ブルーレイディスクの容量と録画時間の目安｜ドラマにおすすめの録画モードは？

近年、ブルーレイレコーダーが普及してきた経緯もあり、ブルーレイディスクはダビングやデータバックアップのための必須アイテムなってきています。またゲームソフトにもブルーレイディスクが用いられるなど、DVDに代わる記録メディアとなりつつあります。

しかし、いざお店に行ってみると「BD-RE」「BD-R DL」など、非常に多くの種類があり、容量もさまざまなアイテムが並んでいます。そのため目的に合ったものがどれかわからず、購入前に悩んでしまうケースも多いです。

そこで今回は、ブルーレイディスクの種類や容量、録画モードはどれがいいかなどの疑問と合わせて、ソニーなどのおすすめ商品を詳しくご紹介します。さらに、ドラマ全話を1枚のディスクにダビングできるかどうかも解説していきますので、最後までご覧ください。

「BD-R」は1回だけ書き込みが可能なディスクです。書き込んだデータを消去できませんが、容量が残っていればさらにデータを追加できます。そのため、大事な録画番組を長期間保存したい時や、上書きの必要がないデータを保存したい時などに適しています。

また、大容量のメディアをまとめて人に渡したい場合も「BD-R」が便利です。1回しか書き込みができない分、書き換えが可能なタイプよりも価格が安く購入しやすい点も「BD-R」のメリットです。

「BD-RE」はデータを書き込んだあとに消去できる点に加え、書き換えが可能なディスクです。したがって繰り返し書き換えを行う可能性があるデータや、長期間保存する予定のないデータの書き込みに適しています。

書き換えが可能な回数はディスクごとに異なりますが、一般的には1,000回程度かそれ以下の場合が多いです。また何度も書き込める性能を持っていますので、「BD-R」よりも1枚あたりのコストは少し高めになります。

ブルーレイディスクには映像を記録するための薄い層が貼り付けられており、層の数ごとに容量が変わります。現在では「1～4層」のディスクが販売されていて、3・4層までは数が増えるたびに容量が倍になっていきます。

また記録層ごとに表記も異なり、2層は「-DL」、3・4層は「-XL」となっていますので(例：BD-R ・BD-RE XL)ブルーレイディスクの容量を選ぶ際の目安として参考にしてください。

• 1層：25GB
• 2層：50GB(-DL)
• 3・4層：100GB(-XL)

1層から2層になると容量が倍になり、最大録画時間も単純に倍となりますが、これはあくまで目安です。実際にどれくらい録画できるのかは、さまざまな要素によって変動します。

ブルーレイディスクの容量別録画時間の目安は以下の通りです。

• 25GB：約3時間
• 50GB：約6時間
• 100GB：約12時間

25GBは映画や数時間程度の番組を保存するのに向いています。録画時間は約3時間ですが、画質の調整を行えば複数の番組を1枚のディスクへ記録・収納もできます。

50GB以上はパソコンのデータをバックアップしたい時に使うのがおすすめです。録画するデータ容量によっても変わりますが、50GB以上であればバックアップ先としては十分です。

また、デジタルカメラなどで撮影した4K動画の保存も、50GB以上が適しています。50GBの場合は約1時間40分の保存が可能で、100GBであれば約2時間30分の保存に対応しています。もしディスクを複数枚に分けたくないのであれば、100GBを選びましょう。

BSデジタルで放送された番組をディスクに録画したい場合、地上デジタルの放送に比べ録画できる時間が少し短くなります。具体的には地上デジタルで3時間録画可能なものが、BSデジタルでは2時間10分ほどに短縮されます。

とはいえ、この差はそれほど気にする必要はありません。もし同じ番組が地上デジタルとBSデジタルの両方で放送されていた場合、より長く録画したいなら地上デジタルで、画質にこだわるならBSデジタルで録画しましょう。

ブルーレイディスクの容量に関する違いを以下の表にまとめたので、それぞれ比較して参考にしてください。

「BD-R XL」「BD-RE XL」は、対応しているレコーダーのみで使用可能です。

画質を設定する録画モードは、録画時間に大きく影響します。具体的には、録画モードを低く設定した場合、通常の録画では3時間分しかディスクに入らない内容を、6時間分や12時間分の記録・収納が可能となります。ただし録画モードを低くすると、その分画質も落ちます。

録画モードの名称と内容は以下の通りです。

• DR：通常の放送をそのままの画質で録画
• XP：高画質
• SP：標準
• LP：長時間
• EP：さらに長時間

また上記の名称以外にも、メーカーごとに独自に設けている録画モードもあります。たとえばパナソニックの場合は「HG(2倍録)HX(4倍録)」、ソニーの場合は「SR(標準)XR(高画質)」といった具合です。

放送形式・録画モードごとの録画時間を表にまとめたので、使用するディスクと録画モードを照らし合わせて参考にしてください。

圧縮技術の向上により、現在では録画モードを下げても画質が落ちにくくなっています。

パナソニック独自の録画モードによる、ブルーレイディスクの録画時間比較一覧をご紹介します。パナソニックには通常の「DR～EP」の他に、放送データを圧縮して記録する「HG～HZ」と表記される録画モードを設けています。

なお下記の一覧は「BD-R」「BD-RE」共通の録画時間です。

画質が気になる場合は、テレビ画面のサイズも考慮して録画モードを決めてください。

ブルーレイディスクには書き込み速度の目安となる「倍速」があり、数が大きくなるほど短い時間で書き込みが可能です。倍速は主に「1～2倍速」「1～4倍速」「1～6倍速」の3種類に分かれています。

ただし「BD-RE」は「1～2倍速」のみ、「BD-R XL」は「1～4倍速」のみとなっており、さらにブルーレイレコーダーによっては対応できる倍速が定められているため注意が必要です。

また4倍速までしか対応していなくても「1～6倍速」が使用できる場合もあるので、各レコーダーの取扱説明書をよく確認してください。

ブルーレイディスクの中には、録画用とデータ用の2種類に分かれているものがあります。

• 録画用：ブルーレイレコーダーで録画して記録
• データ用：パソコン・ビデオカメラのデータを記録

それぞれ用途は異なっていますが、実は録画用とデータ用は同じディスクです。そのため、録画用のディスクを使いパソコンのデータの記録も可能ですし、また反対にブルーレイレコーダーからデータ用のディスクへの記録も問題なく行えます。

ブルーレイディスクを初めて購入する時やダビングに慣れていない方は、繰り返し書き込みが可能な「BD-RE」がおすすめです。もしダビングに失敗しても、データを消してまた新しく書き込めるので、ディスクが無駄になりません。

ブルーレイディスクを試しに購入したい場合は「BD-RE(25GB)」の5枚セットがおすすめです。ただし、他機器での再生を可能にするファイナライズを施せるのは、1回だけ書き込みができる「BD-R」のみなので注意しましょう。

連続ドラマ1クール分を1枚に収めるためには、10～12時間分を確保する必要があります。放送された画質そのままで保存したい場合はDRモードが向いていますが、25GBのディスク1枚では3時間ほどしか記録できません。

また、100GBのディスクであれば12時間ほど保存できますが、その分高額になります。さらに100GB以上のディスクは、XL対応のレコーダーでないと録画も再生もできません。

コストをなるべく抑えたいなら、ハイビジョン高画質を圧縮した「AVCモード」でディスクに記録するのがおすすめです。

画質にこだわらないのなら、録画レートを低くするほど1枚に収まりやすいです。レートは数字が大きいほど高画質になり、数字が低いほど低画質となります。ちなみに最も高いレートと最も低いレートでは、記録時間に10倍もの差があります。

1話1時間・全10話のドラマであれば、7倍のレートで録画しCMをカットすると、1枚への収納が可能となります。しかし、ディスクの容量によっては、1話ごとにダビングしていった場合に最後だけ収まらないケースも考えられます。

そのような事態を防ぐために、全話の録画が終わってから容量を確認し書き込みを行う方法をおすすめします。

ブルーレイディスクのおすすめメーカーは、以下の4社です。

• 三菱ケミカルメディア
  Verbatim(バーベタイム)を手掛けており、記録メディアのトップシェアを誇る人気メーカーです。長期保存が可能なものや繰り返し使いやすいものなど、用途によって選びやすいです。
• Panasonic（パナソニック）
  日常的に使用する中でのダメージに強く、容量も大きいため長期の保存に適しています。
• SONY（ソニー）
  高品質が売りで、傷や汚れに強い高性能ハードコートを搭載したものが人気です。
• Maxell（マクセル）
  記録用メディアの大手メーカーで、優れた保持特性をもつ高品質記録膜が搭載されたディスクで知られています。

DVDは汎用性が高い特性もあり、価格をかなり抑えたものが市場に多く出回っています。しかしブルーレイディスクはDVDほど普及していないため、どうしても価格相場が高くなりがちです。

またDVDの10枚セットは1,000円以下～2,000円程度で購入できますが、ブルーレイディスクの100GBの10枚セットは6,000～8,000円以上とかなり高額になります。

ただし、DVDに比べ保存できる容量は5倍ほどあるため、ブルーレイディスク1枚でDVD5枚分の容量とも換算できます。そのため価格によっては、DVDよりもブルーレイディスクの方がコスパに優れている見方もできます。

ブルーレイディスクはDVDよりも精密な構造になっているため、書き込まれた記録が壊れやすいデメリットがあります。DVDの場合は多少のすり傷がついても、ディスクの読み込みには支障がありません。

しかしブルーレイディスクの場合は、微細な傷であっても書き込んだ記録が破損し、読み込めなくなるケースがあります。またホコリやタバコのヤニにも弱く、ディスクに付着すると正常な読み込みを行えない恐れもあります。

そのためブルーレイディスクを扱う時は十分に注意を払い、ダビングが終わったディスクは機器に入れたままにしておかず、取り出して保存しましょう。

多くのメーカーから販売されているテレビ録画用HDDレコーダーはブルーレイディスクに対応していますが、安価なレコーダーの中にはブルーレイディスクに対応していないタイプも存在します。

また、パソコンを使ってブルーレイディスクの書き込みを行いたい方もいると思いますが、パソコンのディスクドライブがブルーレイディスクに対応しているとは限らないため注意が必要です。

ブルーレイディスクを扱える機器なのかどうか、購入前によく確認しておきましょう。

デジタル放送には「ダビング10」と「コピーワンス」と呼ばれる2種類のダビング制限があります。

• ダビング10：HDDレコーダーなどで録画した番組に対し、コピー9回＋他メディアへの移動1回を許可(ダビング回数10回)
• コピーワンス：レコーダーなどで録画した番組に関し、ディスクへの移動が1回のみ可能(ダビング回数1回)

ダビング10を利用するには、専用の対応機器が必要です。また、ダビング10のコピー先はAACS(コピープロテクト規格)に対応している点も必須条件となり、ダビングを10回行うとデータが消滅します。ダビング10ではディスクからディスクへのコピーはできませんが、アナログ機器へのコピーは無制限で問題ありません。

一方で、コピーワンスはダビングが1回しか行えない上に、もし失敗した場合にはデータは元に戻りません。そのため、コピーワンスによる制限には特に気を付けましょう。

ブルーレイディスクの寿命は、一般的に「10年以上」とされています。商品によっては、それ以上の年数が記載されている場合もありますが、目安としては大体10年と考え方が無難のようです。

記録されているデータそのものは半永久とされていますが、ディスクも物理的なアイテムですので、取り扱い方や保管方法によって寿命が大きく変わるとされています。

ブルーレイディスクのような光ディスクは、構造的にデリケートなアイテムなので、取り扱いや保管場所などを考慮して扱うとディスクへのダメージが少なく寿命ものばせます。

まず基本的な注意点ですが、ディスクの記録面にはできるだけ手を触れないようにしましょう。指紋や傷がついたりしますと、読めなくなったりするダメージへと繋がります。そのためディスクを取り扱う際には、ディスクの端を指で摘まんで出し入れするようにしてください。

ブルーレイディスクは、直射日光による紫外線などに弱いので、直接陽が当たる場所を避けるとか、透明のボックスより、黒いボックスに入れての保管する方が効果的です。そして保管場所に関して以下のような注意が必要です。

• 直射日光をさける
• 急激な温度変化のある場所に置かない
• 湿気の多い場所は避ける
• ホコリの多い場所に置かない

ブルーレイディスクは容量や録画モードの組み合わせによって、さまざまな録画時間のパターンが選択できます。ブルーレイディスク毎のそれぞれの容量をしっかりと見極め、用途に合わせて適切に使い分けましょう。また、レコーダーやパソコンなど、対応機器の確認もしっかりと行いましょう。