水銀血圧計の処分には要注意!正しい方法を自治体ごとに詳しく解説

かつて、体温計や血圧計は水銀式のものが主流でしたが、今後は製造や輸出入が禁止となります。この記事では、その理由や廃棄の方法をまとめました。現在使っている方はもちろん、ご家庭にまだあるという方は、これを機に買い替えを検討してみませんか?

2021/10/21 更新

水銀血圧計を使っている方、もし新しいものを買うときにその水銀血圧計をどのように処分しようと考えていますか?「普通に燃えないゴミで出せばいいんじゃないの?」と考えている方、それは大きな間違いです。

 

実は、水銀はとても丁寧に扱う必要があり、自治体ごとに処分方法が決められています。また、世界的には水銀血圧計そのものを廃止する動きが活発になっているんです。

 

この記事では、水銀血圧計が禁止になる動きについて、水銀血圧計が回収されることについて、水銀血圧計の廃棄方法と自治体ごとの詳しい例について詳しく解説していきます。ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

「水銀血圧計はどのように廃棄すればいい?」を今すぐ見る

水銀血圧計や水銀体温計は、2021年1月1日以降の製造や輸出入が原則禁止となります。これは、「水俣(みなまた)条約」および「水銀汚染防止法」等によるもので、これ以降は新たに購入することはできなくなります。水俣条約とは、日本政府が主導となり採択された国際条約で、正式名称を『水銀に関する水俣条約』といいます。

 

「水俣病」の原因が水銀(メチル水銀化合物)であったことは広く知られていますが、発展途上国において今なお同様の症例や環境汚染がしばしば確認されています。こうした状況を受け、世界規模での水銀製品の規制や管理を目標とした水俣条約が締結されました。

 

水俣条約の採択により、水銀汚染防止法(正式名称は「水銀による環境の汚染防止に関する法律」)等も成立しました。これに基づき「特定水銀使用製品」に該当する商品(水銀血圧計や水銀体温計など)は、製造・輸出入が禁止となるのです。

地域によって回収の有無やその方法が異なります。一般的には、通常の不燃ごみとして出すことはできません。水銀を使用した製品が破損すると、中身(金属水銀)はいずれ気化して「水銀蒸気」となり、低濃度で健康障害を引き起こす可能性があるためです。

 

特に、水銀式の血圧計は水銀含有量が非常に高く(下表参照)、世界保健機関(WHO)は全廃を目指しています。将来的に起こりうる不適正処理のリスクは回避すべきで、短期間で集中的に、なおかつ全国規模での迅速な回収・処分が求められているのです。

 

品目 平均水銀含有量(mg) 備考
蛍光管 6

品番:最初のアルファベットがF,EF,GL,B,N,M,Hなど

白熱電球、LED、ハロゲンランプは水銀不使用

水銀体温計 1200

蛍光管に換算すると約200本分の水銀を使用

水銀温度計 3700

蛍光管に換算すると約620本分の水銀を使用

水銀血圧計 48000

蛍光管に換算すると約8000本分の水銀を使用

環境省の定めたガイドラインによれば、廃棄の際に可燃物として出すことや、不燃物・資源ごみ(水銀不使用製品)と混合して出すことは原則として禁止されています。

 

ただし、詳細については各市町村に一任しており、回収の場所や方法、回収対象も異なります。廃棄の際には、お住まいの市区町村の情報を必ず確認するようにしてください。

 

また、医療機関の場合は、地域によって医師会等による回収が行われる場合もあります。ない場合は、許可を得た運搬業者および処分業者に依頼する必要がありますので、地域の産業廃棄物担当の行政窓口へ相談するようにしてください。

水銀使用製品の回収方法は自治体ごとに異なり、定められた地点へ住民が持ち込みをする方法、市区町村などが拠点回収に向かう方法などがあります。

 

例えば、市区町村が指定した日時・場所(小学校校庭や公園など)にて回収を行う方法(京都府京都市など)、区役所や協力店など複数個所に回収ボックスを設置する方法(北海道札幌市など)、戸別訪問を実施(東京都多摩市など)など、様々です。あるいは同時に複数の方法を実施している場合もあります。

 

回収方法は、それぞれの地域のもつ特性や状況などを踏まえたうえで決まるようです。また、回収する品目や回収頻度なども異なってきます。それでは、実際の例として、いくつかの自治体の具体的な廃棄方法を見てみましょう。

横浜市

神奈川県横浜市では、各区区役所内の回収ボックスおよび収集事務所にて回収しています。水銀式体温計は専用の回収ボックスへ、水銀式温度計・水銀式血圧計は受付窓口にて回収となります。

 

持ち込みの際には、購入時のケースやビニール袋などに入れ、そのまま提出するようにしてください。また、一度出したものについては返却はできません。区役所での回収は土曜開庁時は受付していませんのでご注意ください。

 

詳細は資源循環局 家庭系対策部 業務課(045-671-3819)へ。

名古屋市

愛知県名古屋市の場合は、蛍光管、水銀体温計、水銀温度計のみが回収対象です。回収方法は各区の環境事業所への持ち込みとなります。なお、破損している場合は受け付けられませんので、丈夫な紙などに包み、大きく「キケン」と表示し不燃ごみに出してください。

 

水銀血圧計については、市としての回収はありません。販売店などへ相談するようにしてください。また、事業系の水銀使用製品に関しても、市での回収は行っていません。産業廃棄物として処理するようにしてください。

 

詳細は 環境局作業課(052-972-2396)へ。

さいたま市

埼玉県さいたま市では、「有害危険ごみ」としてごみ収集日に出すことができます。収集日は週1回で、「もえないごみ・資源物2類」と同じ曜日となります。曜日は地区ごとに異なりますので、お住まいの地区の収集曜日を確認してください。

 

ごみに出す際は、種類別に透明の袋に入れて収集所の端に出してください。水銀体温計、水銀温度計、水銀血圧計すべてが収集対象となります。もえないごみや水銀不使用の資源ごみなどと混同せず、必ず種類ごとに別々の透明袋に入れて出すようにしてください。

 

詳細は環境局 資源循環推進部 廃棄物対策課(048-829-1336)へ。

大阪市

大阪府大阪市では、水銀体温計は各地の回収ボックスに入れることができます。回収ボックスは、区役所などの公共施設のほか、一部のコンビニエンスストアやスーパーにも設置されているので便利です。

 

水銀温度計、水銀血圧計の回収は環境事業センター窓口による受付回収のみとなっておりますので、そちらへ持ち込むようにしてくださいただし、ボタン電池および家庭以外(会社や商店など)から出た水銀使用製品に関しては、市での回収は不可となります。

 

詳細は 環境局事業部 家庭ごみ減量課 市民啓発グループ(06-6630-3259)へ。

厳密に言えば、禁止となるのは「製造・輸出入」だけですので、現在所有している水銀血圧計を引き続き使用することは可能です。ただ、破損時のリスクが大きいということは忘れないでください。この機会に、安全で手軽な電子血圧計を検討してみてはいかがでしょうか。

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