにくいのが現状です。一方、ハンモックの場合は木さえあれば張れるため、テント場の少ないマイナーな山域にもチャレンジできます。

通常のテント泊登山のマット代わりとなるのがハンモックです。ハンモックを選ぶポイントは、他の登山ギア選びと同じように軽量コンパクトなハンモックを選ぶことです。いくら寝心地が良くても、重かったりかさばったりすると持って行くのが苦になってしまいます。

最近は、登山にも最適な軽量でコンパクトなハンモックがたくさん発売されているため、慣れるまではサイズ感に注目して選びましょう。慣れてきたら、寝心地を重視するのもおすすめです。

ハンモックを木に設置する際に必要となるのが、ツリーストラップという専用のロープです。ロープワークが得意な人であれば、専用のロープでなくても設置することは可能ですが、ツリーストラップは木を保護する観点から幅が広いものが多いです。

ツリーストラップにもさまざまな種類がありますが、設置しやすくハンモックの取り付け位置を変更しやすいデイジーチェーンタイプが使いやすくておすすめです。ツリーストラップは、設置しやすいものを選びましょう。

テントやツェルトと違ってハンモックには屋根がないため、急な雨や風に備えてタープも必要です。ハンモックとタープが一体化したものや、ハンモックとの接合に特化したタープも発売されていますが、一般的なレクタタープで十分活用できます。

ハンモック同様、軽量コンパクトなタープを選ぶのがポイントですが、テントのような囲いがないハンモックにおいては、しっかりと雨風を防げるタープを選ぶのが大切です。長辺または対角線の長さが3ｍ程度のものを選ぶと安心です。

ハンモックでの快適な眠りを左右するのがシュラフです。通常の登山で使用しているシュラフを代用するのも可能ですが、滑って寝心地が悪い場合も。そこでおすすめなのが、ハンモック専用シュラフです。

ハンモック専用シュラフは足元に穴が開いているため、ハンモックごと覆えて安定します。背中を覆うアンダーキルトと体にかけるトップキルトに分かれているシュラフもありますが、一体型の筒状のハンモックシュラフがおすすめです。

簡単に設置できるハンモックですが、宙に浮くハンモックは設置するための立ち木選びがポイントです。場所選びのコツと設置方法を紹介します。

まず着目したいのが木の間隔です。最適な木の間隔は4～5ｍ。2本の木の間に立って両手を広げ、その2.5～3倍ほどの間隔がある立ち木を選びましょう。緑の葉がしっかりと茂っている生き生きとした木を選んでください。ハンモックを設置する場所は平坦な森の広場が最適ですが、傾斜のある場所でもしっかりとした木があれば設営できます。

木は全体重を支えるので、幹の太さも重要です。幹に両手で抱きつき、それ以上の太さがあれば安心です。ただし、いくら太くても腐っている木や枯れている木は折れる恐れがあるため避けましょう。両手よりも細い木も、丈夫さに欠ける可能性があるため太い木を探してください。

ハンモックは宙に浮いているため地面をおろそかにしがちですが、地面のコンディションも大切です。万が一、ハンモックから落ちた時のことやハンモックから降りる時のことを配慮して場所を選びましょう。

地面が固いと落ちた時に怪我をするため、地面が柔らかいところがおすすめです。また、傾斜が強いと転げ落ちる恐れがあるため、なるべく平坦な場所を選んでください。

設置する場所を見極めたら、まず、目線の高さの木にツリーストラップを巻きつけ、体重をかけてしっかりと固定します。次に、ツリーストラップにハンモックを連結します。ポイントは、ハンモックに座った時に地面からツリーストラップを巻き付けた位置までの角度が30°になるようにすること。そして好みの寝心地に角度を調整します。

ハンモックの位置が決まれば、ツリーストラップにタープを設置して完成です。タープの高さも、ハンモック同様目線の高さに設置しましょう。最後に、ハンモックを覆うように左右を固定したら快適な寝床のできあがりです。雨風が強い時は、タープとハンモックの距離を近くするなど工夫してください。

登山道から離れすぎるのは危険なのでやめましょう。けがをしたり遭難してしまう場合があります。登山道が見える場所や、登山道への戻り方がわかる場所にとどめてください。

ハンモックは日本ではまだ認知度が低いです。そのため、お互いが嫌な思いをする可能性のある人が多いメジャールート周辺で設営することは避けてください。ただし、登山道から離れすぎるのも怪我や遭難のリスクが高まるため、やめましょう。

登山道からそれほど離れなくても、安全で人目につきにくい場所は意外とあります。場所探しもハンモック登山の楽しみの1つと捉えて安全第一に楽しんでください。

あくまで自然の中にお邪魔させてもらっているという気持ちを大切に、自然を壊さないようにしましょう。木の肌を傷めないために、ツリーストラップを巻く前にタオルなどで保護したり、登山道から離れすぎて自然を踏み荒らしたりしないなど、自然保護を心掛けてください。

長年登山をしていると自分の登山スタイルが定着し、物足りなくなることもありますよね。そんな時こそ新たな刺激を求めて、ぜひハンモック登山という新しい登山スタイルを取り入れてみませんか。自然の中にゆったりと身を置くことで、今まで気付かなかった山の新たな一面が見つかるかもしれません。